何が問題の原因であるとあなたは考えているのかも尋ねるでしょう。このように、あなたと言葉のやりとりをする中で、そのカウンセラーのスタイルや能力などがある程度しめされますから、信頼できるカウンセラーかどうかの感触が得られるでしょう。トップ写真

適合性を高めるには?

本表紙

ピンクバラ夫婦間の問題は、適合性を欠いていることが原因となっていることがよくあります。

リンダとジャックの場合
 結婚歴四年。
 二人の間がうまくかみ合わなくなってきました。夫は、男友達とよく出かけてしまうし、性生活も少なくなってきました。
 二人の問題は二人で取り組まなければなりません。彼の協力を得るにはどうしたらよいのでしょうか。

 夫婦間の問題は、適合性を欠いていることが原因となっていることがよくあります。
 ライフスタイル、趣味、人生観のちがいなどが夫婦関係の調和の妨げとなっています。
 お互いに似通っていると考えたから結婚するわけですが、いざ結婚してみたら、基本的なところで、ずいぶん違うものがあることに気がつくことがあるのです。

 リンダという女性は、そのような経験を次のように話しています。
「ジャックとの結婚生活はもう四年になるんですが、どうも問題があるように思うんです。
 というのは、今までのようにうまく噛合わないことが多くなってきたんですね。たとえば、彼は、自分の男友達とよく出かけますし、それに、性生活の回数も少なくなったんですね。とにかく、前のように、あんまり話し合わなくなってしまったんです。

今日も、彼に一緒に来てもらいたかったんですけど、問題を感じているのはお前なんだから、お前だけ行ったらいいんじゃないかと言うんですね。問題は私にあるのか、夫にあるのか、それとも(友達)二人の問題なのか、私には分かりません」

適合性にまつわる問題は、ほとんどの場合、双方にかかわるものです。自分と、相手と、そしてカップルとしての二人の関係の問題です。
リンダとジャックの場合には、ジャックに問題認識が欠けているという状況を考えると、彼の方に問題が多くあると予想してよいでしょう。

カウンセリングを拒まれたら
 マリッジ・カウンセリングは、専門職による有効な援助サービスです。
 かといって、夫婦間の問題を抱えるカップルのすべてが、マリッジ・カウンセリングを必要としているわけではありません。
 専門家の援助を必要としているかどうかは、状況を正しく理解したうえで決めるべきです。
 たとえば、第一章で紹介した性格的特性のチェックリスト
などを用い、双方の適性や、問題に対する対応能力などを判断するのも一つの方法です。

 そこに示されている特性の部分が劣っているのかとか、それが、どのように自分たちに影響を与え、問題と関わっているのかを考えてみます。

 また、自分は、問題を真剣に解決するために努力をしているかどうかを振り返ります。
そのうえで、問題の解決は自分たちだけでは解決できないと考えた段階で、マリッジ・カウンセラーの援助を求める決断をすべきです。

 具体的には、次に示すような作業をすることが必要です。
 まず、なにが解決したい問題であるかを明らかにすることです。問題が明らかになったら、その問題を解決するためにどんな努力をしてきたのか、を考えます。

 また、その問題は自分たちの関係にどんな障害をもらしているのか? 
自分の心にどんなマイナスの影響を与えているのか? 自分たちで問題を解決するために、本を読んだり、誰かに相談したりしたかどうか? 
その結果は? など考えたうえで、状況が改善されていないと判断する場合に、マリッジ・カウンセラーを訪ねた方がよいかと思います。
 
 どのようにマリッジ・カウンセラーのところに行ったらよいのでしょうか? いくつかのアドバイスを提供しましょう。
 まず、友人や他の専門家に、二、三のマリッジ・カウンセラーの名前を教えてもらい、そのうちの一人に電話で連絡をとり、簡単に問題を説明します。

 そして、その問題を解決するための援助を提供してもらえるかどうかを尋ね、また、どのように援助してもらえるのか、その内容を簡単に説明してもらいます。
 もちろん、電話で、解決の助言を求めても、それは無理な相談です。

 一人のマリッジ・カウンセラーと話したら、よく考えて、また電話をするむねを丁重に伝え、次に、別のマリッジ・カウンセリラーに同じように電話して、そのカウンセラーが、どのような方法で問題の解決を試みるのかを聞き出します。必要なら、三人目のカウンセラーにも電話はします。

 そのうえで、あなたが、いちばん自分に合うと思える方法でやってくれるカウンセラーに再度電話をかけアポイントメントをとります。

 それから、マリッジ・カウンセラーとアポイントメントを決めたこと、そして、なぜそうしたかを夫に告げます。
 一緒に同行して欲しければ、その旨を告げます。夫が動向を拒んだ場合は、カウンセリングを続けるべきかどうかを考えることにします。

 その場合に、なかには、無理にカウンセリングを継続するように勧めるカウンセラーもいるので、その点、注意する必要があります。
 要は、自分で決めることです。自分が最善のセラピストであることを常に忘れないことです。

 有能なカウンセラーは、あなたを温かく迎い入れてくれます。そして、あなたが悩んでいる問題を具体的に説明するように求めます。

 また、何が問題の原因であるとあなたは考えているのかも尋ねるでしょう。このように、あなたと言葉のやりとりをする中で、そのカウンセラーのスタイルや能力などがある程度しめされますから、信頼できるカウンセラーかどうかの感触が得られるでしょう。
 さらに、そのカウンセラーが、あなたに好意をもって接してくれるかどうか、援助できる力があるかどうかが、だいたい分かります。

 そして、カウンセリングの継続を決心する場合には、問題の分析と、解決に向かってのある程度の進歩が五、六回のカウンセリングで得られることを期待すべきです。

 数回のカウンセリングを受けても、全然進歩が見られない場合には、そのカウンセラーの適性を考え直してみるべきです。

カウンセラーから夫への手紙

 さて、二度目のセッションにきたリンダは、カウンセリングを続けたい意志がある、夫を加えたマリッジ・カウンセリングを望んでいると切り出しました。
 そこで、私はリンダの夫に手紙を書くことを提案し、同意を求めたのです。

 その手紙では、とくに、夫婦の片方だけが結婚問題でカウンセリングを受けた場合に、かえって問題を悪化することが多いという最近のリーサーチのデータを紹介して、夫婦が揃ってカウンセリングに来ることの重要性を訴えるつもりで告げたのです。
 リンダは私の提案に賛同を示しました。どんな手紙を書いたか、次に紹介します。

拝啓
 書面にて失礼します。貴殿のご夫人が、ご自分の問題の相談のために私共のところをお訪ねくださったことはご存知のとおりです。
 問題がお二人の事でありますので、二、三、ご承知いただく方がよろしいかと思いペンを執ることにいたします。

 まず、私のカウンセリングのアプローチについてご説明申し上げたいと思います。私は、基本的には〈教育的〉アプローチを重視しております。
 つまり、私のクライエント〈生徒〉と考え、また、〈生徒〉自身が最善なセラピストだと考えています。

 ですから、特定な問題に焦点を合わせ、その問題を解決する生徒の能力を育てることに力を注ぎます。
 そして、夫婦の一方の側に付き、他方を批判する立場もとりません。

 次に、夫婦の片方だけ結婚カウンセリングを受けた場合に、かえって問題が悪化することもありうるというデータがあります。そして、問題が悪化する状況が、三、四回あたりから発生するということも明らかにされています。

 そこでもあなたがご不在の場で、ご夫人のカウンセリングを続けることは、良心的に申し上げて、私にはできないと考えている次第です。

 そこで、お願いがありますが、この手紙の趣旨をお汲み取り下さり、次回のセッションに是非お越しいただき、カウンセリングにご参加いただければ幸いにご存じます。

 しかし、ご参加いただけない場合には、恐縮ですが、この手紙の末尾の欄にご署名くださり、ご返送くださいますようにお願いたします。
 この件につきましてのあなた様のご意向をうかがい知ることが重要であると考え、ぶしつけですが手紙を差し上げる次第です。
敬具 ダン・カイリー

 夫の賛同を得られないために、マリッジ・カウンセラーのもとに一人で行っているなら、あなたのカウンセラーに、このような趣旨の手紙を夫に書いてもらえるかどうか尋ねてみてはいかがでしょう。

 もちろん、まったく同じである必要はありません。要するに、カウンセリングについてのそのカウンセラーの考え方や、夫婦の片方だけがカウンセリングを受けることの結果、問題が悪化する可能性があること、ゆえに、夫の参加が望ましいという三つの点を記述してもらえばよいのです。

 そして、先の手紙のように、夫が署名して、カウンセラーに返信してもらえるようにすることが望ましいと思います。

 ある研究によると、このような手紙を受け取った配偶者の六十%が、次回のカウンセリングから参加するようになったということです。
 リンダの夫も、この手紙を受け取って、次のセッションからカウンセリングに参加するようになったのです。

 ところで、夫がカウンセリングに、それでも応じない場合にはどうしたらよいのでしょうか。
 その時点で、マリッジ・カウンセリングは中断されますが、個人カウンセリングはつづけることができます。

 自分自身の問題に限定したセラビイを進めればよいわけです。その結果、夫に対する反感が生じる可能性があることを承知しておくべきです。
 たとえば、「私だけが、こんなに一生懸命に努力しているのに‥‥」といった、反感を抱くようになるかもしれないのです。
 そうなった場合には、先に紹介した〈怒りのコントロール〉(第四章)のプログラム自分を変えるプログラム)を応用することが望ましいと思います。

マリッジ・エンカウンターのすすめ

 ジャックがカウンセリングに参加し始めて間もなく、リンダは、話に聞いていた〈マリッジ・エンカウンター〉の集まりに二人で出席することはどうだろうかと尋ねたのです。

 そこで、私は、週末に開かれる〈エンカウンター〉の集まりとは、どういうものかを話してあげることにしました。
「これは、研修のためのハウスとか、モテルなどが行われ、だいたい二泊三泊のプログラムです。

 たとえば、各自、独りで静かに自分の生き方や、夫婦関係の現状を振り返り、問題点をメモして、後に双方がそのことで相手と話し合います。健全な結婚生活の条件や、問題解決のノウハウに関する講義。グループでの話し合い。以上がその主なものです」

 さらに、次のようなマリッジ・エンカウンターの効果を調査した最近のリサーチのデータも紹介しました。
・ 回答者のうち、女性よりも男性の方が、効果があったと答えている。(女性75%、男性84%)

・ 出席した後の方が、出席する前より状況が改善されたと答えた者は、女性より男性の方が多い。
(女性42%、男性60%)
(宿題として課題が与えられたことが効果をもたらす要因の一つと考えられています。とくに、男性に、話し合いの具体的なノウ・ハウを提供されるのが歓迎されているようです)

・男女ともに、コミュニケーションや、独りで考える時間が増えたこと、そして、全体的に相手に対してボジティブな感情を抱くようになったと答えている。

・ネガティブ影響があると答えたのは約10%。(これは、それまで隠されていた問題が表面に出てきたこと、しかも、それに対する解決のために行動が十分にとらえていないことが原因であると考えられます)

・多くのこの種のセミナーは、フォロー・アップのプログラムを欠いている。

・私自身の臨床試験(参加した人たちを対象にしたセラピイの結果)から判断して、私は、出席することがよいとも、よくないとも言えない。私の同僚も同じような感想を持っている。

 このようなデータを示しながら、私は二人に言いました。
 「マリッジ・エンカウンターに出席する前に、そこで表面化されて、しかも、その場で解決に至らない問題は、必ず解決するために二人で努力するという約束を交わしておくということが大切です、

 それは、マリッジ・エンカウンターに来るということも含めてですよ。それに、楽しみのために参加したいと言うのでしたら、どこかに二人でピクニックか山登りでもした方がましだと思いますよ」

《むずかしい》カウンセリングには来ない

 マリッジ・カウンセリング来ても自分が批判されるのではないことを知ったジャックは、問題を改善するための熱意を示し、リンダの適合性を高める必要性に目覚めたのです。
 スタートとして、次に示す二つのゲームをやってみることをすすめることにしました。

 塵も積もれば山となる

 まず、各自、相手からしてもらって喜ぶことを決めます。
 たとえば、自分の背中をマッサージしてもらうとか、そして、それを報酬として、やってもらうことを、予め決めておきます。 

 そうしてかいて、日曜日の夜に次のことを約束するのです。月曜日の朝から金曜日の食事前までの間に、お互い相手に対して何か一つ親切なことをする。
 たとえ小さなことでも、それが相手に非常に喜ばれることをします。
 あまり大げさなことでなく、むしろ小さなことの方がよろしいでしょう。
 たとえば、ゴルフのクラブを磨く、車の灰皿を掃除する。机の引き出しを片付ける、ヘア・ブラシを洗ってきれいにする、靴を磨くとか、経費のいらない行為である方が望ましいのです。

 このゲームは、どちらが相手の親切な行為が気づくかを調べるのが目的です。そのために、それぞれ、相手のためにしてあげた行為を紙に書いて、金曜日の夕食を迎えます。
 そして、当てごっこをします。最初の週は二回、次の週から一回当てます。

 当てた方が、先に決めておいた報酬を受け取ります。両方当てられたら、二人共、それぞれ報酬を受け取るわけです。両方とも当てられなければ、もちろん、報酬はどちらもうけとれません。
 このケームは、相手に対する親切な行為をカモフラージュして、相手を簡単にわかってしまわないようにするのがミソです。
 そのためには、相手が喜ぶことを考え、そして、その行為をあら様にやらないことが必要になるわけです。
 
 このケームによって、友情を培うのに大切な小さな親切、思いやりの行為に対する感受性が高まります。
 二人の関係が上手くいかなくなったのは、一つには、おそらく、かつては喜んで相手に対してやっていた小さな思いやりの行為をやらなくなってしまったからだと思います。

 その喜びをもう一度このゲームによって思い出し、ふたたび体験できるようになるのではないでしょうか。
相手が喜ぶことは何かを考えること自体、沈滞してしまった愛情を甦らせることにもなると思います。

 一番大きな難点は、どちらかが、ゲームの途中で、忘れてしまう可能性があることです。もし、そうなった場合に片方が(忘れない方)受ける心の傷は大きいでしょう。

そのような不幸な状況を未然に防ぐには、とくに相手が忘れっぽい場合に、週の半ば頃に、忘れているかどうかを確かめてみればよいのです。
 たとえば、「塵も積もれば山になる」と書いた紙を、どこかよく見える所に貼り出しておくとか。できるだけ、言葉は用いない方がよろしいでしょう。

 もちろん、このゲームはいつまでも続けて構わないのですが、マンネリ化するのを防ぐために、創造的にやり方を変えてみるのはよろしいでしょう。
 たとえば、一週にする小さな親切を二にして、報酬を倍にするとか。
 
 このようなゲームをすることの結果、二人の間の愛情を復活させるための他の手段を話し合うようになるといった二次的な成果も得られます。

立場の交換

 このゲームは双方が、相手の中にある自分と違う面を共感できるようになるためのロール・プレイングをするといった内容のものです。
 どういうようにするのか説明しましょう。
 ひと口に言えば、相手の特定な行動のパターンの反対の行動をするのです。まず、相反する行動パターンを決めます。
 たとえば、「よくしゃべる――黙ってしまう」などがよい例でしょう。
 次に、最近、一方がしゃべり、他方が黙ってしまったという状況があったら、それを再現します。すべてを再現する必要はありません。
 ゲームですから、その一部分でよいのです。その場合に、実際の場合に黙ってしまった人がよく喋る役割を演じます。そして、よく喋った人が黙って聞きます。

 時おり、上の空で「ウン、ウン」などと軽く頷きながら。要するにあまり気乗りしない態度で聞いている振りをするわけです。このゲームをやる場合に、相手が、こちらの役割を演じ始めたら、同時に、自分の方も相手の役割を演じ始めるのが大切です。このように同時にやることに重要な意味があるのです。

 このような〈立場の交換〉ゲームをいくつかやりますと、もっと複雑な状況に応用できるようになるものです。たとえば、次回、口論をした時に、中断し、数分後に、同じ状況を、立場を交換してゲーム化してやってみます。
 たとえば、言い争うときに、よく自己弁解する人は、自分を批判する役を演じます。頑固である人は、妥協する役を演じます。

 先に述べましたが、この場合に双方が同時にやることが大切です。片方だけの独演に終わってしまいますと、やった人が傷つくことになるでしょう。また、自分の演技を競争心をもってやりますと、このゲームの効果はなくなります。
 つづく 親が割り込んでくるときに 

煌きを失った夫婦生活・性生活は倦怠感・性の不一致となる人が多い、新たな刺激・心地よさを付与し。避妊方法とし用いても優れた特許取得ソフトノーブルは夫婦生活での性の不一致を改善し、セックスレス及びセックスレス夫婦になるのを防いでくれます。