社表

性の不一致・セックスレス

 煌きを失った夫婦生活・性生活は倦怠感・ 性の不一致となる人が多い、新たな刺激・ 心地よさを付与し。避妊方法とし用いても 優れた特許取得ソフトノーブルは夫婦生活 での性の不一致を改善し、セックスレス及 びセックスレス夫婦になるのを防いでくれ ます。

赤バラ初体験が早すぎたのかな、性の不一致セックスには答えがない

本表紙野田智恵子 28歳/私立校教授
●有名私立中学から付属の高校に入学、大学は国立大学という進学コースを歩んできた女性。父親は会社社長で教育熱心、母親は専業主婦なのだが、東京の、いわゆる“御三家”と呼ばれる私立校の出身で優等生だったという。
●彼女には7歳下の弟がおり、その弟と比べても勉強では負けないと自負する、しかし、幼少時から「それが当たり前」だと思われ、自分なりにプレッシャーは感じていたという。
●教師というイメージからはかけ離れた、華やかな雰囲気を持った女性。現在、興味を持っているものは「結婚」

◆仕事、価値観

ピンクバラ生徒に会いそうですね―。都内のカラオケボックスって、安いからみんな来てそう。普段はこんな派手な格好はしないし、化粧もほとんどしていないですからね。職場には本当に地味な格好で行っていますよー。そうそう、去年、海に行ったとき、ビール飲みながらタバコ吸ってた生徒とバッタリ会っちゃったんですよ。

 しょうがないから、焼きそばで餌付けしておきましたけど(笑)。人気スポットに行くのはダメいですねー。生徒に絶対に会っちゃうから。

職業柄、かもしれませんが、自分のプライベートは見られたくないし、生徒のプライベートもみたくないんですよ、私は。なんでもそうなのかもしれませんけど、生徒も男もセックスも。つまり、私は自分の本性を他人に見られたくないんです。怖いんです。全部の自分を出すと、他の人間が避けて行ってしまいそうで。多分、これって性格なんでしょうけど、他人に自分の本性を見せたくないし、私も他人の本性を見たくないんです。

 一種の防衛本能でしょうね。小さい頃から何事にも無難に生きること、無難に行くことを教え込まれてきましたからね、まぁ、こういうのって典型的な日本の風潮なんでしょうけど。
 だからかもしれませんね、私が「イケない女」だというのは。私たちの世代特有の「一生懸命やるのは滑稽(こっけい)。しちゃいけない」というのがあるじゃないでしょうか。

 セックスを一生懸命にすることができないんですよ。それは、セックスがタブー視されているからですよ。人間だったら当たり前の行為なのに、それを話すことはタブーで。しかも、こんな「イク、イカない」なんかの話をしたら、白い目で見られるじゃないですか。

 私が教えてるのが「生物」だからかもしれませんけど、何で動物の交尾はテレビで映って、同じ動物の人間の交尾、セックスはダメなのって? それっておかしいと思いません?
 そういうことに「おかしい」と感じてても、理屈は分かっていても、私はイクことによって自分が自分でなくなる状態。その瞬間が怖いんです。経験がないから、情報で判断しちゃってるかもしれないのですが。

 今まで、こういうものが正しい答えってないじゃないですか。答えが分からない、だから怖いし、余計に抑えつけちゃう。本当に気持ちがいいのを知らないから、余計にそう思う。多分、イケる女の子って、自分を「スカーン」と抜けることができるからイケるんでしょうね。

 えっ? ああ。「理科、生物教師」って、出してもかまいませんよ。だって、多分、私、理科や生物を勉強したから、考え方がそうなったんじゃないかって思いますから、性に対して。生物は性に関しても教えてくれますからね。

なぜ教師になった

 なぜ教師になった? う―ん、ハッキリ言ってしまうと教師でなくもよかったですよ。別に教師に憧れたなったわけじゃないんで・・・・・ホントにたまたまで。

 教員という職業にも、同僚の教師に対しての味方も冷めてますしー。そんなに情熱を持てない、と言ったらアレかもしれないですけど。

 でも、のめり込んじゃいけない職業だと思うんです。教師って「生徒が個人である」ということを認めなくてはいけない職業なんです。そして、教師の色に染めてはいけない。学校という場所は、自分の色を見つけてもらう過程なんです。
例えば、自分がどういう人間なのか、見つめ直したりとか。そういう所で、教師自身が生徒にのめり込んだら、影響を及ぼすんですよ。教師はその人の生活の中に必要以上に入り込んじゃいけない。

生徒たちが私を必要とするときには応じる義務があるけれど、必要じゃないときもある。それは彼らが選択することで、それを押し付けちゃいけないとおもうんですよね。

 ただ、学校にいれば、やっぱり、私は「先生」なんです。外で会ってもそうかもしれませんけど、彼らには「理科の先生」という存在でしかないですよ。でも、彼らの生活って、学校だけじゃないですよね。そこまで入り込むことはしたくないし、逆に、自分の中に入り込んで欲しくない。

 そう思っちゃうですょねー。私は。ある意味、ちょっと外から傍観しながら‥‥というか。ただやるべきことはちゃんとしますよ。自分の評価もありますからね。受験とか進路のととか相談にも乗りま。でも、人生の相談とかは「アドバイスしかできないよ」ってはっきり最初にいいますし。

 生徒に誘われたこと? ないですね―。セックスですか? 誘われてもそれはやっちゃいけないことだと思います。

 私は男子校で教えるんですけど、生徒に「ああ、この子はいいな―」と思ったことは無いですね―。男性という風に見てないですよ。ううーん…・生徒って言うか…・親みたいな気持ち、と言ったら変ですけど。そうですね、ダメなことはタメって言わなくちゃいけない、いいことはいいで褒(ほ)めてあげなきゃいけない。

 つまり仕事なんですよね。私の中では。よく友達に「よりどりみどりだよねー」とか言われるけれど。弟がいるから。弟とかそういう目では見れますけどね。特に男子校を志願したわけでもないし。別に女子校でも共学でも良かったんですよ。

 そうそう、私って、今、自分が理科系にいるのが不思議なくらい、中学までは理数系が全然ダメで文化系が得意だったんですよ。理数系は「なんだこの記号?」って感じだったし。でも、高校に入ってから「国立大学を受けよう」って思って、変わったんです。結構勉強してました。それで国立に受かって五年かかって卒業して、教師になったんです。

 教師になるぐらいだから、勉強が好き、みたいによく言われるんですけど、ハッキ言って私は、勉強嫌いなんですよ。辛いですよ―。世の中に勉強好きな人なんかいないですよ―。

 私はただ知りたいことを知るために大学に行っただけなんですよ。世の中って「なんで?」って思ってもそのままにしちゃうじゃないですか。でも、ひとつぐらい「これこれはこうなんですよ」って説明できることがあってもいいかな、って。それだけのことなんです。

◆子供時代〜学生時代

小さい頃から、ハタから見れば優等生だったかもしれないですよね。勉強だけ見れば。でも、運動が好きでしたよ。体育で成績上げてたほうなんで。中学校のとき、もっとませていたんですけど―(笑)、器械体操をやってたんです。でー。身体元々柔らかったんで、球技でも、運動全般得意でしたね。

 苦手なのは水泳でした。自分は泳いでるつもりでも皆には「おぼれてる」って言われてましたから。
 私が長女で、七歳下の弟がいます。今、普通の高校に行ってます。その弟に比べて私は勉強もできて運動もできる、他人には親の自慢の娘に見えてたんと思うんですよね。
 でも、それは違ってて。例えば、私がテストで百点とっても、「ありた前」。親からすれば「百点取るのが当然」なんですよ。出された課題をやるのは当たり前。そして、授業を普通に聞いていれば全部答えられるのが当たり前、の考えで。テレビの『サザエさん』の話じゃないですけど、テストが十点、二十五点が不思議な世界なんですよ。

 だから、小学校のときとか、周りの子たちは百点取ったらお小遣いを百円貰える、って話を聞いたりしてたからすごい羨ましかったですね。ウチでは、別に「よかったね」は言ってくれるけど、それだけでしたからね。ご褒美(ほうび)なんか当然なかったですか。

 なぜ両親がそういう考えかって言うと、母親がすごい優等生だったんです。今は普通の専業主婦ですけど、東京の、いわゆる「御三家」と呼ばれてた私立学校の出身でね。母の年代、今五十代半ばなんですけど、その時代ではめずらしく大学まで出ているんですよ。父親も進学に熱を入れる人でしたね。一代で会社を興して、今でも社長をやっています。

 高校は普通の私立でしたけど、進学を希望すると生徒のための特別クラスを作ってて、私はそこに入って、そこのクラスの子はみんな国立を目指していたから、勉強に一生懸命な子ばっかりでしたね。だからと言って勉強だけでなく、遊びらも一生懸命な子が多かったかな。

 で、大学に五年間行って。でも、実質的には一年間は全然行ってないんですよ。原因ですか? 対人関係です。
ホント特殊な学校だったんで「授業に真面目に出ない」ってだけで目立っちゃうんですよ。男遊びをしたわけでもないし、夜遊びしたわけでもないのに。私は、計算して考えて単位だけ取ってればいい、って考えだったんで。周りの子たちには、それが理解できなかったみたいで、それが原因で対人関係にまで発展しちゃったんです。

本当に堅い、カチカチの所だったんですよね。だから、こんな私でも「お水」とかあだ名をつけられて。元々顔が大づくりだから、ファデーションしか塗っていないのに「濃いね―」とか言われてて。おまけに格好も派手だからって。でも、全然普通でしょう? でも他の子は本当に地味で。勉強する時間が惜しくて、未だに洋服を親に買いに行ってもらっているような人ばっかりだった。

 大学に行かないでフラフラしていた一年間は、親に嘘ついて学校に行かないで友達と遊んでたりとかしてましたね。「今日は授業がないから」って親に言って家にいたりしてて。そういう毎日の繰り返しで。

 で、やっぱり、嘘ってばれてますよね。親にバレた時点で「まぁ、いまさら隠してもしょうがない」って思って親に全てを言ったんです。そうしたら「お前のことは信用できない」って。そのとき、親にも泣かれちゃいまして。「ああ、悪いことをしたな」と。悪いことしたな、とういうよりも「なんてことをしたんだろう」と‥‥。『こんな私を信用してくれた人がいたのに』と思って。

私も大学に入ったときは「自分が頭がいいんじゃないか』って思い上がりがあったんですね。名もない私立の学校から、国立にイッバツ現役で入って、「いやぁ、自分は頭がいいんだ」と。錯覚した時点で人間って成長が止まっちゃうんですよね。

「騙すよりも、騙された方がいい」ってよく言うじゃないですか。まさにその通りだと思うんですよね。騙された方は色々な経験ができるじゃないですか。人生勉強もできるし、逆の立場も分るわけですか、勉強も同じで、じゃないですけど、「素直に相手を信じる」という意味では同じかと。最近、私もやっとそれが分かってきて、そうなりたいと思っています。

◆初体験、セックス観、恋愛論

初体験が早すぎたのかな、って思うんですよね。十五歳のときです。中学校の卒業記念にってヤリました(笑)。相手は同級生です。ええ、当時は付き合っていた人です。外見ですか? タレントになれるんじゃないかと思うくらい、カッコい人でしたね。

 やっぱり、顔に惹かれました。すごく優しかったけど、優柔不断な人だったな。でも、勉強が忙しくて、その人とは自然消滅みたいになっちゃいましたね。学校で夕方の六時過ぎまで勉強していましたから。会う時なんかないですよ―。女子校のせいかもしれませんし、周囲もそんな雰囲気じゃなかったですからね。

 感想? 情報が多かったぶん、期待は大きかったのか「こんなもの?」って感じでしたね。まぁ、相手も初めてだったみたいだから、テクニック的な問題もあるんでしょうけど。私って、初体験のときもそうでしたけど、付き合った男の人はおなじ歳がおおいんですよ。年上とは会話が合わないし、上から見下ろされるのが嫌ですよね。

 なんか、お兄ちゃんに的な人は憧れますけど、父親までいっちゃうと嫌ですよね。見下されるのは嫌ですね。知り合いになったとしても、知り合い程度で。いっても二、三コ上までですよね。

 初体験を経験してから、十八歳まで回数は増えませんでしたね―。勉強するのが忙しかったし、セックスがそんなに楽しいものとは思っていませんでしたから、それからも、そんなに。する人はちゃんと付き合う人ひとでしたし。

 二十歳過ぎくらいからかな。ナンパされて一回限りとかの人が多くなりましたね。そういうときでも、男の人とのセックスよりも遊ぶことの方が楽しかったですからね。彼氏じゃなくても平気でできちゃいますよね。なんの罪悪感もないし。学校に行ってなかった時期もそういうこともありましたけど、『そういう問題」って。「どうでもいいや―」とか。そんな感じですよね。

 今の私にとってセックスは面倒くさいです。なんか、男が勝手に舞い上がってるだけに思えちゃうんです。「一人でやれば―」みたいな。男の人が一生懸命やっていればやっているほど冷めてくし。っていうか、押し付けてくるときがあるじゃないですか。「これがいいだろう―」みたいな、「気持ちいいだろう―」みたいな。こっちは「気持ち良くね―よ―!」って感じですよー。こちは全然つまんないですよね。まぁ、イッてないからでしょうけど。

 こちが気持ち良くなってきたぞうぉ―」ってなってきた頃に「あ、終わっちゃった?」みたいな。(膣の)中が感じることは感じるんですけどね。

 違うところに意識が行ってて、セックスを客観的に見てる、って言うんですか? 楽しくないから集中していないんでしょうね。時間ばっかり気にしちゃったりとか。セックスがつまらないのは、本当に気持ちいいのを知らないからなんでしようかね。

 それに、感じるのが怖いんじゃないでしょうか、本性を出したくないんですよ。自分が自分の本性を知らないから、そなんじゃないでしょうかね。自分の本性を知りたくないからだと思います。知っちゃいけない、とか、そういうの。防衛本能、とかかも。

 人って、自分を全部出しちゃうと避けてくことってあるじゃないですか。自分のありのままを出すと「この人はこう考えみたいよ」って結局そうなっちゃって。避けられるのが怖い。だから、当たらず、さわらず、じゃないですけど、無難に、こう。うん。

 教師やってても思うんですけど、生徒だってみんな自分をさらけ出すのが苦手ですから。多分。イケない女の子のほうが多いんじゃないでしょうすか。まぁ、分んないですけど、そう思うことによって自分を安心させてるのかもしれませんけどね。う―ん。

 多分、小さいころから一生懸命やっていると否定されるし、かと言ってやっていないと怒られるし。その中間でどうしよう、どうしよう、どのくらいが平均なの‥‥、平均ってすごく気になりますょね。「普通」とかって。そんなの解んないですよね―。どれが普通なのか。幼児体験じゃないですけど、そういうのが大きいじゃないですかね。

 セックスとかの業界から供給されるものって、ま、AVとか映画とかってあるじゃないですか。じゃ、その中で出てる女の子の取っている態度とか、やっていることが普通なのか? って思うんですよね。

 あんなにみんな声を出すのかな? とか。それも真実かどうか、も、分らないじゃないですか。セックスに対しての真実も普通ということも外に出てないから、わからないから迷っちゃうと思うんですよね。男の子もそうだと思うですよ―。ただ、射精という目に見えるもので「イッた」というのがあるだけで。女の子はそういうものがない分、余計不安じゃないですか、見えない分。

 愛なんか関係ない、とか言っちゃうとあれなんですけど、私なんかは愛していな人とでもできるんですよ。できるけど、そこそこ気持ちいいけど、イケないですよね。逆に「イク」ってな―に? ってなっちゃいますよね。女の人って聞かれるじゃないですか。終わった後とか男の人に「気持ち良かった?」とか。

 そんなの事細かに接明できないじゃないですか。だから、「う―ん、疲れた」とかではぐらかしてみたり。素直に「良かった」とか言えないですよね―。

 どうなんでしょう? イケる女の人がいいとか、そういうのないと思うんですね。別にイケなくても、全然生活するのに困らないし。セックスには答えがないじゃないですか。自分の中での判断だけだし。できればその「イク」のを何かで表して欲しいです。

 数学よりもわかんね―よ、って感じだし。結局、どこに歩いていっていいか、分らないんですよね。まだ勉強の方がある程度、経験あるから筋道が分かるんじゃないですか。でも、セックスについては経験がある方なのかなぁ―、どうなのか分からないけど、比べるものではないし、個人を出すもの、じゃないですか。

 研究だと「あの人はこれだけやったからこうなんだ』って比べられるんですけどね。セックスに関してはそういうのがないですよね。

 私の考えなんですけど、その人の性格とか、考え方が変わらない限り、真実は分からないんじゃないですかね―。イッてるんだけど、自分では気づいていない人もいるだろうし。私もそうかもしれないし。イッてる、っていう感覚を教えてもらえれば分るんでしょうけど。

「イク」ことに関しての「教科書」は全くないですよね。雑誌に書いてあることが全ての見本とはとても思えないですし。頭が真っ白になるとか、気を失ったこともないし。そういうことを聞いても「ええ、そうなの―?」って。なんでも答えて欲しいじゃないですか。正しい見本ってほしいですよね。
 スイマセンね―、全然答えになっていなってないですよね―。

 セックスについてのエピソード…気持ち良いのはいいんですけど、なかなか濡れずらかったっていうのがありますよね。濡れなくて入んない、っていうほどではないですけど。四、五人目に付き合った人に、「オマエ濡れ過ぎだよー」って言われてたのはありましたけど、そのときは嬉しかったですね―。

 身体の相性が良かったんでしょうね。その人だけですね、そんなに濡れたのって。でも、そんなに長く付き合っていませんでしたけど。
 興味あるのは…・道具とか使ったセックスをしてみたいですよね―。どんな感じなのか興味がありますよ。どれだけ気持ちいいのかな―って。オナニーだって、したことないし。

普通のセックス

 ――じや、「普通のセックス」ってどういうことだと思う?
 はぁ‥‥。映画とか、ドラマとかに出てくるセックスとかだと思いますよ。ホテルとかに行ったときにAVとか見ながら真似したこともありますし。器械体操していたせいで身体柔らかかったから、ヨガみたいな体位でしたこともありますし。

 私が上になって、アソコが丸見えな体位。イケるように努力もしたこともありますね。自分で「気持ちいいんだ、いいんだ」って思い込ませて、マインドコントロール(笑)。そういうふうに思わせないと、ヤリたくないときもあるじゃないですか。胸ばっかり触ってる人もいたし。

ペニスを入れてられるよりも、指で入れられるほうが良かった時期もありましたね。クンニンするよりも、指を入れられるほうがが良かったり

 セックスをするときに、別な人格が出るかも? う――ん、結構、まぁ、私、強くみられるんですよ。なんでもしっかりしてるようにね。そんなんじゃない、と思ってるんですよ。自分では。だって、仕事の時とかしっかりしなくちゃいけないときってあるじゃないですか。話を求められたらしっかりしたことを答えなきゃ、と思うじゃないですか。そうじゃない自分ってあるんですよね。

甘えたい自分とか。普通にしていると、そういう面ってあんまり出せないかな。でも、好きな人とか信頼できる人とかの前では、そういう面、出ますよね。それが分かってくれる人は大好きです。「うえーん」とかそういう感じで。
 でも、現実はね…・自分を見てくれない人ばっかりですよ。みんな学歴だけしか見てくれない。

◆恋愛観、学生時代の同棲経験

友達に言われました。「ちゃんとした彼氏を作れ」って、その人は私のそういうところを知っているから、「甘えられる」彼氏を作れて言っているのですよ。でも、なかなか、ですよね―。今ですか? 彼氏いないんですよ―。

 「この人いい!」って言う人がいなというか。私、結構面食いですからね。はっきりした顔立ちが好きで、身長も175cm以下の人とは付き合ったことがない。やっぱり、付き合うんだったらそれまでのレベル下げたくないじゃないですか。別に「今すぐどうしても彼氏が欲しい!」って焦ってるわけじゃないし。

 でも、学生の頃は、楽しければ何でも良かったんですけど、だんだん、世間をしっかり見ている人が良くなりましたね。世の中を舐めている人は嫌いです。性格は細かくても、大雑把でもイヤです。

 というか、そう言っても余りそこは気にしていませんね。一番惹かれるのは、やっぱり顔ですから。どうしても容姿から見てしまいますね。どちらかといえば、筋肉質だけど着やせする人じゃないとダメですし。あと、最近は価値観が近くないとうざったくなります。趣味とかは、どうでも良いんですけど。それに、束縛されたことがないので、お互い好きに勝手にやれるような人がいいですね。

 いままで付き合ったきた人の中で? 大学二年のときに同棲してた彼氏に甘えてましたね。アッ、言っていませんでしたっけ? 半年くらい同棲してたんです。同棲っていっても、私の家がうるさいですから半同棲みたいな感じですけど‥‥。

 ええ、週の半分くらいは「友達の家に泊まる」とか嘘ついて。相手は同じ大学の人です。すごい好きだったんです、彼のことが。一緒にいるだけで、なにもしないでも幸せな気分になれる人でしたね。一番惹かれた所? ハッキリ言って顔ですね。その人、格好良かったんですよ。私の好みでしたね。よく言えば明るくて、かっこいい。素直に言うと、いい加減なお調子者な人でした。

 それにノリで付き合い始めた感じがしますし。友達に紹介されて、いきなり「俺と結婚しない?」って言われて。最初は冗談半分に相手にしていたんですけど、その人のいろいろな部分、軽いノリの裏側っていうんですか? そういうのが解って、だんだん惹かれていって。

 そうそう、この話はいくら仲がいい友達でも信じてくれないんですけど、その人とは半年ぐらい同棲してても、セックスを一回もしたことがなかったんですよね。なんでしないかったか? その人に嫌われたくなかったんですよ。セックスって、自分をさらけ出す行為じゃないですか。自分をさらけ出して嫌われるのが怖かったんです。セックスしなくても、一緒にいられるだけで幸せでしたから。

 でも、その人に言われたのが「オメエは結婚する女だよな」って。そのときから、その人は私を恋人じゃなくて家族として見てたんですよ。実際、結婚話もでましたから。

 その人は結局、私と別れて他の人と結婚したんですけど、今でも私は尾を引いてますよね。マトモな恋愛、と言っては失礼なんだけど、男の人と本気で恋愛できないでいますよね。長続きしないですよ。

 大学に行かなくなったのは、対人関係もありましたけど、その人と別れたショックも大きかったんでしょうね。ダブルで来た、というか。

 親になんか「同棲してた」って言えませんから、私の中の「タブー」だったんですよ。触れちゃいけない部分というな。やっとこの頃、やっとですね―。このことを素直に人に言えるようになってきて。思い出すこともなくなってきたし、しょちゅう夢とかに出て来てたりとしてたから、自分でも「おお―、引きずってるな―」って分かったんですけどね。

 彼との別れた原因は浮気だったんです。確かに、セックスもないし、そりや、不満だろうな、と思いますからね。私はセックスをしたくなかったわけじゃないんですよ。ただ、その人に嫌われたくなかったし、恥ずかしかっただけなんですよ。本当に好きだったから、そう思ってたんですけど。

 まぁ、別れ話のときなんですけど「気持ちがお互いに通じればいいじゃないか」って言われたんです。そう言われると「まま、付き合っ行けるんだ」って思うじゃないですか。でも、なんか、よく分かんないことを言われてはぐらかされて。その後も二人で話し合ったんですけど、「なんで?」って聞いたときに「オマエ細か過ぎるんだよ」って言われたんですね。
今でも私はかなり大雑把な性格なんで、初めて人にそういわれたんですよね。だから、未だに別れたちゃんとした理由はわからないんですよ。

 んで、まぁ、「別れた」っていうことでそのときに区切りがついたんですけど。それでも自分の中でグチグチしている部分があって。友達に相談しても「アイツ良くないヤツだから、別れて正解だせよ」しか言わないんですよね。ちゃんとした理由が誰にも解らないままで。

 で、私と別れて一年、半年ぐらいしてからですかね。その人が「できちゃった結婚する」って聞いて、ビックリしましたね。「ああ、そういう男だったのか」って、そのとき思ったんです。

 地元が一緒なんで、今でも会えば話すし、仲のいい友達なんですけど、私が二十歳の時ですからその人と付き合ったことを知っている友達もいないですから、周りからすれば、昔の話なんですけどね。ん―、でも、なんか、会うのが嫌で。嫌な半面、会いたいような気持もあったりして。

 引きずってますよねー。だって、一緒に生活した他人というのは、その人が初めてでしたし、本気で恋愛したのもその人でしたから。ハッリを別れた理由が、自分で解ってればいいんですけど、解らないから余計に気になっちゃって。

おまけに子供の名前が‥‥。私と付き合っていた当時、私が「この名前カッコイイよね―」って言った名前だし。その名前って、私が中、高校のときに、読んでた漫画の主人公の名前だったんですよ。それ以来、ずっと私は気に入ってて皆に「子供が生まれたらこの名前を付けるんだー」って、友達に先に使われたくないから言いふらしてて。

 もちろん、彼にもそのことは話してたんですよ。で、彼の子供がその名前‥‥。字まで一緒。怖くて聞けないですよね。聞きたい面もあるけど、聞きたくない面もあるじゃないですか。もう、私、ストーカーになっちゃいそうな気がして嫌で嫌で―。

 だから自分も結婚しちゃって‥‥と思うんですけどね。ただ、結婚するまでに絶対にその人のことがちらつくと思うんですよ。とりあえず、だから、「オマエ嫌いなんだ。オマエの顔なんか見たくもない!」とか言われた方がよっぽどラクなんですよね―。その人か写ってる写真なんかも、まだ持っています。バカですよね―。捨てられない。女々しいというか。まんまなんですけど。

 セックスしなかったから、余計に未練があるのかもしれませんね。未だにその人を超えられる人がいませんよね。私ってもしかしたら、ちゃんとした恋愛をして、すごい好きで「ああ、ひとつになれたんだ」とか「ああ、愛してくれてるんだ」という悦びを知らないまま、きちゃったのかなって思いますよ。初体験が早すぎたのかな、って。中学の卒業記念ですからね(笑)。

◆現在の自分、男性観

結婚願望と、ないわけじゃないですよ。でも、今すぐに、とは考えてないんです。やっぱり、男って付き合うと、私に投資してくれるわけじゃないですか。「付き合ってる」わけですからね。

 今の私は自分への投資で精一杯ですよ。いろいろまだまだ勉強したいこと、研究したいことが一杯ですから。それを理解してくれる男の人ってなかなかいないと思いますよ。

最初は良くてもちょっとずつ、どうしても考え方がズレてくるだろうし。だから、どうしても男の人と付き合うと、ある一定の距離を置いてしまいますよね。本音で話していても、どうせ平行線のまんまですから。お互い踏み入らないというか。だから男の人とは、「付き合う」というよりは「友人」と思って話をしたほうが気楽でいいんですよ。

 エロ話は好きですよ。だって、隠すものじゃないじゃないですか。職業柄そう思いますよ。恥ずかしいから、とか、そんなの関係ない。人間とて当然だし日本は隠す風潮があるけど、私はそういうものを隠すのが好きじゃないんです。

 学問は教える場所があるし、疑問を解決する道があることを教えてくれるじゃないですか。他の疑問なんかなかなか解消しできないですし、セックスのことは何よりも、教えてくれることが少ないですよね。今日の話じゃないですけど、正しいセックスの仕方なんか誰も教えてくれないじゃないですか、教えて欲しいですよー(笑)。

 たまたま日本人はセックスのことを、すごいタブーな世界って思っているけど。隠し事じゃなくてみんなに教えてあげてもいいじゃない、言ってもいいよ、って領域だと思います。ハッキリ言って同じレベルだと思う。学問もセックスも。どっちが偉いとかそんなのないんです。

 たまたま学問の方は発表する場があって、認めてくれる人がいるだけで。そんな考えを持っている私は、物好きなのかもしれませんけどね。

あなたにとって「男」とは

 ――職業柄か、とても冷静で客観的に自分を見ることのできる方ですね。では、あなたにとって「男」とは?

「女ではない存在」ですよね。いくら現代は「女が強くなった」と言われてても、女だけじゃ生きていけないじゃないですか。仕事の面でも、生活の面でも、なんでも差別はまだありますし。だからといっても男だけでも生きていけない社会じゃないですか、男という存在は「柱」だと思うんですよね。

 そして、それを作用させるのが女だと思うんです。それだけですよね。男性には余り憧れはないですよ。「愛(いと)しい」とか、優しい言葉は出てこない。そういう考えって、今まで私がいい男と付き合ってこなかったからだと思います。

 裏切られたり、利用されたりもしたし。いつ裏切られた? 毎年裏切られる気もしますね―(笑)。例えば、彼氏が他に女の人をつくったりとか。それに、待ち合わせにスッポかされたりとか。嫌な面を見せられ続けてきましたからね。脅されこともありますし。

 いろんなことがあったから、男性に対して客観的にしか見れませんね。たとえ、やってることとか、言ってることがいくら素晴らしい人でも「ああ、そういう人なんだ』ってくらいで。
 多分、私って男の人に対して理想がものすごく高かったと思うんですよね。身近にいた男性というのは父親だっから、父親を見て付き合う男の人はやっぱり守ってくれるとか、芯を持ってるとか‥‥。男の人に対していろんなものを求めすぎたんでしょうね。それで、一つ一つ打ち砕かれていって(笑)。

 イケる人? いいですね。イケる人が羨(うらや)ましい。自分が知らない感覚を知っているんだから。というよりは、男の人に自分の全てを預けられる勇気を持ってるということが羨ましい、かな。

 そうそう、セックスレスで鬱になった人もいるんですよ。ご主人とセックスしかコミュニケーションを取れる機会が他になかったから、って人もいるし、セックスがしたくなくて鬱になった人もいるしねー。

 多分、発症する人とそれを受け取る人とのバランスなんだと思うんですけどね。自分はどうかって? 一つの対処法だとしか思っていないから、セックスって「息抜き」なんですよ。女性として必要なものだし、なかったら人生がつまらなくなると思うし。
つづく 満足できないと嫌な感じが残る
性の不一致そしてセックスレスで鬱
 井上真理子 36歳/看護婦