共感に関するいくつかの研究によりますと、共感的な人は不安を感ずることが少なく、主体的で、対人関係の状況を判断する能力があり、協力的であるのに反し、逆に、共感力が低い人は、神経質で、自己中心的、ストレスが多い状況に耐えられないという トップ写真

あなたの気持ちに無神経に振る舞うとき

本表紙

ピンバラ夫に対する不満を抱いている女性はおおくいます

フェイとスタンの場合
 フェイは夫の助けが必要なとき、たとえば姑との問題があるときに、スタンがまったくわれ関せずといった態度を取ることに大きな不満を抱いています。
 スタンには、〈共感〉能力がかけているのです。

 夫に対する不満を抱いている女性はおおくいますが、次に紹介するフェイほど不満を持った女性はこれまで出会ったことがありません。彼女にはこんな不満があったのです。
「夫のスタンは、私の事なんか全然考えてくれないんですよ。道の真ん中に寝転がっていたとしても、“今晩の食事は何だ?”って聞くとおもいますよ。それでも、先生、そんな男に惚れてるっていうんですから、呆れちゃいますよね」
「結構じゃありませんか・それとも、結構じゃないんですか?」
「全然! 普段はいいんですけど、私が助けを必要とするときには、まったくわれ関せずといった態度をとるんですから。

特別学級へ編入

 たとえば、先週の土曜日に夫の母親が来ていた時のことなんです。いつも頭が痛くなるようなことをするので、今回に限ったことではないんですが。…・とにかく、十歳になるアダムの事でいろいろレクチャーしたあげく、優秀な子供のための〈特別学級〉に入れてもらうようにすべきだって言うんです。
 それに、天才のような子供なんだから、それなりに扱わなきゃならないってね、

 アダムが頭がいいのは認めますけど、天才だなんて、とんでもない話ですよ。

 そこで、私が夫の方に目をやってから、目を上に向けて、また、お母さんが始まったって合図を送ると、立ち上がって、テーブルから離れて行っちゃうんです。

 そこで後でそのことに触れると、何て言ったと思います? “上手く話していたじゃないか。とくに、おれが必要だとは思わなかったからね”ですって。
 私はいつも夫に言っているのですよ! 夫の助けが必要だって。とくにお母さんの問題にはね!」

〈共感〉する能力の必要性

 夫婦関係を上手くやっていくためには不可欠な〈共感〉の能力がスタンには欠けています。
 この〈共感〉する能力の必要性を、この分野の専門家なら誰でも認めています。でも、それが何かを説明するのにはそれほど簡単ではありません。

 たとえば、他人の喜ぶようなことをする、相手の立場に立って考える、他人のために喜んで時間を割き、関心を示すなどといったことが共感的行為と言ってよいでしょう。
 ここでは、お互いに自分の時間を相手のために費やす能力と定義しておくことにします。

 共感に関するいくつかの研究によりますと、共感的な人は不安を感ずることが少なく、主体的で、対人関係の状況を判断する能力があり、協力的であるのに反し、逆に、共感力が低い人は、神経質で、自己中心的、ストレスが多い状況に耐えられないということです。

 そこで、二人の共感能力を分析するために次のような行動様式の例をフェイに与えることにしました。
 あなたも、この表によって自分の(夫のも)共感能力を分析してみてはいかがでしょう。

・他人が発するシグナルを読み、

それに応える。(性的シグナル、親しさを示すシグナル、痛み、喜び、悲しみなどの感情の表現)

・他人にどんな影響を与えているか分かる。
・あなたが(または彼が)周囲の状況にどのような心理的反応を示すかをだいたい間違いなく予想できる。
・自分の動機や行動の自己洞察(気づき)ができる。
・あなたの(または彼の)行動を解釈する場合に、あなたの(または彼の)動機を考える。

 これらの項目が一つでもあると考えられる人には、おそらく、他の項目もみな該当すると思います。大半が該当する人の共感能力は非常に高いと考えてよいでしょう。
 再度の分析のために、次のような態度が該当するかどうか調べてみることにしましょう。

・他人のやりとりの状況の変化に応じて行動を変えることができない。
・他人の行動を<ふさわしい>―<ふさわしくない>、<正しい>―<正しくない>という規律によって評価する。
・不確かなことをひどく気にする。

・他人をよく裁く。
・不安を感じる時に、その原因になっている問題を避ける。

 最初のリストに示した行動様式が見られる人たちは、このリストに示す行動様式が見られないと思います。
 このリストによる分析の結果、フェイは夫の共感能力はかなり低いと評価せざるを得ませんでした。

 とくに、他人がどのような状況に反応するかを推測する能力に欠けていることに気がついたのです。
 そこで、フェイを励ますために、私はこう言いました。
「この分析で分かったと思うんですが、スタンがあなたに対して無神経なのは、あなたが嫌いだからではなく、どうしたら分らないからじゃないですか?」
「ええ、私が好きなのは知っています。でも、どうして、あんなに無神経なのかがわかんないんですよ!」

 フェイもスタンを愛していることは、彼女の口ぶりから察することができます。そして、スタンにほんの少しの援助の手を差し伸べるだけで、彼の共感能力も高まるに違いないと思うのです。

共感力を高めるエクササイズ

「あなたに対するステンの感受性を高めるのに役立つと思うので、一つのエクササイズをやってみてはいかがでしょう。シリーズになっているエクササイズですが、ある状況において、他人がどんな感情を抱くのかを想像するといったものです」

 強い関心を示したフェイに、次のような、このエクササイズの内容とやり方を説明したのです。
 まず、これから示すエクササイズは少なくとも一週に二、三回、数週間つづけてやることが大切です。

 このエクササイズは二つの目的があります。一つは、夫の生活においてかなり影響を受ける状況(たとえば、母親の干渉など)に対する彼の反応がよく理解できるようになるためのものです。もう一つは、あなたの気持ちに対する夫の理解度を徐々に高めるためのものです。

 さて、エクササイズをやる場合に、夫がくつろいでいる時に、彼にアプローチする方が望ましいでしょう。そして、こう話しかけます。

「私自身を試すエクササイズをやってみたいんですけど、ちょっと協力してくれませんか?」
 そして、そんなに難しいものでなく、むしろ、面白いゲームのようなものであると告げます。
 次に夫が、その日、もしくは、二、三日前に体験した状況を思い出し、説明してもらいます。
 とくに夫に関心があって、心に残った状況をできるだけ正確に描写してもらいます。それから、こう言います。

「では、その状況に対する、あなたの心の反応を想像してみますから、当たっているか、どうか教えてくださいね」こう言って。
 彼の心理的反応を想像しながら、〈感情の独り言〉を始めます。

 たとえば、「“・・‥というような気持ちになっている”、と感じたでしょうか?」といった具合に。
 その場合に、あなた自身の興味があるモノに比喩した言い方をします。たとえば、「まるで、一生懸命働かされた挙句、水を一滴も飲ませてもらえなかった馬みたいな感じだったのかしら?」とか、
「焼け石に水を撒いているって感じ?」あるいは、「まるで砂を顔にぶっけられた時の子供みたいに?」など。

 このような比喩による夫の反応の描写が、当たっているかどうかを尋ねると同時に、夫がその場面で経験した自分の反応がどうであったかを説明してもらいます。
 その場合に、同じょうに比喩を用いて述べてもらいます。こういうやり取りを、二、三回繰り返します。

 ところで、このエクササイズをやる場合に注意すべきことを、二、三記しましょう。一つは、夫が望まないのに、無理にやらせるようなことはしない方がよろしいでしょう。
 強制しても、目的を果たせません。

 二つ目は、言葉の問題です。〈感情表現の独り言〉をする場合です、「あなたの反応は‥‥」という言い方を必ずすることが大切です。
「あなたの気持ち(感情)は‥‥・」という表現は避けましょう。
「なぜ、気持ちちん、感情という言葉を使うのが行けないのですか?」
「“男たちが感情を表現しない”と、不満を感じている女性は多いと思いますが、その一つの理由、つまり、男が感情を表に出さないのは、自分がどんな感情を感じているかを認識する能力を欠いているからだと思いますよ。

 心の中に生じたている心的状態を特定の感情のラベルで名付けることができないだと思うんです。そこで、あなたが夫の気持ちを想像する時に、〈感情〉という言葉を用いずに、

 〈心の反応〉

といった概念で説明した方が、抵抗なく受け入れやすいと思うわけです。
 また夫も、〈感情〉という言葉に制約されずに、自分の〈心の反応〉を表現することの方がしやすいと感ずると思うんです。
 そして、実際には、〈感情〉を言い表すことになるんですね」

「なにか、ずるいやり方のように思いますけど。まるで、夫を洗脳するやり方みたいですね」
「いいえ。洗脳するのには、相手の頭の働きをあなたがコントロールしない限りできません。そんな力があなたにないことはご存知のはずです」
「そのことに気がついていない人が多いようですね。私も例外じゃありません」
「このエクササイズは、そんな骨の折れるような、苦しんでやるようなものじゃないんですね。ですから、楽しんでやれなかったら、止めた方がいいでしょう」

 こういった注意をしたうえで、まず、取り上げやすい状況を例に、やってみることをフェイにすすめました。
 たとえば、夫の賛同を得て、彼の母親が、子供のことでフェイにレクチャーをしている時のフェイの心の反応を彼に想像してもらいます。そして、彼が想像したことが当たらなかった場合には、
「こんどは、あなたが自分で、自分の心の反応を比喩を用いて表現してあげます。そして、もう一度、夫にやってみたいかどうか尋ねてみるんですね」

「夫は競争心が強いから、なんとか当てたいと思うに違いないと思いますよ」
「しかし、どっちが上手に当てられるかといった競争心はあまり望ましいものではありませんね」

 こんなやり方をフェイにした後に、共感能力が高まることによって得られる長期に及ぶ影響についても、フェイに説明したのです。

「一つは身体的によい影響を与えます。新しい別の世界――たとえば、あなたが経験する世界――に目が開かれることで、自分自身にとらわれることが少なくなりますし、もう少し人生をリラックスして生きられるようになるんじゃないですか。
結果的に長生きできますよ!」
「それに、私に対してもう少し気配りをしてくれるようになるというわけですね。そうなったら、私たちにとって、こんなに幸せなことはないですわ」
つづく 孤独感の悩み

煌きを失った夫婦生活・性生活は倦怠感・性の不一致となる人が多い、新たな刺激・心地よさを付与し。避妊方法とし用いても優れた特許取得ソフトノーブルは夫婦生活での性の不一致を改善し、セックスレス及びセックスレス夫婦になるのを防いでくれます。