煌きを失った性生活は性の不一致となりセックスレスになる人も多い、新たな刺激・心地よさ付与し、特許取得ソフトノーブルは避妊法としても優れ。タブー視されがちな性生活、性の不一致の悩みを改善しセックスレス夫婦になるのを防いでくれます。トップ画像

新着情報

日本の近現代史。中韓露の大嘘(プロパガンダ)の正体を曝け出す


目次セックスがこわい 精神科で語られる愛と性の話 香山リカ 著

はじめに
第一章 心の悩みの原因が、
実はセックスレスにあった
(1)「不妊治療がストレス」、
 本当の悩みはセックスレスだった主婦ミサエのケース
夫とは仲がいいが、ほとんどセックスがない状態
妻といえば妻だが、夫に自分がどう思われているか不安
性欲というのかわからないが、誰かにぎゅっと抱きしめてほしい

(2)「セックス恐怖症」のまま結婚し、夫を拒み続ける妻、カオリ
「愛情はあるがセックスレス」の夫婦の理由とは
夫とは一度もセックスが出来ないが、気にしていない
仕事を持っている女性のほうが、セックスレスに悩んでいる
「従軍慰安婦になりたい」というミナ

(3) 男性にとってセックスはコミュニケーションではない?
『セカチュー』や『恋空』の世界に憧れる女たち
心の病に苦しむ女性たちが感じる、夫や恋人との心のすれ違い
パートナーと向き合い、話し合おうとしない男たち

(4)結婚しても妻にかかわりたくない
 ハードな仕事をこなしても、家で仕事がある妻アユミ
やさしいが、「どうしたの?」とは聞いてくれない夫
 自分だけに向けられたことばが必要
恋愛嫌いの男性たち
「こんな男には気をつけろ!」
エリート夫はロリコンで自傷癖が‥‥
「やさしい母親とよい息子」関係にひそむ危険

第二章 心の病気でも、年をとっても、人には性欲がある。
(1) うつ病では性欲が減退する、というが
「うつ病で性欲減退」は、本当なのか?
 一般的に、うつ病では性欲が減退すると言われている。
 離婚して生活保護を受けている「うつ病」の四〇代女性ジュンコ
二〇歳年下の恋人、そして妊娠の疑い
 女性患者を見たら、まず妊娠を疑え

(2) 人は何歳までセックスをするものなのか
人は、九〇歳でも性欲がある動物
人間は、何歳までセックスをするものだろう?
「夫婦別室」が、マンションの売りになる時代
高齢者のパートナーの有無と性の実態
人間いくつになっても性的存在である。
 八〇歳近い夫の不倫を心配する七〇代女性

第三章 セックスの男女差と歳の差
(1) 男性はなぜ精力にこだわるのか
 精神科で語られるのは、女性からのセックスレス
男性更年期障害のチェックリスト
 男性の更年期障害の原因は何か?
 男性はどうして、性欲や勃起力の低下にこだわるのか?
妻が求めているのは”心ふれあい”なのに

(2)「女性患者を見たら、まず妊娠を疑え」の真実味
恋人もいない、結婚も考えていないが妊娠

(3)年下男との恋とセックス
 四二歳女性教師が、一六歳の元教え子と逃避行
 二〇〇七年九月、ひとつの事件が世間の注目を集めた。
四〇代後半の女性と二五歳美容師との性愛
自分が愛するに値する人であれば、年齢は関係ない
年下男との恋愛の育て方

(4)年上男性との恋とセックス
 二〇歳の娘が二〇歳年上の男と交際しているのを心配する母親
「娘の幸せを願っている」と言う母親の心の中
「夫からひとりの女性として見てもらえない」不満

第4章 性と恋愛と 心の悩み 分析編
「症状の背後に隠された性的な意味」をあぶり出そうとしたフロイト
フロイトに対する批判のポイントとは?
医学で語られる性は、より身体的な問題へシフトしている 

病気の治療ではなく、人生の質の向上のためにバイアグラを医者が処方する時代
「性のことは医療の場では聞かない、語られない」
キム・ミョンガン氏の試み、セックスレスキュー
医者として、自分にできることは
本表紙 香山リカ著

女は男のどこを見抜くべきか 香山リカ 著 目次

はじめに
1 男のプライドと嫉妬の本質
「精神科医」を名乗ってみれば
なぜ不自然な反応をするのか 傷つきやすいもの、それは男性のプライド
嫉妬が蔓延する競争社会  嫉妬の奴隷にならないため
2 まじめな人、謙虚な人はトクかソンか?
まじめ、几帳面な性格は短所?
なぜチョィ悪オヤジやラテン系気質が活躍できたの“新型まじめ人間”に必要なひと工夫
遠慮がちなタイプとわれ先タイプ   自己愛人間への賢い対処法

3「男は女に立てられるもの」はどこからきているのか
「カリスマ」というカン違い
実はゆるかった江戸時代のイエ制度 父親、長男優先意識は国家戦略
男にとっての「母」とは?  女性たちの本音
4 モテる男になるための会話術
相手が何を望んでいるかを察する そっとしておいて欲しい
「どう話すか」よりも「どう話さないか」 こんな人が嫌われる


5 品格と野心、この時代に必要なのは?
 品格とは生来備わっている優雅さの 「品格」は現代の「聖」?
野心はどこかに消えた  増え続ける「母だけを愛する息子たち」
オヤジの時代をとり戻そう
6 いつまでも「性的機能」にこだわる男たち
 中年男性の願望 男性にも更年期障害がある。
更年期障害の治療法は?  「自然な老化」なのかもしれない

7 不倫をしながら家族を愛する男の本音
女性の気持ちを逆なでする 矛盾に気づかない身勝手さ
団塊世代の男性の特徴  無意識の葛藤に気づいているか
8 熟年離婚が増えている理由(わけ)
「死ねばいい」と思われている夫 自分らしい人生をまっとうした
結婚生活、妻の満足度・夫の満足度  もっと会話してほしい!

9 配偶者を亡くすとき
なぜ女性のほうが沈着冷静なの  配偶者を失った人への心のケア
家事能力を身につける 
10 拝金主義と理想主義の折り合いのつけ方
金儲けのためなら何をしてもいいのか 拝金主義と理想主義のあいだで
よいことをしたと思う自己満足  コミュニケーションをきちんと取る
さもしくもなく、時代遅れでもなく

11 老いることがそんなに怖いですか
健康にこだわりすぎる男たち  長生きできる人は太り気味の人
老いることは自然なこと  老いの流れに逆らわらない
12 パワーハラスメント・世代間意識の違い
パワハラ、これが上司の本音  上司のこんな言葉に傷ついている
世代間に横たわるギャップ  パワハラ・セクハラを避ける必須条件
理想はこんな上司


13 男性のDVはなぜ多いのか
精神的暴力が与える深刻な影響  きっかけは阪神淡路大震災と地下鉄サリン事
歪んだ自己愛性格によるモラル・ハラスメント 
14 痴漢や盗撮に走る心理
元通りの生活には戻れない フェティシズムに走る人、マッチョに振る舞う人
等身大の自分と自信と誇りを!

15 時代や社会は人にどう影響を与えるのか
地位や権限は人を変える 使命感のはき違え
新型うつはマスメディアの造語 
おわりに
本表紙

男と女‥‥セックスをめぐる五つの心理 亀山早苗著

第一章 愛情
セックスで愛情は計れるのか?
男女それぞれがセックスに求めるもの
男にとっての「風俗」とは?
風俗に対する男女の見解の違い

第2 セックスを回避したがる女たち
男が恋に走ってしまったら
男の正直さをあなたは愛せる?
女性が他の男性と「したい」と思うとき
女性向け風俗店はなぜ流行らないか
女性が自らの性欲を認めない理由

第3 男と女の浮気の定義
「妻たちの恋」最新情報
既婚者の「恋するリスク」と「性の歓び」

第4 セックスと愛情の関係
愛情のものさし」はいったい何?
すぐ押し倒したがる男の気持ち
セックスのおける「一般常識」はあるのか
セックスに没頭するために

第5 二章 嫉妬 阿部定事件
ペニスが女を狂わせる?
ジェラシーの真実
「阿部定事件」に見る女の嫉妬
嫉妬からの解放
三角関係をどう考えるべきか
体を壊すほどの嫉妬心
自分が相手を「信じる」こと

第6  男の嫉妬はもっと複雑なもの
女に浮気を告白されたとき
浮気を公認させた女
自分たちが「よしとする」関係

第7 妻を他の男にゆだねる快感
「刺激」は「嫉妬」を越えられるか
アイデンティティが揺らぐとき
どこまで一対一の関係を重視するか

第8 三章 葛藤
 セックスは男がリードするもの?
相手のシグナルを読めない男たちは
男と女は「暗黙の了解」が大切
女も欲求を素直に出していいものか?
男が感じるプレッシャー
セックスを学ぶ場がない

第9 勃起への不安、ペニスの問題
男における「ペニスの問題」
女が抱えるプレッシャ
相手の好みに左右されないで
要求をどう伝えるか
男の弱み(仮性包茎)にどう対処するか

第10 オーガズムを感じたことがない女たち
セックスについて話し合う重要性
差し込み文書
コンプレックスはだれでもある
自分の「したいこと」は何か
抱かれる快感を得た男
彼に隠れてスリルを満たす
自分の常識は他人の非常識
一度は相手の願望につきあってみる
「葛藤」は「体験」によって克服できる?

第11 四章 自由
カップル間で、自由はどこまで許されるか
自由と責任のはざま複数愛は男間専売特許?
幅広く愛する男と優先順位をつける女
女だけに刷り込まれた特別なモラル
大人のカップルならではの「自由」

第12 相手の「自由」をどう考えるべきか
女が他の男とつきあうとき
私は「女」としてまだ通用する?
セックスフレンドは必要か
複数の異性とつきあってバランスをとる
用途別に男とつきあう
コミュニケーションのとり方は男女で違う
妥協はしても我慢はしない

第13 セックスとマスターベーションの関係
ひとりエッチに関するモラル考
マスターベーションで、より自由に
感じる自分を受け止められない
快感を得る自由を他人任せにしてはいけない
自由の果てにあった。不自由な感情
この恋を信じていいのか
自由の裏にもリスクがある

第14章 解放
心を解き放つとき
セックス観を見直すきっかけ
失恋が人生を変えた
新しい恋に飛び込んで
セックスは自分のペースで
自分を「解放」する歓び
セクシーな男性との一夜の関係

第15 テクニシャンな女になりたいなら
心の奥底にあった欲望
とまどう私とやめられない私
解放の先にあるもの
あとがき

 本表紙亀山早苗 著

目次「最後の恋」に彷徨(さまよ)う男たち

第一章
「最後の恋」に落ちる男たち
★きっかけ
★大事にしたい思い
★誰もが抱く欠落感
★家庭での顔と男としての顔
★彼女しか見えない
★役割から逃れられない
★恋は感情を豊かにする
★楽な生き方はない
★恋にのめり込んでいく過程

第二章
悩める現代のアラフィフ世代
★男たちを取り巻く環境は激変
★妻の不機嫌が怖い男たち
★居場所を求めて
★相手の気持ちを測りかねて
★若い女性に弄ばれて…‥
★男が恋に落ちるとき
★恋の初期に、はしゃぐのは男?

第三章 恋愛感情とセックスに惑う 男たちの証言
★三十歳年下の独身女性にのめり込んで
★社内でひと目惚れ
★セックスに溺れて
★二股をかけられても別れられない
★SNSで中学の同級生と再会して
★再婚して幸せだったのに
★自分の恋心に気づいたとき
★プラトニックを貫き通して
★彼女に心が傾いた瞬間
★意外な場所で彼女に会って

第四 家庭での居場所がなくなって
★あちこちに?をつくように
★別れようと思っても別れられない
★彼女の夫によってすべてが露見
★いくら話し合っても決着がつかない

第五 四章 女たちから見た「最後の恋」と「婚外恋愛」
★アラフィフ男性と恋をする女性たち
★自分から誘い
★関係が変わるとき
★同世代妻の心理
★恋愛相手には「女」を全開
★夫婦は家族、恋愛は外で
★夫の恋愛がわかったとき
★疑惑があっても放っておく
★夫婦とは……

第六 五章「最後の恋」のゆくえと決断
★恋が終わるとき
★苦しくても耐えるしかない別れ
★自分から別れを告げて
★恋に未練を残すのは男
★離婚して再婚
★気遣い合いながらの再婚生活
★再婚したことを後悔
★未練と執着
★執着心にとりつかれて
★思い出だけで生きていける
★死んだ恋はよみがえらない
★あとがき

本表紙 亀山早苗著

目次 男と女 渡辺 淳一

 初めに
 愛について、こうしたら愛されるとか、こうすると彼や彼女の気持ちを惹きつけられるといった、具体的な方法論があるわけじゃない。

 いうまでもなく、愛は多彩で千差万別で、人それぞれによって好みも愛し方も違う。それに、たとえひとつの方法が見出されたとしても、それをみんなが一斉に使いだしたら、すべてが同じやり方になり、その方法自体、意味がなくなってしまう。

 要するに、愛に決め手はないのだが、といって初めから投げ出し、諦めることもない。
 たしかに、愛に絶対という方法はないが、代わりに愛について考え、想像し、学ぶことも大切である。表面のきれいごとだけでなく、男や女や愛について、その本質と実態を知れば、彼や彼女に対してもう少し素直に接し、それなりに理解し合えるのではないか。

第一章 恋して愛して
この章では、
男女の出会いから恋にはじまり、
互いに愛し合い、
ある場合は結婚まですすみ、
ある場合は不倫の関係に陥り、
さまざまな喜びと哀しみを経て、
ときには別れに至る。
その一連の流れのなかで生じる、
さまざまな問題について考察、描写された文章が集められている。
1 言葉の力
(1) 口説く
すべての恋は、まず自分の気持を正直に告げることからはじまる。なにもいわずに、相手がわかってくれるはずだと思うのは、自己中心的な怠け者にすぎない。
2 タイミング
男と女はタイミングである。行くと決めたら行くべきで、それに失敗しても、行かずに悔いるより傷は浅い。
3 恋の効用
恋すると、女は美しく、男は生き生きとしてくる。まさしく、恋はその人を内側から輝かせ、引き立たせる最良の化粧品である。
4燃えあがる愛
ともに燃え上がったとき、二人は愛の絶対を信じ、このままともに果ててもいいと思う。こんな熱い二人に、ありきたりな常識や道徳を説くのは、獣に道を説くのに似て無意味である。
5愛とエゴ
愛が深まるにつれて、エゴ(自我)も深まっていく。圧倒的な愛を成し遂げるためには、エゴイストという名の才能が必要である。
6 移ろう愛
強いと思われた愛も離れすぎると薄れるように、二人が近づきすぎても、愛は徐々に萎えていく。
7 結婚の実態
結婚することがハッピーエンドなのではない。結婚して夫婦ともに過ごすうちに。二人は確実に老い、やがて死にいたる。
その最後のとき、私は幸せだと思えたら、その結婚は初めてハッピーエンドであったと胸を張っていうことができる。
8 不倫の内側
恋の焔はまわりの条件が悪ければ悪いほど燃え上がる。
まさしく不倫はこの条件に適った煌めく焔だが、それを保つには圧倒的なエネルギーと、もっとも愛する人を愛して何が悪いという、反社会的な開き直りが必要である。
9 別れと再生
愛はいつか終りが訪れるが、といって悲しむことはない。たとえいっときでも愛したいという事実は、その人をより豊かにするし、そこから立ち直る勇気もわいてくる。
第U章 女という性
この章では、
女性の精神と?、
さらにその行動から性の内面まで、
さまざまな角度から考察し、描写された
文章が集められている。
むろん一口に女性といっても、
生きてきた背景や体験から感性までさまざまで、
同じ言葉でくくれるわけでなはない。
それは承知のうえで、
なお女性を理解するうえに
参考になると思われるものが、
中心になっている。

1 女の武器
素直さも一途さも、知性も教養も忍耐力も、泣きごとも嘘も媚態も、女の場合はすべて武器になる。だがそれもつかいようで、下手なときに打算だけで使うと、自らの卑しさをさらすだけの、自分を傷つける武器になる。
2 女体の美
若いときは誰でも美しく、それゆえに、若くて美しいことは才能ではない。だから四十から五十、さらに六十から七十と、歳を重ねてもなお美しければ、それこそまさしく、美しいという名の才能である。
3 女の未練
愛しているから未練が残る。だがその未練の裏には、憎しみが反発、復讐など、さまざまな思いが絡み合っていることを忘れるべきではない。
4 結婚願望
とやかくいっても、女は確実に身近にいて、つねに愛してくれる男に傾いていく。さらにその男が結婚という形を示したら、もはや鬼に金棒である。
5 女と仕事
仕事に有能な女性と美しくセクシイな女性とは、必ずしも一致しない。ときにそれを嘆く女性もいるが、それだけ女性の生き方は多彩で、変化に富んでいるともいえる。
6 愛人の立場
結婚はしていないが、経済的に自立して、かつ深い愛にもつつまれている。こういう女性をフランスではメトレスというが、そこには暗い影はなく、むしろ自立した女性のプライドと前向きの意欲が表れている。
7 女の妖しさ
女のからだは微妙だが、精神は必ずしも繊細とは言いかねる。むしろある面では男より逞しく、だからこそ、女は生理、妊娠、出産という大きな嵐に耐えて、生きていけるのであろう。
8 女のからだ
女性は多彩で複雑で、常に流動的である。その動きは必ずしも論理的でなく、それがまた女の魅力となって、男たちを二重に驚かせ、惑わせる。
9 強き性
最も気の強い男も、もっとも気の弱い女性に勝てないように、どんなに秀れた理論家より、ごくごく平凡な女性のほうが、はるかにラディカルで革命的である。

第V章 男という性
この章では、
男性の精神と?、
さらにその行動から性の実態まで、
さまざまな角度から考察し、描写された
文章が集められている。
女性に比べて男性はバラツキが少なく、
いわゆる型にはめやすいが、
反面、男性は意外に自らの内面をさらさず、
本音がみえにくい。
ここではその隠された心の内側に踏み込み、
男を理解するうえで参考になると思われるものが、
中心になっている。
1 少年の性
少年の股間には、自分で抑制のきかぬもう一人の男が潜んでいて、これの制御にエネルギーの大半を費やしている。
2 男の成長
性に目覚め、女性を知り、それに溺れ、自信を得ていくことが男の成長である。いいかえると、男はそれだけ性にこだわる性的ないきものである。
3 男の浮気
しかるべき経済力と自由度とチャンスがあれば、ほとんどの男は浮気する。もししない男がいれば、ごくごく稀な愛妻家か、女性に迫る勇気まではない、精神的な不能者である。
4 男の欲望
懸命に働き、地位を得て金を得る。その目的はただひとつ、女にもてて、素敵な女性を自分のものにすることで、原点を探れば、自然界のオスがしていることとなんら変わりはない。
5 男の夢
地位も権力も名声も、それぞれに夢見るが、その奥で男がさらに夢見ているのは、最愛の女性と淫らなかぎりを尽くした性の饗宴である。
6 男の本音
男は自尊心が強くプライドが高い生きもので、これを揺さぶられたときに最も反撥し、打ち砕かれてたときに最も深く落ちこむ。いいかえると、自尊心とプライドをくすぐれば、男を巧みに操ることもできる。
7 愛育する喜び
強く力のある男は、多くのお金と時間を費して、若く稚い女性を自分好みに愛育する願望を抱く。なんと馬鹿なことをと呆れる女性もいるが、女はそういう無駄なことをしないところが、男との違いでもある。
8 男の弱点
男は根は保守的で、そのくせいっときの感情に酔って見栄を張り、いい恰好をしてみせる。要するに情に脆く、泣き虫なのだが、それを見せずに強がる分だけ、心も体も疲れて弱っている。

第W章 男と女のはざま
この章では、
男と女の違い、
とくに資質や心情、行動、
さらにセックスから結婚観の違いまで、
さまざまな面から観察し、描写された
文章が集められている。
むろん男と女は共通する面は多いが、
同様に異なる面も無数にある。
この根本的な違いを
まず知ることによって、
本当の意味で男と女は理解し、
許し合えるようになる。
1 資質の違い
男は瞬発力は強いが、持続する力では女性に勝てない。待つ力も耐える力も弱いから、つい先に手を出し、最初に暴力をふるったのはあなただ、ということになり、まわりも同情し、気がつくと男はいつか女の軍門に下っている。
2 心情の違い
男は自分に酔う。自分と環境と、近視と遠視との二人では、愛について語っても意見が合わないのは無理もない。
3 行動の違い
男は短距離走者で、女はマラソンランナーである。当然のことながら、初めは男が先行するが、中盤から後半は確実に女が抜いて、ゴールでは男はかなり差をつけられて、負けている。
4 性の違い
女の?はひ弱だが、性は多彩で逞しい。かわりに男の?は頑健だが、その性は直線的でぜいじゃくである。複雑な分だけ、女の性は導く男が必要だが、気が付くと、その男は女を悦ばせるだけの奉仕者となっている。
5 エロスの違い
快楽の頂点で、女はこのまま死にたいと願い、男は射精のあとで、このまま死ぬかもしれないと怯える。
6 結婚観の違い
結婚に当たって、女は愛を優先し、男は形を優先する。いいかえると、女は好きな男性となければ結婚を続けられないが、男は多少好きでなくても、結婚と言う形は保つことができる。
7 愛の違い
男の「君が一番好き」という台詞は、他に二番や三番目も少し好きということの意味だが、女の「あなた一番好き」はほぼ一人を意味する。要するに、男の愛は比較級だが、女の愛は絶対級に近く、そのあたりが男と女の揉める原因でもあ。
8 別れの違い
女は別れるまではおおいに迷うが、一度、別れると決めたら、もはや振り返りはしない。これに反して、男は別れるとは簡単にいうが、実際は容易に別れず、ただひとつ、男が毅然と別れるときは、後任がいるときにかぎられている。

第X章 愛の万華鏡
1 セクシイ
美しい女は少なくないが、セクシイな女は少ない。同様に、姿のいい男は多いが、セクシイな男は少ない。なぜなら、美しさやハンサムは外見の問題だが、セクシイは内面から滲むものだけに、一朝一夕には成り立たないからである。
2 前戯
時間をかけて丹念に優しく愛撫する。性急で我慢のきかない男にはいささか苦手な作業だが、それが豊かなエロスへ通じる第一の扉である。
3 エクスタシイ
エクスタシイを満喫した女性と、していな女性とでは、男というものへの愛着と認識はまったく異なっている。同様に相手の女性をエクスタシイに導いたことのある男と、導いたことのない男とでは、女に対する愛着と怖れがまったく違っている。
4 後戯
情事のあと、肌と肌を触れあわせたまま燃えた余韻に浸っている。それこそまさにボディランゲージで、声に出す言葉はすべて不要である。
5 変貌
結ばれる度に悦びは深まる。このままどこまで墜ちていくのか、女は強しその深さを想像して目を閉じ、男はその怖さに怯えて目をつむる。
6 性の不思議
男女の愛は、性で結ばれた当事者の二人にしかわからない。その性の実態を知りもせず、二人の愛に介入するのは、本の知識だけで人間を知ったと思いこむ、学者の愚かさと同じである。
7 エロスの力
男女のあいだでは性愛まですすんで、初めて相手の実態が見えてくる。そこまで行かずに見える相手は、人間というより、外見だけで装われた人形にすぎない。
8 愛は不変
自然科学がこれだけ進んでいるのに、男と女は相変わらず、好きだ嫌いだと、つまらぬ痴話喧嘩をくり返している、といって嘆く人がいる。
しかしだからこそ人間なのであって、そういうところがなくなったら、単なるロボットかコンピューターにてなってしまう。
所詮、男女の愛は体験と実感でしか知り得ない一代かぎりの知恵で、それ故に千年も前もいまも変わらず、これからも大きく変わることはないだろう。
あとがき
一九九九年八月 本表紙        渡辺淳一

目次 女50代、人生本番!  沖藤典子著

 はじめに、未来はおもうほど悪くない
五十は生き方が多様に
人生の中間点で
人生は後半がおもしろい
あれは人生の梅雨の時期
五十代は大きなステップの年代
先入観に負けてはならない
二〇一一年には、東日本大震災が
絆に感謝する、そんな時代の始まり

第一章 女五十代、人生の花道へ
○1元気を出して、シニアスタート 本の読み直しが元気をくれた
・更年期は葛藤を経て光年期へ
・歳を重ねることの美しさと幸せ
・五十代は「貯金」と「貯筋」
・「参加」と社会的つながり
・江戸時代だってシニアスタート
○2願いの貯蓄 欲求する力
・願いを実行する
○3発光する頭脳 生活の重みから発想
・加齢によって脳も進化?
○4「尊厳生」を求めて プライドを支えて
・「尊厳生」の思想
・社会への遺言
○5人生への再挑戦 高校生になりたい!
・学び始め、学び直しの時
・幸福と不幸を捩(ねじ)り合わせて

第二章 絆の発見、感謝の時
○1母を偲び、運命を思う 愛情は遺伝する
・母を愛する理由
・母親像も時代の変化を受けて
・敗戦の年に生まれた赤ちゃんが、六十五歳に!
○2母親は最後まで人生の師 困った時は助けてもらった
・「親風吹かすのよ」
○3家族が崩壊しないために 優しかった義母の他界
・認知症がすすんで
・夫はキーパーソン
○4感謝が生む家族の絆 父親と夫、二人の優しさ
・夫と母親の板挟み
・今日もまた三つの背中が
○5仕事を守り、親を守る 世代をつなぐ流れの中で
・姑は恩人
・休職の決意
・「立派なお骨です」

第三章 夫婦もまた新しい季節
○1元気を出して、シニアスタート 本の読み直しが元気をくれた
・妻も変わる!
・夫婦の十字路
・人生の意味を求めて
・亭主元気で留守番がいい
・八人の仲間あり
○2度胸の女房、ちょいとホレ直し 高い理想と過酷な計画
・修行僧のような日々
・天に恥じないように
○3純情オジジの愛妻物語 妻が先に倒れたら
・昨日まで元気だった!
・罪滅ぼしか愛情か
・待ってました! 純情オジン
・カイゴメンの時代
・愛情の尊さを
○4温泉に行って、愛を養って! もう一つの体温が…‥
・妻こそが「元気よく機嫌よく」
・これもまた夫婦のロマン
・夫のプライドを守る妻の手
・老いてこそ夫婦本番
○6妻の人間宣言 半年でプライドを捨てよ
・介護する妻への暴力
・立ち上がった妻

第四章 優しさという宝を抱いて
○1ヤンババは純情満開 初孫ちゃんがやってきた!
・「孫可愛い陣営」に陥落
・三十年前と変わっていないのか
・純情オババ、研究会を立ち上げた!
・実現するか、この提言
○2オババの道も楽じゃない 正しき? オババの知恵
・世間の常識と闘う
・みんなニコニコ
○3あのオシジジが泣いた 妻の仕事を嫌って
・オジジの涙
・「うちの人、変わったのよ」
・孫は大泣きした
○4このオジジが笑った 怒りの四十代と五十代
・奇跡が起こった!
・オジジも笑っている!
・人生の落とし物を拾う
・一人の人生を救えば
○5愛情は遺伝する? おばあさん伝説
・すばらしきは女の友情
・老いて自立する愛の深さ
・老いたればこそ冒険
○6優しさという宝を抱いて 忍耐力の持続を
・「老いの神話」に負けない
・晩節を守って

本表紙
2012年5月30日発行 著者 沖藤 典子

目次 快楽上等― 3.11以降を生き 湯山玲子・上野千鶴子 

プロローグ 私のたちに訪れた、生き方  の転機
哀しみに同化するよりも、サバイバルすることを考えた
避難する自由としない自由、「自分だけが」という罪悪感
 諦めと思考停止
「人間は抑圧し抜くと、抑圧に慣れる生き物」なのか?
社会を変えるチャンス到来? 上野流フェミニズムに解を求めて
第1章 3.11以前のリア充女のサバイバ  ル1
民主主義と戦闘性の源は「小学生共闘
自由を得るために、体制側の論理を学ぶ
旧男類を黙らせる、技術としての「女装」パワー
武器としての文化資本
家父長制と女/上野千鶴子の場合
「女の子の居場所は助手席」のウソ
第2章3.11以前のリア充女のサバイバル  2
「女を排除する論理」を目の当たりにした会社員生活
 おカネと研究、おカネと文化における「黒いネコと白いネコ」
「泥にまみれておカネを取る」というニヒリズム
クリエイティブの世界も、学歴偏重のオヤジ社会
 3.11以降明らかになった、クリエイタ―誤謬の
第3章 女と女の溝、女と男の溝
 「フェミでも、オシャレしていいんですか?」
エコ系フェミニスト、母性礼賛系フェミニストとの相性
 「お母さん」への反発と大同小異
 強制モラルを強いる、母という役割強制モラルを強いる、母という役割
 閉ざされた子育ての憂鬱をタックルで吹き飛ばす
 子どもかキャリアか。女の生き方を分けた百恵ちゃんと聖子ちゃん
 披露宴でのパワーゲームで、オヤジの攻撃をいなす方法
 フェミズムの系譜、反逆のDNAを持つ二人

第4章 女のサバイバルを阻む 病
 フェミズムとネオリベの、決定的な違いとは
 カッマー型のアプローチの限界
 構造の問題と認識するが、フェミニズム
 おカネは自由の条件ではない? おカネは自由の条件ではない?
 「承認欲求」という病
 ルサンチマンを発散し始めた女たち
 子どもに犠牲を強いる、母というエゴイスト
 母との相克を語られるようになった女、語れない男
 「ロマンチッククラブ」への根強いニーズ、その理由
第5章 幻想大国ニッポンの恋 愛と結婚
 ザ・幻想カルチャーは日本人の十八番?
 男と女、恋愛における妄想カルチャー
 結婚の制度疲労と、フェミニストたちの結婚
子ども部屋から出たがらない若者が増えている
継承すべき文化を失った「成り上がり」の悲しさよ
地雷の上で、「絶対の安心」「絶対の信頼」を求める不幸
ネオテニーなニッポン人が、大人になるとき

第6章 快楽とセクシャリティ
 タブーと結びついた、初めての「光合成」体験
性の眼覚め、『セクシィ・ギャルの大研究』への道程
「性」という親離れの推進力
『ハイト・リポート』が明かした、女のマスタベーション
マスタベーションと相手のあるセックスは「別腹」である
セックスの頻度とその人の幸福感。その相関関係は?
「生涯に性交した相手は3人以内」という事実
セックスよりも強固な、マスタベーションのタブー
自分の女の体を愛することと、アンチ挿入主義
 多様性を楽しむ、セックスのすすめ
「予測誤差」があるほど快楽の刺激は強い
マグロ化する男たち。果たして人生の果実は得られるのか
 男と女がイーブン、かつ、気持ちいいセックスを求めて

第7章 加齢という平等
 加齢は誰にも選択できない
30代後半から40代にかけて、女の性欲はマックスになる
更年期について語り合わない、女心のトラップ
抗うべきか、女の賞味期限
「頭を下げてでも」という熟女の新機軸
半径3メートルのストレスフリー
 ベストセックスは、生涯を回顧したときにわかる
 日本人の性愛コミュニケーションの質
 物語性をなくした老いらくの性欲は、純潔なるものか
 加齢とセクシャリティ、エクスタシーの到達点は?

第8章 ニッポンの幸福問題

 「最強の社会関係資本は地縁と血縁」は本当か
「絆」の二面性。助け合いと縛り合い
トラネコカップルの幸せ
「不安」の増大と、村上春樹の小説に見える男子の受動体質
 3.11であらわになったオヤジギャルの真実
 テレビと大衆と原発と
 テレビ不信の一方での「強いヒーロー」待望論
 リセット願望と鎖国メンタリティ
 失敗を恐れる「前例がない」ロジックの閉塞感
 おひとりさま最期を支え抜いた、30人の女たち
 血縁よりも、女たちの選択縁が、女を救う

第9章 3.11以降のサバイバル 術を考える
 ラン・ランに見た日本の近代文化史
 滅びゆく種族になるのか、「好奇心」と「遊び」を味方にすねか
 「村の外人戦略」というサバイバルテクニック
 上野千鶴子式「省エネ殺法」
 女化することに新天地を見つけ始めた男たち
 異形細胞のススメ「社長になりなさい」
 応援団作りとソーシャルネットワーキング
「芸が足りなくて、申し訳ありません」
 気の弱いDNAの持つ主が進言する、「年に一度は旅に出よ」
女の生存術はボーダーレスである
 寂聴さんに学ぶ、予測誤差への対応能力
 美魔女のくびれたウェストより、女を輝かせるものは
「生きていて良かった」という実感を得るために
本表紙

湯山玲子・上野千鶴子 著

 目次炎情 熟年離婚と性工藤美代子

第一章女が悔いのない人生を求めるとき

・語られてこなかった熟年女性の反乱

 高齢化社会となった現代において、女性の生き方の選択肢が増えているのは紛れもない事実だ。離婚するにせよ、思いとどまるにせよ、女性が悔いない生き方を求めるのは当然のことだろう。

 たまたま、日本の熟年女性が人生の設計図を引き直す作業を開始し始めた時期に、年金問題も顕在(けんざい)化した。その時期が重なったために、つい年金分割ばかりに視線が注がれがちだが、これは偶然だったのではないだろうか。

つまり、年金問題がなくても、団塊の世代が定年を迎えにあたり、熟年離婚は増加を始め、これからも増え続けると私は感じているのだ。

 その理由は、いたってシンプルだ。実際に自分の周辺で熟年離婚が増えているからである。他人から見れば何不自由ない生活を送っている普通のカップルが、ある日、突然離婚する場面に、過去三年ほどの間に何度も遭遇した。これはいったいどういうことだろうと、その度に私は考え込んでしまった。
五十代、六十代になっても女性は生々しく女という性を生きている。セックスにも積極的である。だからこそ、熟年離婚も従来のように、ただ、倫理観や経済的な視点でのみ語られるべきではないのだ。

・「五分早く、離婚という言葉を思い浮かべていたのよ」

・初夜の幸せを打ち砕いた、残酷な言葉が蘇って
・韓国の名医に聞いた「性器整形」の真実
・義侠心に背中を押され、整形大国に降り立つ
・連休前の美容外科はラッシュアワーの混雑
・「性器の整形」とはいったいどんな手術なのか
・夫の非常識な言動が離婚の引き金になる
・女としての時間を燃焼させたい
・お似合いの夫婦が別れた「世間的な理由」
・六十二歳のキャリアウーマンが語るダブル不倫の日々

多美子さんは五歳年下の横川に夢中になった。セックスの相性は抜群だった。いつも横川さんは時間をかけてゆっくりと前戯を楽しむ。そして驚異的な持続力があった。スポーツで鍛えた身体は逞(たくま)しく、セックスは激しかった。それに応える多美子さんも熱く燃えていた。

 だからといって、夫との関係が終わるわけではなかった。夫とも定期的にセックスはしていた。「なぜ?」と私が問うと、「さあ、どうしてだったのかしら。まだ主人のこと愛していたんでしょうね、私の中では二人の男性は対立しなかったのよ」

・淋しがり屋の恋人との逢瀬、そして突然の訃報
・離婚を決めたのは、次の一歩を踏み出すため
ピンバラ第二章 妻が浮気現場に踏み込むときl
・楚々とした女性が隠し持っていた、夜叉のごとき嫉妬心
・「すまないが別れてくれ。理由は聞かないでくれ」
・愛人の家を発見して、「乗り込むしかないと」と思った
・浮気現場での戦慄。セーラー服を着ていたのは‥‥
・夫の死を願うのにはワケがある
・「あの人は死ねばよかったのに」取材中に繰り返された呪詛(じゅそ)
・定年後の再就職で、生き甲斐を取り戻したはずが

 セックスは真利子さんが四十代の半場になったころから途絶えた。ちょうど俊雄さんが会社で部長職に就いた時期であった。


・千五百万円の退職金を女につぎ込まれて
ごとき嫉妬心
 

ピンバラ第三章 南洋の島でアバンチュール

・夫のある身で出会った二十五歳年下の青年
・称賛の言葉に酔い、激しく燃えて
・新婚当初から「中折れ」でセックスレスの日々
・女性専門セックスカウンセリングの現場
・ふだん言えない本音を語れる「ささやきあいの会」

 最近、性欲というものについて考えてみた。男性には性欲があるが、女性にはないという人もいる。では、自分の場合はどうかというと、五十八歳の現在はともかく、三十代や四十代の頃はたしかにセックスしたいという欲望を感じたことがあった。

 しかし、それは相手が誰でもよいということではなかった。好きな人がいて、その人とセックスをしたという欲求だった。

・未完成婚などの悩みにバイブレーターの使い方も指導
・マスターベーションより恋がしたい
・余命を知ったとたん毎晩のように求める夫

ピンバラ第四章 夫のメールを覗き見たことがありますか

・便利かつ恐ろしい、浮気発覚のツール
・「今夜はクマちゃんのお布団に一緒に入れないのね」
・コンビニおにぎり持参で事務所で逢い引き
・離婚届に判を押した夫と同居を続ける事情とは
・誰にも相談できない、セックスの不一致
・教授夫人の鑑として過ごした二十五年、貞淑な妻の告白
・四十八歳の誕生日に突きつけた離婚届
・毎度のフェラチオ要求に心も体も疲れ果てて
・朝から初老の夫が叫ぶ「セックス?」

ピンバラ第五章“円満離婚”と思いこんでいる夫の能天気

・「妻とは、お互いに責任を果たしたという感じでしたね」
・新しい恋人ができた夫は、きれいごとを並べたてた
・浮気に気付いたのは、ベッドでのちょっとした変化

「微妙な小さなことから、綻(ほころ)びがわかるのね
 いつものように卓也さんは妻を抱き寄せた。沙織さんはそっと夫のペニスに手を伸ばした。そのとき彼がブリーフを履いたままなのに気づいた。こんなことは初めてだった。ベッドに入ってくる沙織さんを全裸で待っているのが、もう何十年も続いている習慣だった。

 どうして、ブリーフ履いているのだろうと一瞬怪訝(けげん)に思ったが、沙織さんは「これ邪魔よ」と甘い声でいって夫のブリーフを脱がせた。それから手で優しくペニスを愛撫した。通常ならすぐ大きくなるペニスがなかなか勃起しない。

疲れているのかなと思った沙織さんは、今度は夫のペニスをそっと口に含んだ。ようやく固くなったところで、卓也さんもお返しに沙織さんの敏感な部分を愛撫すると思ったが、それをせずに一挙に挿入してきた。

 何か変だと沙織さんは感じたが、抵抗せずに夫を受け入れた。すると卓也さんはすごい勢いで往復運動を繰り返し、あっという間に果ててしまった。セックスを楽しむというよりも、射精だけが目的みたいだった。

 行為が終わると、なぜか卓也さんはふうとため息をついて、安心したように目を閉じた。沙織さんの肩に手をまわし、そのまま寝入ってしまった。

「あれが、いわゆる世にいうところの義マンっていうものだったのね。もちろん、私はその瞬間は気付かなかったですよ。ちょっとおかしいと思ったけど、セックスをしたという事実はあるわけだから、その意味では満足していたんです。

あっ、満足はしませんでしたね。してなかった。中途半端に火をつけられて、完全に燃焼しないで終わってしまったんですから、悶々としていました。夜中に眠れないまま考えていました。夫は変わった、小さなことだけど、以前とは確実に違っていまっている。それは女ができたからじゃないかって思いました」

・取り乱さないことがせめての意地だった
・セックスの道具が有効だったり、仇となったり
・「バイブレーターって、男のためにあるものだと思う?」
・自分自身の退職金を全部ほしいという妻の本心は
・引き出しのなかのモノの定位置がずれていた
・道具を使って、一度はセックスが再燃したが

ピンバラ第六章 普通の母親が陥ったギャンブル依存症 

・「この五年、どれだけ家族が苦しんできたかを聞いてほしい」
・父の看病もせず。駅前のパチンコ店消えた
・“ギャンブル離婚”した母と同居を始めたが‥‥
・家族をこわしてしまう依存症の恐ろしい
・別れは、自覚症状がないまま忍び寄ってくる
・「まさか自分が離婚するなんて、思ってもみなかった」
「あたしは思ったんですけど、結局、熟年離婚と癌はそっくりじゃないでしょうか」
・真面目な婿養子の夫に肩身の狭い思いはさせたくない
・したたかな不美人の尻に敷かれていた事実に嘆息
・弁護士からの書類にあった「夫婦の濡れ場」
・女将が語りだした、驚愕の裏切り体験
・毎晩のようにセックスした十年、義父母と同居がはじまって
・「妻にはソープランドでの経験があるのではないか」

・色情魔のレッテルを貼られ、争う気力も失せた

ピンバラ第七章「最後に勝った」と笑う妻の執念

・洒脱な雰囲気が失せ、くたびれた姿に
・愛人と同じ指輪に激怒し、夫の顔を「引っ掻いてやった」
・女癖の悪さと新興宗教入信に離婚を決意して
・愛人に見捨てられ、帰されてきた半身不随の夫

ピンバラ第八章「普通の朝食」に憧れ、すべてを失った男

・憎めない中年男が妻に復讐したかったこと

 須賀さんが彼女ができたのは四十七歳のときだという。それまでは、浮気をしようなんて夢にも考えていなかった。ところが、ある日、仕事が遅くなって後輩の家に泊めてもらった。そこで翌朝見た光景は彼にとっては大ショックだった。

「そこんちの奥さんが、朝、甲斐甲斐しく和食のご飯を作っていた亭主に食べさせているわけ。もちろん俺もお相伴にあずかったけど、これが美味しかった。味噌汁に焼き魚だぜ。それと漬物」

「そんなの悪いけど普通の朝ご飯じゃない。うちだって亭主にそれくらいのものは食べさせているわよ」

「そこそこ。そこなんだよ。後輩の奴に、お前んちの母ちゃんはすごいなあって言ったら、涼しい顔して『普通です』っていいやがったんだ。それで俺考えこんじゃってさあ。だって、うちの女房は朝なんて起きたことがなかったよ。下の娘が生まれてからは寝室も別だったからね。

結婚して二十年以上たったけど、もう十年目くらいからは、寝室は別、食事も別っていうか、作ってくれなかったし、ようするに俺って、まったくかまってもらえなかったってことなのよ」

 急に須賀さんは妻の態度が腹立たしくなった。といって今さら喧嘩をする情熱もない。よし、絶対に女を作ってやるぞ。お前がそういう態度なら、こっちだって、遊んでやると一人で復讐心を燃え上がらせたのだという。

・“カレセン”の若い女の子との初々しいセックスに耽溺
 里奈ちゃんは、手足がひょろりと長くて、顔が小さく、どこか眠そうな目をしている。それが色っぽいと須賀さんは感じた。

「もうベットの中ではオジサンは大サービスよ。女房にもしなかったような奉仕をしまくり。そうしたら、里奈ちゃんのいうことが可愛いんだよ。『あたし同じ年の彼がいて、最近別れたんですけど、その人のときは一回しかイカなかったのに、須賀さんだと三回もイッちゃいました』なんていうんだよね」

「ふーん。相性が良かったわけね」
「違うよ。俺の努力のたまものよ。そいでね。里奈ちゃんに聞いたんだよ。俺みたいなオジソンでもいいの? って」

 すると里奈ちゃんが「あたしカレセンなのかもしれない」と答えた。
漢字で書くと『枯れ専』かなあ。

・妻の反撃をかわし、喜び勇んで離婚届に判を押したが
・子連れ再婚夫とのセックスに心も冷めて
・キャリアウーマンが選んだのは実直な公務員
・夫の連れ子とは距離を保って平穏に
・ネグリジェを突き返されて、逆上した夫
・性交痛に耐えられず、ホルモン補充療法を試してみたが

敦子さんが閉経したのは四十六歳のときだという。その一年前から性交痛がひどくなっていた。とにかくペニスを挿入されると、膣が引っ掻かれるような痛さだった。しかも痛みは翌日まで残った。

 私の推測では夫の誠一さんは、あまり前戯をしないで、いきなり挿入したのではないだろうか。どうも二人が情熱的なセックスをしたとは思えない。
 そこで薬を処方され、性交痛は緩和されると聞かされた。ホルモン剤を服用し始めて一ヶ月後に誠一さんと性交渉を持った。

「ところが、あなた、全然治っていないんです。相変わらずすごく痛くて、ひりひりしました。主人にいったら物凄く落胆した顔をしていました、『お前嘘言ってんじゃないだろうな』とまで言われて、私だってムッとしましたよ」

「はあ、そんなこともあるんですか」私は驚いた。だいたいホルモン補充療法によって性交痛は改善されると、更年期関連の本には書いてあるし、私もそう信じていたのだが、必ずしも万能というわけではないらしい。

「それでも主人は諦めないで、今度は自分で産婦人科の病院へ行ったんですよ。まあ、あの見栄っ張りの人がよく行ったと思いますけどねえ。それでまた医師が男の先生だったから相談しやすかったでしょ。なんか違う薬を貰ってきたんですよ」

 それを膣に直接挿入するとエストロゲンの錠剤だった。これを二日おきくらいに膣に入れると内部が潤うのだという。

ピンバラ第九章“熟女好き”の二十代男性とのセックスで潤う

・一通の手紙から始まった一人女性読者との交流

 それが二年ほど前のことで、静香さんは五十二歳だった。私は自分の感じたことを、素直に述べた返事を書いた。離婚とは、不思議なもので、迷っている間は成立しない。
とにかく五十歳を過ぎて独身になったときに、工藤さんが書いていらしたことを思い出したのよ。女性は閉経するとセックスが難しくなるっていってましたよね。あれ、何でしたっけ、あの身体に問題がでること」
「そうそう、その性交痛が自分の場合だっていつ起きるかわからないじゃない。そう気づいたら急に不安になりましてね。今のうちら、男の人とセックスしておかなかったら、できなくなるっていう恐怖感に取り憑(つ)かれたんです。焦りみたいなものですね

・謎の熟女サークルに参加。飲み会の相手は可愛い年下の男

 「私ね、本当に今は後悔しているんですよ。なんでもっと早く離婚しなかったのかと思って。だってこんな楽しい生活が待っていたんですよ。更年期障害なんて、あなた、さっさと離婚して若い男の子とセックスしていたら、とっくに治っていたでしょう。それなのに、何にも知らなかったから、私は六年も苦しんだんですよ。信じられないわ。

・悪妻から逃げるには「蒸発」するしかなかったあの頃
・自慢も娘をもった夫婦に、一片の陰りもなかったはずだった
・買い物に行くと言って、蒸発した父とその後
・継母から逃げた父は、地方で住み込みの職人になっていた
・「あの時代には、熟年離婚なんて言葉も、発想もなかった」

ピンバラ第十章 まさか三十年連れ添った夫がホモセクシャルだったとは.

離婚の”後遺症”は激ヤセとリストカット文章を入力してください。

・女性のように華奢(きゃしゃ)な彼に”一目惚れ”されて結婚

 「ほんとにね、男に関しては、謎だらけで、私も相手を見抜く自信はありません」
 そう答えると、友恵さんは嬉しそうに言葉をつづけた。

「でしょう。そうなんです。よく身の上相談なんかで自信たっぷりにああしなさいとか、こうしなさいとか答えている先生がいるじゃないですか。私はいつも思うんです。

あなたは、どうして他人のことがわかるって確信しているのですかって。男というものは‥‥なんて講釈を垂れているのを聞くと腹立たしくなりますよね」

「ええ。男って女にとっては永遠の謎です。わからなくて当然ですよ」

・夫婦生活がなくなった本当の理由に気づかず

 二人目の子供ができたと同時に、ぱったりと夫婦生活がなくなった。秀雄さんが求めてこなくなったのである。

「私はすごく悩みました。あらゆる原因を頭の中で考えてみたんです。
もしかして子供を産んで、私の容姿がすごく衰えて、彼が抱く気にもならないんじゃないかとか、ほかに女がいるのだろうかとか、

何か会社で悩みがあって不能になったのではないかとか、本当にあれこれとかんがえてみても、どうもぴったりこないんです。
 そこで友恵さんにはある晩、思い切って秀雄さんのベッドに入っていった。二人はツインのベッドに寝ていたからだ。すると夫は友恵さんの肩に手をまわして、「ごめん。俺、本音をいうと、どうしてもその気になれないんだ。だってお前は麻衣や洋介のお母さんだろう。なんか、そう思うとダメになっちゃうんだよね」と落ち着いた口調でいった。


・「相手が男だとは夢にも思いませんでした」
・どんな夫婦にも必ずブラックボックスがある
・別れたばかりの二人の言い分を同時に訊いてみれば

「あいつは、もの凄い勘違い女なんですよ」
「さあ、別に何も驚くほどのことはありませんでしたか? 変でしょ。あの人。なにがって、もの凄い勘違い女なんですよ。ボクのこと悪口をいっていたでしょ? インポだとかなんとかって」

「いえ、そんなことはおっしゃっていませんでした。まさか初対面の私に、いきなりインポなんておっしゃいませんけど、ただお体の調子が悪いからセックスレスになったと言ってましたね」

「それですよ。あの人はボクが糖尿病だっていい張るんです。それで病院に連れて行かれました。結果ですか? つまり糖尿なんかないんですよ。それなのにセックスをしないのは糖尿だからだっていって譲らない。あのときは困りました。

 ボクは単にあの人とはセックスをする気が起きなかった。愛情が完全に醒めてしまいましたすらね。結婚して十年くらいした頃です。それから二十五年間もじっと我慢していたんですから、われながら辛抱強かったと思います。自分を自分で褒めてやりたいです。

 しかしね。ボクだってストレスはありました。なにしろ、あんな女と毎日顔を合わせているんですから、喋らんわけにはいかんでしょう。疲れましたよ。

・元夫婦の言葉には真実味はあるが、かくも溝は深かった 

料理もうまくて、なんていうか、彼女と一緒にいると癒されるんですよ。お恥ずかしい話ですが、性的な相性も抜群にいいんです。彼女が相手だと何度でも頑張れちゃう。いや、セックスだけでなくって仕事も頑張れるんですよ。だから、よし、思い切って彼女ともう一度人生をやり直そうって決心したわけです。

ピンバラ第十一章 女装癖の夫と別れたことは正しかったのか

・次々キャリアアップした妻のおだやかでない心境

熟年離婚をしたことを、ひどく後悔している女性がいるのだが、会ってみないかと知人から連絡があった。

・朝起きると、ベットの傍らにけばけばしい厚化粧の”女”が
・「主人が女装したいのは、私がブスだからなの?」
・離婚後に病死した夫に「ごめんなさい」と涙して
・異常なセックスしか知らなかった二十一年の悔恨
・「とても文字に書けないので一度会って話したい」
・クリトリスと乳首に固執する夫の異常な性癖
・爪楊枝に針――エスカレートする行為に絶望して
・性の不一致に傷つき、いま渇望するものは

ピンバラ第十二章女性の人気のアダルトグッズ事情に迫る 

・「いかなるものか」を知るために、「秋葉原へ向かった
・女社長が自ら開発した、大ヒット商品とは

 余談だが、モニターの中には六十代の女性もいるという。
 女性の性器の形やサイズは個人差が相当ある。そこで、オルガスターは、これくらいの大きさなら、すべての女性のクリトリスまでをカバーできると計算して、お皿の部分は作ったらしい。

・何回でも心いくまで
・イクことを知らない女性も「自分磨き」イクことを知らない女性も「自分磨き」
・性欲の処理は熟年世代の切実な問題

 自宅に帰った私はしばし考え込んでしまった。たまたま房子さんと知り合いになって、彼女から頼まれて、アダルトグッズの取材をした。なんか房子さんが、無理なくバイブレーターを買える方法を見つけてあげたかったのである。

 しかし、その副産物として、日本のセックスの最前線を垣間見るとこができたようだ。
 もはや、セックスは若者だけの特権ではない。熟年世代も貪欲に楽しもうとしている。しかも、そのことを恥ずかしいとも思っていない。

・携帯に写された若い女の痴態に涙が溢れて
・年下の夫を細腕で養ってきた
・資金を用立てたり、不甲斐なさに浮気をしてみたり
・お互い積もった不満が不幸なかたちで爆発することに
・「どうして携帯だったの? あたしに見つけてほしかったのかしら?」

ピンバラ第十三章誰かに甘えて現実逃避するのは、男のほう

・六十歳”現役”で、セックスを語れる女友達
・「久しぶりに会って欲情したよ」突然の告白に仰天

熟年離婚を経て「新しい恋愛」に縋ろうとする男

・ここ最近、疑問に感じていたことの答えは

「だけどさあ・・・・」と恵美子さんはため息をついた。
「熟年離婚って確かに増えているわよね。あなただって取材してそう思ったでしょ。でも、女はみんな前向きなのよ。どんなに傷ついても、もう一度しっかり新しい生活をやり直そうと覚悟しているのよ。

・心の整理はつかないけれど、人生をあきらめない
・二度目の結婚が破綻するのを恐れていたあの頃
・執筆に逃げることができたが、夫への不満はくすぶっていた

もしも夫が私を経済的に惜しみなく支援してくれて、普通の意味で妻にできる小さな贅沢を許してくれていたとしたら、私もまた、彼のために一生懸命、自然食を作り、家の中を美しく保つ努力をしたことだろうと思ったりもする。

・人間は死ぬときは一人で、潔く生きていこう
・熟年世代でも、遅すぎということはない
・あとがき

熟年離婚につきまとういちばんの問題は、実は感情の処理でもなければ、世間の偏見でも、家族の反発でもなかった。

 すべての体験者が口にしたことは、経済的な問題だったのである。特に専業主婦だった女性の場合は、離婚したいけど、経済的な裏付けがなければできないという現実だ。

 しかも、現在の日本の不況にあえぎ、けっして楽観できる経済情勢ではない。なんのキャリアもない熟年の女性が自立して生きていゆくのは、かなり厳しいのが事実だ。

 それにもかかわらず、離婚という選択を自らの手で下した女性たちは、私が驚くほど逞しく、新たな生活の再建を始めていた。その生命力の強さと、英知に、私は何度も感動した。

 彼女たちの胸の奥底にあるのは、「これで女としての人生を終わらせてたまるものか」という叫びだった。理性では、現状維持で安泰な生活が一番だと理解していても、身体がそれを拒否するのだと語った女性がいた。

 なるほど、心と身体が激しく亀裂するのが、熟年の世代なのかと、私は、その言葉に納得した。

 女性が閉経したら、もはや女性ではないといった観念は、まったく通用しないことを、私は取材の途中で何度も思い知らされた。もう孫がいる年齢になっても女性は女性であり、良いパートナーに恵まれれば。もう一度、豊かなセックスライフを送りたいと願っている。

 男性もまた、熟年離婚をした後に新しい妻と再出発したいと、ほとんどの人が語っていた。また、これは私の思い込みがあるかもしれないが、熟年離婚をした女性たちは何らかの形でセックスに関して傷ついた過去を背負っているように見えた。

 夫とのセックスライフが充実していたら、離婚はなかったと語った経験者もいた。それは、一瞬にして起きる突風ではなくて、長い年月をかけて、少しずつ吹き付けていた北風により、ある日、彼女たちの心も身体も完全に冷え切ってしまっていたという結末がある。

 それが、夫や妻の婚外恋愛や、介護問題などによって顕在化(けんざいか)すのである。そのときに、もう我慢するのを止めるのは、自分の生命を維持するための決断とさえいえるようなきがした。

 だから、熟年離婚と性の問題は私が予想していたよりも、はるかに強く影響しあっていた。ときには、いわゆる「大人の判断」を乗り越えて、生命の叫びを優先させた結果の先に熟年離婚という選択があったといって良いだろう。

本表紙工藤美代子著

快楽(けらく)更年期からの性を生きる       工藤美代子著

ピンバラ第一章 更年期は終わりではない

・問題は、何歳までセックスをするかということ
・女性を苦しめてきた定説「更年期以降こそ性生活を楽しめる」
・恋愛は、子宮ではなく脳でするものであるしたくてもできないのとしないのとでは大違い
・男性から見た女の更年期
・変わらないといえば変わらない
・大切なのはお互いの思いやり
・真面目な人ほど、性の問題を乗り切るのは難しい
・「年を取ったら、足し算になるつき合いにしたい」
・ある人妻の告白
・青春時代の八年を費やした妻ある人との恋
・最初の”作戦”が大成功で一ヶ月に一回は会っています
・五十過ぎでも求めてくれるのは本当の私を好きでいてくれるか

ピンバラ第二章 女たち、それぞれの性

・セックスは、ふたりの年齢を足した和が百歳までにとどめたい!?
・性に縛られることなく晩年を送れるのも幸せ
・代わりになる男がいないから別れられない
・夫の手を握るのも嫌、部屋をシェアしているだけ
・ホルモン補充療法
・HRTを危険と決めつけるのはおかし
・手入れを怠らなければ、古くても使用可能
・更年期のキーワードは「ときめき」です
・更年期、最大の要素は気質因子

第三章 漢方という選択肢

・「更年期を障害なく乗り切れたのは漢方をやっていたからかな
・自分の身体に、もう少し頑張れと後押しするのが漢方
・冬の間に薬を飲んで養生すれば一年中元気でいられる
・性交痛に悩み続けて
・「私、三十代の頃から性交痛があったんです」
・毎日したら痛みはよくなるのかと呑気に考えていた
・年下の彼とは手を切って新しい恋人との交際をスタート
・「数年待ってくれ」といわれてから痛みがひどくなって
・性交痛をめぐる問題
・女性が女性であることをやめるかどうかが分かれ道?
・セックスレス、最大の原因は性交痛
・男性にもう少し努力してもらいたい
・性生活について、もっと自然に語り合う場があれば

ピンバラ第四章 若い恋人の悩み

・十二歳年上の恋人の自殺未遂騒動
・「あれは僕を脅かすための狂言なんですよ」
・過剰にセックスに依存する彼女に違和感を覚えて
・コントロールできない力に操られた結果?
・若々しい美肌を保つために
・閉経すると急速に変わる顔、食い止める手立てはあるのか
・メスを入れるのではなく皮膚そのものに活力を与える方法
・表情豊かに生き生きと過ごし、基本的な洗顔は怠らない


ピンバラ
第五章 結婚と不倫、両方に夢破れて

「国際結婚した夫と離婚して今度こそやりなおしたい」
・夫とうまくいかなくなって日本人商社マンと恋愛関係に
・妻を使って突然の電話にひどいショックを受けた
・アメリカに帰ったら待っていたのは地獄だった
・ホルモン補充療法の効果
・いよいよ始まった性交痛、悩んだ末に病院へ
・一番つらいのは不定愁訴、嵐が過ぎるのをベッドで待つ
・喉の腫れも貧血も気づいたら緩和されて
・森瑤子さんの思い出
・「この頃、ドキドキするような男が現れないのよね」
・あの身の内に秘めた強靭さは更年期特有のものだったのか
・セックスの最中に目を開けている主人公
・現代は、更年期こそが女性にとっての厄年?

ピンバラ第六章 女の執念の生き着く先

・ 友人に「恋人」の話を聞かされたものの…
・「あなたに指一本でも触れたことがありますか」
・女の強い思い込み? と納得できる彼の理屈
・セックス奉仕隊に求めるもの
・相談者は圧倒的に主婦、気真面目な人ほど悩みは深い
・すっかり気が合って結婚したカップルも
・「離婚はできないけれどセックスはしたい人」のリハビリ
・「私はとにかく、女性のよいところを褒めます」
・女の身体の”進化”
・悩んだ果ての遊びもある
・同窓会で再会した人に夢中になって
・次は娘の家庭教師と電光石火の速さで
・「扉を開けた女性だけが進化していのよ」

ピンバラ第七章  結婚二十年目の真実

思いつめて上京してきた遠縁の女性
・「知ってしまったらもう駄目です」
・誰かとセックスすればふんぎりがつく
・不倫相手と別れて
・不倫相手の妻が自分の教室の生徒に
・便利だというだけの理由で自分と付き合っているのでは
・妻ともセックスしていることが許せなかった
・「もう一生セックスできないのかなあ」
・ハプニング・バー
・五十代とおぼしき女性が着物姿で来店する
とにかく自由なので”風俗”とは違う
・年上の女性は甘えられるし、恥じらいが愛おしい
・「高校時代の先輩と結ばれちゃいました」
・結婚相談所
・初めから、”保険”がかけられているようなもの
・その人と腕を組めるかかが重要な決め手
・男性は「若くてきれいな人」、女性は「安定した経済状態」
・会費を払う方が義理に縛られる心配がない

ピンバラ第八章 相手の過去を背負う

夫がセックスをしている間週刊誌を読んでいる妻
・「再婚するかどうか迷っているの」
・彼からの要求に思わず絶句してしまい
・注文の多い女
・セックスについての注文は相手に伝えたほうがいい
・「考えても仕方ないので他の男と寝てみたの」
・再会相手の手を握り返してホテルヘ
・もっと体重をかけて、といいたいのだけど
・セックスの重み
・できるときに楽しんでおかなくちゃ
・どうしてもひっかかる一点のこと
・本当に肌を寄せ合うだけの価値のある男なのか
・相手を傷つける発言だけは控えるのがルールなのでは

ピンバラ第九章 心療内科とのつき合い方

・無気力、虚脱感の原因は果たして何なのか
・「悪くなる前の予防の段階で来てくださっていいんです」
・主治医を決めてその人とともに戦う
・独り歩きしすぎている? 「更年期障害」という言葉
・充実した夫婦間のセックス
・同じ相手セックスをし続けて
・童貞と処女が結婚したんです
・女房の身体を抱くだけで分身のように愛おしい
・あたしが捨てたら他の人はいない

ピンバラ第十章 人生の伴走者

・若い恋人の将来を選択したジヨアン
・彼女のセックスの欲求が怖かった
・年を重ねるほど、彼女の人間的魅力に惹かれた
・「あなたとセックスができなくなったのが悔しい」
・あらたな性の目覚めに向けて
・八十歳になったって女は女、セックスの問題が存在する
・更年期世代の女性は”ニューヨーク”を目指すべし
・不倫関係をどうするかが一番の問題
・女の終焉を迎えることの危機感に根差してい
・あとがき

本表紙工藤美代子著

女の残り時間 ときめきは突然、やってくる  亀山早苗著

赤バラ第一章
主婦という「重荷」下して

「セックスがしたい、それも気が狂うほど激しく」
狂おしい気分
出会い系サイトから始まった恋の明暗
セックスしない女は女じゃない?
マスターベーションが日課に
人肌が恋しい
私の価値はいくら
機会があれば浮気しちゃうかも
メル友と昼間のホテルへ
イケない女は女じゃない?
男を買ってしまいました
出張ホス

赤バラ第二章
イクという感覚を知りたい

オーガズムへのこだわり
女として不完全
乱交パーティ
またまだ女を降りたくない
ハプニングバー
情と肉欲がベストな割合
親友の夫との関係に溺れて
「したい」と「好き」
裏切った女と、裏切られた女

赤バラ第三章
いい夫を愛せない自分が悪いのか

女のしたたかな欲望
人生を変えた家庭教師
女の性が私を引き裂く
出産を機にセックスレスに
獣のようなセックス
終わりのない「女」への執着
夫の甘えを支える
コンプレックスと孤独
禁断の関係に、天国と地獄を味わう

赤バラ第四章
 離婚の後の、男探し、夢探し

男がいないと女はだめ?
十年ぶりのセックス
もう一度、夫を愛し直せた不思議
肉体関係か、心の絆か

赤バラ第五章 
浮気を乗り越えた夫婦の性探訪

今さら夫とはむずかしい
不倫相手の退職
妻が抱かれるのを見た
四十歳過ぎからのセックス
セックスに「常識」はない
同性愛の激しい快感を覚えて
同性との初めてのセックス
出張ホストに恋してそこそこの幸せ
三時間のデートで三万円
激しいオーガズム

赤バラ第六章 
すべてを失ったけれども…

目の前の喜びをとりたい
夫婦のセックスを取り戻す
 夫の隠し物
初めてのスワッピング
夫に恋するように
一線を越える勇気とためらい
二十一歳の歳の差

赤バラ第七章
疑う権利、嫉妬する権利

「しばらくあっちで暮らす」
身体中が溶けていくよう
こぼれた苦悩の涙
新しい生活に踏み出す
やり直してみたい
四十代女性たちの「今」――まとめにかえて
女として見られなくなることへの不安

 本表紙

二〇〇七年三月  亀山早苗

 妻が密かに決意すること沖藤典子著

まえがき

第一「女が男を棄てる時代」の到来
―意識において男性を凌いだ女性たちの苦悩

なぜ妻が出て行ったのかわからない夫たち
「あの鈍感さが、たまりませんでした」
二人でいることの孤独や屈辱より、一人で生きるほうがいい
なぜ、エリート社員の夫を捨てるのか
見捨てられはじめた”家族生活不適格人間”
なぜ、私の母は八人の子を捨てて駆け落ちしたのか
離婚の恐怖に打ち震えながらも、なぜ…‥
決断――捨てられる前に捨ててしまおう
『人形の家』のノラの胸に燻(くすぶ)っていたもの
苦悩する現代のノラたち
妻には、『生活』はあっても『人生』がない!

ピンバラ第二妻が離婚を決意する瞬間

 ――どんなとき、妻は夫に”やりきれなさ”を感じるか
 夫婦間に欠落してしまった”男と女の関係”を求めて
とりとめのない不安と悩みに苦しむ妻たち
〈ケース・1〉幸せなのに”心の渇(かわき)き”癒(いや)せぬ妻
 何ひとつ不自由ないのに、虚しさが漂ってくる
陽だまりのなかで枯れ果てていような恐ろしさ
“男には、七人の敵と同時に八人の仲間がいる”
〈ケース・2〉私はセックスつき家政婦じゃない
なぜ 姑は、こんなに干渉するのだろう
男の正体は同棲じゃ分からない
セックスを断ったら、いきなり殴られました
新婚といえども。二人のセックスは六年も続いていれば、もう新鮮なものではありません。
自分の中に、ひどく好色な血が流れているような気がする
マザ・コンの夫に絶望しながら‥‥
私にも生きている手応えが欲しい

ピンバラ第三〈ケース・3〉夫以外の男に”生の煌めき”を求めて

目の前で苦しむ妻よりも世間体を気にする夫
他人の手の温かさに、思わず涙が
ウェディング・ベルは彼女の心の弔鐘(ちょうしょう)だった
心地よさの条件がまるで違っていた
夫にないものを持った男に抱かれて
手の甲を擦りあわせるような違和感は、どこからくるのか
 この不決断の責めを負うのは、自分自身ではないのか
私は浮気できるような女じゃない

ピンバラ第四〈ケース・4〉共通の目的を持てない苦悩の末に
愛するより愛される方が幸せだと思った
出産直後に浮気されて母乳があがる
夫は、妻が愛していないことを見抜いていた
「この人には情緒というものがあるのだろうか」
愛は醒(さ)めたのではなく、最初からなかった
人を欺(あざむ)くことはできても、自分の心だけは欺けない
〈ケース・5〉浮気願望とともに、夫の死を願う妻
紙版画教室に通っても、満たされない日々が続く
夫の思いやりのなさに、急速に心が冷めていく
初恋の人の夢を見て、その余韻に浸る妻
夫が早く死んでくれないかなぁと思います
生きている実感は、浮気の夢のなかにしかない
なぜ、結婚への期待は虚しかったのか
今、女が乗り越えなければならない三つの障害

ピンバラ第五・三章 妻たちが戸惑う”三つの神話”
――結婚幻想、貞淑、母性愛に、もう縛られない
(1) 結婚幻想と”妻の座”の正体
――結婚は精神の避難場所ではなく、新たな試練の場
1・期待過剰がもたらす悲劇
結婚してみたら、満足した分だけ不満が見えてくる
結婚”よりも結婚式の方が大事だった
自己の心を裏切っていなか
2・孤独感と倦怠感(けんたいかん)はどこからくるか
 結婚とは情熱を削(そ)ぎ落していくプロセスでもある
自分を評価してくれる人が”家”の中にしかいない
3・夫の胸の燻(くすぶ)りが分かるか
妻と役割を交換してみた夫の感想
勉強している妻に嫉妬する夫

ピンバラ第六(2)「性の反逆」の源流は何か
――古い倫理観から脱して煌めく性を求める妻たちの叫び
1、 妻たちが性に求めているもの

1・結婚幻想の正体は何か
夫との交わりは、心まで燃やしてくれない
2・性の倦怠とクーリッジ効果
 なぜ、出産を契機に夫婦生活が変わるか
「女房と畳は新しい方がいい」という科学的根拠
3・妻たちの浮気願望とその実態
「純粋であれば、倫理観や常識にこだわらなくていい」
 男と同様に、女も”家庭を壊さない浮気”がしたい
4・技術を超えた性愛の極致とは
 若い頃のスキン・シップが中年期以降の生活を支える
「性交後の二〇分は、性交そのものよりずっと大事
自分のためにセックスに気づき始めた女たち

ピンバラ第七(3)母性愛神話からの脱出
――子育てと職業・社会参加は矛盾しない
1・三歳児神話の崩壊
子どもへの愛と束縛感に葛藤しつつ
“母親”と”母”は区別して考えよ
働き続けた私への娘からの回答
2・過保護、偏愛。マザ・コン
 女が女の不幸を再生産していく悪循環
なぜ、母親は娘より息子を偏愛するのか
3・子どもにとって「母の犠牲」とは何か
「子育てが終わったら‥‥」では、何もできない
子どもへの愛が、ある日突然、憎しみに変わる

ピンバラ第八4章”女の桎梏(しつこく)”を乗り超えた妻たち
―――”夫に養われる身”から”自分に生きる”女へ
(1)”くれない症候群”からの脱出
 ―――「夫はわたしをまんぞくさせてくれない」と悩んでも。何も解決しない
 結婚生活の羅針盤(らしんばん)を自分で探すしかない
 あなたは”くれない症候群”を起こしていないか
夫に刺激を与えるような会話ができますか
なぜ「何もやっていいのか分からない」のか
家族に迷惑をかけることのすすめ
夫の告白「女房も自由にやってほしいんだよ‥‥」
夫と妻は『人生』のパートナーでなくていい
妻が求めるのは”女房業”以外のところでの評価
あなたはマイナスの評価に耐えられるか

ピンバラ第九(2)はたして”妻の自立”は”家庭の敵か”か
――生きがいとしての仕事と、家庭を両立させる方法を求めて
 なぜ主婦経営者が続々と誕生しているのか
「主婦でもできる」から「主婦なればこそできる」へ
 “いい女”になっていくための五つの条件
「心を軽やかにするのは、一見無益に思われるもの」
「ネット・ワーク家族」とは何か
“平和なる別居(ピースフル・セパレーション)”を実践する夫婦

本表紙 沖藤典子著


妻と恋人 溺れる男たちの物語 亀山早苗著

ピンクバラ第一章 彼女と妻と、選べない苦しみ

出世はしたけれど
恋を続けていく決心
この先、関係は変わるか
ダブル不倫の苦悩
妻とはセックスレスに
消えない恋の炎
職場の彼女に揺れる
不妊という悩み
恋の芽を意識するとき
彼女の失踪
妻の妊娠

第二章 「家庭」はどこにあるのか

単身赴任の果てに
絶望的な日々
離婚しないまま、新たな人生へ
恋に落ちて、地獄を見た
偶然が「運命」に変わるとき
恋に溺れて
ある日突然、男が現れて‥‥。
騙されたと思いたくない
あくまで、本気の「恋愛」
くすぶっている妻への不満
暗黙了解でホテルへ
日常と非日常を使い分けて
情は、捨てきれない
すれ違いと、回り道と
恩師の通夜で再会
結婚後、またも再会
偶然が重なって縁はつながった
自分のずるさを知りながら‥・‥

第三章 病気の妻と生きる

居場所のなかった家庭
夫への疑心暗鬼で妻は病気に
心許せる女性との出会い
現状を保つという選択
家族を捨てる重みと代償
理解し合っている夫婦のはずだった
恋は理性の外 
ともに家を出て同棲するが‥‥
妻には憎まれたほうが楽
妻と恋人への思いの違い
転勤族の寂しさ
男はいつでも味方がほしい
ふたりの関係は切れずに
恋人の存在意義

第四章転落した男の事情

夫婦間に吹くすきま風
若い彼女に惹かれて
会社の金に手を付けるとき
すべてを無くした、今
「夫婦」を取り戻せるのか
波風の立たない家庭
暗黙のルールのもとに
妻に尾行されていた
動き出せずに立ち止まったまま
誰も傷つけたくないからこそ
魔が差すように始まった恋
妻の警告
ようやくの再会

第五章 新しい家族を作れるか

妻からの三行半
彼女への気持ちを抑えきれずに
ようやく同居できるはずだったのに
妻の裏切りを知ったとき
妻の恋を知らなかったのは自分だけ
「社会的」な言葉ばかり吐く男
妻と妻の愛人を目の前にして
このままでいいはずはないけれど揺れ動いて、振り回されて
妻の妹は元彼女
儀妹との濃密な関係
断ち切りたい思い

第六章 恋に入り込むほど、無防備に

胸を打った身の上話
若い身体から離れられず
「性感染症」性器ヘルペスをうつされた
くすぶり続けるやりきれなさ
強くなっていく独占欲
元妻とその友人との楽しい一夜
年上の彼女の愛おしさ
嫉妬心ゆえの暴走
彼女にとって自分の存在とは?
窮屈さから逃れる場所
気弱な夫と強い妻
敷かれたレールから外れた瞬間
日ごと、のめり込み‥‥
妻への後ろめたさ

第七章 誰も彼もに嘘をついて

娘のような若い女性との出会い
捨て身の女が持つ迫力
事実を知った妻、そして後悔だけが‥‥
泥沼の深みに
不倫、そして再婚
肌の合う相手に惚れこんで
壊れていく妻
「好きな女ができた。別れてほしい」
静かな日常の裏で
夫婦関係がこじれていくとき
家族を養うのは男の義務?
男女のすれ違い
父として娘に伝えたいこと
夫婦はどこまで行っても他人なのか
男と女がいる限り‥‥二十年愛
妻の妊娠中に浮気
彼女との再会
矛盾はあるけど別れられない
誰も入りこめない歳月
あとがき

本表紙亀山早苗著

男と女欲望の解剖学サイモン・アンドレアエ/沢木あさみ=訳

1、男

200年ほど遡る1790年、人の住まないこの島で新たな生活をつかもうと、15人の男と13人の女がやってきた。
最後に残った船乗りジョン・アダムズは、自分の仲間とポリネシア人たちが引き起こした悲劇にただ呆然とするばかりだった。彼のただ一つのなぐさめは、流血の日々を無傷で生き残った10人の女と、今や彼が1人で面度を見ることになった20人の子どもたちの存在だけだった。

2、生命の誕生

男であれ女であれ人間の性的欲望の謎を解くには、人類の始祖に、性別の起源な、セックスの起源、生命の起源を遡らなくてはならない。マレーが前述の著作を発表してから6年後、一人の男がこれを試みた。そして彼の主張は、世界中で大論争を巻き起こすことになる。

3、古代人の性生活

シクストウス二世が、尼僧を誘惑したかどで裁判にかけられたのである。それからは、下り坂の一途をたどった。955年から964年まで教皇の地位にあったヨハネ十二世は、自分の母親や姪、自分の父の愛人たち、それに貴族の人妻たちと関係をもったともいわれている。

4、適応する心

どの研究を見ても、男性が性行為の機会を逃さず捕らえようとしていることがわかる。
一人の女性に賭ける時間は最小限にし、同時に何人もの女性と性行為を持ちたいと願う、それだけではない。
セックスの機会を逃しそうになったとき男性には、目の前の女性がとりわけ魅力的に映るらしい。

5、数の問題 テストステロン

テストステロンが主として男性の性衝動を司るホルモンだという説に異を唱える者はいないようだ。精巣のライジヒ細胞で作られるクリスタル状のこの物質は、規則的なリズムで体の中を流れ、男性が生殖可能な年齢の間には、5分に一回ほどの割合でピークを迎える。
男性をセックス可能な状態にまで高からぶらせるのがテストステロンの仕事だと一般に信じられているため、欲望が極端に低い患者の治療に用いられたこともある。

6、人間の知性と動物の野生

三世紀に書かれたインドのセックス・マニュアル『カーマ・スートラ』は、パートナーを昂らせるテクニックとして噛むことを勧め、その五つの方法について詳しく書いている。

7、なぜ一夫一妻制か

いい人と結婚したいなら純潔を守りなさいという母親らしい忠告はあまり愉快なものではないが、進化論的な裏づけはあるようだ。

8、女たち

夫との生活に戻るのに嫌気がさした女たちが、殺した男の中には愛人もいたが、それよりは夫を殺したケースのほうが多くみられた。なぜそんなことをしたかと訊かれたロザリー・セベスティエンとローザ・ホイダは、一言「夫がつまらなかったから」と答えた。

9、暗黒の大陸

「男性を相手にして達せられないと女性はお互いの肉体を貪りさえする。女性は夫をへいきで裏切る」。
中世ヨーロッパで魔女狩りをしたヤコブ・シュブレンガーとハインリッヒ・クレマーは女性についてこういう記述を残している。
「女性は見た目には美しく、触れると汚れる。そして、手元に置くとこちらの命にかかわる」。

10、量より質

男性の性衝動について考察した際、男性にはできるだけバラエティ豊かな受胎可能な女性と性交したいという欲望がプログラムされていることを確認された。ラッセル・クラークとエレイン・ハットフィールドの実験では、魅力的な女子大生に声を掛けられた男たちが、すぐにセックスできそうな申し込みであればあるほど興味を示すことが解った。

11、セックス・チェア

主力装置が“ヴァギナ・ウォッチャー”で、ヴァギナの中にこれをつけておくと、生殖器周辺の小さな振動や収縮をたちどころに捕らえるのである。
この椅子には、意識上の興奮を測る装置を備えつけられている。たとえばレバーは、被験者が見せられている刺激的なシーンに対してどの程度興奮しているかを示すものである。だが、これよりは見過ごされがちな、小さな興奮が引き起こす身体的反応も、この椅子は逃さない。

12、理想の男(ひと)

人々が相手に求めている条件を集めたカテゴリー別に分けてみると、女性は男性の10倍も、地位の高さと豊かさを象徴する言葉(会社経営、高級な趣味の持ち主、成功した、豊か、暮らし向きがいい、経済的に余裕がある)に魅力を感じることが解った。

13、 満足の保証

大きく息を吸って、彼女は丸みを帯びたお腹をなでた。「もしこれからあなたが逃げようとするのなら、あなたは私とこの子、二人を失うことになるのよ。これが最後のチャンスよ。一緒に愛情をもって育てる気がないのなら、今やめにした方がいいわ。今ならあなたなしでもなんとかやっていけるだろうから」

ピンクバラ14、クラブでの実験

男性の性欲は主としてテストステロンのレベルが保たれていることによって引き起こされる。このホルモンがあるから男性は、出来るだけ多くの相手とできるだけたくさんセックスをしようとするのである。かたや女性の性欲には、非常に異なる三つのホルモンが複雑に混ざり合って影響を与えている。

15、精子戦争

セックスのあとヴァギナから流れ出た液体はいつも同質ではない。そしてそれは、射精の量とも関係がない。むしろ、“フローバック”の量は、女性のオーガズムのタイミングとの関係がある。
たとえばゴリラのように、一匹の雄がハーレムを形成する一夫多妻の種では、精巣は比較的小さかった。しかしもっとも性の平等が進んだ種、乱交が行われている種では、精巣は大きくなっていた。
 とりわけ人類に近いといわれるボノボは、非常に大きな精巣を持っている。だが人間の精巣は、大きいとも小さいとも言えないサイズに落ち着いている。

16、いい父親、悪い男

男性がセックスに熱心で女性はえり好みするからだと。だがよく研究してみると、女性もまたつかの間の相手を選ぶとき、男性と同じ方法を選んでいる。男を“よい父親”と“悪い男”に分けているのだ。
だが戦いを繰り広げる双方には、共通点がある。双方とも、生物として避けられないハンディキャップを背負っている。男は子どもが自分のものだという確信を持てない。女にとって妊娠・出産は命を賭ける大仕事である

17、第2部 世間・神様・道徳 セックスと社会

 やがてヘレナは知る。妻同士の間にはつねに緊張が漂っていることを。一度などは新入りの妻が森で夫と過ごしあと帰って来ると、棒を持って待ち構えていた年上の妻に殴られた。
こういった争いはしばしば起こり、流血沙汰になることがよくあった。夫はそばで傍観していることがあれば、喧嘩に加わり片方の、あるいは両方の妻を殴ることもあった。

18、違う? 同じ? 人類の性行動は

太平洋には、ロマンティックな恋愛の苦しみも喜びも知らない民族がいる。北アフリカの大草原には、嫉妬を禁じられている人々がいる。西アフリカのある部族では女性の方が豊かで数も少ないため、男性に性の奉仕を求め、男はそれに従う・・・・。

19、不思議なフィーリング近親相姦

テリは家中を歩き回って、ランチにやって来る姉を迎える準備をしていた。一人は姉のボーイフレンドで、驚いたたにもう一人は、長年あっていなかった兄のキムだった。キムは生まれたばかりのとき養子に出され、そこで育ったのだ。

20、 結婚の起源

結婚はたしかにライバル同士。敵対しかねない者同士の絆を築くが、近隣の部族から年頃の女性がやってくれば、問題も相当引き起こしただろう。部族と部族を結びはしても、一つの部族の中では問題を抱え込む事になったかもしれない。

21、赤い三人 姦通

遺骨をもっと見てみると、手がかりが浮かんでくる。女性の生殖器付近と三人の頭のあたりに、粉を撒いたような跡がある。その粉は、赤土である。そのうえ、左側の男、女性に手を伸ばしているほうの男の尾骨は鋭いもので貫かれている。おそらく槍だろう。

22、嫉妬に狂った怪物

 嫉妬とは人間にとって、食べることや寝ること、性欲と同じような根源的な感情である。病的なものでも、例外的なものでもない。たしかに不快な結果を呼びはするが、進化論から見れば、人間にとって大事な感情の一つなのである。
デイリーとウィルソンは考えた。男と女の優先事項が違う以上、嫉妬を感じる要因も違うだろう。男は相手の肉体的な浮気により嫉妬を感じるのではないか。そして女は、感情の上での浮気に危機を嗅ぎ取るのではないか。見捨てられたり、夫の資産が他に行ってしまったりする可能性が出てくるからである。

23、 結婚の掟

その子どもが自分の子どもと確かめらなければ意味はない。それを確実にする唯一の方法は、妊娠していない、いや一度も男の手の触れたことのない妻を娶ることである。
 そこで、男が女をこの先ずっと保護し、生活の糧を与えると誓う代わり、女の子宮を一人の男に独占させることが契約にまとめられるようになった。この契約が、バビロンでは結婚の雛型になった。
 そしてその後世界中の結婚が、この形のっとって行われるようになったのである。

24、 花嫁は処女

結婚したとき処女であることを確実にするためのいちばんむごい方法はこれではない。はるかに残酷で罪深い方法、そう女性の性器を切除する習慣である。
 一般に性器切除と呼ばれているが、これから紹介する三通りの方法に関して言えば、実際は去勢に近い。
 クリトリスを大部分切り取るという、この中では控えめな方法でさえ、女性の心と体に酷い傷を残す。この手術を行う理由ははっきりしていた。女性を純潔に保つためである。
 西洋人がなかなかクリトリスの役目に気づかなかったのと違い、他の文化の中で生きてきた人々ははっきり知っていた。クリトリスは、抑制の利かない女性の性欲の温床である。

25、貞節な妻

花嫁は処女でなければならないという思い込みは強く、異常なものだった。だが祭壇で儀式を行ったあとも、女性の苦難は続く、花嫁の純潔を確実にするための手段が色々あったように、人妻の貞操を守るためにも実に様々な手段が講じられてきたのである。

26、罪は死につながる

姦淫に与えられた罪はたんなる罰金刑から究極の刑――死刑――まで多岐にわたる。ハムラビ法典の与える罰は、厳しく単刀直入である。姦淫した妻と愛人は縛られ、川に投げ込まれ溺死させられる。また、夫に相手の男を処刑する権利を与えた社会もあった(妻の処刑はゆるさなかった)。今日でもアフガニスタン、バングラデシュ、イラン、パキスタン、ソマリア、スーダンの6つの国が姦通の罪を犯した者を処刑する。

27、一夫多妻制から一夫一妻制へ

民主主義が発達していくと、男たちは妻を自分たちで選ぶようになる。専制君主のようになりたいという野心は、政治の面でも性の面でも捨て去るのである。そして個人の自由という意識が根付いたところでは、一夫一妻制を後押しする要素が他にも表れる。

28、宗教の中のセックス

妾を持つのも普通のことだったし、厳格なラビ(ユダヤ教の牧師)たちはよきユダヤ人のためにセックスの回数まで決めていた。富裕層は一日一回。労働者は週二回・ロバ飼いは週一回。船乗りは年二回といった調子である。
 ただしその一方で、小作に結びつかないセックスは厳しく弾劾した。男のろう出した体液は汚れていて、ホモセクシュアルはもってのほかであり、動物とのセックスは絶対に禁止だった。とにかく、性の対象は子どもを産む女でなければならなかった。

29、イエス

福音書に記されている聖マタイの言葉によれば、イエスの誕生はなんら特別なものではなかったようである。父ヨセフはダビデの時代まで血統を遡る敬虔なユダヤ教徒で、母も信心深いごく普通の女性だった。

30、 三人の生涯

パウロは一世紀の初め、キリキアのタノソスで生まれた。今でいうトルコの南岸の近くにある。ギリシア語を話すユダヤ人の社会で育った彼は当初、キリスト教に強い憎悪をいだいていたという。
 使徒行伝によると、若い頃は神の使徒を弾劾する演説をしていたという。それだけでなく、キリスト教の最初の殉教者ステファノを石打の刑に処することを支持し、ユダヤ社会の当局に、異端者を見つけたら追い詰める権利を求めたという。

31、宗教アスリート

新たな敵はローマ人や競技場のライオンではなく、内面にある情熱、なかでも肉欲だった。外の敵と同じように手強く敵意を持ち、こちらを滅ぼしかねない敵である。こうやって「砂漠の教父たち」の時代が始まった。
 男女の別もなく狂信的な隠遁(いんとん)者たちが、地上のすべての欲を断ち切って砂漠にこもり、肉体的・性的な自己否定を競い合った時代である。

32、女性の変貌

パウロとヒエロニムスアウグスティヌスが処女性の大切さを強調すると、今度はイエスは罪に汚されずに生まれたてきたのだと協調する必要性が出てきた。いわゆる歴史の書き換えが行われた。イエス自身が純潔を守っただけではなく、その母親も生涯純潔だったのだと主張するようになった。
 やがて、その主張は単なる伝承でなく、キリスト教の主柱となっていたのである。

33、寝室の中の司教

そして、性交の目的はただ一つ、小作りに限られていた。この目的から離れれば離れるほど、罪が重い行為だとされた。そためホモセクシュアルリティ(二セットの精液が無駄になる)はマスターベーション(一セットの精液しか無駄にならない)より罪が重いとされ、レイプや近親相姦、姦通はそれに比べれば罪が軽かった。無理やりにせよ、精液が無駄にならずに子孫につながる可能性があるからである。

34、サドマゾ

最初にブームがおきた北イタリアで、1259年、ある歴史学者が書いている。「夜も昼も長い行列が続く、先頭には、十字架と旗を掲げた司教たちが立つ。二列になり、自らを鞭で打ちながら、通りを練り歩いていた」中には五歳くらいの子どももいて、地方の役人たちも驚いた。
そして彼を街から追い出そうとしたが、うまくいかなかった。

35、堕落と非難

 これまでは道徳的・宗教的見地から非難されていたマスターベーションを、医学的見地から禁じたからである。潰瘍からインフルエンザまで、不妊から結核まで、狂気から死まで、身体の不調の主な原因はマスターベーションにあると説いたのである。
 マスターベーションにこれだけ罪を着せるために、ベッカースは昔ながらの手を講じた。精液の消費が生命力を枯渇させると論じたのである。精液は大変な犠牲のもとに、血液から作り出されている。それを無駄にすると体力が落ち、貧血を起こし、病気にかかりやすくなる。

36、マスターベーション罪悪感うえ付の愚かさ 三十九の兆候

 女の嫌いな男の子と、男の子好きな女の子は怪しい。また、肩が丸い、節々が硬い、下半身がだるい、やたらと明るい、寝方が変、乳房の発達が遅い(女の子場合)、大食漢、不自然で刺激的な有害物を好む(塩、胡椒、スパイス、酢、マスタード、土、石筆、糊やチョークなど)、シンプルな食べ物が嫌い、タバコを吸う、顔色が悪い、ニキビがある、爪を噛む、手が冷たくしっとりしている、動悸がする、ヒステリー(女の子の場合)、萎黄病、痙攣、夜尿、そして卑猥な言葉を使う子どもも怪しい。
誰もがこのリストから、逃げることはできそうもなかった。だがそれだけでは飽き足らずケロッグは、子どもがこういう兆候が見られなかったら何ごまかしているのではないかと疑えと書いた。

37、性革命

そして1960年代、ピルが登場する。コンドームやペッサリーはもうすっかり浸透していたが、女性がそれを手に入れるのは優しいことではなかった。セックスを忌まわしいものとみなす傾向は女性の中に特に根強く残っていて、いくら処方箋を持っていても、薬屋に入ってその名を口にしたり、ハンドバッグから出したり、あまり手慣れた手つきでそれを扱うのは気後れがした。
ペッサリーはそれよりは良かったが、装着が難しいと思った女性も多かったし、セックスでいちばん気分が高まっているときに装着するのは気まずいものだった。
 ピルはこういう問題を、すべて解決してくれた。目立たないし、信頼性も高い。それに女性に月経のサイクルの知識を与えた。ピルの登場に女性は自ら情熱に身を任せ、性を楽しむようになった。行為の途中で中止したり、顔を赤らめながら野暮なことを頼まなくてもすむ。

38、自由な愛の挫折

女性信者たちに“釣り”を――セックスによる外部の男性の教団への勧誘を――強制していたのである。そして子どもたちでさえ、無差別のセックスを命じていた。何もかも――セックスも――不安なしに、えこひいきなしに分かち合うべきである。
ただしバーグ自身は、他のカルト集団の教祖と同じように、いちばんおいしいところをいただくのである。
 主導者たちが作ったルールは迷信に、あるいは自分の持つ偏見に、あるいは(たいていは間違った)科学理論に基づいたものだった。たとえばノイズは、人間年を取れば取るほど人間性が高くなる傾向が多分にあり、若いメンバーは年上のメンバーとセックスすることによって、精神的な成長ができるのだと説いた。

39、第3部 タデ食う虫も好きずき セックスと個人

人間には性によって?殖する生物で、人間を進化させてきた衝動も文化の影響を超えたところで、一人一人の性が違ってくるのである。それぞれが望み、そしてできれば実現してみたいという行為やシナリオに、個性が出てくるのである。セックスを語るとき、私たち“好み”という部分は、この第三の要因が創り出しているのである。

40、性の個性は、生まれつき?

生殖のためだけの性を追及していたほうが、進化に有利なのではなかったのだろうか? 性のバラエティが自然なものとしても、そもそもなぜバラエティが生まれたのだろう? いったい何の目的があるのだろう? 
この点をめぐってこれまで、性科学者たちの意見は二つに分かれてきた。

41、ママ、遺伝子をありがとう

一卵性双生児の半数の人々に、やはり同性愛者の双子がいたのである。ただし二卵性双生児の場合は、一卵性双生児に比べて共有している遺伝子が少ないせいか、その率は20パーセントに留まった。そして養子のきょうだいになると、その率は急激に減り。十人に一人くらいになった。

42、遺伝子からホルモンへ

 受胎最初の四週目から五週目は、男でも女でもさほど変わらない成長をしていく。胎児には、小さな管が二本あって、これが精管もしくは卵管になる。また小さな細胞の塊があって。いれが陰のうとペニスもしくはヴァギナとクリトリスになる。このまま六週目、七週目に達してもホルモンが注ぎ込まなければ、胎児は女性として発達していき女の赤ちゃんとしてこの世に生まれてくる。
 けれども、胎児にテストステロンが浴びせられると(胎児が男の赤ちゃんの場合、Y染色体からの合図で自然にそれがこの時期に起きる)、身体も脳も男性の形になっていく。陰唇でなく陰のうができ、クリトリスでなくペニスが出現する。

43、性同一障害者の・セクシュアルな脳

ゲイの男たちは、女のような視床下部を持っている。別の言葉で言えば、テストステロンの影響を受けなかった視床下部である。ルヴェイの実験だけでは、十分なテストステロンが脳へ到達していなかったせいなのか、そもそもテストステロンを受け入れるシステムを欠いていのか、それは解らない。ただ一つはっきりしているのは、ゲイの男がストレートの男とは違う頭脳の構造を持っていると証明されたのは。これが初めてだということである。

44、子宮から世界へ 乳児期の育て方で異なった性格になる

 子どもが興奮するといけないので親の訪問はあまり歓迎されていなかった。スタッフが不親切なわけではなかった。子どもたちは食べ物を与えられ、守られ、温度の保たれた場所にいた。だが赤ん坊たちは、ただ一人も例外なく悲しんだ。

 最初は大声を上げたり手を突き出したりして抵抗する。だがそのうち、受け身の失望に陥っていくのである。そしてここまで来てしまうと、いざ両親が帰って来ても喜ぶというより、怒りをぶつけたり、すがり着いたりする。あるいはまた、まったく関心を示さないこともある。

45、神経のネットワーク・性暴力

人間は幼いうちに性のパターンを身に着けるのだと信じるようになった。幼児は何をすれば快感を、不快感を感じるかを経験させ積み重ね、それを徐々に覚えていく、そしていったん覚えたことは、なかなか忘れ去ることはできない。
 子どものとき感じた強い刺激は、感情の昂ぶりのパターンを作り出し、それは生涯残ると、子どものとき虐待を受けた人々が大人になって逆に虐待する側にまわることも、ここから説明することができる。

46、四,五歳児のセックス・プレイとジェンダー・プレイ 

誰にも見られないと思うと、四歳から五歳の子供たちは誰かと抱き合い、リズミカルな、まるでセックスのような運動を始める。もちろんオーガズムは(普通は)感じていないが、大人がセックスをするような動作を通じて、快感を得ているらしい。

47、獣姦の理由、 仲間グループから性的倒錯者へ

 思春期に達した。子どもに一切の性的知識を与えないのも、子どもにとって害になる。レイプや獣姦、あるいは死姦など極端な行動に走る性倒錯者たちを調査してみると、その半数以上が性に関する話題を厳しく禁じられた家庭に育っている。

48、ジェンダーにとらわれて

性的倒錯者の90%が男性だというのは、興味深い事実である

49、結果(人間の趣味嗜好にいかに多様性があるか…

どんな人間でも――自分では完全に主流に属していると思っていても――少なくともファンタジーの世界では、特異な嗜好をみにつけいく、ナンシー・フライデーの集めた書簡の数々を見ても分るし、大衆向けポルノ雑誌を見てもわかる。人間は常に、基本となる性欲にちょっとしたひねりを、ちょっとした飾りを加えたくなるのである。

50、普遍的な美しさ

プラトンの、黄金分割の理論である。プラトンによると、すべて美しいものは黄金分割にしたがっている。数値化すると、一対一・五の比率である。これを人間の顔に当てはめてみると、髪の生え際から口までの長さが、鼻から顎までの長さの一・五倍であればいい。
また目から顎までの長さが髪の生え際から目までの長さの一・五倍であるべきである。時を経てこの理論は顔のパーツにも適用されるようになった。理想的な唇は鼻の一・五倍、理想的な形の歯は縦が横の一・五倍といった具合である。

51、90―60―90 妊娠率

 香港からインドまで、アフリカからアゾレス諸島まで、どれくらいの細さの女性が好きかは地域によって異なっていたが、好みのWHRに関してはどこでも同じ答えが出てきたのである。つねに、いちばんWHRの低い女性を指差し、部族の一人が言ったのだ。「これがいちばんきれいだ、6人か8人くらいは子どもを産めるだろう」そして、比較的ずん胴な女性を指して言った、「この女はあまり子を産まない」

52、完璧な平均値

男性の場合いつも10点満点の顔は下あごが広く、顎先が鋭く、眉が立派になっている。女性の場合、これが逆になる。下あごの小ささが特にものを言うようだ。顔の上半分の長さに特徴がある。目が大きく、頬骨が発達している。

53、陽気なシンメトリー

リバプール大学のジョン・マニングが行った画期的な研究では、女性の場合軟組織が排卵期にふくらみ、顔がシンメトリーになるという。いちばん受胎しやすい時期に、いちばん美しくなるのである。
同僚のギャングステッドと共にその結果分析してみると、明らかなパターンが浮かび上がってきた。もっともシンメトリーな男たちは、もっとも左右不均衡な男たちより、初体験の年齢が三・四年早かった。明らかにシンメトリーであることは、セックスの相手を見つける上で有利なようだった。男女問わず、シンメトリーな人々の方がそうでない人より、これまで多くの性の相手に恵まれてきたことが解ったのである

54、匂い

女性用であれば男性用であれ最も高価な香水の成分は、果物や花、あるいはスパイスから得られるのではなく、動物の下半身から得られるのである。ジャコウジカの腹から獲れる麝香、マッコウクジラの腸から獲れる
竜涎、エチオピアの雄猫のアナルにある腺から獲れるシベット、ビーバーの下半身から獲れるカストリウム。いずれも多大な費用をかけて、時には非合法で、この絶滅しつつある動物たちから獲るのである。

 そしてこれが、香水にセクシュアルなパワーを、生々しさを、官能に与えているのである。意識の上では人は、果物の匂いに惹かれる。だが反応しているのは、動物の匂いの方なのである。

55、神童(ブンダーキット)ヴェーデキント

バラエティを求める本能。文化の影響も、育ててくれた親の価値観を超えて、ただ一つのタイプの相手を、いや、ただ一人のひとを求める機能が、人間の中に植え込まれていると言うのである。その相手こそ文字通り、“出会うために生まれてきた”その人なのだろう。

56、恋に落ちて

愛は、多くの解けない疑問を投げかけてくる。親が子どもを世話するとき必要なのだが、生殖のときは必ずしも必要なわけではない。欲望と憧れとも愛着とも違う。セックスや結婚を続けていくのにも――いや、楽しむためにさえ――必ずしも必要ではない。それに恋愛の扱われ方は、文化によって全然違う。

57、愛から盲目の愛へ

盲目の愛に陥った人でも初めは、同時に何人もの相手に惹かれたていることがある。だが奇跡が起こり、思う相手と気持ちを確認し合うと、他の候補者は目に入らなくなり、情熱が燃え上がって、だんだん愛が成熟して行くのである。
もちろんセックスも大事な要素だが、精神的な絆も強く感じている。身体の中心だけでなく心の中心で、相手とつながっているのがはっきりと意識できるのである。

58、マンガィアで大人になるということ

南太平洋の民族を専門とする人類学者のドナルド・マーシャルがマンガィア島を訪ね、ある男たちに出合った時から始まった。マーシャルは、彼らにビールをご馳走し、ここではみんなどんな性生活を送っているのかと尋ねた。すると彼らが答えた。18歳の男なら、毎晩三回はオーガズムに達する。28になるとそれが。一晩に二回、周に五回まで落ち、40になると、一晩一回、周二、三回になる。

59、プラトンによるプラトニック・ラブ

人間が本当に自分に相応しい相手を探し、認め、応えるための非常に精密なメカニズムだと見なしていたのである。そういう相手が探せないから、あるいは間違った相手と一緒になってしまったのなら、それは私たちが何か義務を怠っているからだとプラトンはほのめかした。
精力的に(そして幸運に恵まれ)そういう相手と巡り会えたなら、言うに言われぬ喜びが得られる。

60、宮廷恋愛

宮廷にいた高貴な婦人たちが、ひまにまかせて完成させた原則である。まずは、騎士たるもの、自分の結婚相手でない高貴な女性に愛を表明していい。いや、しなければならない。そして、女性の気持ちを勝ち得るためならどのような試練をも潜り抜け、女性の名を汚さぬようにする。

そうすれば、一緒にベッドに入る以外の交流をすべてが許される。このような契約が、女性の不貞を防ぐためにあったのか、それともごく一般的な感覚、世俗のものより精神性を重んじるキリスト教の影響から生まれたのははっきりしない。たしかに全面的ではなくあくまで部分的に思いを寄せ合うことが、熱意をますます募らせたのである。

61、高い橋、低い橋

 私たちは都合の悪い相手に、都合の悪いタイミングで恋をする。社会に禁じられても、進化の掟にのっとっていていなくても恋をする。ならば、恋が引き起越される原因が、他に何かあるに違いない。どんな相手に出合うかとはさほど関係なく、恋に落ちやすい時期とそうでない時期を分ける原因が、何かあるに違いない。そしてその原因は年齢や心の状態、気分に関わっているものに違いない。

62、長続きする愛

オキシトキンのレベルは出産前後や授乳期だけでなく、次の三つの行動をとっている時にも上がるからである。それは愛撫とキス、それにセックスである。その上、効果は女性に留まらない。数年前に行ったマスターベーションをしている男性を対象にした経験によると、射精の瞬間にオキシトキンのレベルは最高に達する。
おそらくこれが、オーガィズムとその後の心地よいけだるさをいっそう快いものにしているのだろう。

63、完璧な愛の結末

ウルスラとジャスティンの物語は、西洋的な理想の愛である。最初から結ばれる定めにあった二つの魂が出会というプラトン式の思想と、宮廷式恋愛にあるのと同じ情熱や危険、そして結末がある。だが、誰もがそのような身を焼き尽くすような恋に出会えるわけではないことを嘆くより、私たちはそのような激しい恋がめったにないことを感謝しなければならない。

64、似ているけど違う

決して愛し返ししてくれなそうな相手を選ぶことなく、二人とも幸せで長続きする関係を築くためにこそ、恋愛は発達してきた。遺伝子を後世に伝えるためには、そう言う愛情が欠かせないからである。ならば愛する相手を選ぶときには、理想と現実――実際自分に愛情を返してくれそうな可能性と言う現実――バランスを取らなくてはならない。

65、愛と結婚

危機が訪れたときの問題なのは二人がどれくらい言い合いをするかとか、どれくらい我慢できないところを持っているかではないとゴッドマンは言う(誰にでも、どうすることもできない欠点はある)。あるいは、浮気心があるかどうかはさほど問題ではない。それより重要なのは、問題が持ち上がった時どの様に対応するかどうかなのだと彼は言う。
 本表紙
サイモン・アンドレアエ/沢木あさみ=訳
 

 渇望 亀山早苗 著

赤バラ第一章

・社長夫人の座を捨てて駆け落ちした女性の「失われた十年

・三歳年下の”運命の人
・セックスの相性がよすぎる
・いつか結婚してくれるは
・結局、何も築けなかった

七年ぶりのセックス以来、奔放な性に耽った四十八歳の残照

・浮気夫を汚らわしく感じ
・「いつ死ぬかもわからない」から
・女が性欲に支配される時期
・早く枯れたい‥‥

離婚後、放埓な性に身を委ねた女性部長が涙した、”老いの烙印”

・離婚して三年目の恋
・バーで愚痴るうちに‥‥
・みんな去ってしまった。
・大事な部分が老いてしまい

赤バラ第二章 

 ・屈辱の浮気絶倫夫との二十七年、我慢の  末に流す後悔の涙
・身体に、心が裏切られる
・舅姑への不満も積もって
・「おまえは干物
・もう遅い、何もかも

婚約を破棄して不倫愛十九年、恋の末路で抱いた一縷(る)の望み

・「安定した結婚」を捨てて
・激しい恋に生きた三十代

・恋の魔法から覚めてみると
・ひとりきりで老いる怖さ

生活苦から身を墜とした二児の母、ふと甦る苦き過去

・「二万円でどう?」
・女という性を憎みながら
・危ない目にも遭ったことも、数知れずある。
・彼に体が反応しない
・消せない過去の迷い道

赤バラ第三章

・友だちの浮気を密告したセックスレス妻のほの暗い嫉妬心

・乳母で教育係で家政婦
・更年期“女の致命傷”に塩を塗られ
・天誅(てんちゅう)を加える必要を感じた
・哀しく捻じ曲げられた心

卑屈な夫と恐妻家の恋人、不倫がばれてひとりぽっちの私

・コンプレックス夫の凌辱
・「ここで土下座しなさいよ」
・愛されていなかった私
・気持ちの「点」と「線」

不倫の愛を貫いて結婚、だが病後、別の女の影が…‥

・ずるさも含めて好きに
・「ひとりで産むから別れて」
・いざというときに逃げる男
・「天罰」などないはずなのに

赤バラ第四章

・近所の人妻の虜となった夫、私は”性の劣等生”に苛まれて

・男性として魅力があるとは
・グロスたっぷりの唇が‥‥
・「おまえが拒み続けるから」
・私が知らない快楽を知る女

介護バトルの末、夫を見限り、縋る五十代にして初めての恋

・母を引き取ることを拒まれ
・何かも私に押し付けるな
・家庭に絶望する男と女
・自分が生きてきた証を求めて

姑。浮気。DV、借金――三人の夫が去った

・「子どもを売って」離婚をし
・DV夫との怒涛の日々
・四十四歳、女ひとりでの再出発
・なぜ誰にも愛されないの!?

赤バラ第五章

・夫に連れていかれた性のけもの道で体験した不安と恍惚

・机の引き出しの中の写真
・倒錯の世界へ連れて行かれ
・とどまらぬ夫のたくらみ
・オーガズムと不安の狭間

救いなき家庭生活は”できちゃった結婚”から始まった

・とにかく女だらしない夫
・帰る場所がないゆえに
・「がんばりすぎたんですね」
・不安が昂じるばかり

絶望の淵の私を救った”ある仕事”―その快感と高い代償

・人生観が変わる紹介先
・自分が壊れていく
・「最近、生き生きしてるね」
・みんな孤独なんだな

行くも帰るも地獄、燃えさかる不倫愛は十年で突然幕を閉じ

・十三年前の忘れ物
・「子供が成人したら」
・再び音信不通になった
・彼は本気だったのか?

赤バラ第六章


・六十九歳の母は今も女全開、娘の私は反発心から男を忌避し・「仕事だけの人生」の理由
・同じ淫乱の血がと思うと
・私には快感が必要だった
・制限時間があるなかで

恋か情か――、五十歳目前の私は今、元夫の愛人になりはて

 ・ふたりで生きよう
 ・「私、元夫の愛人なんです」
 ・「産める女が好きなのよ」
 ・不意に訪ねてきた元夫
 ・この快感を失いたくない

十六歳年上に嫁ぎ四十代で開かれた性の扉は、三年で閉じた

・母とふたりで生きてきた
・父のように甘えられる人
・体の奥底の火種が
・「本気で愛された」実感

赤バラ第七章

・リストラがきっかけで夫が豹変、家庭は荒れ、私は逃げて

・理想的に家族を得た
・セックスが抜け落ちた
・「女ってあさましい」
・先がない恋とわかりつつ

裏切りで染まった愛の彷徨三十年、私は何を手にできたか

・「おまえはいつも完璧」
・ひっそりとこじれていく
・人知れず逢瀬を重ねて
・それでも生きている

赤バラ 第七章

リストラがきっかけで夫が豹変、家庭は荒れ、私は逃げて

・理想的に家族を得た
・セックスが抜け落ちた
・「女ってあさましい」
・先がない恋とわかりつつ

裏切りで染まった愛の彷徨三十年、私は何を手にできたか

・「おまえはいつも完璧」
・ひっそりとこじれていく
・人知れず逢瀬を重ねて
・それでも生きている

第八章
一年に及ぶ離婚闘争劇、屈辱にまみれた私は決断できなくて

・「オレを助けると思って」
・殺してやる。そう思った。
・添い遂げると決めたから
・法律では解決できない

DV夫との十年にわたる修羅場から解放されて得た新生活

・大人になりきれない夫
・「誰かと寝てきたのか?」
・子供たちは家に残った
・女であることを実感して 

赤バラ第九章
多忙な主婦が五十歳になって知った、淫欲と愛情の快楽地獄

・“妻孝行”な夫がいるのだが
・淫らなおんなになりたい
・「一度でいいから抱いて」
・引き裂かれる自分

恋愛依存体質の女性が歩んだ過酷な半生と絶望感

・駆け落ち失敗。DV離婚、できちゃった婚
・七歳になったばかりの息子が
・愛されていると実感した日に
・時間だけが過ぎていく

半世紀生きてきて、ここからもう一度‥‥

 ・ぼろぼろになった更年期
 ・ワンピースを買ってみたら
 ・今どきの五十歳は魅力的
 ・誰とも比べられない人生

・あとがき

本表紙
 二〇一〇年十一月  亀山早苗


夫を愛して何が悪い・・・ 渡辺やよい


ピンクバラ第一章 結婚してもしあわせ

・「愛は四年で終わる」説っどうよ?
・ひところ流行った「愛は四年で終わる」説をご存知だろうか。これは人類学者のヘレーン・E・フィッシャーさんが「愛は四年で終わる」という非常にショッキングな説を発表して話題になったものだ。
・「結婚すればどんな愛も必ずや冷めてしまう」に異議あり!
・緊張感のないつれあいが愛おしい

ピンクバラ第二章毎日食べることを分かち合える幸せ

・愛妻家30分クッキング
・根っからの食いしんぼうは夫の方
・一緒に手作り、美味しい楽しみ
・食器洗い機があればゆとりの食後
・掃除は割きりでクリア
・どこまで切り捨てるかの洗濯

ピンクバラ 第三章オットとムスコとムスメのいる暮らし

・物事に動じない硬派のオット

・ムスコは野生児
・おませでおしゃまなムスメ
・行ってらっしゃいの儀式


ピンクバラ第四章共稼ぎ子育てライフ

・保育園の新世代のお父さんは愛妻家で子ども好き
・子育てはお互いさま、一時預かり所と化している我が家
・放課後の子どもたちの居場所
・お父さん不在の小学校よ変われ
・専業も兼業も、お母さんたちは本当に頑張っている

ピンクバラ第五章プチムツゴロウ王国の王女たち

・ネットで救をもとめていたミドリガメをひきとる 亀子
・具合の悪いカメを爬虫類専門動物病院で治療 金太
・コーギー歴十数年、私と犬たちー びすこ
・水槽の住人1 金魚
・水槽の住人2 ウーパールーパー
・子猫が来た

ピンクバラ第6章人生は本当に大事なものだけを大事にすればいい

・何事もつい手を出し、面倒をみてしまう私
・世田谷で暮らして四十年
・立って半畳寝て一畳
・あとがき
本表紙 渡辺やよい 著


結婚したくてもできない男
結婚できてもしない女白河桃子 著

 目次

第一章 結婚したくてもできない男

 思う人には思われず、思わぬ人から思われる
CASE1 「鏡を見ない男」
◆欲しいのは人生の壁打ちパートナー

2 本気で恋愛したことがない
CASE2「恋愛筋不足の男
◆傷つくのが怖い

3 仕事も女も、絞り切れない
CASE3「バブル残党の男」
◆キリギリスのお手本はなくなった

4 女には不自由したことがない
CASE4「モテる男」
◆「ひとり」を極めて、あえて選ぶ「ふたり

5 一生を添い遂げるものと思っていたのに…・
CASE5「バツイチの優柔不断なイイ男」
◆子供ができなければ決断できなCASE6「結婚しているのかしていないのか、わからない男」
◆離婚を切り出されたときが最後

6「結婚情報サービス」に集う男たち
キーワードは「対等なパートナー」
老後の不安を「妥協」で消そうとしても…・

7 お姫様を待たないで
 普通の男性も結婚しない時代
相手とぶつかり合えない男た
恋愛結婚至上主義が結婚を遠ざける
経済的な責任感がますます邪魔をする
お姫様を待っている場合じゃない
「しない」から「できない」へのターニングポイント
 「結婚したくてもできない男」の特徴
 

赤バラ第2章・結婚できてもしない女

1 結婚できない女VS結婚しない
「クロワッサン症候群」後のシングルズ大量発生
hanakoさんこそ、すべての先導者だった
実家のレベルより落ちる結婚はしたくない

2家族神話という刷り込みから逃れられない
 ハンサムウーマンたちの結婚願望
女性たちが「上」へ行きすぎてしまった
「父の娘」永遠のライバルは母

3 熟女限定「SMAP症候群」が女を縁遠くする
現実の男は面倒くさい
一九九〇年代の女性がもっとも見たかった夢
SMAP症候群からの脱却する4ステップ
●すれ違う群れの中から出会えるふたり

4 結婚しない時代のやめられないお見合い
女性から見た「おみー君現象」
お見合五十回でも結婚できないその事情
お見合界はマイナスポイント制
親が気に入らない相手とは結婚できない
王子様はもういない

5 結婚したくない現実的な理由
日本女性の強固な「家事」の刷り込み
「家事能力ゼロ男」とは好きでも結婚しない
家事分担より、家事奴隷募集中?

6 縮みゆく世界の結婚・恋愛
少子化の先頭を行く国で何が起きているのか
アジアのシングルズの微妙

7 「やまとなでしこ」海外流出の実情
恋愛海外亡命時代がやってきた
女性が「女の子」になれる島
自分の「三高」に気づかない女性たち
自分の足で立つ、ということ

8 一九六〇年代症候群
?殖力に乏しい少子化の犯人たち
出産限界年齢を迎える一九六〇年代女性の選択
不機嫌な果実たちが求めているもの
「結婚できてもしない女」の特徴

赤バラ第3章 新・晩婚時代

1晩婚・少子化の主役たちの結婚
●結婚という「パンドラの箱」を開けて
●十年遅れの招待状
●つくられた女子大生タレント
●結婚とは「してもしなくても後悔するもの」
●三年後の由梨を訪ねて
●「遅すぎる結婚」なんてない
●リードするのは私、従うのは彼
●十年前なら選ばなかった彼
●自分だけのいい男(ひと)を見つける
●三年後の祥子を訪ねて
●ホロリときて結婚
●年下夫は鍛えて育てる
●あきらめない年上と、やわらかな年下
●三年後の淳子を訪ねて
●「小さい男よく喋る
●大きい女は損をする
●二年後の真澄を訪ねて
●晩婚のキーワードは「逆転」

2 ヴィンテージな結婚と子育て
●スパーキャリアの結婚
●青年会のおみこしを担いで
●三年後の桜を訪ねて

3 恋愛異種格闘技時代
不倫は最も「切実」な関係
不倫のシナリオは常に一定パターン
不倫のゴールはウエディングベルか?

4 「できちゃった結婚」は二十一世紀の救世主か
魔女の条件
いちばん愛している人と結婚したくない
奇跡の「できちゃった婚」
「運命の人」は本当に身近にいた
「できちゃった婚」は日本を救うかもしれない
遺伝子を残せない男たち

5 病めるときも、健やかなるときも
もうひとつの「ビューティフル・ライフ」
力強くリードしてくれ、ときにはあまく優しい恋人になれる人。
「青い鳥」が見える目をあなたはもっているか
人とのつながった「ひとり」になりたあとがき
二〇〇二年五月九日 
本表紙著者 白河 桃子

夫婦崩壊!? それでもふたりが別れない理由 

 夫婦崩壊 それでも二人がいる理由
亀山早苗著
第一章 「夫婦関係」に変化あり
○○セックス抜きの友だち夫婦
第2 専業主婦でも家事は分担?
〇気遣いする男たち
〇夫たちの言い分
〇現代の男のプライド

第3 二章 女性たちの「離婚しない理由」
〇愛想をつかしてはいるけれど
〇セックスなし、子どもなし
〇夫とのほどよい距離感
第4 週末は不倫相手と‥‥
〇身も心も恋して
〇夫は夫、彼は彼
〇「恋」ではない関係‥‥
〇第五 ひとりになるのが怖い
〇このままでいいのかと迷う日々
〇第6三章 男性たちの「離婚しない理由
〇あきらめきれない恋心
〇「家庭」になじめない
第7 別居生活は長いけれど
〇冷えた関係ではあるけれど
○○ぎくしゃくしている夫婦関係
第8 四章それでも夫婦は続いていく!?
○○ヘンな夫婦かもしれないけれど
○○どうしてもセックスが好きになれない
○○恋を夫に相談してしまう妻
○○夫の不安と決断
○○それでも、ひとりよりふたり?
第9 夫に恋人が。そのとき妻は‥‥
○○苦しんで苦しんで得た覚悟
○○夫と恋人の破綻
○○第三の女の出現
おわり 2009年5月
本表紙 亀山早苗著

女性解剖学 はらたいら 目次

本表紙

1―女には特別な一年がある
 30代の男と女を比べてみると

最近は結婚しないのかできないのか、よくわからないが、そういう男と女が急増している。三十路を過ぎても独り者、なんてことは良くある話で、一体結婚適齢期がいつ頃なのか。もう誰にもわからなくなってきた。
 さて結婚しない30代の男と女を比べてみると、まるで地球人と火星人ほどに、かけ離れているからおもしろい。
 女は「子宮感覚」という、一種の動物的な勘でもものごとを判断するが、そこにちょっとした計算が入ってくると、これはもう鬼に金棒だ。カネに対する執着心は、子宮感覚ときわめて馴染やすい性質を持っているから、水商売ですら、いつの間にか手堅い商売と変わってしまうようである。

中身のない女はすぐ飽きられる

クレオパトラは本当に絶世の美女であったのだろうか。歴史の示すところによれば、他に類を見ないほど美しいというわけではなかったようだ。
「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界の歴史が変わっていたろう」と言う有名な言葉を残したのは哲学者のパスカルなのだが、彼が実際に言ったのはこうだ。
「クレオパトラの鼻がもうすこし短かったら、世界の顔は変わっていただろう」
 どうも鼻筋がキリッと通った絶世の美女ではなく、ワシ鼻の並みの美女。ではなぜ、クレオパトラは世界の歴史を変えるまでの美女と呼ばれるようになったのか、その答えはプルタークの『英雄伝』の中にある

6―たくましいから生きていける

本当に強い女というのは、こういう女のことかもしれない。
 つい最近、乗馬会社に勤める30代半ばの男が、奥さんと別居した。原因は、世間によくある、旦那の浮気。もともと女好きの男であったが、仕事はバリバリこなし、女の子とも適当に遊びながら、家庭は大切にするという器用な男だったから、別居したと聞いてたときは、ちょっと驚いた。

 おそらく浮気がばれて、怒り狂った奥さんが家を出て行ったのではないかと思ったが、出て行ったのは男の方だった。
 早い話が、その男が会社のOLに夢中になってしまい、離婚して、そのOLと結婚する気だったらしい、男は奥さんと大ゲンカをしたあげく、そのOLのマンションに転がり込んで、同棲生活を始めてしまった。奥さんはなかなかの家柄で、そのうえ頭も切れる。

そんなに時代もかつてはあった

かの有名なパーナード・ショウも、めまぐるしく変化する現代社会に合っては色あせてしまったようだ。
 数々の名言を残した彼だが、次の言葉は完全にいまの世の中からドロップアウトしてしまったいい例だ。
「持参金を持たぬ女は結婚冒険家である」
 かつては弱い立場に身を置きがちだったお嫁さん。ドーンと持参金を持って行けば、でかいツラができた。
「うちの嫁さんには山がついている」
「うちのヤツには広大な土地がある」
 こうなれば、旦那さんもおいそれと捨てるわけにはいくまい。むしろ大事に扱われるだろう。
 何も持たずに嫁に行くことは、毒蛇が群がる密林に足を踏み込むようなもので、いつ、命を絶たれるかわからない。

7――ああ、情けない男たち

「彼女が結婚してくれない」男 
 「妻は若い夫にとっては女主人。中年の夫にとっては仲間。老人の夫にとって乳母である」
 とは、フランシス・ベーコンの言葉。
 最近の若手男たちは、女の子を口説くのもすべて雑誌に掲載された手順を忠実に守ってするらしい。ところが、口説かれる女の子の方も同じ雑誌に興味を持っていて、男たちがどう口説いてくるか研究しているから始末が悪い。

 手の内を知られているとはつゆ知らず、実行してしまうものだから女の子のほうは面白いやら、アホらしいやら、すっかり同年代の男たちをバカにしている。
 アメリカの有名なコラムニストによれば、彼女に寄せられてくる投書の中身がこの10年くらいでずいぶん変わってきたという。

 ひと昔前なら、「彼氏が結婚してくれないんです」と言う悩みが多かった野に今はその逆で、「彼女が結婚してくれないです』が圧倒的に多いのだ。

“従っているふり”で見事に操縦 

イスラム教では、男は四人まで妻を持つことが許されているが、実際のところはどうなっているのだろうか。国民のほとんどがイスラム教徒であるエジプトあたりでは、二人くらいの奥さんを持ち、子どもが10人くらいいる男も珍しくないそうだ。

 ところが日本企業や欧米の企業に勤めるエリートサラリーマンとなると、ガラリと事情が変わる。とにかく彼らは忙しい。とてもじゃないが、二人、三人の奥さんをもらって、彼女たちに分け隔てなく愛を捧げ、奉仕する余裕は全くない。

8―こんな女(オバサン)になって欲しくない

オバサンの原則 
 東京ディズニーランドは、いまや東京の新名所、日曜、祝日はもちろん、ウイークデーでも、文字通り、老若男女が入り乱れて、長蛇の列に汗をかきかき夢を見る。

 ここでも、圧倒的に存在感を誇示するのが、オバサンの団体である。
 オバサンは、元来が、開き直った存在なのだが、さらに終段心理と「旅の恥はかき捨て」とが、開き直りに拍車をかける。

 いい悪いはさておき、東京ディズニーランドは、弁当を持ち込まないということになっている。食事は全てディズニー内のレストランで食べてくれというシステム。これはルールだ。
レストランはすべて洋食。ディズニーの雰囲気にマッチした店ばかりである。

 ところが、おにぎりを白昼堂々と食べている集団がいる。もちろん、オパサン集団だ。

頭のなかまでゼイ肉がついている

結婚前の女は、腰が細くて心が広い。これに対して、結婚後の女は、腰が太くて心が狭い。
 何たる変化!
独身の乙女は、当然スタイルに気を遣うし、そのためには、あらゆる努力を惜しまないから、腰の線もスラリと美しい。
 そのうえ映画を観たり、旅行したり、いろんな人と話したりで、男を見る目も寛大である。

9―時には男の弱さを許す寛容さを

「逃げた花嫁」は愛のドラマか
 結婚式まであと一週間というところで、結婚話そのものが御破算になった。被害者は新郎になる予定だった作家の卵。千葉県在住、ユーモアたっぷりの人のいい男である。

 事務所の電話がけたたましく鳴った。「もう、だめです」という卵からの電話だ。聞けば花嫁になるはずの女性が、昔の男と逃げたとのこと。

女が興味を示さない男の楽しみ

地球上の男がもっとも愛するスポーツと言えば、釣りである。海釣り、川釣りと「釣り」といっても、狙う魚によって、所も変われば、竿も変わるし、仕掛けもちがえば、技術もちがう。

 そのうえ、奥行きが深くて、どこまで行っても工夫の余地が残されている。一度この魅力にとりつかれたら、妻の不服そうな視線を踏みつけてでも、男は家を後にしてしまう。

 しかし、これほど魅力的にあふれるスポーツにもかかわらず、なぜか女性は興味を示さない。
男の独占物だった格闘技にさえ挑んでくる女性が多い今日この頃、これはまぎれもない珍魚像である。

10―そのひと言が嫌われる
 見えない、聞かない、しゃべりすぎ
 

手に負えない女、町の人には愛想が良く、教会では信心深く、家の中では鬼のような女。
 何かの本でこんな記述があった。
 そこで考えた、はらたいら流の手に負えぬ女の定義とは、
 目と耳をふさいで口だけあけている女、
 この定義は我ながらなかなかのもとだと自負している。
 だってもしこんな女が存在したら、これは相当に手強いはずだ。
 客観的な事実、社会の流れをとにかく見ない、第三者の意見、友人の意見、友人の忠告は全て聞かない。
 それでいて、文句ばかりは天下一品。
 この見ない、聞かない、文句を言う女に対して、男は一体どんな対抗手段を講じることができるのだろうか。
やがて彼らは、自然ばかりでなく、女体を崇め始める。考えてみれば、子どもを産むなんてことは、異常なことであり、古代の男たちが子宮の果てに神を見たとしても、なんら不思議はない。無から有を生じさせる子宮。
“ああ、偉大なる女たちに感謝”。

 子宮の機能が出産だけにかぎられていれば、男たちはひたすら女性を尊敬するところだが、この子宮というやつは、あまりにも影響力が強く、女体のあちこちにそれらしい特性を発揮してしまうからいけない。

「わが家の恥なの」
「太ってるでしょ、顔は悪いでしょ、わが家の恥なの」

とても感じのいい、いかにもお嬢さま育ちの若い奥さんが、近所の奥様相手に話をしていた。
 いったい誰が「わが家の恥」なのかというと、この奥さんの旦那さんのことなのである。恥ずかしいほどの男なら、一体なんで結婚したのかと言いたくもなるが、まあ、よほど性格がいいのだろうと解釈するほかあるまい。
人間関係というのは、たいへんむずかしいものである。ましてや男と女の関係になると、なおさらである。
 相手の気持ちを何とかこちらに向けさせようと思っても、なかなか思うように運ばない。だが相手に嫌気を起こさせる術はある。ボルテールの言葉だ。

11―他人を自分鏡にできる人に

男の見る目、同性の見る目 
「美というものは、まったくの軌跡を生み出すものである。美しい女の持つ精神的欠陥は、嫌悪の情をもよおさせるかわりに、何か非常に魅力的なものとなる」

 だから美しい女はずいぶん得をしている。頭が悪くて背が低ければ、「あの子はコケティッシュだ」と言われ、ちょっと大学を卒業

「したいけど、できない」

 ゲーテがこんなことを言っている。
「生活はすべて次の二つから成り立っている。したいけどできない、できない。できるけど、したくない」
 だが本当にこの二つだけで生活が成り立っているとしたら、人間は皆、怠け者の、かんしゃく持ちということになる。
「できるけど、したくない」というのは怠け者だ。そして、「したいけど、できない」ことばかりだったら、欲求不満でストレスが溜まる。自分のできないことを、やりこなしている人間を見ては、憎々しく思い、かんしゃく玉が年がら年中、爆発しそうになる。

 しかし、ここで、よく考えてみると、ゲーテの言葉の中の「生活」という文字を、そのまま「女」という字に入れ替えてみると、とくに「したいけど、できない」という要素などは、女の精神の70パーセントくらいを占めているように思う。

12―人生を知るということ
 「女」の事件はどこかさみしい

「目が回れば、逆に回れば直る。死ぬほどの悲しみも別の悲しみで癒える」
 とシェークスピアは言っている。なかなかいい言葉だ。誰が言ったか分からない市井の諺のなかにも、いい言葉ある。

「時間を掛ければ、そしてそれについて考えれば、もっと大きな悲しみでも手なずけられる」
 悲しみは、手なずけなくてはならない、なぜなら、生きている以上、年がら年中悲しみなんてものはやってくるからである。

目次 不倫の恋に悩む男達著者=亀山早苗=


ピンクバラ不倫という言葉が一般的に聞かれるようになったのは

この言葉、辞書で引いてみるととても興味深い。

「人が踏み行うべき道からはずれること」とあるのが大勢を占めるが、中には、「男女が、越えてはならない一線を越えて関係を持つこと」と明記している辞書もある。越えてはならい一線がある男女の関係といえば、今はどちらが結婚している、あるいは両方が結婚しているとしか考えられない。
 だがなぜ結婚していたら、他の異性と関係を持ってはいけないのだろう。それがなぜ人としての道にはずれるのだろう。
愛情を追及していたら、結婚後に本当に愛する人に出会う可能性だってあるはずだ。
結婚しているからといって、相手を欲する気持ちや情熱はすべて抱え込まなければいけないのか。それこそ、「人としてあるまじき態度」ではないのか。

かつて世の中に、あるいは人の心の中にあった共通の倫理観はあっという間に崩れていった。
そもそも一夫一婦制じたいが、お上が統治しやすいように押し付けられたものではなかったか。
 こうしたもろもろの背景があって、不倫、及び婚外恋愛は一般化していった。
『失楽園』『マディソン郡の橋』など、不倫を扱った小説が話題になり、「不倫だって立派な恋愛である」「いや、むしろ不倫こそ純粋な愛情である」という考え方まで出てきたような気がする。

 ひと昔前までは、不倫というと、独身女性と既婚男性という組み合わせに焦点が当たることが多かった。今もその組み合わせの方が圧倒的に多いが、その内実は変化している。
それに加えてダブル不倫、あるいは独身男性と人妻というケースも珍しくない。
そして離婚が増えた現代では、「不倫イコール実らぬ恋」とも限らなくなっている。
さらに、不倫で泣くのは女性という図式もどうやらひと昔前のもののようだ。
 男性たちも苦しんでいる。結婚後、本当に好きな女性に出会ってしまったら・・・・。
一家をなし、家族に対して責任感を強く覚えるまじめな男性ほど、その悩み、苦しみ、迷いは大きい。いったい、男たちはどのように悩み苦しんでその恋を進めていくのか。そして結末は・・・・。
 恋に惑うのは女性だけではない。
若い男性も若くない男性も、真剣であればあるほど苦しい日々を送ることになる。男性たちの心の内を探る旅に出てみたい。

赤パラ第一章 不倫の恋をする男たちの喜怒哀楽

「浮気は男の甲斐性」という言葉が以前あった。それが廃れたのは、戦後、女性がだんだん強くなると同時に男性側にも男女平等感が浸透していったからであろう。サラ―リマンが増えて、一夫一婦制を順当に守ることが社会的にも望ましいという風潮があったかもしれない。
 それでも、人の感情はとどめようがない。一夫一婦制を守ろうと結婚はしたものの、その後、異性を好きにならないという保証はない。結婚しているのに恋をする男を不埒(ふらち)だという考え方もあるだろう。一方で、結婚は結婚、外で女性と遊ぶのは勝手だとのたまう男が、今の時代にもいるかもしれない。

赤パラ恋心・男が恋ごろを抱くきっかけ

 彼の恋心は止められなかったのか。
「僕は結婚していたし、彼女は独身。最初は彼女に惹かれたという自分自身の感情を否定しつづけました。
 そんなことがあってはいけない、という気持ちで。その時点で、僕は結婚して八年、六歳と四歳の子供がいました。
 子どもはかわいかったし、家庭は大事に思っていましたよ。
 だけどそれと同時に、「これで僕の人生は先が見えてしまった」という気持ちも抱えていたような気がしますね。でもそれは恋の引き金にはならないと思う。
 家庭には何の不満もありませんでしたから。

赤パラ第二章 男と不倫の微妙な関係

恋に落ちる年齢 
 恋はしようと思ってできるものとは限らない。だが一方で、生活上、あるいはその人が置かれている精神上、恋をするような下地があるときに、人は恋をするともいえる。
 社会的にも家庭的にも恵まれている男性がいるとする。本人も現状に大満足し、一分一秒でも唯一愛する女性である妻と一緒にいたいと思っている。この男性に、恋の入り込む余地があるだろうか。百パーセント満たされていたら、人はきっと恋には振り向かない。

不倫する男、しない男

男でいたいかそうでないかの違い
「浮気は男の甲斐性」という言葉があったのは、女性が社会進出していない時代のことだ。
 浮気したら相手の女性に家をもたせたり生活の面倒をみたりするのは当たり前。だから、経済的な甲斐性のある男しか浮気が出ないというのは当たっている。男の甲斐性としての浮気がある以上、妻と言えども、「食わせてもらっている身の上」では何も言うな、という

赤パラ不倫男が恋に落ちたとき

不倫をしたくない、自分は絶対しないと言い切る男性でも、ある日突然、恋に落ちることはありうる。
「最後に一波乱起こしたい、という気持ちが心の奥に潜んでいたのかもしれませんね」
 というのは、五十三歳の佐々木弘さんだ。一波乱と言うのは自分に対して、という意味だそうだ。

恋愛謳歌型男だって悩みはある…

 一方で、不倫に対する罪悪感がもともと少ない男性もいる。
 どちらかといえば、恋愛謳歌型だ。結婚生活を重視しながら恋愛も謳歌する男性もいれば、家庭よりも恋愛を重きを置きがちな男性もいる。
 彼らは一見、人生を人の何倍も楽しんでいるように見える。だが、彼らとて、全く悩んでいないわけじゃない。

不倫する男は嫉妬深い? の謎

男が嫉妬という名の逆襲に出るとき
 周りで家庭のある男性とつき合っている独身女性は多い。
 女性が社会で働くことが当たり前になりつつある今、独身で三十路(みそじ)を越え、なお仕事を生活の中心に据えたい女性にとって、妙な言い方だが、家庭ある男性とのつきあいは“都合がいい”と言えなくともない。いてほしいときにいない寂しさはあるだろうが、その寂しさに耐えられるなら、「生活を共にしなくてもいい関係」は、ある意味、「男女間関係のいいところ取」なのだ。結婚すると、共働きであっても、どうしても女性の方に生活の負担は大きくなる。

赤パラ第三章・男が不倫の恋で得るもの、失うもの

うまく不倫する男とは
女性同士が線で結ばれないようにすることが最低限の男の器
不倫は、一般的には、「三角関係」と表現される。だが、不倫は本当に三角関係なのだろうか。
 配偶者、当事者、恋人を三点を線で結んで、三角形にするからもめ事が起こるのではないか。

うまく不倫できる男は、手間を惜しまない男

 ある程度、恋に慣れている男たちは、最低限のルールを自分に課していることが多い。たとえば外泊しない、彼女と旅行はしない、写真は撮らない。手紙など証拠になりそうなものは家には持ち込まない。最近は携帯電話で連絡を取り合うカップルが多いが、着信履歴は消す、携帯電話のメールを削除する、というようにかなり細やかに気を遣っている。それもこれも、妻にばれたら、外で自由に恋愛することが出来なくなると分かっているからだ。めんどうなことは避けるに限る、というのが彼らの考え方が基本だ。

男の不覚

婚外恋愛初心者が妻にばれそうになったとき 43頁
 やじろべえのバランスが崩れると、男たちは自分で自分を追い込むことになる。
特に相手が若い女性で情緒不安定に陥ったりすると、とんでもない結末さえも待っている。
「確かに恋をしたことで、心が浮ついていたと思います」

恋人が彼を見捨てるとき

妻と離婚成立、その時彼女は…
恋愛は意図するにせよしないにせよ、打算と駆け引きがつきまとう。特に目標に「結婚」の二文字がちらつきやすい不倫の場合は。
 恋人の女性も、煮え切らない彼の態度を見ているうちに、
「こんな状態は嫌だから、もうやめたい」
 と口走ることもある。そこでようやく“離婚”を妻に切り出したという男性がいる。

妻は夫の不倫をどう見るか

知りたい気持ちと知りたくない気持ち
 ここで女性たちの意見を聞いてみたい。まず妻側の声。夫が他に女性がいたと知ったとき、妻はどう思うのか。なぜ怒りがわくのか。
 夫が不倫したことに気づいていたという吉田美恵さん(四十八歳)は、三年前の当時を振り返る。

妻たちの婚外恋愛に対する意識

夫の八割以上は結婚後、浮気をしたことがあるが、夫が浮気をしたことがあるだろうと思っている妻は四割程度、というアンケートを数年前に見たことがある。
 妻は完全に信じ切っているのか、はたまた「恋愛なんて出来るわけがないでしょう」と見下ろしているのかわからない。
 一夜限りのことだったりすれば気づかれない可能性は高い。だが、男たちは、

赤パラ第四章 不倫の恋に苦しむ男たちの実態

仕事人間の妻に不満が募ってくる日々
 これまでも再三にわたって、家庭ある男性と独身女性がつきあったケースを見てはきた。だが不倫の恋としていちばん多い状況でもあるので、またもや例を挙げてみたい。
 大変今っぽい話だし、これからは妻も恋人もこのように強く生きるべきなのかもしれないと思う。

離婚、退職、再婚、不倫がもたらした思わぬ人生の変化

「妻とはそれっきり会っていません。話し合いたいと電話しても、話すことは何もないと言われて‥‥。
 僕の荷物は妻から彼女のアパートに送られてきました。夫婦で住んでいたマンションは賃貸だし、僕らは経済的にも折半で暮らしていてお互いの預貯金はそれぞれが管理していましたから、財産分与もないんです。
 車は僕のものだから引き取りましたが、あとの家具や家財道具は荷物になるだけなので妻の元に残しました。
 

ダブル不倫

出会ってから二ヶ月後の決心 
 お互いに家庭のある男女の恋愛を、今は「ダブル不倫」という。
 かつてはやむにやまれぬ情熱のために命懸けの恋とさえなっていたこのケースも、今何となく、欲求不満の人妻と、それを受け止めかねたままずるずると引っ張り込まれる男性、という構図があるような気がする。

ふたりの潔い決意と正直な選択

「周りの配慮しつつバランスをとるというのは姑息(こそく)な手段のような気もするんだけど、あらゆることを考え合わせると、今の状態がいちばんいい選択なのだろうと思っています。
 これからもきっといろいろな事情があって、お互いの状況は変わっていく。
そのときそのとき、彼女ときちんと話しながら、お互いにとって一番いい状態を選択し続けていこうと思っています」

独身男性と既婚女性

闘争心の塊(かたまり)となってしまつた年下男の告白
 最近、独身同士の恋愛で、女性が年下の男性とつき合うケースが増えてきた。年下の男性は、従来の「男役割と女役割」に捕らわれていないことが多いから、女性たちもつきあっていてラクだという。
 男性側も、同世代の女性より年上のほうが素直に自分を出せると思っているようだ。

人生経験豊かな女性だからこそ下せた英断

 彼がどうしたらよかったのかは誰にもわからない。
 逆に女性の立場になれば、離婚したとかを恋人に告げたとき、一瞬でも相手がためらっているのを感じたら、安心して結婚は出来ないだろう。
 ましてや子供がいる身の上だ。

女の産む決断と結論を出せない男

そんな関係が二年ほど続いたころ、彼女の様子が少しおかしくなった。いつもはあまり感情的にはならない彼女が、些細なことで涙ぐむ。
 いったいどうしたのかと彼は訝(いぶか)るばかりだった。
 そしてある日、彼女は今まで見たことのない真剣な面持ちで言った。「私、妊娠したの」と。

赤パラ第五章 恋に幕が下りるとき

不倫の恋の結末
不倫だから結末は別れしかないとは限らない 87頁
「不倫って、最終的には別れるとしかないんですね」
 以前、既婚男性との辛い恋をしいる女性が、深い吐息(といき)をつきながらそう言ったことがあった。
 彼女の性格上、その恋は終わらせたほうがいいような状態になっていたので、私も同意したのだが、実際には、不倫だからといって結末は別れしかないということにはならないと思う。

女性の心理がわかっていない男の身勝手

冷静に考えれば、もちろん彼女はルール違反を犯したのかもしれない。
 結婚している男と知りながらつきあっいて、お互いのコンセンサスもないのに、いきなり、「奥さんと別れて」というのは性急すぎる。
 だが、それに対する彼の態度はあまりにも大人げなかった。

恋の傷と未練

情熱的な女性にのめり込んでいった日々
 女性より男性のほうが、別れてからも恋を引きずると言われている。女性は、どんなに傷ついてもなんとか立ち直れれば、後はきれいさっぱりその男性を忘れるケースが多い。
 まして次に恋人ができれば、前の男性ははるか方へ行ってしまうものだ。
 だが、男性はそうはいかない。不倫の恋をする男性は嫉妬深い傾向があると以前書いたが、それは恋が終わってからも同じかもしれない。

恋愛が挫折という気持ちを生むとき

多くの男性たちが、不倫の恋をしたあと、いろいろ感慨(かんがい)にふけっている。
 恋をすることで新たな自分の一面を見出すのだろう。
 男性たちは女性に比べて、自分の内面や他人の感情について考える機会があまりないから、初めての試練なのかもしれない。

不倫の恋を終えた男たち

男が不倫の恋をして得たこと、気づいたこと
 男性は感情を表現するのがあまり上手でない。喜怒哀楽を素直に表現することがよしとされないような育てられ方をされてきたのだし、社会に出てからは感情的にならないように自制してきているから仕方がない。
 だが、恋ではそんな男性たちが変わる。既婚の女性が恋をしても、おそらく男性ほどには感情的な変化は表れないだろう。
本表紙 亀山早苗著


ピンクバラ人生相談・子育て相談

表紙吃音(きつおん)を抱えた孫が心配
孫は5歳になる男の子です。2歳前になっても、なかなか言葉を発することができませんでした。そのうちに吃音の兆候が出始め、最近では、口を大きく開けながら「あ、あ、あ」と言い詰まってしまうことが増えてきました。

その他多数

快感のいらない女たち       酒井あゆみ 著

ピンクバラ挿入されるイッキに冷める「性の不一致」

前戯(ぜんぎ)のときは「いいじゃんいいじゃん」ってなって気持ちいいんだけど、いざ挿入ってなると高ぶっていたものがイッキに急降下するんだよね――。もう入れられると同時に「早く終わってよ」って気持ちになっている。だから今は日本人じゃなく彼氏は黒人。
 村上美香34歳/ホテトル嬢

ピンクバライッたことなくても「性の不一致」でも母親になれるもんねえ

私ね、セックスって「ただ繋(つな)がっているだけ」としか思えないの。男の人のアレはタンポンと変わらないって感じ。だからって全然感じないって言ったらウソになるけど、のめり込めないのね。

 だから、罪悪感もなくソープの仕事ができると思うの。極端なことを言えば「気持ちいい」っていう感覚が解らないの。少なくとも旦那では一生イカないでしょう。でも、さすがにイカないっていうか、セックスをすればするほど冷めていく自分に、身体どっか異常じゃないか? って考えたことはありますよ。
鈴木真子 三十七歳/ソープ嬢23歳

ピンクバラ「性の不一致」 離婚の原因?

セックスレス こういうの、言葉で説明するのがすごく難しいなぁ。どう言ったらいいんだろう? 結婚して、いつの頃からか、はっきり解らないんだけど、旦那が私の中で「お父さん」になってきちゃったんですよね。「お父さん」だから、寄り添ったり、腕を組むのはいいけど、胸とか触ってきたら「うわー!」って感じでしょ? そんな感覚?だと思うんですよ。イッて、完成された女になりたい
 大橋千津子 27歳/AV女優

虚しい「性の不一致」

どうすればイクの?って感じ。ヤリまくった時期はイクことなんか考えていなかったですね。それどころかも最初は気持ち良くなかった、別にいくらでエッチしてもいいかなって考えでしたから。セックスってものが、そんなに大事に思えなかったんですよ。それよりも人肌を感じているのが好きだったんですよ。今でそうだけど、抱き合っている時の方が好きだったなぁ。
 今考えると「ぬくもりが欲しかっただけなんだなー」って思う。いつ頃からだったかなぁー? うーん、昔のことだから覚えていないなぁ‥‥。わかんないんだけど、いつからか、エッチするとそこにはすごい虚しさが残るようになってきて。でも、原因がわからずにずっと続けて―、あるとき、気づいたんですよね。「私、愛されていないんじゃん」っていうことに、ただそのとき、気持ちいいだけ。相手も私も。快楽が終わったら「はい、さようなら」だけで。
 大野由紀 21歳/フリーター

自分の欲望だけ? 私ってそのためだけの道具?「性の不一致」…

セックス全般について言えば、私の場合、順番にされないと感じないんです。最初にいきなり性器に触られちゃうと絶対にダメ!それからいくらやっても高まんなくなっちゃう。だから、イクとかの問題は相手のやり方も関係があると思う。お互いが好きか、嫌いか、はあんまり関係ないんじゃないかな。うまいヘタ、もあるし、その場の雰囲気もあると思う。
 私にとってのセックス? んー、「愛さている」って実感ができることかなぁ。愛のあるセックスって、仕方が違うと思いません?
  後藤順子 42歳/飲食店経営

セックスはゲーム、疑似恋愛「性の不一致」、一生イカなくってもいいや

私、この仕事って、芸能人と同じだと思うんですよね。働いている女の子って「常に注目されていたい」っていうのが底辺にあって。収入の面も当然あるんだろうけど、風俗誌なんかにこぞってみんな載ろうとするし。自分が載っているページ枠が小さかったり、メイクが下手だったら怒るし。グラビアの撮影で、プロのカメラマンと海外に行ったりもするし。そういう写真は、本人とは別人ですよ。もう、タレント並みの写り(笑)。
 中村かおり 24歳/ソープ嬢

ピンクバラ遊んでる女の「性の不一致」観

私が男の人とエッチするのは、その人を知るためなんです。私は男の人と付き合ううえで、一番大事なのはセックスの相性だし思てるんですよね。だって、エッチの仕方って、男の人によって随分差があるじゃないですか。それって、今まで百人以上の男の人とエッチしてた経験上、そう思うんですよ。それに気づき始めたのは、それはもう四、五人目くらいで。
イクって、努力しようがない
 渡辺麻里 34歳/化粧品販売員

なんでイカないか、分るんですよ「性の不一致」…

セックスが嫌い? というよりも、私って、すっごい剛毛なんですよ。だから、できれば裸を見られたくないですよ。セックスするのに、見られるんだったら、ちゃんと処理ぐらいしたいじゃないですかー。でも、準備しない時ばかり、みんな情熱的に来るんで。追られて「ちょっと待って」とか言って、お風呂に駆け込んで処理する、なんか、そういうのが許されたことがないんですよ。イクとかイカないとか以前の問題ですよ。確かに求められて、女として嬉しいことはうれしいですけど。でも、その彼氏は自分がしたいときにしか本当に来なかったんで。やっぱり、セックスって一方的でないものがいいじゃないですか。お互い奉仕精神があるものがいいと思うんですよ。その彼にはそれが全くなくって。何回かコッキリの男だったらまだしも、やっぱり彼氏とはね。だから、なんか、虚しくなってしまって、別れましたね。
 宮本久美子 27歳/元・雑誌編集者

ピンクバラ「性の不一致」…初体験が早すぎたのかな、セックスには答えがない

イク」ことに関しての「教科書」は全くないですよね。雑誌に書いてあることが全ての見本とはとても思えないですし。頭が真っ白になるとか、気を失ったこともないし。そういうことを聞いても「ええ、そうなの―?」って。なんでも答えて欲しいじゃないですか。正しい見本ってほしいですよね
初体験が早すぎたのかな、って思うんですよね。十五歳のときです。中学校の卒業記念にってヤリました(笑)。相手は同級生です。ええ、当時は付き合っていた人です。外見ですか? タレントになれるんじゃないかと思うくらい、カッコい人でしたね。やっぱり、顔に惹かれました。すごく優しかったけど、優柔不断な人だったな。でも、勉強が忙しくて、その
 野田智恵子 28歳/私立校教授

「性の不一致」そしてセックスレスで鬱

そうそう、セックスレスで鬱になった人もいるんですよ。ご主人とセックスしかコミュニケーションを取れる機会が他になかったから、って人もいるし、セックスがしたくなくて鬱になった人もいるしねー。多分、発する人とそれを受け取る人とのバランスなんだと思うんですけどね。自分はどうかって? 一つの対処法だとしか思っていないから、セックスって「息抜き」なんですよ。女性として必要なものだし、なかったら人生がつまらなくなると思うし。
満足できないと嫌な感じが残る
本表紙 酒井あゆみ著

夫婦の危機って、どんなとき?  宮本博文著

いい関係って、どんなもの?
よく耳にするけれど、とりたててじっくり考えてみるなんて、そういうこと、意外にしないものですよね。
 危機がきたとき「たいへんだ!」って慌てたり、関係が悪くなって初めて「いい関係」だったときの感じを「ああ、あの時はよかった」と思い返したり・・‥。日頃からこのようなことを考えたり、見つめ直すこともないでしょうね。
 ところが、「見つめ直す」――実は、これはとても大切なことなのです。危機も危機として把握してないと、それこそ本当の危機になりかねません。また、「いい関係」に気づいていないと、いつのまにか壊れてしまっているということにも‥‥。
 それは、「危機」や「いい関係」というものが、とても見えにくいからでしょう。また、それぞれが別々にあるのでなく、常に入り乱れて、ときには双方一緒に混在しているからでしょう。
 あらゆる情報が飛び交う今の社会状況のなかで、自分の気持ちさえなかなかコントロールしにくいのに、相手の生き方を知り、かつ自分らしく生きていくというような「いい関係」を築いていくのは、至難のわざなのかしれません。
 しかし、いま二人のあいだに何が起きているのか、少なくともそれを把握できれば、納得いくのではないでしょうか。
 ところが、なかなか当事者にはそれが見えないし、見たくもないということだってありますよね。
 もし、それを知ることができたなら‥‥。そのときから、新たな関係の第一歩がはじまるのではないだろうか、と思います。
 私も初めは見たくなかった、見えなかった。
 ですが、二十五年間の妻との生活のなかで、妻が実践した「女と男が対等な関係」によって、私のなかで意識の改革がおこり、やがては出てくる感情まで変わっていきました。その体験をなんとか人に伝えようと、数年前から書きつづけています。
 宮本由起子さん(妻)が、仲間とともに運営しているフェミニストカウンセリングルーム「大阪心のサポートセンター」の機関誌「グリン―レター」に掲載された私の文章(1997年1月冬号…)を、一部改訂してまとめました。

第一部出会った相手が悪かった!?

ピンクバラ男からすれば、まったく奇妙な人生が始まったのは。
 それは、格好悪くて、恥ずかしくて、惨めで、なおかつ心の底から突き上げてくる不思議な拒否反応。そして、自分自身への不安がとめどとなく溢れてくるものだった。
 それらに悩まされつつ、フェミニズムと仲良く生きている男、どうにかこうにかたどりついた。
 そこには、「自分らしさ」という個性を活かした、他者との共存の世界があった。

 2 妻は午前さま ―浮気だけは許さん

従来もっていた家族観は、夫が家族を養い、安定とやすらぎをもたらし、妻は家にいて家族の太陽のような存在になる――そんなものでした。そしてそれは見直す必要のない普遍的なもので、それで家族は幸せになれると信じていました。 しかし意外なことに、妻はそれがしんどいというのです。

3、 なぜかイライラ

―フェミニストカウンセラーのとぼけた生活
 あぜん。開いた口がふさがらない。瞬時、時が止まった…。とそんな思いにかられたのがもう五、六年も前のこと、それは今も鮮明に脳裏に焼き付いています。これまで書いてきたように、私はままならぬ妻に悩まされ、フェミニズムはこりごりだったのですが、それにもまして、とぼけた話がありました。
 世の中にはこんなことがあってもいいのか、俺はもう知らん、と叫びたくなったものです。

理解しているつもりでも――女と男は根本的に違う

このぐらいフェミニズムを理解していたら、もう驚かされることもあるまい、と自負していた。そうです、なんだかんだと言っても、私もけっこう妻やフェミニズムには理解も示していたのです。

5メンツまるつぶれ

 ――俺はあんたの亭主
「わたしはそんなこと言われたくないよ」
 彼女の口からこんな言葉が飛び出した。それはかなり以前のこと、家庭崩壊の危機にふんしていたカレー事件の頃(もっとも今も真剣勝負そのものなのだが)だった。
 言われた時は心臓にグサリと突き刺さり、かなりショツクを受けた。

7「こんなセックスあったんや!

 「こんなセックスあったんや―」
 深いため息がでた。なんの刺激もない、なのに心地よさで溢れていた。

8 天国から地獄、そして天国へ

――とうとうポルノを処分
もともと、頻繁に彼女は応じてくれない。だからといって性欲を抑えられるものでもない。彼女のペースで行けば半年に一度か二度になる。強要する気にもならない。必然的にマスターベーションすることになる。他に相手を求めれば、事は簡単、だがセックスだけで彼女との関係を失う気になれない。だからどうしてもポルノが恋しくなってしまう。

 9 車の中での離婚宣言

―― そこまで言うか
「離婚や離婚―」
 なんと、車の中での離婚宣言。それだけでも驚きなのに、とんでもない状況下でやってくれました。こんな時に、そんなこと言わんでもいいやろ、と彼女にそら恐ろしさえ感じました。私がフェミニズムになじむ前のことです。

 10 男の暴力とやきもちと

――ホレた女の過去を知りたくなるわけ
新婚といえば、男が一度は通る道、そう、ヤキモチです。強弱の差こそあれ、新妻の過去を知りたいと、勝手に想像してしまうのは、たぶん私一人ではないでしょう。このヤキモチという厄介なシロモノに取りつかれてしまったのです。そして、もう少しの所で彼女に逃げられるところでした。

11 愛もいろいろ―結婚して20年「オレ、フェミニズムにかぶれてたってこと?」

のぼせ上がっていた自分の姿、それが見えた瞬間でした。
 四年ほど前のこと。フェミニズムはすごい、と知れば知るほどそう思えた私は、それまでの「男らしさ」を極力取り払おうとしていた。それが自分のできることの最たるものだと。

ピンクバラ第二部 私が妻を理解できるようになるまで
1●恋愛結婚の数年後――学びはじめた妻の変化を受け入れられず

恋愛の末の結婚、先ずはめでたし、めでたし。ところが数年も経たないうちに妻の様子が違ってきました。家事と育児だけでは満たされないという――なるほどと思いました。将来がきまりきっていれば誰しも一抹の寂しさを感じるでしょう。それである程度の理解を示したのです。それで満足とまではいかないまでも平穏な生活は保たれるだろうと。

2●男とフェミニズム――夫婦関係、その従来型と対等型

その頃には、フェミニストというのは、生きている基盤そのものが違う、とおぼろげながら感じていました。それは私の住んでいる社会では理解できない何かのような、不思議な感覚のもの。当時は何なのか、はっきりしなかったのですが、やがて私の意識の中に形となって具現化しました。それからは彼女のことも、彼女との関係性も非常によく理解できるようになりました。本表紙宮本博文著


女と男の性戦略
デビィツド・M・バス 訳=狩野秀之


女が望むものは他のどんな動物種より選択をも凌(しの)ぐと言っていいだろう。

生殖機能に関して、女性は一生通じて約400個という限られた数の卵子しか排卵することができない。一方男性は一度に数百万個の精子を放出するが、その精子は1時間あたり約120万個の割合で補充されていく。

女性はセックスするたびに、大きな労力を強いられる危険を冒さなくてはならない。

子供を妊娠し9カ月にわたる労力、出産し、その後1・2年にわたる授乳という多大な労力を費やしながら育て、保護するといった人間の配偶者の好みはきわめて複雑で、謎に満ちている。

雌雄の能力は、子孫を残すための本能であって、軽率に使うことはできないし、もし相手を軽率に選んでしまったら、数年、あるいは数十年にわたって、自分の行為のツケを払い続けなくてはいけないからだ。

 現代の避妊技術の進歩は、こうしたリスクを大きく変えてしまった。現在の先進国では、女性は妊娠を恐れることなく、その場かぎりの情事を楽しむことができる。

 ピルを服用することで妊娠状態に子宮が擬態することで卵子を供給しないことで懐妊させない方法がもっともポピュラーである。最近少し流行りだしている子宮内装着(IUD)避妊方法もあるが、たまに子宮内損傷事故も発生している。いずれも薬剤を用いているために、薬害副作用および、または、懐妊、胎児奇形。あるいは、性感染症など危険との隣り合わせである。

 新発明され日本特許取得、ソフトノーブル(膣挿入避妊用具「超柔らかシリコーン製」)は上記既存避妊方法で発生する副作用であたり、面倒くさい、心地よさが失われるというようなリスクはない。避妊と心地よさをより高めるという二面性を持っている。
また、性行為に際し排卵期前後にノーブルウッシング(膣挿入温水洗浄器)を用いることで、既存の避妊方法より優れた効果を発揮する。また、性感染症予防にも適している。
  女と男のだましあいヒトの性行動の進化

赤バラヒトの性行動の進化・隠れた心理

 いまから一世紀以上前、チャールズ・ダーウィンは、配偶行動の謎について、ひとつの革命期な理論を示した。ダーウィンは以前から、一部の生物が、自分の生存を妨げかねないような形質をわざわざ発達させているという奇妙な事実に頭を悩ませていた。多くの生物種において見られる、きらびやかな飾り羽、大きすぎる角といった目立ちやすい特徴は、その個体の生き残りという点では不利に働くようにみえる。
 いまから一世紀以上前、チャールズ・ダーウィンは、配偶行動の謎について、ひとつの革命期な理論を示した。ダーウィンは以前から、一部の生物が、自分の生存を妨げかねないような形質をわざわざ発達させているという奇妙な事実に頭を悩ませていた。多くの生物種において見られる、きらびやかな飾り羽、大きすぎる角といった目立ちやすい特徴は、その個体の生き残りという点では不利に働くようにみえる。

性戦略という適応

 人間の配偶行動は戦略的であり、その戦略は、配偶者獲得のためのさまざまな問題を解決するために組み立てられている。人間がそうした問題を解決しているかを理解するには、まず性的な戦略を分析してみなくてはならない。戦略は、配偶者獲得の戦場で生き残るために必須のものなのだ。
 適応は、生き残りと繁殖という難問に対して、進化が編み出した解答である。数百万年におよぶ進化の歴史を通じて、自然淘汰は、生命の維持に必要な栄養分を供給するという問題を解決するために、身体のなかにさまざまな飢餓メカニズムを作り出した。また、何を食べ、何を食べないか(たとえば木の実や果物は口にしても、土や砂利は口にしない)と言う問題の解決のために、われわれの味蕾(みらい)は脂肪や糖分に敏感になっている。極端な暑さや寒さへの対応として、汗腺や身体を震わすメカニズムが生み出された。

配偶者を選ぶ

世界のどんな文化においても、男女が、周りにいる異性すべてに同等の欲求を抱くことはない。一部の異性だけが配偶者の候補とされ、それ以外には関心は向けられないのがふつうだ。われわれ人間の性的欲求は、その他の欲求とはまったく同じ過程を経て成立したからである。たとえば、生き残るためには、どの食物を摂ればいいのかとい問題を考えてみよう。

配偶者を惹きつける

配偶者として望ましい資質をそなえた男女は、誰からも求められている。そのため、そうした異性を見つけるというだけでは、配偶者の獲得に成功するとは限らない。険しい谷底に熟した木の実がなっているのに見つけたからといって、食料を得られるわけではないのと同じことだ。したがって、配偶行動の次の段階は、理想的な伴侶を勝ち取るための行動になる。
 カリフォルニア沿岸に生息するゾウアザラシの群れでは、繁殖期になると、オスがその鋭い牙を使ってライバルたちを一対一の決闘で打ち負かそうとする。吠え合いや格闘は、ときには一昼夜にもわたって続く。敗北したオスたちは、傷つき、血の流れる身体を浜に横たえることになる。

配偶者をつなぎとめる

配偶者をつなぎとめておくことは、もうひとつの重要な適応的課題だ。自分の配偶者がライバルにとっても望ましい資質をもちつづけているかぎり、いつ奪われるかわからない。奪われてしまえば、これまで配偶者を惹きつけ、求愛し、獲得するのに注ぎ込んだ努力がすべて無になってしまう。
 さらに、配偶者が逃げ出すこともあり得る。今の相手では必要や欲求が満たされないから、さもなければもっと若く、強く、あるいは美しい相手が現れたために逃げてしまうのだ。そうした危険性がある以上、一度獲得した配偶者は、何としてもつなぎ止めておかねばならない。

配偶者を取り替える

経済的困窮や性的不充足、虐待にも拘わらず、劣悪な配偶者の元に留まることは、貞節という点では称賛されるべきかもしれないが、次の世代に遺伝子を確実に伝えるという点からすると、なんのプラスにもならない。いま生きているわれわれは、そうした悪い配偶者の切り捨て時を知っていた人々の子孫なのである。
 配偶者の切り捨ては動物界にも例がみられる。一例を上げれば、ジュズカケバトは、ある繁殖シーズンから次のシーズンまでのあいで一雄一雌のつがいを保ち続けるのがふつうだが、ある状況の下ではつがいが壊れることもあり、その「離婚率」は、だいたいシーズンごとに二五パーセントにおよぶ。配偶関係が改称される最大の理由は、子どもができなかったことだ。

男女間の摩擦

雄雌どちらか一方の性が、配偶者を選び、惹きつけ、つなぎとめ、あるいは取り替えるために発達させてきた戦略が、不幸にも、異性との摩擦を引き起こすことがある。シリアゲムシのメスは、オスが価値ある「婚姻ギフト」――ふつうは餌になる昆虫の死体――をもってこないかぎり、交尾に応じようとはしない。メスがその婚姻ギフトを食べているあいだに、オスはメスと交尾するのである。交尾のあいだ、オスは婚姻ギフトを軽く押さえている。交尾が終わる前にメスが贈り物をもって逃げ出すのを防ぐためだろう。

さまざまな状況

われわれが現在採用している配偶戦略は、先祖に作用していた淘汰圧によってつくりだされたものである。とはいえ、現在われわれがおかれている状況は、そうした戦略が進化した当時の状況とは異なっている。われわれの先祖は、自分で採取した野草を食べ、自分で捕まえた動物の肉を食べていた。
 われわれが配偶者獲得のために進化させてきた戦略もまた、生き残りのための戦略と同じく、現在でも生存と繁殖という目的にそぐわないものになりつつあるようだ。たとえば、エイズの出現によって、手当たり次第のセックスは、祖先が暮らしていた時代にくらべてはるかに危険なものになってしまった。

性行動の理解をはばむもの

配偶者との結びつきは、人生においてもっとも深い満足感をもたらしてくれるし、それを欠いた人生はひどく空虚なものに思えるだろう。結局のところ、ひとりの配偶者とうまく幸福に暮らしていける人々は少なからず存在するのだ。しかし、われわれはあまりに長いあいだ、人間の配偶行動の真実から目をそらしつづけてきた不和や競争、そして駆け引きといっても、配偶行動において普遍的に見られる要素なのである。もし、男女関係という人生でもっとも魅惑的なものを真に理解しようとするなら、勇気を持ってそうした要素を直視しなければならない。

女が望むもの

 人間の女性が、配偶者に対して真に望んでいるものは何かという問題は、何世紀ものあいだ、科学者のみならず世の男性たちを悩ませてきた。それにはもっともな理由がある。女性の配偶者の好みはきわめて複雑で、謎に満ちている。その複雑さたるや、雌雄を問わず、他のどんな動物種の選択をも凌ぐと言ってみいいだろう。

何を好むか

われわれの祖先の女性が、ふたりの男のうちどちらかを選ぼうとしているとそうていしてみよう。一方の男が、莫大な富を惜しげもなく提供するというのにたいし、もうひとりひどくは吝嗇(りんしょく)だったとする。
 もし他の条件がすべて同じなら、けちな男より気前のいい男のほうが、彼女にとっては価値のある存在だ。気前のいい男は、自分が狩りで得た肉を分け与えて彼女の生存を助けてくれる。子供のために自分の時間やエネルギー、資源を犠牲にして、女性の繁殖成功度を高めてくれるのだ。

経済力

人間の場合、女性が、資源を持った永続的な配偶者を好む傾向に進化させるには、三つの前提条件が必要だった。第一に、人類の進化の過程で、男性によってさまざまな資源が蓄積され、所有され、コントロールされるようになる必要があった。
 第二に、個人個人が所有する資産がそれぞれ異なり、またその資産のうちどれだけを女性や子どもたちに費やすかが、人によって異なっていなくてはならなかった。
 かりに、すべての男性が同じ資産を持ち、女性のために同じだけの量を提供しようとしていたならば、資源の多い方を好む傾向など発達させる必要もなかったはずだからだ。そして第三に、ひとりの男性と継続的に配偶関係を結ぶことで得られる利益が、何人もの男性と関係することの利益を上回っていなくてはならなかった。

社会的地位

オースラリア北部沖合の二つの小さな島に住むティウィ族や、ヴェネズエラのヤノマミ族、パラグアイのアチェ族、ボッワナのクン族など、現在も伝統的な生活を守っている部族には、「ビッグマン」と呼ばれる人々がおり、大きな権力をもち、資源を手に入れる特権を享受している。この事実から、祖先たちの社会においては、男性はどんな社会的地位にいるかによって、その所有する資源の量がほぼ決定されていたと考えられる。

年齢

女性が年上の男性を好む理由は、資源などの目に見えるもの以外にもある。年上の男性は、経験を積み、精神的にも安定しており、経済的にも頼りになることが多い。たとえばアメリカでは、男性は30代にさしかかると、感情的に安定し、常識をわきまえるようになり、信頼性を増す傾向がみられる。女性の配偶者選びに関する調査で、ある女性はこう回答している。「年上の男性の方が、真面目な話ができるから好感が持てる。年下の男性は幼稚で、人生を真剣に考えていない」。

野心と勤勉さ

あらゆる戦略のなかで、勤勉に働くことが、過去から将来にいたる収入・昇進を最も確実にもたらすものの一つであることが明らかになった。自分は熱心に仕事をしていると答えた人々、および勤勉だと配偶者に評された人々は、そうでない人よりも教育水準や収入が高く、将来さらに高い収入と昇進が期待された。一般に、勤勉で野心的な人々は、怠惰で労働意欲の乏しい人々より、職場で高い地位を得ている。
 アメリカの女性たちは、将来出世しそうな男性を求める傾向が顕著なので、こうした勤勉さと出世との関連を熟知しているようだ。一例をあげれば、一九五〇年代に、大学生五千人を対象として、未来の配偶者にどんな資質を求めるかについて調査が行われたことがある。

頼りがいと安定性

配偶者選択に関する国際調査でランク付けされた一八の項目のうち、「愛情」に次いで二番目と三番目に評価されたのが、「頼りがい」と「感情の安定性もしくは成熟度」だった。調査対象となった三七の文化圏のうち二一で、男性も女性も同じように配偶者に頼りがいを求めている。残りの一六の文化圏では、男女間に評価の違いがみられ、そのうち一五では女性のほうが男性よりも、配偶者の頼りがいを重視している。三七の文化圏全体を平均すると、必要度を3.00点万点としたとき、女性は「頼りがい」を2.69点に評価している。男性も同じくらいに重視しており、平均2.50点を与えている。

知性

もし知性が、人類進化の歴史を通じて、経済的資源の所有を示す信頼できる資質でありつづけたとすれば、女性は、知的な配偶者を好む傾向を進化させたはずだ。配偶者選択に関する国際調査によれば、女性は実際に、「教育および知性」を、一八の望ましい資質のうち五番目にランク付けしている。
より絞り込んだ一三項目からなるリストを使用した調査では、「知性」は第二位にランク付けされおり、この結果は前世界共通だった。また、三七のち一〇の文化圏で、女性は男性よりも配偶者の知性を重要視している。エストニア人女性は、一三の望ましい資質のうち知性を第三位にあげているが、エストニア人男性は第五位に評価しているに過ぎない。

協調性

長期にわたって配偶関係をうまく維持していくためには、配偶者と協力し合って、双方の利益になる目的を追求していく必要がある。絶えずいさかいを繰り返しているような関係では、目標達成が遠のくばかりだからだ。異なった性質をもつふたりをうまく?み合わせるには、配偶者の協調性が必要不可欠になる。
 破綻した一〇三組のカップルと長続きしている九九組を比較してみると、男女の役割分担についての価値観や、婚外セックスやロマンティシズム、宗教的信条といったものに対する姿勢において、前者の方に大きな不一致が見られたのである。

体格と体力・健康

偉大なバスケットボール選手マジック・ジョンソンは、これまでに何千人という女性と寝てきたと告白したが、この事実はかならずしも、女性が優れた肉体や運動能力をそなえた男性を好む傾向があることを示している。数千人と言う数は衝撃的だが、女性がスポーツ選手に惹かれるという傾向そのものは驚くに当たらない。
  運動神経、体格、体力といった身体的特性は、女性が配偶者を選ぶ際に、参考になる貴重な情報を提供してくれるのだ。

愛と献身

セックスは、女性が提供できるもっとも価値のある資源のひとつである。そのため、女性たちは、見境なくセックスを許そうとしない心理メカニズムを進化させてきた。女性が男性に愛情や誠実さ、優しさを求めるのは、自分が提供する資源に見合うだけのものを手にする確実な手段なのだ。
女性が男性の献身をいかに重視しているかは、次に紹介する具体的な事例から明らかだろう。(ただし、名前は変えてある)。マークとスーザンは二年前から付き合っており、ここ半年間は同棲していた。マークは四二歳で、専門職に就き経済的にも恵まれており、スーザンは二八歳の医学生だった。スーザンは結婚することを強く望んでいた。ふたりは愛し合っていたし、彼女は一、二年の内に子供を産みたいと思っていたからである。
 しかしマークは乗り気ではなかった、かれは一度結婚して失敗しており、うまくいくという絶対の自信がないかぎり二度目の結婚はしたくなかった。スーザンがなおも結婚を迫りつづけたので、マークは、それなら結婚前にあらかじめ何らかの取り決めを交わしておこうと言った。

女が力をもつとき

西アフリカのカメルーンにあるバクウェリの社会は、女性たちが実際に権力を握った場合、どんなことが起こるかの格好の事例であり、「構造的弱者」理論に対する反証を提供してくれる。
 バクウェリの女性は、個人的にも経済的にも大きな力を持っている。彼女たちは男性よりも豊富な財産をもち、しかも支出が少ないからである。女性は農園で働くことによって収入を確保しているが、それと同時に一時的なセックスという大きな収入源をもつているのだ。
 バクウェリでは、女性一〇〇人あたりに対し、約二三六人もの男性がいる。この人口の不均衡は、農園で働くためには他の地方からたえず男たちが移り住んで来ることから生じたものだ。男女の数が極端に違うために、女性は配偶者を思い通りに選ぶことができる立場にある。

女の好みの多様さ

われわれはようやく、女性が何を求めるのかという難問に、ほぼ答えを出せるだけのところまできた。女性たちは、配偶者に価値ある繁殖資源を提供するため、どの男性と配偶関係を結ぶかについてたいへん慎重で用心深く、熟慮に熟慮を重ねる。貴重な資源を持つ者は、それを見境なく手放したりはしないものだ。
配偶者の選択に失敗することは、繁殖に要するコストが莫大になることを意味した。配偶者の暴力や食料の欠乏、病気、子どもへの虐待、扶養責任の放棄といったものに脅えなくてはならないからだ。一方、正しい選択がもたらす利益は、食料の供給、保護、父親の資源を子どもに投資できることなど、枚挙にいとまがない。

3 男は違うものを望んでいる。

女性をセックスに同意させるには多くの要求を満たさなくてはならなかったため、大部分の男性にとって、短期的な男女関係だけを求め続けることは多大なコストの支出を意味した。生殖に費やす労力の経済学から見ると、永続的な配偶関係を築かない事のコストは、到底払いきれないほど高いものについたのである。
結婚しなかった男性が覚悟しなければならいもうひとつのコストは、子供が生き残り、子孫を繁栄させることができないかもしれないということだ。われわれの祖先たちが暮らしてきた環境では、両親もしくは親族からの安定した資源の供給がなければ、嬰児、幼児は生き延びることはむずかしかった。

若さ

若さは重要な手がかりである。というのは、女性の繁殖価値は、二〇代を過ぎると年と共に確実に下がっていくからだ。四〇歳を超えると、女性の?殖力は極めて低くなり、五〇歳ではほとんどゼロになる。このように、女性が繁殖能力を発揮できるのは、生涯のうち一時期だけに限られている。
 男性は、この手掛かりを重視して配偶者を選ぶ傾向がある。アメリカ人男性の大部分は、自分より年下の女性と結婚したいという願望を抱いている。一九三九年から八八年まで、全米のあらゆる地域の大学生を対象に行なわれた調査によれば、男子学生が理想とする結婚相手の年齢差は、つねに二・五前後だった。つまり、二一歳の平均的な男性は、一八・五歳の女性を好むということになる。

体形

容貌の美しさだけがすべてではない。身体の他の部分の特徴も、女性の繁殖能力を判定するうえで豊富な手掛かりを与えてくれる。どんな肉体的特徴を備えた女性が魅力的かという基準は、文化によって多岐にわたっており、豊満な体形が好まれる場合もあればスリムな体形が好まれることもあり、肌の色が明るい方が魅力的とされる場合もあれば、浅黒い肌が好まれることもある。
目や耳、あるいは性器など、身体のどの部分を重視するかという点も、文化によってさまざまである。アフリカの南西部に居住するコイ(ホッテントット)族の一支配者であるナマ族では、長い大陰唇が性的に魅力あるものとされる。

外見の重要性

女性の外見は数多くの指標を提供してくれ、また男性の抱いている美の基準はそうした指標に合わせて進化してきた。そのため男性は、配偶者選択の際に、女性の外見と身体的魅力を高く評価するようになった。
1950年代、アメリカの五〇〇〇人の大学生を対象に、未来の妻もしくは夫にどんな資質を望むかを尋ねてみた調査では、男性は女性に比べ、「身体的魅力」をあげる頻度が高かった。

男の地位と女の美しさ

男性が女性の魅力を重視することは、繁殖的価値以外の理由も存在する。それは男性の社会的地位と密接に関係しているものだ。配偶者は自分自身の鑑像だとよく言われ。男性は特に、社会的地位や評価、階級といったものを気にする。
 なぜなら、高い地位につくことは資源を手に入れる重要な手段であり、多くの資源をもつ男性ほど女性の目には魅力的に映るからだ。だから、男性が、どんな配偶者を持つかが社会的地位に影響するすると考えるようになるのは、ごく自然なことだろう。それにはまた、更なる資源をと新たな女性の獲得にもつながっていく。

ホモセクシュアルはどんな配偶者を好むか

ホモセクシュアルの男性は、女性だけでなく男性のパートナーを求めるところが違うだけで、その他の点では、異性愛の男性と多少なりとも似たパートナー選びの傾向を備えているのだろうか? それとも、かれらのパートナー選びの基準は、むしろ女性の方に近いのだろうか? あるいは、男女どちらとも異なる独自の傾向を持っているのか?
 男性全体のなかに占めるホモセクシュアルの比率は、いかなる文化、いかなる時代においても正確には知られていない。正確な数字を出すことを困難にしているひとつの原因は、ホモセクシュアルの定義があいまいである点にある。

美の基準はメディアが決める?

広告業界は、若く、美しい女性たちがもつ普遍的な魅力を利用してきた。マディソン街(ニューヨークの広告業の中心地)はときに、恣意的で画一的な美の基準を人々に押し付けて従わせ、苦痛を与えたとして批判される。広告は不自然な美のイメージを押し売りし、そうしたイメージに自分を合わせるよう強要しいる、と言うのがその理由だ。

純潔と貞節

女性は、排卵期にある時でも何一つ性的ディスプレィを行わないし、はっきりした嗅覚的なサインを分泌するわけでもない。実際、人間の女性は、だれにもわかるように排卵を行うという特異な適応をとげた点で、哺乳類の中でも例外的な存在なのだ。
このような「隠された排卵」は、女性が妊娠可能な状態にあるかどうか判断をむずかしくする。
 排卵が隠されているために、人間の配偶行動の基本ルールは根底から変わってしまった。女性は排卵期間だけではなく、月経周期の全期間を通じて男性を惹きつけることができるようになった。
最近行われた調査でも、不倫の有無を予測する唯一最良の指標は、結婚前のセックスに対する姿勢であることが明らかにされている。結婚前に多くの相手と性交渉をもっていた人々は、セックスの体験の少ない人よりも、不倫に走る割合が高かったのである。

進化がつくりだした男の要求

人間の男性は、数々の特殊な適応的課題に直面してきたために、性に関する独自の心理メカニズムを進化させた。人間の配偶行動では結婚が中心的な役割を占めているために、男性は若い妻を求めるようになった。
 彼らの欲求もまた変化し、いま妊娠可能な状態にあるかどうかだけでなく、将来にわたって繁殖能力を維持できるかどうかによって、女性を評価するようになった。未来の配偶者の繁殖能力を予測する際には、その容姿が重要な手掛かりとなるため、男性は女性の容姿を重視するようになった。

4、その場限りの情事

カジュアル・セックスは普遍的に見られる行為であり、進化的にも重要な意味をもっている。にもかかわらず、これまで行われてきた人間の配偶行動に関する研究は、その殆んど結婚だけに焦点を絞ったものだった。

生理学的証拠

多くの文化で、男性が「大きなタマ(ビッグ・ボール)を持っているのがいい意味に使われるのは、文字どおりの意味ですぐれた機能をもっていることの隠喩的な表現なのだろう。しかし人間の睾丸は霊長類全体で最大であるわけではない。
より乱婚的な傾向のチンパンジーの睾丸は人間よりもはるかに大きく、体重の〇・二六九パーセント、人間の三倍以上に達する。この事実は、われわれの祖先が、チンパンジーほど乱婚的ではなかったことを示唆している。

好色さ

一生のうちで何人の相手とセックスしたいかという問いに、男性は平均一八人と答えたのに対し、女性は四〜五人だった。これまで西欧社会では、男性が「征服した女」の数を自慢する傾向は、精神的未熟や男性としての自信の無さの裏返しだと解釈されてきたが、実際には、短期的な配偶関係を結ぶための適応を示すものである。

愛人として望ましい条件

  一時的なセックス・パートナーを求める男性は、永続的な配偶者を求める場合と比較して、慎重で保守的な女性や、セックスに消極的な女性を避けがちである。また、永続的な配偶者を選ぶときとは正反対に、セックスの経験が豊富であることが高く評価される。
 このことは、性的豊富な女性は、経験の少ない女性よりも、簡単にセックスに応じてくれるという通念を反映したものだろう。男性は、未来の妻が性的に奔放であることを望まないが、セックス・パートナーが奔放であることはあまり気にしないか、むしろ好ましく思いさえする。

赤バラクーリッジ効果

クーリッジ効果は哺乳類全般に広くみられるものであり、何人もの研究者が観察している。ネズミ、羊、牛などのオスで、この効果は確認されているのだ。ある実験では、雄牛のいる囲いの中に雌牛を入れ、交尾がすんだのちに別の雌牛を入れ替えてみた。同じ雌牛をそのまま入れておくと雄牛の性的反応は急激衰えていったが、新しい雌牛を入れた場合には雄牛の反応は衰えることなく持続した。
 新しい雌牛を前にすると、雄牛は射精に至るまで興奮を維持しつづけ、その反応の強さは、八頭め、一〇頭め、あるいは一二頭めの場合でも、最初の雌牛に対するのと変わらなかったのである。
 結婚後一年が経過すると、セックスの頻度は最初の一ヶ月にくらべ約半分になり、その後も緩やかにではあるが低下していく。ドナルド・サイモンズの言を借りれば、「妻への欲望が衰えていくのは、ひとつの適応である‥‥それは、他の異性へ目を向けることを促すからだ」。

性的な空想

性的空想という点では、男性と女性の間には大きな違いがある。日本、イギリス、アメリカの三カ国を対象とした調査によれば、男性は女性にくらべ、性的空想にふける頻度が二倍近い。
 睡眠中も、男性は女性よりも性的なことがらを夢に見ることが多い。男性の性的空想には、まったく関係のない人間や複数のパートナー、見知らぬ相手などがしばしばあらわれる。大部分の男性は、ひと続きの空想のなかで何度もセックスのパートナーを替えるのにたいし、女性はあまりパートナーを替えることが少ない。

魅力の評価

セックスのあとで魅力の低下する現象は、すみやかな別離を促すことで、男性が望んでいない結婚を強いられたり、情事が世間に知られて評判が下がったりする危険を軽減させる機能を果たしているのだろうと言うのは、今のところ単なる推測にすぎない。

性的なバリエーション

 売春は、これまで知られている限り、ほとんど全ての社会で行われている。アメリカには、一〇万ないし五〇万人の売春婦もしくは男娼がいると推定されている。また、ポーランドでは二三万人、エチオピアのアジスアベバでは八万人がそうした職業についている。
 かつての西ドイツでは、公式に登録された売春婦だけで五万人おり、その三倍が非合法に売春を行っていた。その顧客となるは、あらゆる文化を通じて男性が圧倒的に多い。キンゼイ調査によれば、アメリカ人男性の六九パーセントが買春の経験があり、また全体の一五パーセントは、定期的に売春婦と性交渉をもっていた。

女にとっての利益

カジュアル・セックスの相手が、社会的地位の向上をもたらしてくれることもある。モデルのマーラ・メイプルズと実業家の大立者ドナルド・トランプの情事は、その典型的な例だろう。この情事のおかげで、メイプルスはたちまち有名になり、高額のギャラを提示され、新たな社交界のスターの仲間入りすることができた。
 性的に不一致のカップルはやがて破局に至ることが多いし、またどちらかが不倫に走りやすい。サミュエル・ジェイナスとシンシア・ジェイナスによれば、彼らが調査した離婚経験のある男女のうち二九パーセントまでが、自分たちが離婚した最大の理由はセックスの問題だと述べており、これは他のどんな理由よりも高かった。

カジュアル・セックスのコスト

あらゆる性戦略にはコストがかかるものであり、カジュアル・セックスも例外ではない。男性の場合は、性病をうつされたり、女たらしという悪い評判を立てられたり、相手の嫉妬に狂った夫から暴力を振るわれたりといった危険を覚悟しなければならない。どんな社会でも、殺人事件の大部分は、嫉妬深い男が浮気を疑ったことから起こっている。
 また、浮気性の夫には、妻からの仕返しに浮気されたり、離婚を被る危険が付きまとう。短期的な性戦略も、時間とエネルギーと経済的資源を要するものなのだ。

カジュアル・セックスに適した状況

 他の人々の性戦略が、カジュアル・セックスを促す場合がある。一九九〇年代のロシアのように、多くの男性が一過性の男女関係を望んでいるような状況下では、そもそも結婚しようとする男性の数が少ないので、女性は事実上カジュアル・セックスを強要されることになる。また、カップルのどちらかが不倫に走った場合、裏切られた方は腹いせに浮気をしようと思うだろう。

力の源泉としてのセックス

人間の本性に対するこのような見方は、多くの人にとってショッキングなものかもしれない。男性が、手近の異性といとも簡単に寝てしまうことを知れば、世の女性たちは面白くないないだろう。
 男性にしても、自分の妻がいまだに恋愛ゲームに参加し、セックスを餌に他の男を誘って、ときおり不貞を働いていることを知れば、心穏やかではいられまい。人間の本性とは、ときとして恐ろしいものなのだ。

5、パートナーを惹きつける

人間は社会的な真空状態のかで配偶者を得るのではない。望ましいパートナーを手に入れようとすれば、激しい社会的な軋轢(あつれき)が生じることになる。誘惑が成功するかどうかは、自分なら相手の潜在的な欲求を満たしてやれるというシグナルをうまく送るだけでなく、競争相手が送る誘惑のシグナルを妨害できるかどうかにかかっている。
そのため人類は、言葉で競争相手を貶(おとし)めるという、動物界でも他に類を見ない干渉手段を進化させてきた。ライバルの評判を失墜させるための中傷・懺言(ざんげん)・誹謗(ひぼう)などはすべて、うまく配偶者を惹きつけようとするプロセスの一環なのだ。

資源のディスプレィ

人間の男性もまた、配偶者を惹きつけるために、大きな労力を費やして自分の持つ資源を誇示する。われわれが行った調査によれば、人間の男女が配偶者を惹きつけるために用いている戦略はじつに数十種類におよぶことが明らかになった。
 調査対象にしたのはカリフォルニア大学バークレー校、ハーヴァード大学、ミシガン大学の学生数百人で、自分や知人がどんな異性誘惑の戦略を取っているかを列挙してもらった。学生たちがあげた例の中には、自分の長所を売り込む、どれだけ重要な仕事をしているかを話す、相手の悩みを同情してみせる。視線でコンタクトを試みる、セクシーな服を着る、などあった。

献身のディスプレィ

恋愛における強い熱意の効果は、ある新婚の女性が語った次のようなエピソードにあらわれている。「最初、私はジョンに何の関心も抱いていなかったわ。なんだか退屈そうな人に思えたから、誘われても断り続けたの。でも、彼は何度も電話をくれたり、職場に訪ねてきたり、私と会えそうな機会をつくろうとしたのね。
それで、とうとうデートしてあげたわけ。そうすれば、ジョンもあまりつきまとわなくなると思ったんだけど、一回のデートが二回、三回になって、6カ月後には私たち、結婚したの」

身体的能力のディスプレィ

 ライバルの体力や運動神経をけなす戦略は、永続的な配偶者を得ようとする場合より、カジュアル・セックスの場合には効力を発揮するのである。ライバルが肉体的にひ弱だと中傷したり、スポーツの試合でライバルを打ち負かしたり、力で圧倒したりすることは、いずれも長期的な戦術としてより短期的な戦術として有効だと見なされた。

容姿の改善

女性が行う容姿の改善には、ただ男性の目を惹く以上のものがある。外見を粉飾することで、何種類ものだましの戦術を駆使するのである。たとえば、人工の爪をつけて手を長く見せたり、ハイヒールを履いて背を高く、身体をほっそりと見せたりする。痩せて見えるように暗い色や縦縞の服を着て、色を浅黒く見せるために日焼けサロンにかよう。
体形をスリムに見せるために腹部を締めつけたり、グラマーに見せるためにパッドを入れたたり、若く見せるために髪を染めたりもする。身体的な特徴は、ごまかすのが不可能ではない。
 血色のいい頬や生気に富んだ顔色は、男性が女性の健康を判断する際の基準であり、だからこそ女性たちはいい頬を人工的に赤く塗って、男性を惹きつけようとする。男性が、滑らかでしみひとつない肌を好む傾向を進化させてきたからこそ、女性は染みを隠し、モイスチャー・クリームを使い、顔のシワ取り手術を受ける。

貞節のディプレィ

永続的な配偶関係における貞節の重要性は、女性がライバルを誹謗する戦術から間接的に知ることが出来る。大学生を対象とした調査によれば、女性が配偶者市場でライバルを蹴落とそうとするとき、最も有効な戦術は、、「あの女は、ひとりの男だけに尽くすタイプじゃない」と告げ口することだった。おなじように、ライバルを移り気だ、尻軽だと中傷したり、たくさんの男と寝ていると言いふらすことなども、女性が用いる誹謗の戦術のうち、有効度が上位一〇パーセントに入ると、評価されている。

赤バラ性的なサインを送る

 実際女性が、セックスの可能性の高さを示すシグナルは、男性を永続的な配偶関係に引きずり込む戦略の一環として、いわば疑似餌(ルアー)の役割を果たすことが多い。女性が男性の注意と関心を惹く唯一の方法が、みずからを性的な餌として、男性の前に(ただし、釣り糸がついていることが解らないように)差し出すことである場合もある。

セックスを餌にする

男性も女性も、異性の?を警戒している。セックスに応じようとする女性は、しかるべき扱いと献身を要求し、嘘を見破って、隠された本音を知ろうとする。一方で男性は、真の感情を隠し、うわべだけは献身的に装いながら、実際には本音を漏らさず、献身というコストを支払わずに性的な利益だけを手に入れようともくろんでいる。

6、ともに暮らす

たがいに献身的でありつづけるカップルは、大きな利益を手にすることができる。技術面でも補い合い、労働の分担し、資源を共有し、共通の敵に協力して立ち向かい、安定した家庭環境で子供を教育し、親族ネットワークを拡張するといった事が、効率的に行えるからだ。だが、こうした利益を享受するためには、獲得した配偶者を繋ぎとめ置く必要がある。
 継続的な配偶関係を結んでいるカップルは、平均するとほぼ同じ価値を持つ男女から構成されていることが多いため、関係が破綻した場合に男女双方が失うものもほぼ等しいことになる。

性的嫉妬の機能

嫉妬を抱く頻度やその感情の強さは、男性も女性も変わらない。恋愛関係にある一五〇組の男女を対象としたある調査で、自分が全般的にどれだけ嫉妬深いか、特に恋人が他の異性と関係をもつことにたいしてはどうか、そうした嫉妬がふたりの関係にどの程度影響をおよぼしているかを答えてもらったところ、男性も女性も、同じくらいの強さで嫉妬を感じることが明らかになった。
 男女双方が嫉妬という感情を経験し、その感情の強さにも差がないことが立証されたのである。

なぜ嫉妬による殺人が起こるか

妻を寝取られながら何もせず泣き寝入りするような男は、嘲りの対象となり、評判を落とすことになる。さらに、一夫多妻制の社会では、不貞を働いた妻を殺害することは、その男性の名誉を回復するとともに、残りの妻たちの浮気を防ぐ強力な抑止力としてはたく。
逆に、妻ひとりに浮気されながら何の行動も起こさない男性は、将来簡単に妻を寝取られる危険を背負い込むことになる。人類の進化史において、ある状況のもとでは、不実な妻の殺害は、ダメージを減らし、繁殖上の資源流失を防ぐための方策でありえたのだ。

配偶者の欲求を満たす

恋人のいる大学生一〇二人を対象に、自分がどの行為をどれくらいの頻度で行っているか答えてもらった。さらに新婚の男女には、結婚五年目を迎えたときに、どんな配偶者確保戦術を使っているかを再度回答してもらった。また大学生四六人からなる別のグループに、それぞれの戦略を男性が用いた場合と女性が用いた場合とでは効果がどう異なるかを判定させた。
 その結果、パートナーの本来の欲求を満たしてやることは、配偶者確保の戦術としてきわめて効果的であることが立証された。女性は、配偶者を選ぶ際に愛と優しさを求めることが多いので、妻を繋ぎとめようとする男性からすれば、愛情と優しさを示すことは非常に有効な戦術となる。

感情を操作する

ひとつの感情操作戦術として、相手の性的嫉妬を意図的に誘発し、配偶者を繋ぎとめるのに利用することがある。この戦術に分類される行為としては、「配偶者を嫉妬させるために、異性とデートする」「パーティの席上で、わざと異性と会話して見せる」「他の異性に興味がある振りをして、配偶者をやきもきさせる」などがあげられる。

競争者を寄せ付けない方法

男性に厳重に警護されたハーレムに女性を囲い込む習慣も、人類の歴史を通じて普遍的に見られるもののひとつだ。ハーレムという言葉は、もともと「禁じられたもの」を意味している。実際、女性がハーレムから逃げ出すことは、外部の男性がハーレムに忍び込むのと同じくらい難しかった。
ハーレムの主が警護のために使ったのは宦官(かんかん)たちだった。一六世紀のインドでは、奴隷商人が王候たちに、去勢されたベンガル人奴隷をたえず供給していたが、ベンガル人宦官たちは、睾丸だけではなく男性生殖器全体を切除されていた。

暴力的な戦術

浮気の抑止策として、文化的に是認されたかたちで暴力が行使されることがある。北および中央アフリカ、アラビア、インドネシア、マレーシアの数多くの部族では、さまざまな方法で性器を損傷させることにより、婚外セックスを防止する慣習が発達していた。クリトリスの割礼、すなわち女性が性的快感を得られないように、クリトリスを外科的に切除することは、現在でも数百万人のアフリカ人女性に施されている。
スーダンでは、子供を産んだ女性はクリトリスを鎖陰され、縫合が解かれるまで性交することができない。ふつう、女性に鎖陰を施すかどうかは決めるのは夫だが、なかには女性が出産したあと、みずから進んで大陰唇を縫い縮めるように求める場合もある。そうした方が夫により強い性的快感を与えられると信じての事だ。スーダンの女性の場合、もし夫に快楽を与えられなければ、離縁され、子供や資源を失い、自分の親族全員に不名誉をもたらすことになりかねない。

利害の一致

利害に対する有効な解決策は、ふつう、いくつかの方法からなる。第一は、関係を維持するに十分な適応上の資源を配偶者に供給することである。第二には、競争者を配偶者に近づけないことであり、具体的には、配偶関係にあることを公に告知したり、配偶者を他人から隔離することなどがあげられる。
第三が感情の操作で、自分の価値を高めるために嫉妬を逆用したり、配偶者を立てて譲歩したり、、ライバルの男(もしくは女)はパートナーとしてふさわしくないと中傷するといった方法が用いられる。最後に、犠牲となる者にとってはきわめて不幸なことだが、暴力的な手段があげられる。たとえば、浮気した疑いのある配偶者を罰したり、ライバルに肉体的な暴行を加えたり、といった行動だ。

7 男女間の軋轢

最初に男女間の軋轢(コンフリクト)の研究に着手したとき、私はこの問題をできるかぎり広く把握したいと考えた。そのため、まず数百人の男女に、異性を怒らせ、動揺させ、いらだたせると思われる行為を片端からあげてもらった。この依頼に対する人々の反応はきわめてよく、異性を怒らせたり、いらだたせると思われる行為が一四七種類もリストアップされた。
 それは、恩着せがましいふるまい、侮辱、身体的な虐待といったものから、性的暴行、セックスに応じないこと、性差別、性的な裏切り行為にまでおよんでいた。こうした男女間の軋轢を起こす要因の基本的なリストが作成できたので、私と共同研究者たちは、そのうち軋轢を引き起こす頻度が最も高いものはどれか、またもっとも激しい軋轢を生じさせるものはどれかを、恋愛もしくは婚姻関係のある男女五〇〇人以上を対象に調査した

感情的な献身

感情の起伏を激しくするのは、男性の献身を確実なものにするために女性が用いる戦術のひとつなのだ。男性が気分屋の女性を嫌うのは、本来他の目的にまわすはずだった労力を、そのために費やせざるをえないからである。
感情の起伏の激しさは、男女間の絆の強さをテストするための測定装置としても機能する。女性は感情的に振る舞うことで、男性にちょっとしたコストを課し、そのコストにたいする反応を見て、相手の献身の度合いを判断する。もし男性が、その程度のコストを背負おうとしないようなら、彼の献身の度合いは低いことが解る。

資源の投資

既婚男性の三六パーセントは、妻のために余りに多くの時間を取られていると感じているが、夫に不満を抱いている既婚女性はわずか七パーセントにすぎない。また、既婚男性の二九パーセントは、妻がもっと自分に関心を向けるよう強要するのに閉口しているが、同じ悩みを持つ既婚女性はたった八パーセントである。
このような、時間と関心の要求に見られる性差は、投資をめぐる軋轢が解消されていないことを表している。女性は夫の投資をすべて自分に向けさせようと努力するが、一部の男性は妻による資源の独占に抵抗し、労力の一部を社会的地位の向上や、別な配偶者の獲得といった目的に振り向けようとする。
独占欲に対して、女性の三倍以上の男性が不満を示す背景には、余剰資源を新たな配偶相手の獲得や配偶の機会を広げる社会的地位の向上注ぎ込むことで得られる利益が、男性と女性では大きく異なっているという事実がある。

だましの行為

女性が男性の浮気に激怒するのは、それが、男性が他の女性に資源を振り向けるつもりか、あるいは現在の配偶関係を解消するつもりさえあることを意味するからである。そうなれば女性は、結婚によって確保したはずの資源のすべてを失う危機にさらされる。この観点らすると、女性は一過性の浮気よりも、相手とのあいだに感情的なつながりのある情事に対してより強い怒りを覚えるはずだ。
夫と浮気相手とのあいだに感情的な結びつきがある場合、資源のごく一部の損失でなく、配偶関係の完全な破綻に至ることが多いからだ。この推論が正しいことは、夫の浮気に感情的な絆がない場合には、女性は比較的寛容で、極端な怒りを表さないという事実からも明らかだろう。

虐待

夫から虐待されているアメリカ人女性三一人を対象としたより本格的な調査でも、全体の五二パーセントの事例で、暴力を振るわれる直前に嫉妬が原因で口論がなされていることがわかっており、また実に九四パーセントの事例で、暴力の最大の理由として夫の嫉妬が挙げられていた。
 また、夫に虐待され、ノースカロライナのある病院に助けを求めてきた女性六〇人を対象とした調査でも、そのうち九五パートナーが、夫の「病的な嫉妬」――たとえば、妻が何らかの理由で家を留守にしたり、男女を問わず他人と仲良くしたりするだけでも引き起こされる嫉妬――が暴力の引き金となっていることが明らかになっている。
 肉体的な虐待の大部分の背後には、女性を、特に性的な面で威圧的に支配しようとする意図が存在しているのだ。

性的嫌がらせ(セクシュアル・ハラスメント)

 女性が迷惑に感じる度合いを採点させたところ、相手がいわゆるブルーカラーの場合は点数が高く、反対に医学部進学課程の学生や有名ロック・スターの場合は低かった。また、別の女性一〇四人に、男性から正面切ってセックスを求められたらどの程度うれしいかを、男性の職業別に答えてもらったところ、やはり同じような結果が得られた。
 男性から同じセクハラ行為を受けても、その男性の社会的地位によって、女性が受ける不快感は同一ではないのだ。
 性的嫌がらせに対する女性の反応はまた、嫌がらせをする側の意図がたんにセックスだけを求めるものか、それとも恋愛関係を求めているかによっても大きく異なってくる。利益や昇進をちらつかせてセックスを要求するといった、その人物がカジュアル・セックスにしか興味がないことを示す行為は、性的でない接触や称賛の表情、いちゃつきなどの、セックスにとどまらない関心を暗示する行為に比べ、嫌がらせというレッテルを貼られることが多い。

レイプ

男性は、たとえ相手の女性が拒否しもセックスをしようとすることが多く、ときには言葉や腕力で脅したり、場合によっては平手打ちや殴打などの暴力を振るいさえする。たとえば、女子学生を対象にしたある調査によれば、レイプされた経験のある女性のうち、五五パーセントは「やめて」と懇願したにもかかわらずレイプを受け、また一四パーセントが力ずくで抑えつけられるなど身体的に威圧され、五パーセントは脅されている。
男女の性的な関係の多くに、威圧という要素が介在しているのである。
しかし、男性による威圧は性的な関係にかぎらず、さまざまな状況で用いられている。男性は他の男性を威圧したり暴力を振るったりする。男性が男性を殺害するケースは、女性を殺害するケースに比べて四倍以上多く発生している。

男女間の軍拡競争

男女間の軋轢は、ふたりの相互関係と結びつきを浸食してしまう。そうした軋轢は、セックスの可否をめぐる恋人同士の喧嘩から、投資や献身をめぐる夫婦間の争い、職場での性的嫌がらせやデート・レイプ、さらには見知らぬ人間によるレイプまで、多岐にわたっている。
 そして、これら軋轢のほとんど全ては、男性と女性がそれぞれ進化させてきた配偶戦略に結びつけることができる。一方が行使する戦略は、時としてもう一方の戦略を妨害することになるのだ

8 破局

 人間の配偶行動において、人生でただ一回しか結婚しないケースのほうがむしろ少数派である。アメリカでは、離婚と再婚が極めて多いため、全体の五〇パーセント近くの子供たちが、遺伝学上の父親と母親がそろった状態では暮らしていない。義理の親子関係はもはや例外ではなく、ごくふつうに見られるものに変わりつつある。
 一部で言われているのとは違い、こうした状態は最近になってはじめて生じたものでもなければ、家族の価値(ファミリー・バリュー)の急速な低下を反映したしたものでもない。
 離婚――より一般的に言えば長期的な配偶関係の解消――は、あらゆる文化で見られる普遍的な現象である。たとえばクン族では、記録に残っている三三一組の夫婦のうち一三四組までが離婚したと報告されている。またアチェ族の男女は、四〇歳に達するまでに結婚と離婚を平均一二回以上も繰り返す。

関係を解消する心理

多くの人が、配偶者と安定した関係にありながら、他の配偶者と接触し、品定めしているというのは、困惑させられることがあるが、純然たる事実である。既婚男性の会話は、スポーツか仕事の話でなければ、自分の周囲にいる女性たちの容貌や、彼女たちの性的接触の可能性についての者が多い。同じように既婚女性たちも、どの男が魅力的か、女たらしか、地位が高いかといった話を飽かずくりかえす。こうした会話には、情報を交換し、配偶者捜しの場に参加しようという目的がある。
配偶者にする可能性を念頭において、他の男女を値踏みすることは、十分に報われる作業なのだ。理想的とは言えない伴侶といちずに添い遂げようとする人は、世間から賞賛されるかもしれないが、そのようなタイプは繁殖面で成功を収めてきとは思えず、したがって現在生きているわれわれにその血はあまり受け継がれていないだろう。
男性も女性も、今すぐそうする気がなくても、新しい配偶者獲得の機会をうかがっているものだ。将来に備えておいて損はないのである。

浮気

男女どちらの側の浮気よって離婚が起こる社会が二五であるのに対し、妻が浮気をした場合のみ離婚が引き起こされる社会は四四にのぼっており、反対に夫が浮気によってのみ離婚に
至る社会はわずかに二つに過ぎなかった。さらに、この二つの社会においても、妻が浮気をした場合には処罰を受けないことは稀であり、男女間のダブルスタンダード(二重基準)の例外とは見なしにくい。
 どちらの社会でも、夫が妻の不貞を知った時には、妻に対して暴力を振るったりすることは知られており、場合によっては殴り殺されることさえある。この二つの社会では、不義をはたらいた妻は、離縁されることはなくとも、軽い罪で逃れることもできないのだ。

不妊

進化的な観点から見れば、不妊と浮気が、世界中でもっとも多く見られる離婚の原因となっていることは、きわめて合理的である。この二つは、長期的な配偶関係の進化的な存在理由である繁殖資源の提供という点からすると、何より直接的かつ致命的な欠陥だからだ。とはいうものの、人間は、こうした欠陥のために自分の適応度がどれほど下がるかを意識的に計算したりしない。

セックスの拒否

セックスの拒否は、望ましくない配偶者と別れるための重要な戦術であることが解った。離婚を目的とする女性たちの戦術の例としては、「夫との身体的な接触を拒む」「セックスに関して、冷たくよそよそしい態度をとる」「夫に身体を触らせない」「セックスを求められても無視する」などがあげられている。こうした戦術を用いているのは、女性だけにかぎられる。

残酷さと冷たさ・妻どうしの軋轢

浮気もまた、残酷さや冷たさを誘発することがある。クイチェ族では、妻が不貞をはたらくと、夫から罵られる、虐待され、ときには食事も与えられなくなったりする。浮気した妻が、怒り狂った夫から殴られたり、レイプされたり、罵られたり、傷付けられたりするのは、世界中で見られる現象だ。
 このように、結婚生活の過程で繁殖上のダメージをもたらすできごとが起こると、残酷さが何らかの形で表面に現れる場合がある。いうなれば、一部の人間が示す残酷さや冷たさは、その背後には他の離婚原因が潜んでいることを示す兆候なのかもしれない。それは、配偶者のせいで課されたコストを解決するために、心理メカニズムや行動戦略が爆発した結果なのだ。

結婚生活を続けるために

人間の配偶心理におけるこうした本質的傾向は、結婚を持続させるための深い示唆を与えてくれる。結婚生活の維持のためには、男女双方が浮気をせず、子供をつくり、十分な経済的資源を確保する必要がある。
相手に対して優しく、寛容と理解をもって接し、セックスを拒否したり、求められても無視したりしてはならない。こうしたことは、結婚の成功を保証するわけではないが、成功の確率が大幅に高めてくれる。

9 時間による変化

オランダのアーネムの動物園では、チンパンジーの大規模なコロニーが飼育されている。このコロニーを支配しているのは、イエルーンという最優位のオスだった。イエルーンはいつも大仰な姿勢で歩いて、自分を実際よりも大きく見せていた。
 ときおり、自分の優位を示さなければならなくなると、毛逆立てて、他のチンパンジーたちに全力で突進した。この突進を受けると、チンパンジーたちはあわてふためいて逃げ出した。イエルーンの優位はセックスの面にもおよんでいた。群れには四頭のおとなしいオスがいたが、メスが発情した時に行われる交尾の七五パーセント近くはイエルーンが相手だった。
 しかし、イエルーンが年老いるにつれて、変化が訪れた。若いオスのラウトが急速に力をつけ、イエルーンの地位に挑戦し始めたのである。ラウは徐々に、イエルーンにたいして服従のディスプレィをするのをやめ、自分がイエルーンを恐れていないことを大っぴらに誇示するようになった。あるとき、ラウトはイエルーンに近づくと、一撃をお見舞いした。別の機会には、その危険な犬歯でイエルーンに噛みつき、出血させたこともあった。とはいうものの、戦いの大部分はもっと儀式的なものであり、流血沙汰の代わりに脅しや威嚇が用いられた。

女の価値の変化

ある女性が配偶者としてどれだけ好ましいかは、その繁殖能力を示す指標によって大きく左右され、一般的には年をとるにつれて価値が下がっていく。二〇歳のときは理想的な夫を獲得できた女性でも、四〇歳になってしまえば、たとえ他の条件すべて同じでも、もっとランクの落ちる男しか惹きつけられなくなる。

欲望の減退

結婚生活が長くなるにつれて起こるもっとも顕著な変化のひとつは、セックスに関すものである。新婚夫婦を対象にした調査によれば、夫は、結婚したあと年を重ねるごとに、妻がセックスに応じようとしないという不満を募らせるようになる。結婚一年目には、妻がセックスに応じないという不満を持つ男性は一四パーセントにすぎないが、四年後にはその三倍の四三パーセントが不満を抱いくようになる。
また、夫がセックスに消極的だという不満をもつ女性の割合も、結婚一年目の四パーセントから、結婚五年目には一八パーセントへと増加していく。男女どちらも、年を重ねるにつれパートナーがセックスに消極的だという不満を抱くようになっていくが、不満をもつ割合は男性が女性の二倍以上高い。

献身の低下

男性も女性も年を取ると、性生活に満足できないだけではない。パートナーが自分に愛情や注意を向けてくれないという不満を抱くようになっていく。それなら配偶関係への献身が弱まったことを意味するものだ。時が経つにつれ愛情が薄まっていくという不満は、男性より女性に根強く存在する。パートナーが愛情を表現してくれないことを不満に思う女性の割合は、新婚では八パーセント、結婚四年目で一八パーセントである。それに対して男性では、新婚で四パーセント、結婚四年目でも八パーセントでしかない。

赤バラ婚外セックスの頻度の変化

ある調査で婚外セックスをしたことがあると最初から認めたのは三〇パーセントだったが、もっと詳しく質問してみると、さらに三〇パーセントが婚外セックスの経験を認め、合わせて約六〇パーセントに達することがわかった。
女性が婚外セックスを行う率は、年齢によって明確に異なっている。既婚女性のうちもっとも若い年齢層では婚外セックスは稀であり、一六歳〜二〇歳ではわずか六パーセント、二一歳〜二五歳でも九パーセントにすぎない。それが、二六歳〜三〇歳になると一四パーセントに増加し、三一歳〜四〇歳の一七パーセントでピークに達する。
 三〇歳後半から四〇代前半になると、婚外セックスの比率は、徐々に低下していき、五一歳〜五五歳では六パーセント、五六歳〜六〇歳では四パーセントにまで下がる。このように、女性の場合、年齢とともに婚外セックスを行う割合は一定のカーブを描いて変化する。割合が最も低いのは、繁殖能力が最も高い時期と低い時期の両方だが、最も高いのは、繁殖年齢の終わりに差し掛かろうとする時期である。

閉経

女性の一生における性的活動の変遷のなかで、決定的な変化の一つは子供を生む能力の喪失である。女性の繁殖能力は、閉経時にゼロになる。女性の一生で注目すべきことのひとつは、生命そのものが失われるはるか以前に閉経が起こるという事実だ。大部分の女性は、七〇歳以上まで生きるにもかかわらず、五〇歳の時点でほぼ繁殖を終えてしまうのである。

男の価値の変化

女性の配偶者としての価値は、年を取るとともに急速に低下するが、それは男性には当てはまらない。男性の価値を形成する鍵となる要素の多くは、年齢と密接には関係していなかつたり、年齢の影響をあまり受けないものだからだ。そうした要素には、知性や協調性、責任感、政治力、親族のネットワーク、人脈、そして最も重要なものである、女性と子供に資源を提供する能力と意志などが含まれる。

男が早死にする理由

たとえばアメリカでは、男性の寿命は女性よりも平均して六〜八年短い。男性は女性にくらべ感染症への抵抗力が弱く、死因となる病気の数もそれだけ多種類におよぶ。また、高所から落ちたり、誤って毒物を飲んだり、溺れたり、火器の暴発や交通事故、火事爆発などに巻き込まれることが女性よりも多い。

生まれてから四年間のあいだに、男の子が事故で死亡する率は、女の子よりも三〇パーセント高く、成人するころには四〇〇パーセントも高くなる。殺害される割合も、男性は女性の三倍近い。

婚姻機会の縮小

一九六〇年代の末から七〇年代にかけてアメリカで起こった性革命は、ひとつの注目すべき変化を含んでいた。多くの女性がセックスを留保することを止め、男性に誠意ある献身を求めることなしに、性的関係を結ぶようになったのである。
この性的な姿勢の変化が生じたのは、ベビーブーム期に生まれた女性が年上の男性の不足に悩んでいた時期と一致している。ダイエット産業が勃興したり、美容・化粧品産業が繁栄をきわめたり、美容整形手術が流行ったりといった風潮が示すように、女性たちの間で容姿をめぐる競争が激化していったのも、やはり男性が不足していたこの時期だった。
男性が少ない配偶環境におかれた女性たちは、自分の競争力を高めようとして、容姿に磨きをかけたり、健康を誇示するようにふるまったり、ときには男性を惹きつけるために性的な誘いをかけたりする。

一生添いとげるために

女性の繁殖的価値の変化は、その女性自身の性戦略を左右するだけでなく、夫や配偶者候補といった、彼女をとりまく社会環境にいる男性たちの性戦略にも影響を及ぼす。女性が若いうちは、夫が厳しくガードし、うまく獲得できた価値ある繁殖資源を死守しようとする。夫のガードの厳しさは、妻の浮気の可能性を封じると同時に、場合によっては夫の献身を示す指標と見なされる。

赤バラ10 調和をもたらす鍵

乱婚、一夫一妻制、配偶者への暴力、性的な充足、嫉妬に駆られて配偶者をガードしたり、反対に配偶者に関心を抱かなかったりすることは、どれも必然的なものではない。男性は、さまざまな相手とのセックスを求める抑えがたい欲求のために、浮気に走るよう宿命づけられているわけじゃない。
女性もまた、誠意を見せない男性をののしるよう決定されているわけではない。われわれは、進化が押し付けた性的な役割に従うだけの奴隷ではないのだ。さまざまな配偶戦略がそれぞれどんな条件下で友好に働くかを知ることで、どの戦略を採用し、どれを使わずにおくかを選び取ることができるのである。

 フェミニストの見方

フェミニストと進化論者が行きつく結論は、男性が女性を支配しようとする努力の中心にあるのは、女性の性行動を支配しようとする意志なのだ、という点では一致している。どうしてそうしたことが起こるのか、なぜ女性の性行動を支配することが男性の最大の関心事なのかは、人類が進化させてきた性戦略から説明できる。

配偶戦略の多様性

男性と女性の欲求の違いは、ヒトという種に存在する多様性の重要な部分を構成している。とはいえ、男女それぞれの中にも、同じくらい大きな変異が見られることも確かだ。カジュアル・セックスだけの関係を求めるのは、女性より男性のほうが多いが、それでも生涯一夫一妻を守り続ける男性もいるし、反対にカジュアル・セックスのほうを好む女性もいる。

文化的な差異

人間の多様性の中でも、文化的差異は最も興味深く、謎めいた部分だといえる。たとえば、結婚相手の純潔性といった点をとってみても、社会が違えば、考え方は劇的に異なる。中国では、男女を問わず、大部分の人々が、純潔性は配偶者に欠くことのできない資質だと見なしている。
一方、スウェーデンやノルウェーなどのスカンジナビア諸国では、配偶者が純潔かどうかは重要でない。こうした文化差異は、配偶行動のあらゆる理論に疑問を投げかけている。

競争と軋轢

人間の配偶行動における、あまり愉快でない事実のひとつは、価値の高いパートナーの数よりも、そうしたパートナーを求める人々の数のほうがつねに多いということだ。何人かの男性が、資源を獲得する卓越した能力を示したとしよう。女性は一般的にそうした男性を求めるので、彼らを配偶者として獲得しようとたがいに争うことになる。
しかし、結果として勝利者になるのは、配偶者としての値打ちの高い女性たちだけだ。すばらしい美貌の女性は多くの男から求愛されるが、口説き落せるのはやはりひと握りの男性だけだろう。

男と女の協調

男性と女性は、自分の遺伝子を後の世代に受け継がせていくために、いつもたがいに依存し合っている。結婚という結びつきは、長期間にわたる信頼と助けあいが複雑に絡み合っており、他の動物種には見られないものだ。この意味では、男女間の協調こそ人類の最高の偉業だ本表紙

ピンクバラ第三部 ドメスティック・バイオレンス――私の経験
 1●「男の暴力」をどう考える

最近、話題になっているドメスティックバイオレンス(略してDV)、これは「夫、恋人からの暴力」という意味で、親密な関係のある人からの暴力の事です。新しい言葉ですが、今に始まったことでなく、また特に増えてきたものでもありません。昔から一杯あったものだと思います。それまで、陰湿に家庭内で繰り返されていた暴力を、被害者である女性たちが「もう許せない」と語り始めたのです。それは、暴力に苦しんでいる女性たちの「苦しみ、恐怖、そして怒りの入り混じった悲痛な叫び」です。

2●私が暴力をふるったと

じゃあ、まだ私のなかにフェミニズムへの認識がほとんどないといってもおかしくない頃に、どうしてもあったDVを生み出す感情が消えていったのか、それを振り返って見たいと思います。
 結婚から約一年後、あの頃はどうしても自分の心が納まりませんでした。彼女が「一人の女性」から「私の妻」という存在に変わったのが大きな理由です。妻という存在になった途端に彼女への認識が一変しました。それが「妻の過去まで私のものだ」という思いを呼び込んでしまった理由です。そして後は想像の世界を駆けめぐっていました。〈もしかして、俺のユキが誰かとセックスを‥‥〉云々です。許せなかったのです。私が全身全霊をかけて愛する女が‥‥。頭ではそんな無茶なこと、と分かってはいたのですが、私のイメージする妻像とは違っていたことが大きな要因となったのだと思います。

3●暴力を生み出す基盤にきづく

もうかなり昔になりますが、妻とこのことで話し合ったことはが何度かあります。そう、妻がカウンセリングを始めた(1987年頃)のこと、つまり私がフェミニズムと向き合って生きるようになった頃ですが、再現してみますと・・‥。
「わたしは自分の行動や言動を正当化しようつていう気持ち、ないよあんまり」
「ああそう――でも、そういうもんちゃうの? 人間て」

上真理子 36歳/看護婦

幼少期の性的虐待で性の不一致

酒井あゆみ
 ノンフィクション・ライター
●1971年、福島県出身、18歳で上京、最初は「男に売られた」形で風俗の世界に入る。ファッションヘルス、ホテトル、SM、ソープランド等“風俗のフルコース”を経験。風俗の他にも、AV女優や「愛人業」など経験している。
●1994年、23歳で風俗を引退。AV系モデルのマネージメント業を経て『東京夜の駆け込み寺』『眠らない女』『秘密』『快感のいらない女たち』(講談社)で作家デビュー。
●今回、初めて、幼少期の性的虐待や約10年前のレイプ経験などの記憶を辿り、自身のイケない理由に向き合ってみた。

愛しているという実感が欲しかった

初めての結婚

本表紙初めての結婚  =秋元 康 & 柴門 ふみ 著=
 
 結婚生活ほど、端から見てわからないものはありません。
 あんなに仲良かったのにと言われたカップルがある日と突然離婚したり、なぜあの二人が何十年も結婚生活を続けられるのか不思議に感じたり。
 要するに、夫婦の数だけ結婚の形態があり、どれが正解というものはないのでしょう。正解の結婚生活しか送りたくないから、だから今は結婚しないの。

 願望と妥協 ―第一章
 なぜ、運命の人に出会えないのか
秋元―結婚できないのは、まだ運命の人に出会っていないだけ… 

第二章 期待と失望
 結婚して変わる二人の関係
秋元―結婚する人生の青写真が見えてしまう…
柴門―結婚しても自分を認識できる場所を手に入れる…
秋元―価値観の違う二人はぶっかりやすい…
柴門―お金に対する考え方は結婚前に見極めておく…
秋元―説明しなくても分かり合える関係がいい…
第三章 理想と現実 
 男が求める結婚、女が求める結婚
秋元―結婚生活の基本はラクチンであること…
柴門―結婚したぐらいで人は変わらない…
秋元―夫婦はジグソーパズルの一片の組み合わせ…
柴門―夫婦だからといって、なんでも許されるわけじゃない…

第四章 幸福と退屈
 幸せな結婚の先にあるもの
秋元―面倒な関係だからこそ結ばれる安心感がある…
柴門―異性に感じるときめきだけが人生を彩るわけじゃない…

秋元―結婚したら、男は家事をやらないと思った方がいい…
柴門―どんないい人でも長い時間一緒にいれば欠点も見えてくる…
秋元―週一回会うだけだから、恋人時代はうまくいく…
柴門―二人の違いにどう折り合いをつけるかが結婚の醍醐味…

秋元―男はいつも機嫌のいい妻を求めている…
柴門―結婚はあらわるマイナス点を補って余りあるものがある…

秋元―「妻」という最高の座をもらったことを忘れないでほしい…
第五章 義務と自由
 ある日突然落ちてくる、もう一つの恋
秋元―結婚したら「つまらない女」になってしまうのか…
柴門―日々の努力を怠るといつかはすべてをなくしてしまう…

秋元―絶対に浮気しない男なんていない…
柴門―浮気されたことを自己否定に持って行ってはいけない…

恋すること愛すること遠藤周作著

本表紙

赤バラ愛の期待について

いいかい、ジャック。お前もこれから大人になるのだから学校や色々な所で女の人と遊ぶことが多くなるだろうね。そんな時、どういう風な考えを持つか、おわかりかい。
「ううん、わかんない。ママン」
「ジャック、そんな時はね、お前がお母さんや妹のマドレーヌにしてはならぬことや言ったり出来ないこと女の友だちに言ったり、しないようにね。それさえ飲みこんでおけば、女の人とウンと遊んだっていいんだよ」

男性のドン・ファン的心理について

男性のなかには一人の女から次の女へと追いかける者がいます。ある女性を自分のものにする。やがて彼は彼女に飽(あ)き、別の女性に心を移す。そうした男性をぼくたちは普通、浮気者とか、ドン・ファンとか、あるいは漁色家とか好色家とよびます。ドン・ファンといえば、ぼくたちは色のなま白い、唇に薄ら笑いをうかべて少しキザなマフラーなどをした男を想像しがちです。おそらく大多数の女性の方はこのようなドン・ファンに決して好感を持たないに違いない。けれども心のどこかで、そのドン・ファンに恐怖と好奇心とを感ずる女性もいるかもしれません。

赤バラ恋することと愛すること

恋すること、つまり異性に対して情熱を持つこと、これは「愛する」こととはちがいます。なぜなら、恋することは、その機会や運命さえあれば誰でもできるように、貴方だって好ましい男性が現れたら恋をすることができるように、貴方のお友だちのAさんもBさんも、それぞれ、適当な恋人さえ見つける幸運さえ持てば、恋することができるのです。貴方たち若い女性は何時も恋人の現れるのを待っていらっしゃる。そして、その「いつか」がやってきた時、貴方は恋をすることができる。
 恋をすることはそれほど大きな努力も、忍耐も深い決意もいらないものです。彼を好ましいと思い、信頼のできる青年と考え、そして心惹かれはじめ、相手の情熱を感じさえすれば恋をすることができる。それは人間の本能的な悦びだからです。美しい花に向かって蜜蜂たちが本能的に集まるように、貴方は彼にむかって自然に傾いていくことができます。恋をした夜、貴方は白い窓をあけて夜の匂い、大地の匂いをやさしく、かぐことができるでしょう。

恋のかけひきについて

恋のかけひきという言葉はドン・ファンという言葉と同じように、あまり良い印象を我々には与えません。「あの人の恋愛はかけひきだらけだ」というような批評は、ぼくたちにその人の恋愛の誠意のなさを感じさせるものです。

初恋二つの危険

たとえばこんなことがあります。仲間たちと時々、年下の友人の噂話をしていますとき、「彼は恋愛をしているのだ」などと耳にしますと、一同はちょっと、真剣な表情をうかべますが「彼初恋なんだ」と言われると、思わず、皆は微笑したりニヤッと笑ったりするものです。
 別に初恋をしている若い友人を嘲笑しているのではないのですが、初恋という言葉に何か特別な印象があって、それがふしぎに皆を安堵感に誘うのです。

シラノの恋・オセロの嫉妬

皆さんはシラノ・ド・ベルジュラックの悲しい恋の物語をお読みになったことがありますか。もうだいぶ前に文学座がこのロスタンの有名な戯曲を上演したので御覧になった方もいるでしょうね。あの上演は、辰野隆・鈴木信太郎、両先生の名訳によったものですが、この訳本はたしかに文庫本の中にも入っています。
 フランスの作家、ロスタンの書いたシラノ・ベルジュラックは「ガスコンの青年隊」に属する軍人で、剣をとっては無双の名手、のみならず、詩をよくする心優しいき騎士でありました。だがこのように文武に秀でた彼には一つの深い苦しみがあったのです。
 それは彼が生まれつき醜い男だったことです。異様に長い鼻が、彼の容姿を歪めていました。シラノはこの鼻を持った自分に苦しみ、それを恥じていたのです。

嫉妬について

二年前ぼくの知っていた女子学生のお話から始めましょう。そのT子さんはそう美人とはいえないのですが、自分の個性を生かしお化粧や服装をして毎週、ぼくの教室にはいってくる少しフラッパーなお嬢さんです。魅力ある話し方も知っていますし、パーティなどではダンスなどもなかなか上手なのです。
 そんなお嬢さんですから、男子学生などにも人気があり、何時も二、三人のボーィ・フレンドに取り囲まれているようでした。

情熱と愛とのちがい

みなさんは、こういう経験がよくあるでしょう。何だか世の中が詰まらなくなった時、どこかの映画館に気晴らしのためにはいる。映画館の中では、甘い美しい恋愛映画をやっている。ヘップバーンの演ずるアメリカ娘が夏の休みに、ヴェニスの街で余りに短い、余に烈しい恋をイタリーの青年とする。そして彼女はその男が妻のある身だと知った翌日、この町を去っていく。汽車の窓にうつるヘップバーンの苦しそうな表情がスクリーン一杯に大映しされる。

純 潔 

(1) 精神的なもの
 青年はなぜ女性の純潔をもとめるのか
 こういう想い出から書きはじめるのは、読者の方たちにある衝撃を与えるかも知れませんが、我慢してお読みください。
 昭和二十年の三月上旬でした。その前夜、読者の方たちも覚えていられるかもしれませんが、東京の上空を芥子粒(けしつぶ)のように敵機の編隊が押し寄せ、家も街も炎の海に変えてしまいました。

肉体的なもの処女と童貞と

彼等があなたたち女性のうちに本能的にせよ、意識的にせよ、捉えようとしているこの生の刺激とは一体、何なのか?
 時として、ぼくは東京の街によくあるホテルの前を通り過ぎることがあります。二人の男女があるいは傲然と、あるいは人眼をさけるようにそのホテルの入り口から出てくるのを見ることがあります。ぼくはそんな時の青年の心情をひそかに計ってみるのでする彼は征服感の悦びら浸かっているのか、愛する女の全てを所有したという満足感に充たされているのか。だが、肉欲というものはそれ自体では常に悲しいものであります。感覚的には確かなもの、ハッキリとしたものであっても、肉欲はそれ自体ではかならず幻滅や湿りけや悲哀を伴うとしたならば、それはなにに対する幻滅であり、悲哀であるのかをぼく等は考えなくてはなりません。ここに戦後の肉体文学者たちが考え忘れた大きな過ちがあります。

純潔主義の危険

美しい恋愛小説を手にとられた時、貴方たちがお考えにならねばならぬことがあります。それは、純潔主義の恋愛は、それ自身では皆さまを陶酔させるほど美しいでしょうが、また多くの危険や過ちを含んでいるということです。
 純潔主義の第一の危険は恋人同士が相手を美化しすぎるという点にあります。皆さまの中にはスタンダールの『恋愛論』をお読みになった方があるかも知れない。あの本には有名な「結晶作用」という言葉が出てまいります。

古くさい純潔への批判

ぼく等は今、極端な純潔主義が陥りやすい危険の一つについて考えてみました。そこで、さらにもう一つの危険のことにも言及しておきましょう。
 それには肉体や肉欲に対する偏狭な考え方を生むということです。これは外国のように純潔主義が宗教から発生している国では特に見られる傾向であります。人間を霊と肉に別けます時、霊の側に全ての徳をおき、肉とはただ罪と暗黒との世界でしかないとう考え方にあります。皆さんの中にはクリスチャンの方もいられるかもしれませんから、この愛情は分かって頂けるでしょう。またクリスチャンでない方も、先ほどちょっと、書きましたように、若い女性として、肉欲にある嫌悪感をおもちの方は随分、たくさんいられるにちがいないと思います。

恋愛における純潔の意義

読者の皆さまの中には反対される方もあるかも知れません。肉欲は母性の使命に結びつかなくても、別の美しい意味をもっていると。たとえば、愛する者たちがもっと無償な気持ちでたがいに心と体を与え合う時、肉欲は決して汚れたものにはならないと。
 いわゆる恋愛至上主義者たちの説くこの言葉は勿論、ぼくもわからないではありません。しかし、結論から先に申しあげれば、皆さまはどんなに愛しあっている男性がいても、できるだけ、肉体的な限界を結婚前に越えぬようになさい。それは極端な純潔主義から申すのではなく、その恋愛をあかるさや幸福にみちびくために必要だから申しあげるのです。

赤バラエロスについて

エロスという言葉には色々な意味があります。この言葉は普通、アガペという言葉と比較されて、後者が精神的な愛を指すのに対し、一般に肉体的情熱、性的な愛を意味する場合が多いのです。
 そこでぼくも、エロスをこの肉体的な愛に限定して申し上げることにします。
 近頃は大変、少なくなりましたが、今でも皆さまの中には「肉体的な愛」という言葉を聞かれると思わず眉をひそめられる方がいらっしゃるかもしれません。
恋愛の感情のなかにもこうした肉体的な欲望をまじえることを大変、汚らわしいと考えになる人もいられるでしょう。

赤バラ肉欲について

肉欲について――この題をみて若い皆さんたちの中には眉をひそめられる方があるかもしれない。気の弱いぼくも、この不躾けな文字を書くのは、非情にタメライを感ずるのですけれども仕方がない。なぜなら、この問題は、やがて恋愛をなさる、また現在なさっている貴方たちが何時かはぶつかならねばならぬ世界ですから、やはり、眼をつぶっているわけにはいきません。御一緒に考えてみましょう。

純白の夜のために

けれども、こう書いたからといって、肉欲は何時、いかなる時にも充たされてよいものとは、ぼくは思いません。と申したからといってぼくは別に頭のカチカチな古めかしい道徳に捉われている男ではありませんし、この際肉欲を自由に濫用(らんよう)することを道徳的にわるいと言っているのではありません。
 ぼくが恋人たちが肉欲の愛情を自由に濫用することを皆さまにお奨めしないのは、「恋愛とは難しい綱渡りのようなもの」という考えに基づくためです。

不幸と快楽

快楽と幸福という二つの言葉をならべてみますと、そこには何か違った印象を受けるものです。快楽という言葉から、私たちは何か官能的な悦びを、感覚的な快楽、そして炎のように烈しく燃え上がるが、やがて燃え尽きるものを感じます。だが幸福と申しますと、河のようにひろびろとしたもの、感覚だけではなく、ふかい経験や理性に支えられてゆっくりとしたもの、烈しくないが、決して燃え尽きない暖い火のようなものを心に浮かべます。だがそれだけではやはり二つの区別は曖昧です。この点をもう少し深く考えてみましょう。

赤バラ快楽のもつ悲しさ

快楽が求道の路に通ずるのはその時です。もちろん、現実の苦痛や不快から逃れる手段として快楽にたよることは確かに私たち人間の弱さを示しているでしょう。けれども、それだからといって、私たちは快楽に走る人を頭ごなしに軽蔑することはできない。なぜなら世の中には現実の苦痛や不快に鈍感であり無神経であるが故に、快楽を求めないですむ人も多いからです。現実と自我との戦いも、その苦痛も味わわないですむ人、あるいは現実の底にかくれている悲劇をみないですむ人は、快楽を求める必要もありません。それは彼がえらいからではなく、むしろ人生の悲しみに対して鈍いためであり、人生の矛盾に妥協的である場合が多いのです。このような人がもし快楽を頭から軽蔑するとしたら、それは偽善にほかなりますまい。

愛の矛盾、あいのふしぎさ

愛とは抽象的な理屈や思想で数学のように割り切れるものではないからです。愛というものはもともと矛盾や謎にみちたものであり、この矛盾や謎がなければひょっとすると、愛も無くなるかもしれないからです。
 たとえば、御両親にしろ、友人にしろ貴方の倖せを願う人は誰だって貴方が幸福な恋愛をしてくれることを望んでいるでしょう。幸福な恋愛と言えばまた色々な考えがあるでしょうが、ここで常識的に言って悲しみや苦痛を伴わない恋愛としておきましょう。ぼくだって自分の妹が、誰かを愛し、その愛のために傷ついたり苦しんだり、不安になったり、疑惑や嫉妬をもっている姿を見るのはイヤです。できれば、そうした嵐の伴わない恋愛をさせてやりたいと思うでしょう。だが、そういう恋愛が可能でしょうか。いや、それよりも苦痛や不安を伴わない愛というものが存在しうるでしょうか‥‥。

古いモラルへの反抗

 誘惑とか姦通が多くの人々の関心をひくような季節は、ふしぎなことですが、必ず時代の変革期のようです。古いモラルが次第に色あせ、くたびれ、意味を失おうとし、まだ未成熟だが新しいモラルがそれにかわって出てこようとすると時、ほとんどと言ってよいほど、誘惑や姦通が肯定されてくるものです。
 たとえば――皆さんも恐らく御存知でしょうが、西欧には『トリスタンとイズウ』という有名な物語があります。これはトリスタンという騎士が自分の主君マルクス王の妃であるイズウを愛して、その恋のために二人はくるしい悲劇的な運命をたどる物語です。言いかえれば、トリスタンとイズウとの姦通を賛美した作品です。
著者略歴
1923年東京生まれ。慶応大学文学卒。1950年戦後初の留学生としてフランスに渡り、リヨン大学留学。1955年『白い人』で芥川賞受賞。代表作に『海と毒薬』『沈黙』など。日本ペンクラブ会長、芸術院会員など歴任。遠藤周作

男のコトバでわかる真実

本表紙梅田みか 著

ピンクバラ「妻とはうまくいっていない」「妻とは冷え切った関係

「うちではほとんど口も利かない」「妻とセックスしていない」…・不倫の恋がはじまるとき、そして不倫の恋が深まっていく中で、男性が実によく口にする台詞である。
 この言葉は、家庭の中の彼を決して知ることのできないあなたにとって、明るい未来につながるひと筋の光のように見える。あなたは彼の言葉を頼みの綱のように信じる。

男のコトバでわかる真実

不倫だけはありえなと思っていた
 私は現在二十八歳。二十二歳で結婚して、二人の子供を産みましたが、二十六歳のときに離婚。子供を引き取ることができなかったし、一年ぐらいは泣いて暮らしていました。

恋愛初心者の私が不倫なんて…

私は来年二十二歳になる社会人二年生です。ある日、ふと立ち寄った書店でこの本を目にし、すっかりとりこになり購入いたしました。と、いうのも私も不倫の恋に落ちた、いわゆる愛人だったからです。

愛情と仕事へのプライドに板挟みになっています

私二十八歳のOLです。今、二度目の不倫中です。今の私にとって「愛人の掟」はまさに教科書! 三冊とも何度も熟読させていただています。

ピンクバラ別れたくてもどうしても別れられません

私は二十歳でフリーターをしています。高校三年生のときに伝言ダイヤルで知り合った三十四歳の人と不倫しています。

ピンクバラ彼以外の人を好きになれるなんて思えません

 梅田先生、初めまして。「愛人の掟」1・2・3読ませていただきました。
 何度読んでも涙が出てきます。不倫って、本当に辛いですね。

幸せにしてやれない…でももう少し思っていたい

私(二十五歳)は周りのみんなから「バカ」と呼ばれています。彼(三十三歳)とつき合いだしてからもう四年にもなりますから仕方がない話ですが、今はこんな自分を結構気に入っています。

妻の妊娠中に私との恋をはじめた彼はひどい人?

私は高校の教師をしています。不倫の彼も七歳年上の同じ学校の三十一歳の教師です。私が新任でやってきたときは、すでに結婚していました。

ピンクバラさよならしたのに、もう死ぬほど後悔しています

私は今二十七歳。二日前、彼(三十八歳)にメールで一方的にさよならしました。言葉にすると涙でいえなくなっちゃうから、きょう、彼からメールが来ました。「メール、ショックでした。これからのことを考えると、これでよかったのかなとおもいます」と…。

私は現在二十一歳、彼は二十九歳です。私たちの関係は約一年半ぐらい続いています。彼は私が学生時代やっていたバイト先の社員でした。初めて彼を見たとき、一目ぼれに近い気持ちになりましたが、すぐに彼が既婚者で子供もいることを知り、残念だなとおもいながらしばらくアルバイトと上司という立場で仕事をしていました。

どうせ私は野良猫でしかないのです

みかさん、初めまして、みかさんの本に助けられている私です。
 私三十三歳になる主婦です。不倫をして四年目です。それまで不倫はドラマの世界のこと、私には関係のないこと思っていました。

彼からの別れ話が、結局彼の一言で元のさやに

私は三十二歳の独身の社会人で、初めて不倫の恋をしたのが十八歳のときでした。就職先の上司で三十代半ばの人、私は女子高だったので年う上の男性の優しさに一気に落ちていったのです。でも最後は気持ちも冷め、三、四年で別れました。

「結婚する友達がうらやましい」

誰かをうらやましいという気持ちは、自分の持っていないものや、途中であきらめてしまったり、努力しても手に入れることができなかったりしたものを、相手が持っていると感じたときに湧き上がる感情である。

『強くなりたい

何の障壁もない恋に比べて、不倫の恋は、強い意志によって自分の気持ちや欲望をコントロールしなくてはならない局面が多いといえよう。

「どうしてわたしだけがこんなにつらい目に遭うの

不倫の恋をしていて、何もつらさを感じたことがない、と言う人はいないだろう。何のつらさも伴わなかったとしたら、それは恋とは呼べない一過性のものから、すでに恋という状態を超えしまっているかのどちらかだ。

ピンクバラもう彼なしでは生きられないもう彼なしでは生きられない

不倫の恋をする女性たちの多くは「もう彼なしでは生きられない」言い切る。この言葉は、彼女たちがどれだけ彼に依存してきたか表している。

死んでしまいたい

いくら不倫の恋がつらいと言って、何もそこまで思いつめることはないだろう。と言う人もいるかもしれない。そんなことを考えるのはやめなさいというのは簡単だが、不倫の恋に苦しむ女性たちの心の叫びにもっと耳を傾けるべきではないだろうか

金太郎コンプレックス目次

本表紙金太郎コンプレックス国分康孝・国分久子 著

ピンクバラ第一 男VSおんな

「むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山に芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に行きました」。
 これは私たちが小さいとき、何回もきかされた桃太郎のおとぎ話の導入部分である。このおじいさんとおばさんのあり方が、男女関係の好ましいあり方だと思う。好ましいというのは、役割は分化しているけれども、それが支配・服従関係でなく、協力関係になっているからである。

ピンクバラ男の罪意識

私からカウンセリングをうけたおかげで、登校拒否だった息子が無事復学できたとお礼にきた父親がいた。
「ほんとうは家内も来るはずだったんですが…」と彼は申しわけなさそうにいった。私はまた出かけに夫婦げんかでもしたのかと思った。
「女房の奴、最近ふとりましてねえ。服が体に合わなくなったんですよ。はじめて会う先生に変な格好で会うのは恥ずかしいというんです」と。

第三 女性化された男たち

ある教授が授業で『シンデラ・コンプレックス』の本を紹介しようとしたら、女子学生に「その本はなるべく女子学生にはすすめないでほしい」とストップをかけられたという。これからの女性は職業の世界に進出しなければ人間としての自立はない、その本は女性のそういう勇気をひるませる恐れがあるというのである。
 たしかに今は、全労働者の40%が女性によって占められている時代である。この女子学生の意見は時代の声であるように思う。ひとことでいうと、現代の女性はなかなか意気盛んである。

第四 女性不信の男性

職場では感じの強い男性でも、家では「問題の夫」「問題の夫」ということはよくある。ちょうど学校ではおとなしい子供でも、家では暴力児というのと同じである。
 男同士のつきあいでは評判の良い人物でも、妻や娘からみると最低の人物ということがよくある。男に惚れられる男は、男の中の男であると聞いたことがあるが、はたしてそうであろうか。どうもそうではないように思う。そういう男性は女性に対しては必ずしも、男の仲間に対するほどには心やさしくないからである。これは文化的影響のほかに、その男性の個人的事情によるのである。

ピンクバラ第五 憎悪とのつきあい方

運悪く、こういう男性と一緒に人生をすごすはめになった場合、どうすればよいのか。離婚できないのであれば、まず自分の考え方をかえるのである。
「私はこの男の妻である」と思っているから、妻として扱ってくれない不満が生じるのであ。しかしよくよく考えてみれば、こういう男性は夫という役割をこなすには不適なのである。つまり実質的には夫でない。したがって私も妻である必要はないと考えることである。妻でありたいのはヤマヤマであるが、妻たりえないのが実情である。そこで思い切って「私はこの神経症的な男の看護婦である」とか「私はこの問題児のカウンセラーである」と、自分の立場をガラリとかえるということになる。

第六 男の誤算・女の誤算

ひと頃ウーマン・リブの運動が盛んだった。男性支配の世界に対する女性たちの自己主張の運動であった。その旗頭のひとりがベティ・フリーダンである。私たち夫婦が留学中の1960年代は、フリーダンの『新しい女性の創造』三浦富美子訳、大和書房、1965年がベストセラーであった。
 ところが彼女は、1970年には自らの創設した全米女性機構NOW(National Organization of women)の初代会長を辞任したという。それは、彼女が男性に挑戦する立場から男性と協調する道を模索しはじめたからだ、と国際女性学会(代表幹事・岩間寿美子)は解しているようである。6年余りのアメリカ滞在の経験から、私たち夫婦もこの解釈は妥当だったと思っている。男女の対立抗争は日常生活を荒廃させ、孤立を促進したと思う。

女の誤算:その1――男はつよい

男はつよいと思って憎まれ口を平気でいう女性がいる。男はニコニコ笑ってきいているので、ますます調子に乗ってしつこくやりこめる女性がいる。
 あるときそういう男が相談に来た。一晩中女性に問い詰められて、解放してもらえないことが何回もあるという。恋愛関係でない。女性(30歳)はその男性(60歳)に父を求めているらしい。私はその女性に手紙を書いた。

第七「男のホンネ」

多くの女性は、男性が女性に何を期待しているのか、女性がどう振舞えば男心をそそるかに関心があると思う。男は男で同じことを女性について考えている。一人前のおとながティンーン・エイジャーなみの関心をもつことに苦笑するかもしれないが、これは大事なことである。こういう関心があるがゆえに、自分は男である。自分は女であるというアイデンティティを保つことができるのである。
 異性にもてるもてないは、酒のつまみ以上に意味のあるトピックである。というのは「もてる、もてない」というのは男性のアイデンティティ、女性としてのアイデンティティを定めるのに有効な体験だからである。

男のいじらしさ

男が男としての自分を自覚するのは性感情においてであるといった。そして男は女に何を期待し、女は男に何を期待しているかを述べてきた。さて、そこで第三にふれねばならないことは、男自身は女性に対してどうしたいと思っているかである。
 たいていの男性は、何とかして女性に性的快感を与えたいと思っている。男性は自己本位だと思っている女性が少なくないが、男性はセックスに関する限りそれほど自己本位ではない。さっさと果てしまうのは生理的なことで、心理的に少しでも長持ちさせようと願っているのである。

第八「臆病な男心」

男は誰でもガールハントには積極的なものだと思うのは間違いである。男というものは、女性が期待しているほど積極的ではない。むしろ男は男女関係について非常に慎重である。つまり臆病である。街を歩いていて男に声をかけられたとか、電車の中でしつこくアプローチしてくる男に閉口したとか語る女性がいる。しかし、それはごくごく一部の男性である。大部分の男はその逆である。手も足もだせずイライラしているのがふつうである

ボーイハントの前提条件

男性と人間関係をもつための契機はどうやってつくればよいのかと女性は問う。その原理は次の三つになると思う。
 第一は、男性がひとりになっているときをねらえ、である。女性もそうであるが、男性もグループのなかにいるときと、自分ひとりのときとでは心理状態が違うのである。仲間と一緒にいるときは、特定の女性に関心を示さないようにするのがおとなの常識である。

第九「金太郎コンプレックスの解放」

男児は金太郎のようにつよくあらねばならぬというビリーフをうえつけられている。それゆえ、かなり無理して男らしく振舞っているところがある。こういう心理傾向をこの本では「金太郎コンプレックス」と命名した。
 本章では、男は金太郎コンプレックスから解放される必要があるということを主張したい。

これからの男たち

これからの女性は自己主張的になるはずである。むかしのように泣き寝入りしなくなる。イヤなことはイヤというようになる。離婚の申し立ても女性の側からのそれが増えてくるとか、少女の暴力非行が増えているとかは、今後の女性の攻撃性の外向化を暗示していると思う。
 ところが、女性の外向化をイヤがる男が少なくない。自分は浮気している癖に、女性の浮気を許容しない男の心理がそれである。喫茶店で女性が割り勘でいこうというのをイヤがり、自分で払う男。つまり男のなかにはいつでもどこでも常に男が優先でないと気がすまない人がいる。女性を服従させたがる男である。

10章「結婚の心理」

女性に警告しておきたいことがある。それはどんな好きな男性でも、やがて絶望することがあるということだ。目下恋愛中の女性は、そんなこと信じられないと思うだろうが、だいたい次のような事情からそうなるのである。
 ? 「私つくる人、あなた食べる人」

男の一発発起

男としてはどうするのがよいのか。
 まず、今の世の中はむかしのように、オレは男だ! と力む分野がだんだん少なくなっていることを認識することである。オレは男だ! と支配性を頼みにするがゆえに、支配されると不愉快になるのである。はじめから男女が協力して生きていくのだというコンパニオンシップに徹すれば、「ええい、面倒だ」となげやりにはならない。男女の性別と無関係に、あることをできる状態にあるほうがすればよいわけである。
「男のアイデンティティ」

男のアイデンティティ」  11章
 人生とは欲求充足のプロセスである。ところが女性はその欲求を満たすのに男性に比して障壁が多い。身体的なことならまだあきらめもつくが、その障壁が「人災」ならば腹が立つのは当然である。この人災による障壁を性差別というのである。

母親からの離脱――稚心を去れ

不惑の年になっても、人に自分の母を語るときに「私の母さんが…」という人がいる。これは母定着のしるしである。心理的離乳が未完成のしるしである。一人前の男になるということは、母定着から卒業することである。稚心を去ること、これが男らしさの第二の特性である。

テンダーネス・タブーからの解放

これからの時代の男らしさの第三の特性として、やさしみの情をあげたい。
 精神分析学者サティ(『愛と憎しみの起源』黎明書房)のことばに、テンダーネス・タブーというのがある。男というものは、やさしさを表現することをためらう傾向があるというのである。それは文化が男のやさしさ(tenderness)を忌避(きひ)したからである。

「おとこ心のQ&A」

◆ 男性の自己中心性
Q:男性のエゴ(この場合は自己本位の意)をあげるとしたらどんなことが一般に言えるでしょう。
A:男性は一般的に仕事志向、地位志向ですから、人の業績でも自分のもののような顔をしたがることだと思います。注意深い上司はかなり意識して「これは部下の○○君の功績です」とトップに報告します。意識しない限り、ついうっかり自分だけの手柄顔する傾向が男性にはあるようです。
 それゆえ男性のエゴは女性のわがままは少し違ったエゴです。対照的にいえば男性のエゴは競争心(攻撃性)、女性のエゴは甘え(愛情欲求)が主流を占めていると思います。

◆ ふたまたかけた愛

Q:女性はつき合っている人がひとりいたら、他の人には目を向けないことが多い。ところが男性は他の女の人とつき合うことができます。どうして両天秤をかけられるのですか

子どもと教育を考える

本表紙大人になることの難しささ=青年期の問題= 河合隼雄 著

ピンクバラ青年期のつまずき

子どもが大人になるということは、現代社会においては、なかなか大変なことである。
 そして、その大変な中間期間として、青年期というものが存在している。

2 不可解な子どもに

家出をした高校生は、実は親類に立ち寄ったために、両親からの通報で家出のことを知っていた親類の人に足止めされ、両親がそこ取るものも取りあえず会いに行ったのだった。ところが、息子は一部屋に閉じこもって両親に会うともしない。

3 両親の反省

話を最初に述べた例に戻すことにしよう。前節にはやや一般的な考え方を述べたが、このことは、実のところ、家出をした息子さんを理解してもらうために、私がこの御両親ら説明したことなのである。

つまずきの意味

先にあげた例によって、息子の家出という一種の「つまずき」が、当人にとってのみならず、両親にとっても、成長の契機となったことが理解されたと思う。確かに、つまずきは飛躍へのステップなのだ、といいたいくらいに感じられることが多い。

U 大人になること

大人になる前の色々なつまずきについて述べ、それは大人になるための必然的なことであるとさえ強調した。一体それはどうしてなのか、そのことを少し異なる角度から論じてみたい。

2 イニシエーション

未開社会においては、イニシエーションの儀式は必要欠くべからずるものであった。
後にも述べるように、このイニシエーションの儀式を無くしたことが近代社会の特徴なのであるが、そのことの意味についてわれわれはあまりにも無知であったので、既に述べたような青年期の問題を抱え込むことになった、ということもできる。

ピンクバラ3 現代のイニシエーション

近代社会の特徴
エリアーデは先に紹介した彼の著書『生と再生』の冒頭に、「近代世界の特色の一つは、深い意義を持つイニシエーション儀式が消滅し去ったことだ」と述べている。いったいこれはどうしてなのか。

4 死と再生

イニシエーションの儀式において、「死と再生」の過程が生じることが必要であると述べた。しかし、「進歩」を必要と考える現代においては、手練者の死と再生のみならず、親の方の死と再生の体験が必要となって来るのである。つまり、親も一度大人になったからといって、いつまでも安閑としてはいられない、
 彼自身も時に、ドラスティックな変化を体験しなくてはならないのである。

V こころとからだ

人間にとって、こころとからだの問題は、永遠の謎といってよいほどのものであろう。
心と体を我々は一応、区別して考える。しかし、それが相当に関連し合っていることを、われわれは経験的に知っている。
大人になるときに、大きな問題となってくることがセックスというコントロールの難しい現象にある。精神分析の創始者であるフロイトが人間の性欲ということを重視したのは周知のことである。

ピンクバラ性への恐れ

現在では性の解放がすすみ、性的に相当自由になっていることも事実であるが、その逆の現象も結構多くなっている。われわれ臨床家は、青年男子のインポテンツによる相談が増えてきたと感じている。結婚しても性的関係がもてぬために、われわれの所に相談に来られるのである。

2 からだの拒否

思春期になってくると、身体が急激に成長してくる。それに伴って第二次性徴があらわれ、思春期には身体的にはまったく大人になる。このように急変化を遂げてくる身体を「己のもの」として受け容れることは、あんがい、難しい事なのである。

3 己を超えるもの

からだというものは不思議なものである。わたしのものであって、私のものでないところがある。
たとえば、手術によって私の腕が切り落とされたとき、それは私の一部としてではなく処理されてしまうのだろう。

心身症

現代の青年の心の亀裂は相当に深いものがあると述べたが、そのことに関連することとして、心身症が増加してきている事実を上げることが出来るだろう。

W 人とのつながり

子どもは子どもなりに人間関係を持っている。大人は大人としての人間関係をつくりあげてゆかねばならない。そしてまた、子どもは大人へと成長してゆくとき、その成長を促進したり、妨害したりするような人間関係の在り方が存在することも事実である。

2 日本人として

対人関係の問題を考えてゆく上において、日本人の対人関係の在り方の特徴を知っておくことがまず大切である。この点を抜きにして、一般的に、あるいは西洋人をモデルとして、個人や家や社会の関連を考えても、それは実状とかけ離れたものとなるであろ

3 家と社会

日本人としての問題を論じたので、これとの関連において、家や社会と個人との関係について考えてみることにしよう。
 子どもは大人になるときに、家や社会の事を必ず考えねばならない。ともかく社会の成員としての役割を果たさなければ大人と言えないのだから、これは当然のことである。

援助者の役割

今まで述べてきた中で、子どもが大人なるときの援助者となる大人の役割については、いろいろと明らかになってきた。とくに、実例をあげた話の中での、援助者の動きによって、重要な点はよく感じ取っていただいたことと思う。ここではそれらをまとめて簡単に述べることにしたい。

対決

可能性を信頼するとか、本人のたましいのはたらきによって自ら癒されるとかいえば、いいことずくめに聞こえるが、この過程に大きな危険性が伴うことを指摘しておかねばならない。

X 大人と子ども

今まで述べてきたことによって、大人になるとはどういうことか、なぜそれが現在において難しいのか、ということ大体のアウトラインが解ったと思う。本章は全体のまとめとして、もう一度、大人とは何かを問いつつ、現在に大人として生きることの意味を考えてみたい。

男性と女性

大人になることは、それぞれ男性としての大人、女性としての大人となるわけである。男に生まれるとか、女に生まれるからかは人間の宿命であり、人間は自分の性を受け容れて大人になれねばならない。しかしながら、男である、女であるということはどういうことかについて、現在では混乱と疑問が渦巻いていることを指摘しておかねばならない。

2 創造する人

創造性ということが、最近では特に高く評価されるようである。せっかく、この世に生まれてきたのだから、何か新しいことを創り出したい。大人になるといことも、何かそのような新しい何ものかを、人間の世界にもたらそうとすることだと言えるかも知れない。

3 個性の発見

創造的な人生を生きることは、いいかえると、自分の個性を見出してゆくことであろう。個性を見出すことは、言うは易く行うは難しいことである。
特に、我が国のように常に周囲に対して配慮を払わねばならぬところでは、自分の個性を見失いがちになる。大人になることを、既成のシステムのなかへの適合と考えすぎると、失敗してしまうわけである。
本表紙上野千鶴子著

男おひとりさまが増えている。

男おひとりさまが増えている。
 65歳以上の女おひとりさまは292万人、対して男おひとりさまは113万人と半数に近い(2005年)。この人数はこれからますます増える一方であろう。

 これまで男のひとり暮らしは、「男やもめにウジがわく」だの、さんざんなイメージで語られてきた。ひとり暮らしにかぎっては、女ひとり暮らしより、男のひとり暮らしのほうが同情と憐憫(れんび)の対象になってきた。

 若い人がひとり暮らしていても、はたからなにも言われないのに、高齢者がひとり暮らしていると、あいさつ代わりに振ってくる言葉に、「おさみしいでしょう」である。

 自分で選んだヒトリ暮らしなら、おさみしいでしょうは大きなお世話。その反発心が、私に「おひとりさま老後」を書かせた理由の一つだった。

男性の場合には、これに「ご不自由でしょう」がつく。

「ご不自由」は、家事などのご不自由に加えて、アチラのほう、つまり下半身のご不自由。「ご不自由が」が理由で再婚など望まれては、興ざめる。

「愛ある離婚」はなぜむずかしい

夫婦はもともと他人だが、親子は離婚しても親子、日本では共同親権が認められていないだけでなく、離婚した父親の面会権が強く主張されることも少ない。
 別れた父親が、もとの家族とここまで縁が切れてしまうのは、離婚のハードルが高く、憎悪の圧力が相当高まらないと離婚しにくい、という日本の離婚事情が背景にありそうだ。

非婚シングル・キヨシさんの場合》

キヨシさんは54歳。末っ子でお母さん子として育ってきた。大学入学を機に都会へ出て、いったんはそこで就職したが、勤め先は不況で倒産。父親が高齢になりつつあり、母親が心細がって「帰っておいで」というので、40代で地元に戻った。独り者だったので、Uターンも気楽にできた。

《増えている男性の家族介護者》

このところ増えているのが、家族介護者の男性比率。2009年版の高齢社会白書をみると、同居の家族介護者の28%が男性と知って、おどろいた。在宅で家族を介護している人の4人に1人以上が男性ということになる。

セックスは封印?

「いつまで、できるのか?」という男性のセックス現役志向は“悲願”といってよいほど強そうだが、妻が寝たきりになったら、“家事要因”がいなくなるではない。“ベッド要員”のほうはどうなるか。

息子の介護

夫の介護ばかりでなく、息子の介護はどうか、と思ったら、これも徐々に増えている。
 というのも、先に述べたように、高齢者とその未婚の息子からなる世帯が漸層(ぜんそう)傾向にあるからだ。
 たいがいは女性の方が長生きだから、こういう世帯はいずれ、高齢の女性とその初老の息子からなる世帯となる。ほかに家族がいなければ、同居の家族介護者の息子が介護者になるのは自然だろう。これまでも最後まで残った未婚の娘が、親の介護要員となってきた。

妻に先立たれるとき

配偶者に死に別れあとの平均生存期間は、妻が約10年間、夫が約3年間。夫の方が圧倒的に短い。とはいえ、男性シングルと有配偶者をくらべた平均寿命をみると、
夫婦そろっているほうがシングルより長生きすることが解っている。

《生き抜いた妻に恥じないように》

ジャーナリストの田原総一朗さんは、最愛の妻をガンで失った。闘病中に『私たちの愛』(講談社、2003年)という、まるで相聞歌(そうもんか)のような夫婦愛の本を共著で執筆。
 帯には「ぼくはきみが死んだら、すぐに後を追うよ」とあった。節子さんが亡くなっても、総一朗さんは死んでいないではないかと揶揄(やゆ)する向きもあるようだが、わたしはそういう気にはなれない。

この先、「おふたりさま」になる可能性は? 

このところ男性向けの雑誌が、「男の向老学」特集を組むようになってきた。そのひとつ、『週刊ポスト』2009年2月6日、小学館が、わたしに「誌上特別指南」をせよといい、著名人のなかからモデルになる「おひとりさま」に登場して頂こうという企画を立てた。

第2章 下り坂を降りるスキル

人生のピークを過ぎたとき
 あなたの人生のピーク(頂点)は、思い返せば、いつだったのだろう。
「いまがいちばん。人生のピークです」と答える高齢者がいる。
 ほとんどが、女性である。残念ながら、男性のお年寄りで、そう答えるひとに会ったことがない。

男の定年、女の定年

どんなに仕事愛していても、仕事には必ず定年がある。とりわけサラリーマンには、いやおうなく定年が来る。
 どんなに職場に忠誠を誓っていても、いつかはある日、「明日からはあなたは来なくていい」と宣告される日が来る。地位と収入のピークに、惜しまれて花束を抱いて拍手のなかを去ってゆくのが「男の花道」だろう。

老いを拒否する思想

上がり坂半分・下り坂半分の人生10年時代を迎えたのに、「降りる」のをどうしても拒否する人たちがいる。
 昔から長寿は人間の切ない望みだったのに、それを実現した社会で、どうして老いを拒否し、嫌悪しなければならないのだろうか。PPK(ぴんころり。死の直前までぴんぴんしていて、ころりと逝くことを理想とする生き方)と聞くたびに、わたしは老いを拒否する思想を感じ取ってしまう。

弱さの情報公開

下り坂を降りるスキル、といえば、まず、「弱さの情報公開」だ。
 この言葉は、北海道浦河町にある精神障碍者のための生活共同体「べてるの家」の標語のひとつ。「安心してさぼれる職場作り」「病気を治さない医者」「あたりまえの苦労をとりもどす」など、数々の「べてる用語」を生んできた。

定年後にソフトランディングする

早すぎる余生を迎える女性が老後へと、“ソフトランディング”するのに比べて、定年というぶっちぎりの変化する男性は、老後へと“ハードランディング”すると書いた。いきなりドスンと落ちれば、痛みも大きい。

生きいきと暮らすシングルの先輩たち

団塊世代の大量定年を目前にして退職準備用ノウハウ本がいくらでも出版されたが、企業の側も定年後の男性の「その後」が気になるらしく、夫婦を対象に「退職準備講座」などを提供するところもある。

居場所づくりは女に学べ

30代後半から「早すぎる余生」を迎えた女性は、過程でもなく、職場でもない、「第三の空間」を求めて、ネットワークをつくってきた。わたしはそれを、脱血縁、脱地縁、脱社縁の「選択縁」と名付けて、フィールドワークしたことがある。
 女性の間で先行しているから、「女縁」と呼んで、1980年代末のことである。

パワーゲームはもう卒業

 男って「死ななきゃ治らないビョーキ」だね、とつくづく思うことがある。
 それはカネと権力に弱い、ということ。
 女は女であることを証明するために男に選ばれなければならないが、この反対は成り立たない。男は男であることを、女に選ばれることによって証明するのではなく、男同士の集団の中で男として認められることで証明する。

「おひとり力」をつける

ひとりで「おさみしいでしょう」は、ひとりでいられないひとが、ひとりでいなければならないときのせりふ。逆に、ひとりでいたいのに、ひとりにさせてもらえない不幸もある。ひとりでいたいときに、ひとりでいられる至福が、おひとりさまの暮らしにはある。

第3章 よい介護はカネで買えるか

男おひとりさまのふところ事情
 女おひとりさまと男おひとりさまの老後の暮らしは、とりわけカネをめぐって対照的だ。
 高齢の女おひりさまの問題のトップに来るのは、貧困。80代以上の女性の貧困率は、55.9%、対して同世代の男性は42.6%(2007年国民生活基礎調査)。

ワンマンな親父はめんどうな患者

妻による夫の介護のもうひとつの特徴は、要介護者が重度の傾向であることだ。
というのも、ぎりぎりまで在宅で、と妻が頑張るのと、施設に入るのを本人がイヤがるからだ。
 なかには、ヘルパーさん家に入るのをイヤがる夫もいる。自分のカラダを妻や娘以外がさわるのを拒否する夫も多い。

いくらあれば施設に入れるか

家族が頼りにならないとすれば、案死して最後まで看取ってくれる老人ホームに入って、3食昼寝付きですごすには、いくら必要か。

個室か、雑居部屋か

介護施設に全室個室のユニットケアが導入されたとき、ユニットケア憎し、とばかりに口をきわめて批判した介護業界のカリスマがいる。理化学療法士の三好春樹さんだ。
 三好さんによると、年寄りは個室など望んでいない、他人の気配のある雑居空間の方がずっと落ち着く、とりわけ自我の境界が溶解していく認知症の年寄りを個室に入れるなどもってのほか。

《ちょうどいい他人との距離は?》

昔の農村の日本家屋では、田の字型の配置の広い屋内で、納戸と呼ばれる狭い部屋に家族が布団を並べて雑魚寝した。そこに忍んできた夜這いの青年が、まっくらやみのなかの姉妹と妹娘を取り違えた、という笑い話もあったくらいだ。

ケア付き住宅はおすすめか

ケア付き住宅や介護付き有料老人ホームは、住まい(ハード)とケアがセットになっているから安心という考え方もあるが、セットになっているからこそ、切り離すことができなくて不便ということもある。

在宅単身介護は可能か

家族がいるばっかりに、家にいられない。とりわけ男おひとりさまだと、家族にもてあまされる。家族がなくてよかった、と思うのは、こんなときだ。わたしに家から出て行ってくれと言うものは誰もいない。

第4章 ひとりで暮らせるか

男は自立しているか
《自立の3点セットとは》
 自立の概念は、これまで、○1経済的自立、A精神的自立、B生活的自立の3点セットで考えられてきた。
 それに、C身体的自立を付け加えることもできる。カラダが思うように動くこと、家事や暮らしの能力があることはべつだからだ。

「食」のライフラインを確保する

高齢者の自立度を測る目安の一つにADL(日常生活動作)の自立という指標がある。食事、着替え、移動、排泄、入浴など、通常の生活を送るために必要な身体の能力を測る尺度の事である。なかでも人間の暮らしの基本は、食べること、出すこと。このふたつが他人の介護なしにできたら、だいたいひとりで暮らしていける。

カネ持ちより、人持ち

カネさえあればなんでも買える、わけでないことを強調した。それならカネでなく、何か安心のもとなのだろうか。

カネ持ちより人持ち、というのは、「おひとりさまの老後」を書いたあとに、評論家の吉武輝子さんから書評を頂いた有り難い言葉がある。調べてみると、ジャーナリストの金森トシエさんの著書に『金持ちよりも人持ち・友持ち』(ドメス出版、2003年)があった。
この「人持ち」とは、もちろん家族以外の人持ちのことである。

友人は人間関係の上級編

旧友の深澤真紀さんが、『自分をすり減らさないための人間関係メンテナンス術』(光文社。2009年)という本を出した。日経ビジネスオンラインのウェブ上の連載をまとめたものだが、男性の読者がたくさんついた、という。ご本人も経営者。“血中オヤジ濃度”が他界と自認するだけあって、オヤジ族の共感を呼んだのだろう。

選択縁タブー集「男の七戒」

こういう選択縁には人間関係の作法がある。女縁づきあいタブー集、題して「女縁の七戒」を、第2章で紹介したわたしの著書『「女縁」を生きた女たち』からここに再録しておこう。

ありあまる時間をどうつぶす

 おひとりさまは、「時間持ち」だ。
 浮世の義理も職場も拘束されない、ありあまる自由な時間。
 その時間はもはや「会社時間」でもなく、「家族時間」でもなく、「自分時間」だ。

ヒマつぶしの達人

その2 時間はひとりでにつぶれない。
 ヒマをじょうずにつぶすには、ノウハウもスキルも、そのうえインフラ(基礎づくり、初期投資)もいる。ここではふたりの男おひとりさまの例を紹介しよう。

初期投資が高いと、安いコストで楽しめる

文化資本をみにつけるにも投資がいる。時間待ちのリッチなヒマつぶしをみていると初期投資が高くつくことがわかる。

男おひとりさまの生きる道

 男おひとりさまの生きる道はあるか?  
 ある、というのが本書の答えである。
 なぜって、充実した「男おひとりさま道」をきているひとたちを、わたし自身が何人も知っているからです。

男おひとりさま道10カ条

ススムさんにならって、わたしも「男おひとりさま道10カ条」を考えてみた。
第1条 衣食住の基本のキ
男おひとりさまにとって、衣食住の自立は基本中の基本。とりわけ「食べる」ことは生きることの基本。365日、外食や中食ばかりでは栄養が偏るし、健康管理もできない。

第5章 ひとりで死ねるか

生の延長線上にある死
 寝たきりや認知症になってしまえば、女も男もない。他人さまのお世話になって従容(しょうよう)と生きるしかない。男女問わず、おひとりさまの老後は施設で、というのが、これまではたった一つの選択肢だったけれど、ようやくそれ以外の選択肢「在宅ひとり死」の可能性が見えてきた。

在宅看取りを支えるひとたち

さて、どの死に方がいいか。
 残念ながら、死に方だけは選べない。亡くなる前に、数ヶ月間は他人さまのお世話になることをかくごして、それを受け容れる備えさえあれば、恐れることはない。

家族という“抵抗勢力”

日本では、現在でも在宅死より病院(施設)死が87%(2003年)と圧倒的に多い。
もともと家で死ぬのが当たり前だった前近代以降、急速に病院死が増加し、1970年代に在宅死を上回り、最近になって少しずつ在宅死が増える傾向にある。

介護保険を「おひとりさま仕様」

在宅看取りを実践している関係者の証言を総合すれば、
 第1に、終末期の痛みのコントロールは、今日の医療水準では、完全にできる。
 第2に、家族がいなくても、多職種の連携があれば、おひとりさま世帯でも看取りはできる。

和解のススメ

死が時間をかけて訪れることの恵みは、「旅立ちの準備」を、本人も周囲もできることだ。
身の周りの整理や遺言の書き方については、ノウハウ本が山のように出ている。わたしはここでは、他に誰も言いそうでないことを、とくに男のおひとりさまに向けて、かいてきたいと思う。

本表紙沖藤典子著

プロローグ

幸せな再婚は、人生を確信させる。
よしんば、前の結婚が悲しいものにあっにせよ、
再婚によって幸福をえた人々にとっては、
それもまた、
現在に至るためのプログラムでもあった。
その意味で幸せな再婚は、
過去を救うものかもしれない。
赤バラ第一再婚は、新しい時代を迎えたのだろうか。
結婚の常識なんて
1 ささやかな忘年会 ――その人は、最初の結婚――
 京王プラザホテル地階居酒屋――。

 その夜、五人の女たちが集まった。
 何かを語ろうという特別の目的があったわけではない。この再婚の取材を通して友達になった者同士、おいしいものでも食べようという程度の、ささやかな集まりだった。
 
 その顔触れには、興味を誘うものがある。
 離婚した再婚した女が二人、離婚したあと結婚なんてまっぴらだと思っている女が一人、何というべきか、あえていえば、だらだらと初婚生活を続けている女が二人。この五人が一堂に会しておしゃべりをしようという計画は、とても刺激的だった。再婚した理由、しない理由、別れる理由、別れない理由、再婚とは何だ?

赤バラ愛さずにはいきられない

婿養子にして家業を継がせる。これが親の希望だ。恋愛した相手に今の職業を変え、姓を変えてほしいとは、切り出せない。そうこうしているうちに、気持ちが醒めていく。失恋したという自覚もなく、男を振ったとする気持ちもないままに自然に別れてしまう、これが彼女の二〇代だった。田舎のこととて、結婚相手になる若い男だって、そう多くない

赤バラ第3 愛情の引き出し

 大谷さんの場合は、夫の結核と賭け事(もう一つ、女)→賭け事や事業の失敗で一千万円以上の借金→妻が働きに出る→好きな男性と出会う→離婚、という流れになる。

 彼女は音の借金を取り立てにきた人達にいったそうだ。私が働いて、責任を持って返しますと。病気の夫の看病をしながら、自営業を手伝い、夜働きに出た。

「だから皮肉な結果なんです。借金がなければ働きに出なかったかもしれないですものね。外を見るチャンスなんて、全くなかったから、一〇年ぶりに外を見たことで、私にも私の人生があるんじゃないかって、思い出したんです。こんなもんだと思って生きて来たのが、これでいいのだろうかと思うようになったんです」

赤バラ第4 正しいボタンの位置

 一般に男の離婚といえば、結婚したい女が別にいたという気なしが浮かぶ。離婚は男の得手勝手。古女房に飽きたので新しい女が欲しい。男の再婚には、そんな不義の匂いがある‥‥。しかし、彼の場合は違った。話題になった有責配偶者からの離婚請求ではなかった。

「その点はお互い誠実なものでしたよ。家内だってなかったと思います。彼女はぼくがパートナーでなきゃいい女房だったでしょう。社交的で明るくて、おしゃべりが好きで、八百屋のおかみさんにでもなっていたら、最高だったんじゃないかな」

 八百屋さんは怒るかもしれないが、彼はそう言った。彼は若い頃、妻のお喋りがもとで社宅に居られなくなり、転職したこともあるという。亭主の足を引っ張ると、彼は何回もいった。恋愛結婚だったが、いいところだけ見て、悪いところを見なかった。以来、パートナーをも違えたと思い続けていたという。

「シャツのボタンを掛け違えてしまったという。その違和感はずっとありましたね」
 掛け違えてしまったボタンをかけ直したい、それには全部一度外してしまおう、彼はじっくりと計画を練っていたのだった。

 そこまでして手に入れた離婚。財産と引き換えの自由があったけれど、やっぱり離婚してみると、衝撃は大きかった。何もかも虚しくなって、生きる張りを失った。

 赤バラ第52章 “かすがい”の価値

血よりも濃い関係
“まま母”、この言葉ほど、私を傷つけた言葉はない。白雪姫にしろシンデレラにしろ、まま母は意地が悪く、最後に復讐される存在だ。なさぬ仲の母娘の関係を、これほどの偏見の目をもって、幼い子供の魂に焼き付け、差別を再生産していた童話ではないのだろうか。

 後妻、後添え、まま母、これらの再婚関連の言葉は、その状況にある女を一段と貶(おとし)めるものとして、広く人々の口にのぼってきた、後妻。後添え、まま母は、世間では肩身が狭く、控え目に生きなければならなかった。

赤バラ 第六 新しい命の意味

母親にたっぷり愛されて、いい思い出をたくさん持つ子は、母親の思い出のない子よりも、精神的に優位に立つものがあるらしいということである。

母のない子の辛さは、ここにあるように思う。それだけ考えたって、彼らが私に会いたいはずはなかった。なつかしいと思うのは私の一方的な感情であり、彼らにしてみれば、私は十分に”罪のある子”なのだった。

赤バラ 第七 義理家族の知恵 ――再婚十カ条と財産・年金――

義理家族のためのガイドライン、再婚十か条というものを不完全ではあるだろうけど、参考までにまとめてみた。

第一条 子供に対してきちんと説明すること。
 なぜ再婚するのか、愛し合っているから一緒に暮らすのだと話す。男性のなかにはテレて、メシ炊きが必要だからと言ったりする人もいるが、そういう言い方はあとになって問題を起こす。
新しい母親あるいは父親の必要性を明確に。新しい親の存在証明を。

第二条 子供への愛情の確認。
 子供への愛情にゆるぎないことを、繰り返し繰り返し話して聞かせる。子供なりに不安な状況にいるのだから、安心させることが必要だ。また、子供の心の中にある”本当の母(父)さん”への追慕の気持ちを認めること。その上で、母(父)が二人いるのは運のいい子だと思ってもらう。だから、実父母の悪口は絶対に言ってはならない。

第三条 育ての親とは、ひとつのビジネスだと割り切ること。
 無理な愛情を発散させるのは禁物。夫への協力の一部である。義務だと思うと気が重くなるし、育ててやっていると思うと傲慢になる。本来なら相手がやるべきことだけれど、相手ができないから代わりにやっている。それに対する代価をもらうのだと思い定める。

実の子のいる人で、自分の子に一銭でも多くの財産をと、夫に迫ったりする人もいるけれど、自分だって夫からの協力の一部で生きてきた。自分の心の中で差引の勘定をきちんとする。ビジネスといえば冷たく聞こえるが、不公平なくし、自分の欲を整理して、冷静に現実を見るための心の準備が必要だということである。

第四条 大きくなった前妻の子供とのつき合いはクールに。
 トラブルの多くは、向こうからの挑発であることを知るべし。挑発には乗らないこと、多いのが、借金の申し込み。まず、返してもらえないと覚悟する。子供たちの意識には、この生活はお父さんの稼ぎのお蔭だとするものがある。

だから借りても返さなくても当然。そこには意識しなくとも、夫婦の財産を減らしてやろうとする悪意が潜んでいるかもしれない。

このとき、周囲の友人たちの拡大解釈にも注意する必要がある。ふんだくろうとしているのよ、などと言われても、うのみにしない。

 呼び名にこだわらないこと。おばさんでも、〇子さんでも、気にしない。また、小さな子ならともかく、大きくなった義理の子は、絶対に呼び捨てにしないこと。他人であることを忘れてはいけない。

第五条 親戚とのつき合いの範囲を決める。
 姑のなかには、ことごとく前の嫁と比較して、それを新しい妻の耳に入れることを趣味とする人もいる、すべてを聞き流す。

 どういう範囲の親戚と、どういうとき、どういうつき合いをするか、話し合うこと、ここで一番きちんとしなければならないのは、後妻は前妻の代用品でないということ。前の妻がしていたと言われても困る。

 孫との付き合い方も、拒否すべきは拒否、妥協すべきは妥協と、態度をはっきりさせる。この親戚とは関係においては、良くても悪くても後妻は損な役回りだとハラを据えることも大事だ。

 義理の娘の結婚のお支度に大金をかけた人がいる。評価は二つに分かれた。「本当の親なら、こんなにお金はかけなかった。後妻の心意気」と誉めた親戚と、「今どき、こんなもの、着もしないのに。まま母だからミエ張って」とくさした親戚。後妻とはこういうものだと何をいわれても意に介さないこと。

第六条 何かあったとき、必ず”前の妻”が顔を出すと覚悟すること
 夫が急病のとき、危篤のとき、亡くなったとき、前の妻に知らせるかどうか、知らせなくても来たときはどうするか、前もってシナリオを作っておく。必ず現れるのは子供である。

夫の病室で前の妻の子供たちに会ったという話は、たくさんある。そのとき初めて、ああ私は再婚だっただと実感する人も多い、だれとだれに連絡するか、連絡先など知っておいたほうがいい。

初めての親の過去というものに触れる子もいるだろうが、自信をもって、正直に話す。嫌なことも耳に入るだろうが、冷静に受け止めることが大切だ。

第七条 再婚は、助け合うことの契約である。
 恋愛であろうと見合いであろうと、再婚の基本は、助け合い。お互いにメリットがあるとはっきりさせておく。

大川さんの場合は、自分の蓄えあり収入もあり、経済的メリットは少なかったが、愛情のある生活ができた。珍しいもの見、楽しい毎日があった。入院したときも、ぜいたくな入院生活で、これも「夫の地位のお蔭」と思ったという。どっとくるお中元やお歳暮に目を丸くし、思い出深い日々であった。

夫の方も、生活の細々としたところでの女手というのはありがたかったはずだ。医者に半年と言われた命を二年延ばせたのも、彼女の献身的な看護のお蔭だった。

愛情から出発したものであっても、再婚の目的は助け合いである。ここが初婚と大きく違うところで、再婚には初婚の一〇倍の努力がいる。お互いに。

第八条 財産管理をお互いに明確にすること。
 再婚のときに、報告し合って記録しておくこと。これは相手ばかりでなく、自分のほうも万一のことを考えて、こうしてほしいと書いておく。彼女も、「あの、まことに聞きにくいことですが、財産はどのくらい‥‥」と聞き、彼の方も、「あの、まことに聞きにくいことですが」と、報告し合ったという。

「再婚は、お金目当てだとよく言われますよね。だからと言うわけじゃないけど、お金はないよりもあった方がいい。これはどんな結婚でも同じです。お金は大事だと、しっかり肝に銘じた方がいいですよ。それが自然な人情というものですもの」

 家族関係の複雑さをこなしていくためにも、お金は必要だ。気持ちはあっても、形に現せるものがないとうまくいかない。

 とくに必要なのは、再婚後に得た財産を明確にしておくこと。離婚などいったん精算した場合は別として、死別の場合揉めるのは遺産相続。それ故に、再婚前、再婚後の金銭管理の明朗さは大切である。遺言を書く場合は慎重に。

 今後、経済力のある女性が増えるにつれて、新しい母と養子縁組すれば、後妻が先妻の子にお金を残すこともあり得る。その覚悟も必要である。

赤バラ第九条 遺産相続が発生したとき、ためらいなく公的機関を利用すること。
 再婚で一番揉めるのが、この相続である。子供が再婚に反対するのもこれ。後妻が金目当て、欲があると言われるのもこれ。家庭裁判所や弁護士を利用することで、余計な気苦労やトラブルが防止できる。

赤バラ第十条 再婚であることを正々堂々と。
 どんな家庭にだって波風はあるもの。再婚だって同じ。子供を叱るときも自信をもって。世間に対しても、親戚に対しても、強く出ること。嫌味や妬みは、再婚の幸せにくっつくおまけだと、割り切る。遺伝子を越えた自覚的愛情ほど尊いものはない。自信をもって行動している人には、陰口も消えていく。

 赤バラ第八 戸籍は語らず

何も疑わずに本当の母親だとばかり思っていた人とは別に、じつの母親がいると知った時、その子はどんな衝撃を受けるのだろう。安手の小説などは、疑い深くなり、無口になり、孤独を好むようになると書いてあるけど、本当のところはどうなんだろう。
 私が初めて自分の戸籍謄本を見たのは、三十七歳、父が亡くなったときだった。そこで私は、なんと母の実の子供になっていない事を初めて知った。
 戦後、昭和二二年に民法が改正された。このとき戸籍法も改正され、三つの原則が確立された。

○1夫婦同氏一戸籍の原則
○2三代戸籍禁止の原則
○3一夫婦一戸籍の原則

 一番目は、夫婦は同じ姓で同じ戸籍であるべきものというもの。二番目は、三世代の複数の夫婦を含むことを否定したもの。だから結婚の際の「ウチの籍に入れる」などという言葉は、現代では実態のない言葉であり、明治民法のものだ。三番目はそれより一層はっきりさせたもので、結婚した夫婦は、独立して新しい戸籍をつくる。

 しかし、姓の問題は明治のまま残された。夫婦は同じ戸籍をつくる。この夫婦同姓は、これまで述べたように、一〇〇年足らずのものである。それなのに私たちは、昔からそうであったかのように錯覚してしまった。
考えてみれば、源頼朝の妻北条政子は、源政子とはいわない。これは北条家の存在を強調するためではなく、昔は夫婦は別の姓でよかったことを示すものだ。

赤バラ第九今ひとたびの、めぐりあい


四、五〇人の男女が集まっていて、しきりに名簿を眺めている。
 名簿には出席者の番号と氏名。居住の県名と趣味が載っている。男性六二名、女性四九名。後ろのほうに、紹介方法が書いてある。

1、 親睦会に出て相手を探します。
 イ「親睦会」親睦会に出席して多くの方と話し合いその中で自分に合う人を見出すこと。
 ロ「カード閲覧」親睦会で話した方のなかから、三名までカード閲覧の申し込みができます。
 ハ「一名申し込み」閲覧の結果一名を選び、正式見合いを申し込みができます。
 ニ「相手に連絡」申し込まれた場合事務局より相手の方に連絡し、意思を確認します。
 ホ「申込者連絡」相手の結果を申込み者に、事務局より連絡します。
 ヘ「正式見合い」双方日時を調整し、事務局にて改めて正式見合いをします。 

赤バラ第十 羽かろき通い路

親に認められなかった結婚。五十四歳の娘の再婚におびえた七八歳の母。母親とは、いつもいつも愛を持って娘の幸せを願うとは限らないのだ。それを親のエゴイズムというのか、老いの無残というべきか、私は言葉にならない衝撃で沈黙する。

子供に縋らないで老いの自立を全うするには、何が必要なのだろう。親はどう生きればいいのだろう。親を愛しているがゆえに、男を愛してしまったゆえに、身も心も二つに分かれて、その結果の通い婚だった。
 それにしても、彼女は自活できる十分な収入がありながら、それでもやっぱり結婚というこの煩わしさを伴う関係に入りたかったのだろうか。母親の反対を押し切ってまで。それが私の質問になった。

 赤バラ第十一 めぐりあいて、人生のとき

高原誠さんに会ったときもショックだったが、何とまあ、上には上が居るものだろう。四五年間の結婚生活を、七二歳で解消したとは。結婚というのは、何年続いたから大丈夫という、そんな目安なんてないものなのだ、結婚四〇年がルビー婚式、五〇年が金婚式。ルビーと金の間で、彼は別れた。

 人生を八〇年時代というのは、こういうことが起こる時代だということか。もしこれが人生を五〇年時代なら、合法的離婚ともいうべき形で、円満にあの世にいったものを。高齢化社会は、離婚をも高齢化させた。

「結婚四五年も経って、何が起こったんでしょうか」

 明治四四年生まれの男は二七歳で結婚して、その三五日目には兵隊に取られた。あの、二・二六事件のあった翌年だった。捕虜生活二年も含めて一〇年の兵役から帰って来たとき、妻は産褥の床にあった。まさに死の戦場から生還した男にとって、それはあまりにもむごい光景だった。

「あの女も戦争の犠牲者ですよ」
 新婚三五日にして別れた夫、敗戦と同時に行方不明となった夫、そして突然帰って来た夫。そのとき妻の胸には生まれたばかりの赤ん坊が‥‥。

「長い間ご苦労さん、お帰りなさいというのが普通でしょう。それがいえないんだから」
 戦争は、こうした悲劇の種をまいていった。戦後多く語られた悲しい話の一つが。ここにもあった。
 老後の命の質を守るためには、相手あの世に行くまで待てない、こういう時代になったのだろうか。老いたればこそ愛が欲しい、さよならあなた、さよなら君。お互い別の人と、再び愛を始めよう。
 厳しい時代――
 すばらしい時代――
 どちらとも考えられる。中年期を過ぎたら、女も男も離婚を覚悟して生きる。そのことは女と男の関係、とくに家庭内での夫婦のありようを再構築するのに、特効薬となるかもしれない。

 ただひとつ問題なのは、男は中年期過ぎても恋愛のチャンスはあるのに、女にはなかなかないことだ。無限の会でみたように、男は若い女を求め、年取った女が多いとがっかりする。
 茶目っ気たっぷりの、愉快な人は、再婚によって変わったのか、それとも、もともとこういう人だったのか、それはやっぱり分からない。でもとにかくこういう人が四五年間の、ルビー婚式と金婚式との間で離婚したというのは、ショックなのである。第六の衝撃。

 赤バラ第十二 再婚時代 ―女と男の協奏曲―

「再婚の話をしていると、気持ちが華やぐのね」
 これは本当にその通りだ。離婚の話には涙や苦悩がまつわりついていて、その衝撃が大きいだけに、いささか疲れる。だが、幸せな再婚の話は、人が生きることへの熱源体に触れるようで、人生を信じるに足りるものだと思わせてくれる。それが気持ちを明るくする。笑いは、その明るさの申し子だ。私はいった。

エピローグ

「再婚は確実に新しい時代を迎えたと思いましたよ。昔風なイメージでいえば、再婚は生きるために止むを得ないというような不幸の衣をまとっていた。そういう社会の目や世間の口があったと思うの。
ところが現在、再婚は不幸の衣どころか、ある種男の器量、女の器量を証明するものとして、再登場してきた。

あとがき

再婚に対する意識や世間の目も、この半世紀ずいぶんと変わったように思います。夫婦生活六〇年時代は、若き日の決断を一生背負っていくことを難しくしました。結婚の意味や夫婦の向き合い方が、現代ほど問われている時代はないと思います

沖藤典子著沖藤典子著

脳の強化書

医学博士 加藤俊徳さんは、だれが読んでも解り易く記述されており、劣等感を抱いている学生にとっては、目から鱗という思いをさせられ、やれば個々に応じた脳の鍛え方で様々な能力が得られ、社会へ出て行ったらきっと役立てられるのでないでしょうか。低学年のお子様や自分のためにも一冊求められたらきっと何物にも代えがたい財産になるのでは・・・読み込むほどに深く感銘いたします。

医学博士 加藤俊徳著=
 脳の強化書 (1)
 筋肉を鍛えるのと同じように、脳トレすることはできるのだろうか・・・・。MRIとは、「磁場」を利用して人体の内部を撮影する技術のこと。
 巨大な筒状の装置に人が横たわり、機械を移動させながら撮影が行われる光景を見たことがある人もいるでしょう。

 私はこの技術をもとに1万人近い人たちの脳画像を分析しました。そして、その結果、脳に関する“ある事実を”がわかったのです その事実とは、「チャンスを与えれば、脳はいつまでも成長し続ける」ということでした。

本表紙脳の教科書・加藤俊徳著=

脳番地は8つの種類に分けられ

一般的に、身体の機能は10代から20代にかけて発達し、30〜40代から緩やかに衰えていくと考えられています。そして、脳も同じような成長の軌跡をたどるとおもわれています。しかし、これは必ずしも正しくありません。

 実は人の脳には未開発の部分がたくさん残っていて、そうしたエリアでは成長前の多数の脳細胞が情報や経験を吸収しようと待機しています。この成長前の脳細胞に適切な刺激を適切なタイミングで与えれば、脳はみるみる新しい姿に変わっていくのです。

脳のコンプレックスを見直そう

眠っている脳番地を刺激するうえで大切なのは、「脳のコンプレックス」を解くことです。
 脳のコンプレックスとは、普段の生活の中で苦手意識を持っている能力のこと。たとえば、「言いたいことをうまく伝えられない」「よく道に迷う」「人の名前をすぐ忘れる」「リズム感がない」などが、これにあたります。

脳全体をひっぱる司令塔

思考系脳は、左脳、右脳それぞれの前頭葉の部分に位置します。
前頭葉とは、大脳の中心よりやや前方にあり、思考や意欲、創造力など高度な機能をつかさどる部位のこと。ですから、思考系脳番地は、「こうなりたい」と強く望んだり、集中力を強くしたりする

死ぬまで成長し続ける感情系脳番地

脳の奥深くには、感情を左右する扁桃体という部位がありますが、この扁桃体は、感情系脳番地の中心的な部位です。

感情系トレーニング

職場でいつも顔を合わせている人を見て、「今日はいつもと違う」と感じることはありませんか。
「髪型が変わった」「ネクタイが派手だ」と明らかに原因が判るときもあれば、「何かが違う…・」というような、漠然とした「?」が生まれるときもあります。

伝達系脳番地トレーニング

 伝達とは、言葉による伝達だけを意味するものではありません。
 紙に文字を書く、手を使ってジェスチャーをするなど、誰かに何かを伝えたいときに用いられる、あらゆる行為が伝達系脳番地の守備範囲です。

理解系脳番地トレーニング

 人は目や耳を通じて情報を得ますが、その情報を理解するときに働くのが理解系脳番地です。
 日常生活では、相手の話を文字通り理解するだけでなく、「きっと、相手はこんなことを言いたかったのだろう」と推測で理解することがありますが、このような場合も理解系脳番地が働いています。

運動系脳番地トレーニング

運動系脳番地の最大の特徴は、あらゆる脳番地の中で、最も早く成長を始めることでしょう。
 人の成長過程では、まず運動系脳番地の枝ぶりが発達し、続いて前頭葉付近の思考系・感情系脳番地、次に脳の後方にある視覚系・記憶系の脳番地が伸びてきます。

聴覚系脳番地トレーニング

成長のきっかけは生まれてすぐの本能的欲求
 聴覚系脳番地も、他と同様、おもに言語の聞き取りに使われ番地(左脳側)と、周囲の音に注意

視覚系脳番地トレーニング

 視覚系脳番地は後頭部にあり、両目のすぐ後方から伸びる視神経によって繋がれています。ベッドで仰向けに寝たとき、枕と接する部分に位置するのが視覚系脳番地だと考えるとわかりやすいでしょう。

記憶系脳番地トレーニング

「記憶系脳番地を伸ばす秘訣は知識・感情との連動」
 脳の中心部には、記憶の蓄積に深く関係する「海馬」という器官があり、この器官は左脳と右脳、それぞれに存在しています。この海馬の周囲に位置するのが記憶系脳番地。左脳側は言語の記憶、右脳
本表紙 酒井あゆみ著

眠らない女 昼は普通の社会人 夜になると風俗嬢 

第一章「私って口の中にアレ出されるよりも、オシッコ飲んじゃうほうがいいの」

 第二 「お父さんは夜中に来なくなったの。あの呻くような声が聞けなくて、寂しかった」
第三 「私、二回目のセックスで、もうイクことを覚えちゃったんです」
第四 「悔しいのは、客とやってて、いっちゃうこと。体が反応しちゃうんだ」
第五 「一日のノルマは三本。それが限界」
第六 「初めて男の勃起したモノを見たときは、声を張り上げそうなくらい感動しちゃった」
第七 「夜の仕事はしばらく続けていくつもり。でもね、『一体どこで狂ってしまったんだろう』とたまに考えるよう」
第八 「後悔してないんだけど、お客に体を触れられる度に母親の声が聞きたくなるの」
第九 「AVの仕事をして変わったのは、プライベートのエッチで『電気消して』って言わなくなったことかな」
第十「風俗に来る男の人をみても、ただ出しに来るんじゃないって分かった。みんな誰かと話したいんだよ」
 第十一 「私はみんなの笑っている顔がみたいんだ。人って、笑っている時がいちばん人間らしい」
第十二 「この仕事をやりながら、生きるヒントを探しているのかもしれないね」
第十三 「乱交プレイとている最中に、友達から携帯に電話がかかってくる時は、さすがに困るよ」
第十四 「子供が小学校の作文で『お母さんは、お風呂がいっぱいある所で働いてます』と書いてしまったんや」
第十五 「SMって究極の愛だよ。殴られても蹴られても、喜んでるんだからさ」


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