男女関係の最終目標はエクスタシーを得ることであり、相手の女性をエクスタシーに到達させられないうちは、男はまだふたりの関係が真の意味で完成されていないと思い、そのことにかなりの不満を覚えている

【エクスタシー】

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【エクスタシー】

 ピンクバラ【肉体の記憶】

 肉体の絆は論理や理性などとは別の次元にあるもので、それだけに不条理で不可思議なものだ、と渡辺さんはいいます。とくに、男性が思い込んでいる、肉体のカン違いについてふれています。

 SEXさえよければ、相手の肉体に刻印を残せるとカン違いしがちな男性が多いようです。
 そのSEXもペニスが大きければいいとか、激しくさえすれば女が喜ぶとか、見当違いもいいところで、本質が忘れられています。

【エクスタシー】

男女関係の最終目標はエクスタシーを得ることであり、相手の女性をエクスタシーに到達させられないうちは、男はまだふたりの関係が真の意味で完成されていないと思い、そのことにかなりの不満を覚えている、と渡辺さんは分析しています。

 最近は女性が社会に出てバリバリ活躍しています。その一方で男性がひ弱で、オスとしての力強さが感じられず、自信を失っているようです。
 このような傾向が強まると、女性が圧倒的に男性を信頼し、完全に心をゆだねることが難しくなります。

 そのことが女性がエクスタシーを得るうえで障害になることが少なくありません。
 これが性愛ロマンの第一人者で、医師でもあった渡辺さんの診断です。

どんな男も”買春”する?

 買春がよくないのは当然のことで、発覚すれば厳しい罰が待っています。そにもかかわらず、わが国では買春(いしゅん)が後を絶ちません。

 そどころか”買春”なんていう言葉もできて、売買春市場はますます複雑になっているようです。
 お金で女を買う男に対して、フケツと切って捨てる峻烈派と、男の生理でしょ、とまあまあ認めてしまう寛大派と、イヤだけど分からなければ仕方がないでしょう。
 というあきらめ派と、女性の反応もこの三つに大別されるようです。

 男の性欲というものを考えるとき、

「私の彼も、私を愛しているなんて調子のよいことをいいながら、そんなところへ行くのかしら…」
 と、不安に駆られる女性も多いとことと思います。
 “買春”という言葉は、この十年ぐらいで使われるようになった新しい表現です。それまでは、男が女を買うのは当然みたいな社会風潮で、言葉としては“売春”しかありませんでした。
 売る女が一方的に罰せられ、男のほうはおとがめなしという不合理な時代が長くつづいたものでした。

 そのもっと前の時代には、イイワルイではなく、売春は自由営業なら職業の一つ、という考えもあったようです。
 たしかに売春は、人類最古の職業といわれ、申し分のない歴史を誇っているようです。

 ここに一冊の意欲的な本があります。タイトルは『性を買う男』(発行=パンドラ、発売=現代書館)。
 著者は谷口和憲さんで、買春問題、市民グループの活動にかかわっています。従軍慰安婦に取り組み、「戦争と性」という個人通信の発行もしています。

 谷口さんは1954年生まれのルポライターで、自分の原点を明らかにするために、自分自身の女を買った経験を告白しています。あとがきで、連れ合いには申し訳ない気持ちと感謝でいっぱい…とことわりつつ、正直に男ごころを記しているところに、人柄がしのばれます。

 たいへん貴重な告白であるとともに、男の買春をする心情がよくわかるので、女性にも参考になることと思われます。なぜ若い男が買春に走るのか、複雑な心の裏側を綴った部分から一部引用させていただきます。

[恥ずかしい話だが、私は買春したことがある。二十二歳のときに初めて買春をし、三十二歳のときに買春をしないことを決意した。今、私は四十三歳なので、買春をしてた時期とやめてからが、それぞれ、ほぼ十年間ということになる。なぜ私は買春をし、そして、やめたのか。(中略)

 初めて私が買春したのは、二十二歳、大学三年のときだった。その頃、アルバイト先で知り合った一つ年下の大学生とつきあっていた。私にとっては初めての恋愛といってよかった。
 それまでは、人を好きになって思いを打ち明けても、あっさりと振られてしまうことがほとんどで、うまくいくことはなかった。
 しかし、そのときは、彼女の気持ちがしだいに自分に向かってくるのがわかった。

 私は彼女に対して清純なイメージをもち、自分の彼女への憧れには純粋できれいなものだと思い込んでいた。その反面、自分の性欲は汚らしく、「排泄」「処理」するべきものとしか考えられなかった。

 彼女を自分の性欲の対象にすることに罪悪感があり、マスターベーションをするときは、できるだけ彼女を思い出せないようにするためにも、ポルノ雑誌を見ていた。
 私は彼女への思いと、自分の性欲に引き裂かれるようだった。

 まだセックスの経験はなかった。当然、彼女とセックスしたいとう願望も出てきたが、自分の「純粋」な気持ちを大切にしたいという思いから、性欲は買春で「処理」するべきだと思った。
 今から考えれば、なんとなく馬鹿げた話である。

 このような発想は、自分の好きな女性を強姦しないために、ある特定の女性たちを強姦しようとする発想である。

 私は、今でいう「ソープランド」へ行った。私の相手をした女性は私と同じくらいの年で、小柄でおとなしそうな女性だった。
 私は裸になるようにいわれて、いまさらのように怖気づいてしまった。

 私に性体験がなかったからということもあるが、それ以上に、知らない者同士が裸になってセックスをしようとすることへの違和感があったからだ。

 私は彼女に背を向け、どぎまぎしながら服を脱いだ。彼女の方は淡々と服を脱いでいたが、その裸の背中がたまらなく寂しげに見えた。

 私には性欲がまったく生じなかった。彼女は私に寄り添い、性欲を生じさせようとしたが、反応しなかった。彼女にとってこれが仕事であり、仕方なくやっていることだと思うと、すべてが虚しく感じられるのだった。

 結局、このとき、性行為そのものはなかった。自分がふだん、ポルノを見ながら勝手な幻想に耽っているのと、現実の女性を目の前にするのとは、まったく違うことを知ったのだった。

 一方、つき合って彼女に、私が清純なイメージをもっていることをいうと、「私はそんなにきれいな女じゃない」と笑いながらかわされた。]

 谷口さんの告白を読んで、身につまされた男性も多いことでしょう。若き日のホロ苦い思い出をかみしめている中年もいることでしょう。この告白は、女性に自信がもてない多くの男性の正直な気持ちを表しているのです。

 男も女も同じですが、〈好きになってしまうと、手も足も出なくなってしまう〉のが恋というものでしょう。

 ざっくばらんにいってしまうと、男は最終的に恋人に性交、つまりメーク・ラブを求めています。そのくせ、どういうわけか相手を“清純”ときめつけてしまって、手を握ることもできず。
 ひとりモンモンと悩んだりして、ひとり相撲を取るような間の抜けたところもあります。

 男は十七、八歳のころが、射精したい気持ちが最高に強いときです。マスターベーションを毎日、ときには日に二、三回しても、またすぐにボッキするほど激しいときです。

 ボッキ、マス、射精というものすごいエネルギーの氾濫に振り回されているのが、この年頃の男なのです。

 あの清らかな娘に、こんなブザマな格好を知られることなんかとてもできない。こんなことを知られたら、嫌われるにきまっている、とウブな男は悩みに悩みます。その結果、セックスはプロの女性に何とかしてもらおうとノコノコ出かけて行くのです。

 もちろんこれが、男の身勝手な理屈であることはよくわかっていますが、男が真剣に悩んだ末の哀れで滑稽な姿であることも真実なのです。
 谷口さんの告白とみごとにオーバーラップしているのがおわかりでしょう。

SEXは愛の行為の最高の形のはずなのに、

それを金銭で買っていいものだろうか、という後ろめたさは、ほとんどの男が持っています。好きな女性と体験したくしようがないのに、それができないでプロの女性に“代償”を求めるふがいない男たち。哀れをもようす姿です。

 好きになり、恋したときの性欲の形と強さには、男と女のあいだで相当の開きがあります。男の欲望は瞬発型で、女のそれはゆるやかな上昇カーブを描くということは繰り返しいってきましたが、最後の到達点に達するまでに、女性は次のようなプロセスを望みます。

 単にムードを楽しむということではなく、女性のプロセスが必要なのです。
「そっとそばにいてもらいたい」
「手を握っていてほしい」
「キスもそっと」
「抱きしめてジッとしていてもらいたい」
「ベッドの中でそっと愛撫し合ってお話をしていたい」

ゆっくりしたプロセス

 女性は性交までのゆっくりしたプロセスのあいだに、体の準備を整えます。ほんとうに彼を向かい入れるように体の準備が整うのには、時間がかかるものなのです。

 ところが、SEXになれていない男は、なにはともあれ、やたらに性急なのです。
 性急という言葉は、皮肉なことに、男の性欲がサカリのついた犬みたいに、インサートだけを急ぐ状態をいい表しているようです。
 ムードもへったくれもありません。粗暴に、ひたすら自分の射精欲だけを満たそうとしてあせるので、いっそう暴力的になります。

 恋の楽しさなどどこかに消し飛んでしまい、女性に痛みと苦しさのあまり、必死に抵抗します。
 抵抗された男は逆上します。
 自分が拒否されたものと勘違いして、さらに激しい力を加えます。
 こうなってはもう救いはありません。
 痛めつけられた女性は、男への信頼も失せて、愛さえ疑うようになってしまいます。

 こういう男を相手に、ハッピーな恋を望むのがしょせん無理なのです。
 いい男性を選んで、素晴らしい恋を楽しむために、男という生き物をもう一度じっくりと観察してみてください。恋愛不適格者の男をフルイにかけるために、いままで気が付かなかった新しい発見ができるはずです。

マザコン男のプラスマイナス  

 サカリのついたイヌ男も始末の悪いものですが、マザコン男というのも扱いに困ります。いつもこざっぱりしていて、ほどほどに気づかいもでき、女に威張り散らしたり、荒っぽい言葉を投げつけることもない。
 けっこう無邪気なところもあって、感じも悪くない。成績もほどほどよくて、マナーもどちらかと言えば洗練されている。
ちょっと見には可愛いので、なぜか側にいてあげたくなる。

 こんな男を見て、インサイド、ベルトのあたりの絶好球、と思うのはちょっと早いようです。このタイプの男は、心理学で“永遠の少年”と名付けられていて、じつはマザコンのことが多いのです。

 テレビのディレクターなんかに、このテの青年が多いようです。家もよくて、コネでキー局にもぐり込んだりしています。一見、シティボーイふうでする
 ところが、なれてくるとすぐにメッキがはげてきます。

「今度のドラマでいただき、視聴率は二桁行くからね」
 自信過剰で、自己宣伝のわりには、他人をケナして平気な顔をしています。話をよ〜く聞いていると、
〈な――んだ、お山の大将じゃない〉
 と、正体バレバレです。そして、口のわりには責任感もなく、めんどうな下働き的な仕事からはズルがしこく逃げているのもわかってきます。

 こうなるともう男は相手にしませんが、立派なお母様の支配下で、ママのいいなりになっているほうがラク、という生き方をしている男に、けっこうハマっちゃう女性がいるのです。
「だって、彼って甘えるのがうまいんだもん…」
 それやそうでしょう。ママが敷いた線路の上を、幼いときからアメとムチで走らされ、まずいこと、失敗のしりぬぐいは、最後はぜ――んぶママがやってくれる。勉強はな――んにも覚えなかったけれど、甘えることといいわけだけはしっかり身に着けたという社会生活にはおよそ合いそうもない男ができ上がってしまったのです。

 女の顔色を見抜くことには年季が入っており、どこまで甘えても大丈夫か、つねに計算するクセがついています。

 飲みに行っても最初のうちは特技の甘えでやたらモテますが、しばらくすると人生をしっかりやっているホステスさんに見抜かれて、当たらずさわらずの扱いで、お金だけはキッチリ取られるという待遇が待っています。

 デートの最中でも、ケイタイでママと平気で話をしたりするのがマザコン男の特徴で、
「うん、遅くならないから、食事は獲っといて…」

 などと、みょうに素直な声で家人と話をするのが耳障りに思えたら、このマザコン男は、ちょっとやそっとでは治らないと覚悟したほうがいいでしょう。

 新婚旅行先まで婿さんの母親がついて行ったなんていうのはほんとうにある話で、親離れ子離れのできていない母子は、先にいって苦労するのが目に見えています。
 近寄らないのが身のため、と覚えておきましょう。
 マザコン男を見分けるのは、わりあい簡単です。

「ママが会いたいって…」
「母は何といっても、ボクの理想像だよ」
「きみには、母の面影があるんだ」
「父も母のいいなりで、うちは母系でうまくいっているのさ」
 つき合いはじめて間もないのに、会話の中に母親の話題がやたらに出てきたら、大いに危ない。
 疑ってかかるべきです。

 女性はちょっとでも結婚を意識してくると、将来のお姑さんとうまくやろうと、殊勝な気持ちになり、

「お母様に早くごあいさつしたいわ」
 などと、心にもないことを口走ったりします。
 これが大きな間違いで、姑といってもいまは若く、現役の女であり、息子への愛は母親の愛と女の愛がゴチャゴチャになっており、最愛の息子の恋人は、ずばりライバルと信じ込んでいるのです。
 闘い奪い取るくらいの決意が必要ですが、あなたの歯が立つ相手かな?

クジャク男の精一杯の戦略

 クジャクのオスが美しい飾り羽を広げてメスにディスプレーし、さあどうだい! と自分をアピールしています。美しい声でさえずって、相手を呼ぶ鳥もいます。
 かと思えば、カラフルな巣を作って、将来の花嫁に下見をしてもらうなど、自然界でもオスはメスを獲得するのに、大わらわのサービスです。

 これは動物界一の知恵者であるヒトでも同じです。
 恋人をひきつけ、選ぶために、涙ぐましいバフォーマンスを演じて見せてくれるんです。気に入ってもらえれば報われますが、「何よ、それ、サブ〜ッ」なんていわれたらミもフタもありません。メスに注目してもらえないオスの哀れさは切実です。モテない男のレッテルを貼られ、ひとり寂しく今日も行くのです。

 オスが心魂を傾けるメス獲得大作戦はどのように展開すればいいのか、男はない知恵をしぼっているのです。研究もしています。どんな研究をしているのか、異性誘惑の男の手の内と努力と戦略をちょっと覗いてみましょう。

 まず、カリフォルニア大学バークレー校、ハーバード大学、ミシガン大学などの学生数百人の調査を見ることにします。

〈同性のライバルをおとしめて人気を失わせる方法〉

 最初からすごいタイトルが出てきましたが、オスはマジでこんなことを研究しているのです。これは男ばかりでなく、女性の間でも、オフィスでは日常茶飯事でしょう。

ただOLさんの場合には、研究ははぶいていきなり実戦、が多いようです。聞くところによりますと、かなり陰湿な手口もあるようで、恋の裏側には恐ろしい淵があって、恋に破れたものの怨念が淀んでいるということです。

・ライバルの外見を笑いものにする。
・成績をけなす。
・性病にかかっているとけなす。
・あの男は貧乏だ。金に困っている。
・あの男は安い車に乗っている。
 コソクな感じがしないでもありませんが、恋が始まろうとしている矢先の悪い噂というものは、けっこう恋に水浸しにする効果はあるのです。
 逆に、自分が主役になって、一気に攻略するときには、
・カードを見せて大金がありそうにする。
・プレゼント攻めにする。
・高級レストランをハシゴする。
・カクテルをすすめる。

 今度はセコい。とくにカード作戦には何かインチキ臭さを感じさせるものがあります。セコくて陳腐ですが、こんなものが案外効果があるのかもしれません。
 こういった派手なディスプレーは、恋人を獲得しようとするよりは、SEXパートナーを一気に手に入れようとする下心のケースが多いようです。

 見栄えのよさが、恋の第一印象になることがあるそうですから、身だしなみには十分に気を使いましょう。

・スリーピースやスポーツジャケット、デザイナージーンズを身に着けている。
 この項目には人気が集まりました。財力、センス、スタイルなどをアピールできるからです。たしかにこの三つは、女性をひきつける大きな要素になります。クジャク男も、この項目には張り切って参加することでしょう。
 こんなエピソードがあります。
 
 夏、ボーイハントの下心もあって、ふたりのOLが海に遊びに行きました。砂浜で甲羅干しをたり、デモンストレーションをして、目ぼしい男に声をかけさせることに成功しました。
 うまい具合に向こうも二人だったのでボートを借り、ツーペアで夕方まで波と戯れたのです。
 帰りは男のほうが、“車で送るよ”と声をかけてきたので、ラッキーとばかりに更衣室に走り、高価なブランド物に着替えて駐車場へ。

 ところが、駐車場にはおぞましい光景が待っていました。
 Tシャツにジーンズの見すぼらしい男たちが、オンボロ車の横で待っていたのです。
 ふたりは思わず叫びました。
「うっそ〜っ!」
 海水パンツのときは、体もけっこうたくましく、魅力もあったのに、服を着たら急に見すぼらし寒々と見えて、一瞬にして恋の夢は破れたと、ふたりのOLは告白しています。

 Tシャツの寒々お兄ちゃんとはその場で別れ、その後ネイピーブレザー、外車の男に声をかけられたのを幸い、そっちに送ってもらったということです。

 身だしなみの大切さを教えるお話しですが、このことを一番よく知っているのがクジャク男です。見栄を張って着飾っていますが、たいていその場合、中身が伴わないのが多いようです。

 やたら着るものにこだわる男はけっこう多いのですが、外見だけにまどわされず、中身もよく吟味することです。そうすれば、クジャク男にやすやすとダマされることもないはずです。
 つづく 泣く男、甘えがテクだったりに注意

煌きを失った性生活は性の不一致となりセックスレスになる人も多い、新たな刺激・心地よさ付与し、特許取得ソフトノーブルは避妊法としても優れ。タブー視されがちな性生活、性の不一致の悩みを改善しセックスレス夫婦になるのを防いでくれます。