性周期の四段階すべてを通じて減退する乳房、陰唇、膣、子宮などの関係器官の老化による退縮は、月経閉止後の性ステロイド飢餓状態を現すものである。生殖器官の退縮変化にかかわりなく、年をとった女性、特にその女性が規則的に有効な性的刺激を与えられる場合は、オーガズムにいたる性行為を行う能力を充分に持っている。
「女の色気は灰になるまで」

本表紙 大工原 秀子著

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 女性の性生理

(2) 女性の性反応・四つの時期

●興奮期
 性的緊張の興奮期に達したときに、まず現れる生理的反応は、膣の粘滑液の産出。
 月経閉止後五年もたつと、粘滑液産出の速度は量とは一般的に減少する例外がある。
 若い女性は、いずれの形にせよ、有効な性的刺激が与えられてから、一〇秒〜三十秒の間に、膣腔全体に充分にゆきわたる。
 女性が五十代半ばを過ぎると、特に六十歳を越えると、与えられている性的刺激に心から期待と快感をもってはっきり反応している場合でも、明確な腔粘滑液の産出認められるまでには、一〜三分を要する。

 例外として。膣粘膜は非常に薄く、萎縮しているにもかかわらず、粘滑液は急速に充分に産出され、膣腔全体に拡張し、小陰唇をおおった女性もいる。共通したことは、成人してかずっと週に一〜二度の性行為を欠かさずに行っていた。一般には、膣腔内方2/3の不随意的拡張は、月経閉止後反応の強度と速度において減退していく。

●平坦期
 膣の外方1/3におけるオーガズム帯の形成。すべての女性に年齢を問わず、方法にかかわりなく、有効な性的刺激の効果として起こる、オーガズム帯が形成されると、老衰した膣腔の中心内径は、若い女性の場合と同程度に狭窄する。

 ●オーガズム期
 オーガズム期の性的緊張における特有の生理学的反応は、二十〜三十歳の女性と比べると、オーガズム期の持続時間が減少するが、オーガズムプラットホームの収縮は、若い女性と同じ形式でおこる。収縮回数は若い女性の五〜一〇回反復と異なり、三〜五回反復となる。が例外の女性では、四〜七回みられた。

 ●消退期
 拡張した膣の内方2/3の部分は、急速に虚脱した非刺激状態に復する。
『マスターズ報告』にあるこれらのデータに刮(かつ)目して、死の瞬時まで性的刺激の中に身を置き、自らの女性、性を自らの手で老いの淵に沈めないことが肝要である。

(3) 性的障害をもたらす社会的要因

○1年取った女性は、どのような形の性的活動にも生来関心を持つべきではないと、貝原益軒以来、タブー視されてきた。性的活動に対する価値観で高齢女性を社会的に抑圧してきた。また、女性自身も自縛してきたのではないか。
○2七十歳以上の女性の性的活動は、男性の消耗という要因に影響されている。夫は平均すると、妻より四歳年長。老衰がすすみ、肉体的衰えのために、その機会を失われている。この年頃の女性には夫以外の男性と性的関係をもつことが不可能。

○3人間社会が夫のいない高年女性の社会に傾いている。約一割の女性は一生結婚しない。年をとればとるほど、配偶者は欠損する。
○4長命の享受は、両性平等でない。余生を夫なしで送る女性の生き方としては、宗教、実業界、社会奉仕、あるいは成人していく子や孫たちをうるさく世話したりすることに専念する。このことは、実は根本的な不安定を実証している。
○5正常な性的はけ口を奪われてうっ積したために、承認されない性的緊張を発散させるために、後年女性は意識的、または無意識的努力によってさまざまな活動で、体力を消耗している。

(4) 生殖器官

●膣
 高年女性の膣は、特有の退縮変化を示す。
 女性の卵巣性のステロイド生産分泌が、月経閉止に伴って衰退すると、関係器官、陰唇、膣、子宮、乳房などに変化が起こる。
○1膣壁は萎縮し始める。紙のように薄くなり、ザラザラした襞がなくなり、赤紫色は薄い桃色に変色、透かししてみえるほどになる。
○2長さや幅の縮少、膣の拡張能力も衰える。

 ●外性器
 小陰唇、大陰唇は、女性が年をとるに従って、性的緊張による反応性が変化する。陰核の反応は、月経閉止前の女性について確立されている型で、七十歳まで続くが、小陰唇と大陰唇の反応は、老化過程に固有と思われる衰退的変化を反映する。

(5) 月経閉止時の感情障害

月経閉止を、全生涯における生殖の終焉とみなして、敗北感を持つ。
月経閉止期の感情障害の基本は本来、精神神経症的なもので、過去にかかわったことのある似たような障害を悪化させたもの。幸福感の欠如とか、総体的な肉体的不快感は、性的原因による精神神経症的行動を昂(こ)進させ、再発させる傾向がある。

(6) 女性の精神身体的症状

月経閉止期に最も大きく変動するので、さまざまな緊張が関連する性的衝動が、この年代
の女性の不安定さを反映する。
○1生殖衝動への復帰、もう一度妊娠したいという願望。
○2生殖からの逃避。
 更年期の到来を歓迎するが、月経閉止がはっきり確立されるまで、性的衝動の増加を示さない。
 子どもが多すぎるか、経済的事情が不安定に過ぎて、適切な家族の保護が望めなかったという重荷を負っていた。
○3夫と自分自身の肉体の維持とに関心を向ける。二度目の新婚期を迎えた妊娠恐怖症の軽減により、解放された性衝動の発見は、性的緊張の増進に招く要因の一つとなる。
 妊娠恐怖症者が、夫に関心を示すのは、性関係において、快楽と安心の基盤が反映されたときである。

 ●有痛性交や排尿困難は専門医へ
 これらの徴候は、膣粘膜の顕著な韮(にら)薄化と膣腔全体の不随意的拡張性の減退に起因する。
 五十歳後半の女性では、膣腔と、膣の入り口を粘滑化する自然の能力が減退し、反応を起こすにも時間がかかる。卵巣機能の衰退によるステロイド飢餓に起因する。

 卵巣機能の月経閉止後の生理学的衰退徴候は、適切な内分泌代替療法によって、簡単に改善できるといわれているから、婦人科に受診すればすむ。
 性的能力と効果的な性行為を維持するために必要なことは、規則正しい性的表現の機会をもつこと。
 高年女性にとっては、機会をもつことが、若い女性に比べてはるかに重大。膣や大陰唇が老化していても、週一〜二回の性行為を行っていた高齢女性の性能力は、若い女性に劣らないことを前述した。
 月経閉止後、五〜十年たった女性で、たまにしか(月に一回かそれ以下)性交を行わず、マスターベーションの規則的な習慣も持たない場合には、たまに性交を行うと陰茎を受け入れるのが困難となることはしばしばある。

 ●高年女性の性反応型には
 女性が老化し性ステロイド・レベルが低下すると、オーガズム時の子宮収縮は、しばしば痛みを伴なうようになる。
 痛みの程度はその時、その個人により異なる。疼痛を覚える子宮の引きつりは、オーガズム中やその後に感じられる。
 この苦痛が大きいために、故意にオーガズムに達するのを避けたり、性交さえも避けようとする。この苦痛は、適切なホルモン代替えによって消失するから、産婦人科で治療する道が拓けている。治療によって、性交の機会を持たない同年齢層の女性より性行為に対してはるかに高度な能力を維持する。

 内分泌の飢餓は、女性の性的能力や性行為に間接的影響を及ぼすが、性衝動は老化過程によって影響を受ける。肉体的、社会心理的要因の一つに過ぎない。

 ●尿道および膀胱
 若い女性と同様に、高年女性が強烈なオーガズムに達している時は、尿道口が微かに不随意的に拡張する。
 また、一回目のオーガズムから続けざまに二回、三回目のオーガズムに達した場合が認められた。
 多くの月経閉止後の女性は、性交後二〜三時間以内に、排尿時に灼熱感を訴えるが、性交が長期間に及んだとき特にひどい。
 月経閉止後、年をとるにつれて、膣の内壁は紙のように薄くなり萎縮していく。従って活発な性交の機械的な刺激を吸収すると、下層構造の尿道や膀胱を保護することができない。
 粘膜液が充分産出されない場合には、陰茎の前進運動によって、尿道と膀胱にその刺激を受ける頻度はさらに増す。
 そのために、性交後間もなく尿意を覚え、何度も排尿する女性、長期間にわたる性交のあと、二〜三日の間は灼熱感や尿意頻数を訴える人がある。

 人によっては、特に激しい性交のあと、無意識に尿を漏らしてしまう人もある。
 現在良質な失禁パットが販売されているので、失禁の心配を軽減する。日常的に失禁予防体操を行い、骨盤底筋群をきたえておくこと。

(7) 月経閉止後の性衝動

 生殖可能な期間につくられた性的慣習に直接関係ある。生殖可能な期間につくられた性的慣習に直接関係がある。
○1幸福な、よく調節された、刺激的な結婚生活を送った女性は、月経閉止期や閉止後も、性的活動の頻度や、それに対する関心が中断されることは全くない。
○2社会的、経済的な安定も、年を取ってからの性の調整を成功させる大きな要因。
 生殖可能期間に不感症に悩まされたり、調和のとれた反応で性交をしなかったり、性心理的に満足できる性交を持たなかったことに悩むなら、月経閉止の到来にあたって、性衝動を減退させ、どんな形の性的行為をも、嫌悪するようになり、不充分な性行為に対する個人的な悩みや、解消されない性的緊張からくる欲求不満から逃れるために、月経閉止以降は、「年をとっているから」と言い訳をする。筆者に相談に来る妻からセックスを拒否されている夫達は過去の結婚生活はどうだったのだろうか。長寿をお互いが「めでたい」と実感するためには、妻とよく話し合って夫婦しての達成未完の問題にトライしてほしい。

(8) 女性のマスターベーション

 マスターベーションは、後年の女性にとって別に重大な問題ではない。
 性的緊張を発散させるために、二十歳代、三十歳代を通じてマスターベーションを行ってきた未婚の女性は、四十代〜六十代にかけて。再びこの習慣を続けるようになる。
 異性との性交が制限されたり、全くできなくなったりすると、未亡人や離婚した女性は、性的緊張が我慢できないほど高まった場合、十代、二十代の頃にもっていたマスターベーションの習慣に再び戻る。

 月経閉止後の性交や、マスターベーションの頻度は、女性が健康で活動的でかつ社会的によく順応した一員である限り、別に重大な事ではない。
 月経閉止という、女性の生涯における一里程標のために、性的能力、性的行為、性的衝動が減退すべき理由はない。
 健康な高年女性は、発散を必要とする性的衝動をもっている。女性の性的機能の深さ、性的能力の効果は、女性の性的興奮とともに、女性の老化過程におけるあらゆる精神的生理学、社会的生理学諸問題によって、間接的に影響を受けるものである。
 女性のセックスは年齢により制限を受けることはない。
 高年女性も、マスターズの調査報告ら刮目して、あらゆる方法を使って女性の性障害をクリアする。そして年齢を越えたミズミズしさを保つ方法を各人が発見して、惜しむことなく努力する。女性はいつまでも社会の花。これから迎える超長寿社会に女性が花となって付加価値をつけてエイジレス(年を感じさせない)社会を作ろうではないか。

つづくY最後のセックスのすすめ