=女と男の人生相談=ダン・カイリー著 =近藤裕=訳
性の活性化のために三つの目標
「とくにセックスのことでジムと話し合うのが怖いのです。
というのは、私は不満なのですけれど、彼の方はとっても満足に見えるもんですから、これまでだいたい一回セックスするたびに、オルガィズムは二回経験していたんですけど。
でも、今はだめなんですね。
私が不満なことを夫に話したいんですけど、でも、どんなふうに話していいか? 」
しかし、リーは、その若い女性と何回か一緒に酒を飲んだと言うのです。
そして、車の中でいちゃついたこともあるのです。
しかし、罪意識があって、セックスをするまでには至りませんでした。
リー自身はその時は気が付かなかったのですが、このような性の解放感や、青年時代に戻ったようなエキサイトした気持ちに酔っていたのです。
さて、このような問題を抱えたリーは、
<性の活性化>のために三つの目標を立てました。
いずれもシャナの参加が必要なものでした。
一つは、自分の性的ニーズをシャナに説明
し分かってもらい、そのニーズを満たしてもらうようにシャナの協力を求めるということでした。
二つ目は、時おり経験するインポテンッを、
それはそれとして受け容れ、そのことにこだわること
(インポテンッにならないように行為することで、かえってこだわりが生じ、インポテンッを招く)を止めるとうことです。
三つ目は、性的ファンタジーをコントロールすることでした。
つまり、ファンタジーを描くこと自体はよいとしても、それを他の特定の女性とセックスをしているといったファンタジーは描かないようにすること、また、シャナともっと満足するセックスができるように努める代
わりとして、ファンタジーを描くようなことはしないといったことでした。
四、赦(ゆる)す
シャナはリーの過ちをなんとなく忘れようと努力したのですが、結果的には、そのことで、むしろ苦しむことになってしまったのでした。忘れようとする自体、夫の過ちを意識しつづけることになってしまったのです。
ですから、夫の過ちを赦したいと願うなら、そのことを忘れようと努めない方がよいのです。
忘れようと一生懸命になればなるほど、そのことを思い出すことになります。
また、それだけ傷を深くすることにもなるのです。
そして、赦すことができなくなるにちがいありません。
実際には、忘れることなどできないのです。
しかし、夫との愛の関係を深める新しい経験が積み重ねられることで、過去のいやな記憶は薄らぎます。
そして、やがて、あなたにはまったく影響を与えないまでに消え失せるようになるのです。
また、赦しは、単に願うだけで得られる(与えられる)ものではありません。
人間としての成長の結果として得られるものです。
そのような人間的成長は、夫が過ちを犯した理由に耳を傾け、また、その原因を取り除こうとする夫の努力やあなたの信頼を勝ち取るために心を砕いている行為を認めることの結果として得られるものです。
さらに、夫のニーズを満たす手段を真剣に考え、予想に反した夫の不完全さ、弱さに対して同情の心、共感的思いやりをもつて接するあなたの努力の贈り物として得られるものであるはずです。
ところで、赦しの態度を持てるようになりますと、肩の荷が軽くなります。
また、愛を持って相手を包もうとする新たな行為が生まれる可能性が広がります。
そこで、性格的に強くなります。
夫に対する疑いの心がふたたび生じるような場合には、あなたの信頼に値する人間になろうとしている夫の努力を思い起こすとよいでしょう。
あるいは、そして、ソフトノーブルを用い新たな性の斬新さを試すことをすすめます。
そうすることで、きっと過去の斬新な性の悦びをふたたび甦らせ、きっと過去の記憶を追い払えるようになるでしょう、同時に、猜疑心も解消できるでしょう。
信頼を回復する努力を夫がしていないと考えられる場合は、おそらく、夫の意思に問題があると思われます。
後に記すアドバイス=女と男の人生相談=(11)従って、対応するとよいでしょう。
赦しは時間が必要です。
皮肉を折々口にしたり、腹立たしく感ずることも時にはあると思います。
夫に謝ることも必要です。自分に対する忍耐も必要です
。夫に忍耐を求めることも必要でしょう。
これまで記してきた<信頼回復>のプログラムは浮気や不倫などを中心にした夫婦問題以外にも応用できます。 つづく
離婚を回避するための最後の試み