心と快楽と身体のすれ違の「セックスレス」を、どうやって埋めていくのか。たかがセックス、されどセックス、といつも思う。そして、寿命が延び、いつまでも女、いつまでも男と願っても叶えられない現実は不倫、浮気しかないのか?トップ画像 

不倫の恋という選択・不倫する男はなぜやさしいか

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ピンクバラ不倫の恋という選択・不倫する男はなぜやさしいか

女の恋愛に関するゴールが結婚じゃなくなった時から、「不倫の恋」というカテゴリーが語られるようになったと思います、
 結婚がゴールなら、女の立場として「不倫の恋」はどう考えても (結婚している方も、これから結婚される方も) 絶対許せないものです。
 男は、結婚指輪をしていなければ、結婚しているか、していないかって外見からは分かりにくい。
 だから女の方は、普通の恋愛感情で恋に飛び込んで行ける。
 家庭持ちなのか、子供の父親なのか、外で会っている分には分からない。
 万一、家族があって、子供いてなんて分かったとしても、ちょっと焦点をずらせば背景なんて見えないんですね。

 やっぱり魅力的な男は早く結婚しています。
 もちろん結婚して、それから魅力的に見えてくるような男もいますけれど。
 恋愛は男にとって兼業と言いましたが、不倫もそうです。仕事、家庭、婚外恋愛(不倫のことです)どちらも男にとって独立した世界で、彼にとって必要だと思うから成り立つのです。
 女の場合、そんなに器用なことはできない。性格的にも、もちろん金銭的にも難しいと思います。ある意味のめり込むのが女の特性といえるかもしれません。

不倫する男はなぜやさしいか

 不倫の場合、男にこの女のすべてを背負(せお)うことができないという負い目があるから女にやさしいんです。
 対等の付き合いの場合、とくに同じ年ぐらいの場合は、そんなに男が女にやさしくできないと思うんです。

 女が甘えたいように、男にだって女に甘えたいという気持ちがあると思います。
 年が近かったりすると、女の方はその甘えを許さないようなところがあるか、「私に甘えるなんて、彼にはやさしさが足りない」という気持ちが女の方には必ずくすぶってしまう。

 だから、一回不倫をしてしまうと、女はその男のやさしさが癖にになって不倫を繰り返す、という話もあります。
 だれも、最初は不倫なんていけないことだと思っているんでしょう。でも、一回やってしまうと、「不倫も普通の恋も同じ」。
 していけないというハードルを越えると、もう何でもありになってしまう。

 そして不倫の恋をした自分が恋愛の熟練(じゅくれん)者みたいな気になって、まわりの結婚に結びつくような恋愛にきゅうきゅうしている女たちに対して、優越感を持つようになったりする場合もあると思います。

 そして次の不倫を繰り返して結婚できないなんて思っているなら、なぜ不倫にこだわるというか、家庭のある男を選んであうのかを一度考えて方がいいと思います。

 独身の若い男に比べてやさしいからなのか、本当は自分の方が結婚相手と言われるのが怖いのか、など必ずしもまわりに独身の男がいないからといった物理的なことが理由でないかもしれません。

不倫の獲得率

 俗に愛人と呼ばれるケースは、男が年上で家庭を持っていて、女が独身というケースですね。
 女は不倫してしまうと、誰しも家庭を捨てることを要求しますよね。
 子供を捨て、奥さんと別れて、私と一緒になって。
 これでうまくいくのは、贔屓目(ひいきめ)に見積もっても十パーセントないでしょう。

 愛人の八九パーセントは絶対ダメ。
 柴角が断言します。
 男は獲れませんね。男は妻を捨てられても、子供は捨てられない。
 それに、恋愛に限らず、自分が人にしてきたことは必ず戻ってきます。
 自分じゃなくて子供に戻ってきたり。けっこう世の中ってうまくできているものなのです。

 それに万が一、うまくその男を奪って結婚したとします。あるひとは、そこまでいかなくとも離婚してくれたとします。
 そのとたん、「こんな男だったかしら」なんて、自分の中でそのひとが色あせていくこともあるわけです。

 妻の立場にある私からすれば、不倫をする若い女というのは結婚したことがないわけで、結婚が人生のゴールでないことを分かっていないでしょう。
 はっきりいって、本当に一回結婚してみれば、不倫してまで結婚したいって本当に思えるの!? ってたんかを切ってみたいところであります。

ばれない不倫はない

 私は「家庭は義務と責任」だと思っています。
 そしてそれは恋愛とは別のものだとも。
 だから「義務と責任」をきちんと果たしている人に限って、なおかつ絶対ばれないなら不倫をしてもいいんじゃないかと思います。
 ただ、ばれないようにするのは難しい。
 男が適当に遊ぶなら、ばれないかもしれないけど(女は鋭いけど、奥さんになった瞬間にうちのひとに限って、になったり、疑心暗鬼になったり、女の勘が鈍るんですね) 真剣な恋愛を家庭外でしたら、まず絶対にばれます。

 サラリーマンだったらとくに。うちなんかは自由業ですから、家に戻ってこないし、ふたりとも仕事で朝帰りなんてこともあるし、わかりません。
 でも、きっとお金の使い方でばれると思います。クレジットの明細で「あれ?」なんて。
 それに男がいくらがんばってばれないようにしたって、つき合う女が物分かりが悪かったらすぐにばれてしまいますね。
 男の努力と女のがまん、それがずっと続けられれば、ばれないかもしれないけど、そんな可能性はものすごく低いものだと思います。

魔性の男に出会ったら

 「魔性のひと」というとだいたい「ひと」に女という字を当てて、男を破滅させる女のイメージなんですが、男の破滅の仕方が激しいというか、目立っているだけで、そういうタイプの人に魅入られてしまう確率は女の方が高いように思えます。
 だいたい、人生の中で恋のプライオリティが女の方が高いわけですから、「魔性の男」に出会う回数も高くなるのではないかと思います。

 ただ、女同士の中では、「ああ、やっぱり」とか「ばかね、ひっかかって」という程度のことばでくくられるぐらいのインパクトしかありません。

 女は男に比べて恋に人生をかけていますから、よっぽど、たとえば自分から使い込みに加担するとか、風俗に身を落とすとか、それぐらいのことでも「ああ、ばかな男にひっかかった女」でくくられてしまうんです。

 男は魔性の女に出会うと、財産も地位もすべてなげうってぼろぼろになって、挙句の果て、相手を殺すの自分が死ぬのって大騒ぎになる。

 それに比べると、女はぼろぼろになっても、別れたら次の人って、どん底からはいあがって玉の輿に乗ったりするからすごい。
 まあ、「魔性の女」と言われるようだと、幸せな結婚はできないだろうし、刺されたりして痛いだろうから、そんなものにはならない方がいいと思います。

「魔性の男」は出会った瞬間に分かる
 もし、運悪く、自分の彼氏がそんな女に出会ってしまったら、冷静に、それこそ彼の利点欠点でも書き出して (女ってもう捨てようかな、と思ったものでも他人が欲しいというと、とたんに惜しくなるって性格ありますよね)、どうしてもこの人でなきゃ私はダメだと思えるなら、じっと嵐が過ぎるまで「待っているから」って言い置いて、じっとその男が帰ってくるまで待つ。
 と、だいたいは帰って来る。

 帰ってこないと時はきっと大変なことになっているはずだから、その時にもう一度考えればいいでしょう。

 では、逆に自分が「魔性の男」に出会ったらどうするか。
 誤解のないように言っておきますが、「魔性の男」、これは男でも女でもそうなんですが、もう出会った瞬間に分かります。
「これはあぶない」と。人畜無害そうなのにつき合ってみたら…・なんていうのは「魔性」ではありません。
 それは人生経験が浅くて、とんでもないものを掴んでしまったのか、またはじぶんの性格の弱いところにつけこまれた腐れ縁タイプです。

 男でも女でも「魔性」は、一目見た瞬間「もうだめ! ギブアップ!」と、食虫植物に吸い寄せられる虫のようにフラフラ行ってしまいます。もちろん意思の力でこれ以上近寄らない、と踏みとどまることはできますが、(他の女とつき合うところを) 見ているだけで気持ちが翻弄(ほんろう)され、程度はともあれ悩まされることには変わりありません。

「魔性の男」にも相性がある

 本当にそんな男がいるのか、と聞かれれば自信を持って、いる、と言えます。
 ただし、「魔性」といのは相性の問題があって、私にとっての「魔性の男」があなたにとっての「魔性の男」になるとは限らないと思います。

「あすなろ白書」の中で、私が信じるいい男、これはとにかく自分にも人にも誠実であろうとする男性なんですが、を描きたくて掛居くんというキャラクターを作りました。
 屈折しながらも誠実さを一生懸命求める男。それが、今の世の中だと正体のつかみどころがないように感じられるのでしょうか。

 掛居くんの相手を縛らない、縛りたくない気持ちが松岡くんに指摘される「おまえが女をおかしくしているんだろう」になったりするんです。
 あるいは星香に言わせた「一000人の女がいても、絶対掛居に惚れる」。

 こんなに万人受けして、女にあなたの好きにしていいのょ、なんて言わせる男が実際にいたら怖いと思いますけど、女は自分がその気持ちや行動を推し量ることのできない男には弱いと思います。

 つかみどころがなくて、謎めいていて、それでも、どこか女におもねるというか、僕をわかってくれるのはあなただけ、みたいな雰囲気で甘えてくるような感じがする男。

 ミステリアスというのは色気の一種だと思いますが、全身で危険な色気、食虫植物が出すなんともいえない香りみたいなものを漂わせられたら困ります。
 それも目線があった一瞬で、柴門的には萩原健一(俳優)とかフミヤ(藤井フミヤ・歌手)がこういうタイプですけど。
 もう、彼らを見ているだけでその色気光線にあてられ、私は、勝手にノックアウトされてしまうんです。

「あー、色っぽい。そんな意味ありげな目で見ないでえ」って。
 これは前にも書いたように個人の趣味ですから、「えーっ? 萩原健一? ただのおじさんじゃん」と言われても、困るんですけれど。
 だから、誰かに会って、クラッときて、最終的に玉砕(ぎょくさい)するかもしれないけど「あー、これは、はまっちゃうかも」とあなたの「魔性の男」を感じたらどうするか。
 波風を立てない、傷つかない人生というのも一つの選択。
 でも、もし、今、大事にすべき彼氏がいなくて (万が一いたとしても、その彼の存在を忘れるくらいなら) そして、そのうえで、自分が自分のことに責任がきちんと取れる大人だと思うなら、「魔性の男」を味わっておいた方が人生は深まるかもしれません。

 つづく モテ男が最後に選ぶ女とは