女は不思議な生き物で、全く男っ気がなくて、自分が男を欲しい(というか、モテたい、彼氏が欲しい)とあまりにも切実に思いこんじゃうと、どうも強烈な男欲しい光線がびんびん出てしまうらしい。 

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第三章
「愛されたい」を「愛される」にするために

本表紙
ピンクバラ

「愛されたい」を「愛される」にするために 
愛されるためにまず考えること
  

 もう、四十を越えると、同窓会に行っても「エッ、ウソォー」なんて出来事はほとんど起こらないんですが、二十代のころはいろいろな面白いことがありました。
 同窓会などで久しぶりに会って、だいたい男は「あっ、何々くん」と、女から見ても、もちろん男同士でも分かるんです。ところが、女だとあなた誰っていうくらい見た目が変わってしまう人もいます。

 同窓会が始まって「ねぇ、あそこにいる人誰かしら? 知っている?」「クラスが違うんじゃない?」なんて女同士でささやきが始まり、「あんなにきれいなやつ、いたっけ?」「話しかけてみようかぁ」などと男性たちが話題にする。本人は、もちろん自分のことが十分話題になっているのを知りながら、しらーっとお料理をつまんだりしていいて。

 結局、昔から三枚目の男とか、放送局なんてあだ名を持っていた女とかが話し掛けてみると、なんとクラスでも無口で目立たなかった、地味でどちらかといえばブスな女の変身後の姿だったりします。

 何があったのかわからないけど、女は「彼氏いない歴二十数年」という冴えない女が、醜いアヒルの子のようにきれいな白鳥に変わっていくことがそれほど珍しいことではありません。
 むしろ、醜いアヒルだった子の方が、かつての美女群よりきれいになってしまうケースの方が多いかもしれません。

恋の練習問題を解こう

 女は不思議な生き物で、全く男っ気がなくて、自分が男を欲しい(というか、モテたい、彼氏が欲しい)とあまりにも切実に思いこんじゃうと、どうも強烈な男欲しい光線がびんびん出てしまうらしい。自分自身はそう思っていなくても、どこかこの男を何とかしよう、というオーラがこぼれているらしいのです。

 とくに女は高望みをするから、よけい緊張してそれこそ肩パッド十段重ね状態にカチカチになる。
 男はけっこう小心な生き物だから、そんな女のオーラを敏感に感じて、「あっ、入れ食いだけど(すいません下品な表現で)、これ釣ったらやばいよぉ」と警戒心が働くらしい。

 そこまではっきりしたオーラじゃなくても、最初に書いたように、かちんかちんに硬くなっているだけで、めんどくさいことが嫌いな男たちは腰が引けてしまうようです。

 もし、あなたにもう少しだけ余裕があるなら考えてみてほしいんです。
 入学試験の前に模擬テストがあったように、恋の練習問題を解いてみてはどうかと。
 どうしても「恋」と言った瞬間に女は集中してしまうというか、冷静さを失うというか、そのことだけしか考えられなくなる。まして、女の恋は高望み。いくつになっても「白馬に乗った王子様…」という夢見がちなところが顔を出しがちです(最近は白馬に乗った王女様を待っている男が多いそうです)。

 たとえば、あなたが若いなら、若いというだけで寄ってくる男は多いはず。
 言葉は悪いけど、ちょっとレベルを下げてみる。そうすると男ってワーッと寄ってくる。
 本当に彼氏が欲しいなら、あの人は趣味じゃないと言う前に、その中の誰かとつき合ってみては? それは決して自分を安売りしろというのではなくて、まず自分の身近なレベル、自分がうまく相手と自分の感情をコントロールできるレベルで試してみたらいいじゃないかということです。

モテる女のオーラを身につける

 男と全く付き合ったことのない女の放つ光線は女の私から見ていても怖いですよ。
 近づいたらやられちゃいそうな、強烈さがある。
 色気もないくせに、つき合うなら絶対結婚してという感じだったり、男嫌いだからよらないでだったり。冷やかし半分で手を出したら一刀両断にされそうな気がしますね。

 自己防衛本能が強いっていうのでしょうか。
 それが、一回男とつき合うと、そういったとげとげしたところが、スーッと溶けてしまって、急に色っぽくなる。

 そうすると今までとの落差もあるのでしょうけれど、もう男がよって来る、よって来る。つぼみもなかったに、あれよあれよという間に花がパッと開く。
 ファッションも化粧も興味なかったはずなのに、化粧がうまくなって、センスだってあか抜けてしまう。

 女は一回、「モテる」という気分を味わうと、そのレベルに関係なくモテ女のオーラとかフェロモンとかが出始めるんですね。
 もし、自分がモテないて感じているならば思いきってレベルを下げてみてはどうでしょうか。

 モテるためには、まず何でもいいから男とつき合う。モテ女のオーラを身につける。
 それでもう一回高いところへ行って勝負をかける。ひとりでどんなにがんばっても、モテるオーラやフェロモンは出てきません。
 そこまでレベルを下げるかっていう話もありますが、あの保険金詐欺の女だって愛人が三人もいたんですから、もっと若くてもっときれいなあなたなら、ピアノの練習曲にたとえるならバイエルの一曲目が弾ければ、もうショパンでもベートベンでもなんでも大丈夫、女は時として大化けします。

まずは、教えられ上手を目指す

 あなたが恋をしたくて、でも、チャンスがないなとか、まわりに素敵な人がいなあと思っているのなら、まず、私が恋をしたいの、女であることをあきらめてはいけません、という正直な気持ちをアピールしなければ始まりません。

 でもそんな素振り見せたら「焦っていると思われちゃう」とか、「自分を安売りしてるように見えないかしら」と不安になるかもしれません。

 けれども、「私は彼がいるからいいの」とか、「ハイレベルの人しかお呼びじゃないの」、ましや「男嫌いなの」なんていう光線をピカピカ発散させていたら。よって来るものもきやしません。まずはすき。男性に対する「すきを見せる」といっても「誘って、誘って、私、待っているの」のような来るものは拒まず、誰でもOKということではありません。

 男が誘いやすい、まず第一段階の誘い文句、たとえば「メシ食おうか」とか「それなら今度教えてやるよ」そんな一言をかけやすい雰囲気を作れ、ということです。

男は教えたがりや

 ちょっと想像してみてください。あなたが気になる男(そうでなくても、まあ、自分としては平均点以上、と思われる男)に何か質問したとします。
 それこそパソコンの使い方でも、流行りのお店でも何でもいいのですけれど。
 相手の男が、質問の答えだけ返してくれるとか、それともそれ以上、会話が弾むのか。

 もちろん、おたく系や理系の男、無口な男はともかく、一般的な男なら女にものを聞かれて嫌な気分になるはずがありません。
 男って本当に教えたがりなんですから(だから、教わりたがりやの女はハイレベルな男を手に入れられる、という法則も成り立つというわけです)。

 とくに自分の得意分野なら、よっぽどあなたが男から見て「勘弁してくれ」という存在でない限り、懇切丁寧に教えてくれるはずです(不得意分野を聞いてしまうと不機嫌になったりしますから、最初は当たり障りのないことを聞いた方がいいでしょう。狙いをつけた男なら事前に得意分野のリサーチは欠かせません)。

 その時に、相手の男があなたのきいた質問以上に答えてくれるような雰囲気を作りなさいということです。
「ねえ××の新しいお店ってどこにできたの?」とあなたが聞きました。
「○○だって」と彼が答えました。その時「ふーん、そうなんだ。ありがとう」で終わらせてしまうのか、それとも「もう行ったの? どんな感じだった?」と聞いて「まだなんだけど、行ってみたいと思っているんだ(あるいは、よかったょ、今度連れて行ってあげようか)」など返事をもらえるような雰囲気を持て、ということです。
 断る、断らないは別にして、男が誘いやすい部分を、それこそきちんと見せてあげる、ことです。

 ちょっとずるいかもしれませんけれど、きのおけない男友達(これが結構曲者で、百パーセント将来的に彼氏にならない可能性がないとはいえないのも、また面白い?)に「近ごろ、私、恋していないの」「あー、恋がしたぁい」などと言ってみるのも手です。
 冗談ぽく言うのもいいし、やや伏し目がちにぽつんと言ってみるのもいいかもしれません。

 要は自分のキャラクターに合わせて演出することです。意外にいいやつがいて、友達を紹介してくれるかもしれません。
 また、高等テクニックとして、自分のキャラクターと百八十度違うキャラを演じるのもインパクトがあるかもしれませんが、一歩間違えるとあせっているだけとか、「熱でもあるのかぉ」状態になってしまうので注意が必要です。

 つづく リラックスして恋を手に入れよう