意図の価値をもっと大事に考えて欲しいと夫に期待しても、それは無理な相談であることに気がつくことです。そして、そのことで、腹を立てないように自分をコントロールする方が望ましいと思います。
「彼って、本当にひどい!」といきり立つ代わりに、「このことは別だけど、夫は素敵な人だわ」と自分に言い聞かせるんですね。

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親が割り込んでくるときに

本表紙

ピンクバラ夫の母親が未亡人で、なにかと息子を頼りにしており、二人の間に割り込んできます

サンディとサムの場合――
妻33歳、結婚歴2年。
夫の母親が未亡人で、なにかと息子を頼りにしており、二人の間に割り込んできます。
 さらに実家の母のお節介とおしゃべりも争いの種です。解決の方法はあるでしょうか。

「結婚してから二年になりますが、夫のサムとの結婚におやたちが干渉するので困っておりまいるんです」
 三十三歳になるサンデイはこう不満を述べるのです。
「サムの母親は未亡人なんです。とっても寂しいんですね。昼、夜区別なく、電話かけてきて、夫を呼びつけるんですよ。
 サムは腹を立てているんですけど、かといって、どうしていいか分からないんでしょうね。すぐ出かけていく必要がないんじゃないかって夫に言うんですが、そうすると夫は怒るんです。自分の立場を分かっていないって。

 私の両親は健在だから、未亡人のサムの母親が息子を頼りにする気持ちが理解できないんだって言うんです。彼だって、私の母親の問題も分っていないんですけどね。このことは、後ほど説明します」
「そのまま放っておくというわけにはいかないんですか?」
 と尋ねた私に、サンデイはこう答えます。

「できないんです。というのは、母親と私のどちらを選ぶのかと、母親に詰め寄られてしまうんですね。
 そして、そんな場合に、母親に負けてしまうんです。そんなことで、私たちの予定が駄目になってしまったことが何回もあるんです」
「それで、どうなさるんですか?」

「…・例えば、彼女が電話してきたときに、サムが帰宅したらすぐに電話をするように伝えますって言いますでしょ。  それも、私に口を利いた場合ですよ。
 私に話をしない事だってよくあるんですよ。
 ‥‥そうすると、とにかく、帰宅したら、電話でなく、すぐにこなければだめだと伝えてくれって言うんです。

 こんな具合に、母親と夫との間に立たされて、私たちの生活が干渉されるのがたまらないんです」
「どうしてですか?」
 私が、「どうしてか?」と尋ねたことにサンデイは怪訝な顔をして、聞き返しました。

「どうして?‥‥母親と夫の間に立たされるのをいやに思うべきではないという意味ですか?」
「二人の間に立つことで、サムが母親から受けるプレッシャーを少し和らげるんじゃないんですか。そうすれば、結果的にあなた自身が悩みから少し解放されるんじゃないでしょうか?」

「でも、それでは問題は解決されないんじゃないですか? だいいち、母親の要求にどう対応して良いのか分からないサムの悩みは消えませんでしょ」
「その通りだと思います。それに、おそらく、サムは、母親との関係の問題をこれからもずっと解決できないまま悩み続けるんじゃないかと思いますよ。

 それは、それで仕方ないと思います。世の中には親との関係で問題が解決できずに悩んでいる人はたくさんいているのですから。
 それに、解決できない問題というものを、私たちは皆、多少なりとも持っていると言ってもいいんじゃないでしょうか」

「つまり、先生がおっしゃることは、サムの問題を私が解決してあげるべきだということですか?」
「とんでもない。解決しなければならないのは、彼の問題でなく、あなたの問題ですよ。サムの親が、彼を頼りにしないで欲しい、あなた方の予定を狂わせるようなことはして欲しくない。
 これが、あなたが抱えている問題なんでしょう? だったら、あなたが中に入って、息子に対する母親の要求のプレッシャーを和らげることをしたらどうかと言っているんです」

「でも、それは、ずいぶん、自己中心的に聞こえますけど」
「その通りですね。でも、自分中心主義と自己中心を混同していませんか? 自分の倫理観にもとづいて、自分が正しいと信じ、求めることを自己中心的と言い。倫理的にどうあろうと、自分の欲しいモノを求めることを自分中心主義と言うんだと思いますが」

「では、どうしたら、(自己中心的)なやり方で、サムの母親と私との問題を解決できるんでしょうか?」
「そうですね。‥‥まず、母親から電話があったら、あなた自身が母親のところに行ってあげるんですよ。そして、その時のお母さんが何を必要としているかを聞いてあげるんですよ。

 そして、状況によっては、(老人のための110番)に電話して、ボランティアを派遣してもらうなどして、とにかく、その時のお母さんのニーズに応えられるような手配をしてあげるんです。

 そして、後で、お母さんから電話があったことをサムに告げると同時に、自分にできることを自分はやってあげたいので、どうしたらよいのかと、サムのアドバイスをもとめたらどうでしょうか?」

「そうすれば、お母さんはサムのところに電話をかけてこなくなるというわけでしょうか?」
「それはどうかなあ? でも、そのことを通して、あなたがお母さんをかまってくれることを知るようになるんじゃないでしょうか。

 そして、時には、直接、あなたに身の周りの手伝いを求めるようになると思いますね。それはそれとして、要は、これで夫と母親の間に立たされる問題を解決したいというあなたの願いが達成されるんじゃないでしょうか?」

 サンデイは、私の提案通りにやってみました。このやり方だと、自分がいちばん悩んでいる夫との生活を母親に干渉される状況の中で、自分の主体性を回復できると考えたからです。

 ところで、このやり方にもネガティブな側面があります。たとえば、母親のサムに対するニーズはそんなに変わることがないわけですし、それに、こんどはサンディに多く寄りかかってくるということも考えられます。

 しかし、あなたがこの問題に一生懸命に取り組んでいる姿を、夫が見ることによって、この問題の基本的なところを夫が見極め、対処しようとする気を起こすようになると思います。

煙幕をはるテクニック

 サムの母親との問題をうまく解決できたことで自信を得たサンデイは、こんどは自分の母親との問題に取り組むことにしました。
「私の母親が私たち夫婦に介入するのが、もう一つの私たちの争いの種なんです。

 私の母親と、彼の母親とよく似ているところがあるんですが、サムはそうは見ないんです。
 私の母の方が彼の母親よりも問題があることは確かですけど。
 彼の母親は、私の母がするように、私たちの事を他の親戚の者に喋ったりしませんから」

「それで、どのように対応しておられるんですか?」
「自分の気持ちをそのまま伝えたりすると、母はすぐに泣き出しちゃうんです。そうして、私の方は、何か悪いことをしたような気持になるんです。

 それから、私たちのことをいろいろ聞きたがる時に、答えずにいると腹を立てるんですよ。そうすると、また、私が悪く思っちゃうんです。
 というわけで、何をやってもだめというわけです」

 そこで、サンディが感ずる後悔の気持ちが解消できるような助言と同時に、他人のプライバシーへの干渉に対応する方法を教えてあげることにしました。
 それは〈煙幕をはる〉言い回しを使うという簡単なテクニックです。
 他人が探りを入れるような質問に答えず、別の方向に話を持って行く話法です。

 相手の関心と自分の間に煙幕をはって、よく見えないようにするようなものです。これは、自分たちのプライベートな情報を知らせたくない相手に対して用いるテクニックです。
 この話法を使えば、何も弁護的にならずに、相手に失礼にならないやり方で、質問の鉾先を避けられます。
 上手なやり方は、相手がツカウ言葉フレーズを、話題の転換に用いるのです。いくつかの例を紹介しましょう。

・「サムが、こんど昇進できなかったことを、友だちに何てあなたたちは言うつもりなの?」などといった母親の問いかけに対して、こう言います。
「友だちですか? とってもすてきなのよ!こんど、夏のバケーションに、一緒にキャンピングに行かないかって誘われたのよ!」

・「あなた方がメンバーになりたがっていたカントリークラブに、あなたの高校時代のベストフレンドの〇〇さんがメンバーなれたんですってよ!」おせっかいの友だちのこんな話しに、こう答えます。 
「あ、そうそう! そう言えば思い出したわ! 同窓会の集まりが来年あるんですってよ。あなた、これまで出席したことある?」

・「今朝二時ごろ、車の中にいたのは、お宅の娘さんじゃないかしら?」隣の口うるさい奥さんにこんなことを言われたら、こう答えたらどうでしょう。
「あら、私も、この頃よく寝れないことがあるんですよ!」

 最初の例は、(友だち)という言葉を話題を変える接点に用います。二番目の例では、(高校)という言葉です。三番目の例では、やや間接的ですが、倫理により、相手のおせっかいに対決する言い回しを用います。

 相手に(聞く耳)があれば、あなたの巧みな回避の意図を察するでしょう。もともとお節介な人達ですから、同じ質問を繰り返すかもしれません。しかし、あなたが質問を避けていることを指摘するような言い方をするなら、それは、お節介を通り越して失礼に当たるわけですから、それに対して、遠慮なく、こう言ってやればいいのです。

「ええ、その通り質問には答えませんでしたわ。そうする方が、“余計なお世話です”と言うより失礼にならないかと思ったからよ!」

〈煙幕をはる〉

「この他に、〈煙幕をはる〉言い回しには利点があるんですよ。というのは、サムに、〈煙幕〉の貼り方を教えてくれるように頼むんですね。そして、一緒に考えてもらうわけです。
 そうすることで、サム自身も、自分の母親に対して、上手に対応できるようになるんじゃないでしょうか?」

あなたの誕生日や結婚記念日を忘れる夫

 サンディとサムの場合――
 夫はサンデイを愛しているし、ケチでもないのですが、よく妻の誕生日を忘れています。ささいなことでも、サンデイにはこれがとっても残念なのです。

 この煙幕をはる言い回しの効用を学んだサンデイは、早速やってみる気になったようです。
 ところが、もう一つ、あまり大きな問題ではないが、悩んでいることがあると言って、こう話し始めるのです。

「サムが私を愛していることは分かっているんですけど、そして、私のためにちっともケチじゃないんですけど‥‥・ただ、私の誕生日と私たちの結婚記念日をよく忘れちゃうんです。
 そのことで不平を言いたくはないんですけど‥‥でも、それが、とっても残念なんです」

モノより(心が何よりも大切)

 サンデイと同じような不満を感じている読者に、私の助言を記しましょう。
 まず、贈り物の物品の価値と、意図の価値との違いを理解することです。
 物品の価値がそのモノの値段を決めます。意図の価値は、贈り物を買う人の意図や気持ちを表すものです。

 どちらかと言うと、男性は物品の価値を重視し、女性の方は意図の価値を重視すると考えられています。
 
 つぎに、意図の価値をもっと大事に考えて欲しいと夫に期待しても、それは無理な相談であることに気がつくことです。そして、そのことで、腹を立てないように自分をコントロールする方が望ましいと思います。
「彼って、本当にひどい!」といきり立つ代わりに、「このことは別だけど、夫は素敵な人だわ」と自分に言い聞かせるんですね。

 さらに、あなた自身が、まず、意図の価値の大切さを示すような贈り物を夫にプレゼントしてみてはいかがでしょう。それがモデルとなって、夫も学ぶんじゃないでしょうか。例を示しましょう。

・あなたの誕生日の一週ぐらい前に、あなたへの彼からのプレゼントを買いに一緒に行ってもらいます。
 まず、新しいセーターが欲しいので、選ぶのを助けてほしいと伝えます。三つほどトライしてみて、夫が気に入ったものを買うことにします。

・それから、二、三日後に、夫にプレゼントを買います。それを夫にあげる時に、そのプレゼントを選んだ理由を伝えます。
 たとえば、「これ、あなたが気に入るんじゃないかと思ったのよ」とか、「あなたに似合うんじゃないかと思ったから」などと。
 彼が、あなたの誕生日を忘れていることには触れません。

・夫が一緒に買い物に行けない場合は、自分で買い物をして、後で夫に話します、「これが、あなたからの誕生日のプレゼント。いいでしょう?」って。

 最後に、あなたにとって、ほんとうに、モノより(心が何よりも大切)なのかどうか、よく考えてみることです。
 夫から思わぬプレゼントされることの方が、誕生日を覚えているよりももっと嬉しく、望んでいるということはないでしょうか? もちろん、思わぬ贈り物をプレゼントされた時は誰にとっても嬉しいことです。

しかし、夫は、そのような形で貴方を喜ばせるようなことはしないけど、優しく、しかも、あなたに対して少しもケチでないとしたら、そういう夫に感謝こそすれ、不平をなど言うべきでないと思います。むしろ、そうする方が、あなたにとってより幸せなんではないでしょうか。

夫の無神経をどうするか?

 無神経な夫の仕草に世の中の妻たちは頭を痛めます。
 たとえば、ぶうぶう鼻を鳴らす、ぶつぶつ独り言を言う、ボクシングやフットボールなど手荒なスポーツをテレビで見ながら、女性軽蔑の性的用語を平気で吐き散らすなど。
 また、自分中心の話をしたがる傾向など。

 これらの夫の仕草や言動の多くは、男性特有のものです。とくに、男らしさを示すための無意識的な行為でしょう。
 多くの男性に見られる特性です。おそらく、人間が原始的な生活をして居たころから受け継がれてきた生きるための(野獣などを追い払うための)習性かもしれません。

 といっても、これらの仕草や言動が、女性ばかりでなく、他の男性にとっても気にかかることは間違いないでしょう、
つづく 威張り散らす男を変えるには

煌きを失った夫婦生活・性生活は倦怠感・性の不一致となる人が多い、新たな刺激・心地よさを付与し。避妊方法とし用いても優れた特許取得ソフトノーブルは夫婦生活での性の不一致を改善し、セックスレス及びセックスレス夫婦になるのを防いでくれます